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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X0104
管理番号 1381724 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2022-02-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2019-09-25 
確定日 2022-01-07 
事件の表示 上記当事者間の登録第4025664号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4025664号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成2年2月21日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年7月11日に設定登録され、その後、同20年2月27日に、その指定商品を第1類「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤(化学品に属するもの。),化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」及び第4類「固形潤滑剤」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和元年10月4日である。
なお、本件審判において商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成28年(2016年)10月4日ないし令和元年(2019年)10月3日である(以下「要証期間」という場合がある。)。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第1類「化学品」及び第4類「固形潤滑剤」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第1類「化学品」及び第4類「固形潤滑剤」(以下「取消請求商品」という場合がある。)について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
2 弁駁の理由
(1)本件使用商品は、本件審判請求に係る指定商品に含まれない。
ア 被請求人の主張について
被請求人は、乙第3号証及び乙第4号証に示される、「被請求人の取扱い商品である『パワーマックス』」と称される商品(以下「本件使用商品1」という。)と、乙第5号証に示される「商品『アルミスペシャル』」(以下「本件使用商品2」という。なお、「本件使用商品1」と「本件使用商品2」とをまとめていうときは「本件使用商品」という。)が、「『化学品』に属する商品である」と主張する。
しかしながら、本件使用商品がいかなる内容(原材料、用途、使用方法等)の商品であるかの説明がなく、さらに、当該商品が、いかなる理由をもって「化学品」の範ちゅうに属する商品であるかの根拠についての説明が一切ないことから、本件使用商品が、審判請求に係る指定商品「化学品」と同一の商品であるとは、認められない。
イ 本件使用商品1について
(ア)請求人において、被請求人より提出された証拠(乙3、乙4)をもとに、本件使用商品1の内容について検討する。
まず、乙第3号証において、商品の「特長」(※実際には、「使用方法」を示すと思われる。)として、「エンジンオイル添加剤。パワーアップ、燃費の節約、オーバーヒート防止、オイルの劣化防止、エンジンの静寂性の向上。ガソリン、ディーゼルオイル兼用。ターボエンジンに最適、ロータリーエンジンにも使用できます。」との記載、及び、その「用途」(※実際には、「使用方法」を示すと思われる。)として「オイル交換時(オイルエレメント交換後)小型車(3〜5l)に250ml、大型車(12〜20l車)に1l。添加量は5〜10%を目安にして下さい。」との記載がある。
そして、本件使用商品を収納した「プルトップ缶」を手にして、エンジンのオイル注入口に本件使用商品1を流し込んでいる様子を示す写真が掲載されている。
また、乙第4号証において、「リキモリPower Max をエンジンに注入すると、強力な潤滑性能を持つ『二硫化モリブデン』が、エンジン各部の摩擦面に強固な皮膜をつくり、この皮膜が高温と極圧下のエンジンにすぐれた潤滑作用を発揮します」との見出しのもと、「効果」として、「パワーアップ、オーバーヒート防止、燃費の節約、オイルのロングライフ、静かなエンジン、愛車の長持ち」、「第四類、第四石油類・火気厳禁」の記載があり、「使用法」として「オイル交換のとき、エンジンオイルに注入してください。オイル注入口より流し込むだけで自然に混ざります。同時にオイルエレメントを交換していただくとより効果的です。」の記載がある。
さらに、使用上の注意としても、目に入った場合、皮膚に付着した場合の対処方法、保護手袋使用の励行、保管上の注意点などが詳細に記載されている。
そうすると、上記のとおり、本件使用商品1は「エンジンオイル用添加剤」であって、エンジンの摩耗保護性を向上し、よって、エンジン出力の向上、エンジンのオーバーヒート防止、エンジンオイルの劣化防止、エンジン音の低下等を目的として、当該商品をオイル注入口から注入されるものである。
このような商品は、一般に、自動車用品店又は商社、卸問屋等を通じて、自家用自動車を保有する個人又は自動車整備を行う事業者等によって、自動車部品の潤滑性能向上等を目的として、「完成品」として購入されるものであり、自動車のエンジンオイルの交換の際等に、エンジンオイル口から、追加的に注入して使用される商品であると考えられる。
(イ)「エンジンオイル用添加剤」が属する区分について
ここで、独立行政法人工業所有権情報・研修館が提供する特許情報プラットフォームにおける「商品・役務名検索」によれば、「エンジンオイル用添加剤」は、「(第1類)エンジンオイル用添加剤(化学品に属するものに限る。)」(類似群コード01A01)という、「化学品」(類似群コード01A01)に類する商品と、「エンジンオイル用添加剤(化学品を除く。)」(類似群コード05B01)という、「エンジンオイル」(類似群コード05B01)に類する商品の2種類が存在する(甲3)。
したがって、本件使用商品がこれらのいずれに属するものであるかが問題となるが、第1類に属する「エンジンオイルの添加剤」であるか、第4類に属する「エンジンオイル用添加剤」であるかの区別は、主として「化学品」に属するか、属しないかの違いによってされていることがわかる。
(ウ)第1類「エンジンオイル用添加剤(化学品に属するものに限る。)」と第4類「エンジンオイル用添加剤(化学品を除く。)」の区別における、かっこ書き(「化学品に属する」「化学品を除く」)の解釈基準について
本件商標が書換登録申請された平成19年(2007年)7月6日において適用される商品・サービス国際分類表[第9版]によれば、第1類の類見出しには、「工業用、科学用、写真用、農業用、園芸用及び林業用の化学品、未加工人造樹脂、未加工プラスチック」と記載され、第1類の注釈には、「第1類には、主として工業用、科学用及び農業用の化学品(他の類に属する商品の製造用に用いられるものを含む。)を含む。」と記載されている。
このような記載からすると、「化学品」とは、主として工業用、科学用及び農業用の化学品であって、他の類に属する商品の製造用(製造工程)に用いられるものということができる。
そして、「エンジンオイル」が第4類に属し、「他の類に属する商品」であることから、第1類の「エンジンオイル用添加剤(化学品に属するものに限る。)」とは、「エンジンオイル」の製造用(製造工程で用いられるもの)に用いられる商品であると考えられる。
これらを踏まえると、当該商品が第1類に属する「エンジンオイルの添加剤」であるか、第4類に属する「エンジンオイル用添加剤」であるかの区別は、それが、「他の類の商品」である「エンジンオイル」の製造工程に用いられる商品であるかそうでないかにより判断されるとみられるものである。
(エ)取引界に流通する「エンジンオイルの添加剤」の種類について
一般に「エンジンオイルの添加剤」とは、自動車のエンジン内においては、エンジン内の駆動部分の潤滑のために、通常、エンジンオイルが使用されているところ、エンジンオイルが元来有している耐摩耗性能等をさらに向上させ、エンジンオイルのみを使用した場合に比べて、エンジンの出力向上、燃料消費の低減、エンジンのオーバーヒートの防止、オイルの劣化防止、エンジンの静寂性の向上、ひいては、エンジンの寿命を長くすることを目的として、自動車等を使用する一般消費者が、エンジンオイルをエンジン内に注入した後に、補助的に注入して使用される。
他方、「エンジンオイル用添加剤」には、エンジンオイルの原材料の一つとして、エンジンオイルの製造を行う事業者に向けて販売されるものも存在する。
すなわち、エンジンオイルは、通常、オイルを作るための製法によって「化学合成油」、「部分合成油」、「鉱物油」に分類されるが、このような「ベースオイル」に、製造工程において、「添加剤」がプラスされて、最終製品である「エンジンオイル」となる(「ベースオイル」+「添加剤」=「エンジンオイル」)(甲4)。
このようなエンジンオイルの製造工程で用いられる「(エンジンオイル用)添加剤」は、化学剤・化学品の製造を行う事業者によって製造され、エンジンオイルの原材料の一つとして同商品の製造を行う事業者に向けて販売されるものである。
上記で述べた判断基準に照らせば、前者が第4類の「エンジンオイル用添加剤(化学品を除く。)」であり、後者が第1類の「エンジンオイル用添加剤(化学品に属するものに限る。)」と容易に理解することができる。
(オ)上記判断基準の本件使用商品1へのあてはめ
この点、本件使用商品1「エンジンオイルの添加剤」は、乙第4号証における本件商品の使用方法から明らかなとおり、エンジンオイルが元来持つ耐摩耗性能をさらに向上させ、エンジンオイルのみを使用した場合に比べて、エンジンの出力向上、燃料消費の低減、エンジンのオーバーヒートの防止、オイルの劣化防止、エンジンの静寂性の向上、ひいては、エンジンの寿命を長くするために、エンジンオイルをエンジン内に注入した後に、補助的に注入するために用いられる商品である。
そして、本件使用商品1は、使用方法として「オイル交換のとき、エンジンオイルに注入」し、「オイル注入口より流し込む」とあること、使用上の注意としても、目に入った場合、皮膚に付着した場合の対処方法、保護手袋使用の励行、保管上の注意点(乙4)などが記載されていることを踏まえると、自家用自動車を保有する個人又は自動車整備を行う事業者等によって、自動車部品の潤滑性能向上等を目的として、「完成品」として購入され、自動車のエンジンオイルの交換等の際に、エンジンオイルとともに追加的に注入することによって使用される商品ということができるものである。
これが、他の類の製品(エンジンオイル)の製造工程に用いられるものではないことは明らかである。
したがって、本件使用商品1は、第1類に属する「エンジンオイル用添加剤(化学品に属するもの。)」ではない。
なお、上記詳述したところに照らせば、本件使用商品1が取消請求商品に含まれる商品でないことは明らかである。
むしろ、本件使用商品1は、自家用自動車を保有する個人又は自動車整備を行う事業者等によって、自動車部品の潤滑性能向上等を目的として、「完成品」として購入され、自動車のエンジンオイル交換等の際に、エンジンオイルに、追加的に注入することによって使用される商品であって、本件使用商品1自体、完成品(最終製品)として販売されている事実からすれば、本件使用商品1は、第4類に属する「エンジンオイル用添加剤(化学品を除く。)」の範ちゅうに属する商品であるとみるのが自然である。
そうすると、本件使用商品1は、取消請求商品に含まれないことは明らかである。
ウ 本件使用商品2について
請求人において、被請求人より提出された証拠(乙5)をもとに、本件使用商品2の内容について検討する。
乙第5号証において、商品の説明として、「アルミを中心とした金属粉末を鉱油に配合した、極めて耐熱性(1200℃)に優れた焼付き防止剤です」との記載、及び、「主用途」として「タービンケーシング、電気炉などのボルト、ナット、ワッシャーのかじり、固渋、焼付き防止。」との記載がある。
上記の記載によれば、「焼付き防止剤」なる商品は、「アルミを中心とした金属粉末を配合した鉱油」であると理解できる。
そこで、特許庁の「類似商品・役務審査基準」によれば、「焼付き防止剤」又はこれに類する商品の表示は存在しないが、その主成分と目される「鉱油」に関しては、第4類に「工業用油」(Mineral oils and greases for indutrial purposes[not for fuel]:工業用の鉱物油及びグリース(燃料用のものを除く。))の表示がある。
そして、独立行政法人工業所有権情報・研修館が提供する特許情報プラットフォームにおける「商品・役務名検索」によれば、第4類「工業用鉱物性油」(類似群コード05B01)、第4類「鉱物潤滑油」(類似群コード05B01)などの記載が見られる。
さらに、「焼付き防止剤」が、仮に、アルミを中心とした金属粉末を鉱油に配合する際に何らかの化学物質も配合されるものであるとしても、被請求人が当該「焼付き防止剤」を「完成品」として販売している点を、上記で述べた、「化学品」の解釈、すなわち、化学品とは、主として工業用、科学用及び農業用の化学品であって、他の類に属する商品の製造用(製造工程)に用いられるものということからすれば、「焼付き防止剤」は、工業用、科学用及び農業用の化学品ではなく、他の類に属する商品の製造用(製造工程)に用いられるものでもないことから、第1類の「化学品」に属する商品ではないとみるのが相当である。
してみると、本件使用商品2は、第4類に属する「工業用油」、「工業用鉱物性油」、又は「鉱物潤滑油」であるか、これに類する商品であると考えられるが、少なくとも、第1類の「化学品」に属する商品ではない。
エ まとめ
したがって、被請求人が本件商標を使用していると主張する本件使用商品は、本件審判請求に係る指定商品とは同一の商品ではない。
よって、被請求人によるその余の主張・証拠を検討するまでもなく、本件商標が審判請求登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件請求に係る指定商品について本件商標の使用を証明するに足るものではない。
(2)名目的な使用にすぎない。
被請求人は、売上実績表と称する書類(乙6、乙7)等を提出し、2018年10月から2019年3月までの売上実績を示すとしており、この期間において実際に商品の販売の実績があることが認められると主張する。そして、詳細な金額・数量については、公開されることを望まないため、一部について黒塗りとしているとのことである。
しかしながら、仮に、本件使用商品が実際に販売されたことが事実であるとしても、乙第6号証において示された、本件使用商品1の半年間の購入者は2名(乙第5号証における「営業所在庫」は他人に販売されたものではないと推測される)、かつ、総販売数は計4点(営業所在庫分を除く)であり、乙第7号証において示された、本件使用商品2の、半年間の購入者として記載されているのも2名、かつ、総販売数は計3点である。これは一般の取引者の取引概念に照らせば、極めて少数であって、反復継続性にも欠くといわざるを得ない。
よって、本件商標が審判請求登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件請求に係る指定商品について本件商標の使用を証明するに足るものではない。
なお、被請求人は本件商標を使用していないことについて正当な理由があることは何ら主張立証していない。
(3)結語
以上のとおり、被請求人が提出した乙第1号証ないし乙第10号証は、それ自体、本件審判請求の登録前3年以内に本件商標が日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者によって本件審判請求に係る指定商品について使用された事実を立証するものではない。
そして、被請求人は本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを何ら主張立証していない。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定によって、本件請求に係る指定商品についてその登録を取り消すべきである。

第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を答弁書及び上申書において要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第20号証(枝番号を含む。以下、枝番号を含む号証で枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。)を提出した。
1 令和元年11月26日付け答弁書
(1)本件商標を使用している商品
本件商標の商標権者は、本件商標を指定商品「化学品」に使用している。
(2)使用態様について
乙第3号証ないし乙第5号証には、本件商標と同一の商標又は社会通念上同一と認められる商標が表示されている。
まず、乙第3号証には、被請求人の取扱商品である「パワーマックス」が掲載されている。「パワーマックス」は「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤」であって、「化学品」に属する商品である。
乙第3号証には、商品「パワーマックス」が掲載されており、商品写真に、欧文字「LIQUI−MOLY」と片仮名「リキモリ」の二段書きからなる、本件商標が付されている。当該商標は白色で表されており、厳密に見れば、多少の字体の違いはあるものの、少なくとも社会通念上同一の商標の使用であることが明らかである。
なお、乙第3号証の商品の記載はやや小さいため、商品を入れる容器に付するラベルの版下を念のため乙第4号証として提出する。
乙第5号証は、出願人ウェブサイトの製品紹介のページを出力したものであり、当該ページには、商品「アルミスペシャル」が掲載されている。「アルミスペシャル」は「焼付防止剤」であって「化学品」に属する商品である。
乙第5号証には、その左上部分に欧文字「LIQUI−MOLY」を楕円で囲んだ商標が付されており、その付された位置からすれば、掲載されている商品全般についての目印として使用されているといって差し支えはなく、当該カタログに掲載されている商品「アルミスペシャル」についての使用であるといえる。
また、本願商標が欧文字「LIQUI−MOLY」と、その読みである片仮名「リキモリ」を二段に横書きしたものであることからすれば、本願商標と社会通念上同一の範囲での使用であるといえる。
このように、商品及びその商品が掲載されたカタログ等に、商標を付す行為は、少なくとも商標法第2条第3項第1号、同項第2号及び同項第8号の使用に該当する行為であるといえる。
(3)本件商標の使用者
本件商標は、商標権者である被請求人がその商品を製造及び販売するに際して使用をしている。
(4)商標の使用の事実及び期間等
本件商標を使用した商品の製造販売は、現在に至るまで継続して行われている。
乙第6号証ないし乙第8号証については、本件商標が使用されている前記商品、すなわち「パワーマックス」及び「アルミスペシャル」が、要証期間に実際に販売されている事実が以下のとおり示されている。
まず、乙第6号証は、商品「パワーマックス」の容量1Lの売上実績表、乙第7号証は、商品「アルミスペシャル」の売上実績表である。
これらは、業務管理ソフトウェアからエクセル形式で出力したものであって、2018年10月から2019年3月までの各商品の売上の実績を示すものである。上記期間は、要証期間に含まれるものであって、この期間において実際に商品の販売の実績があることが認められる。なお、その詳細な金額、数量については、公開されることを望まないため、一部について黒塗りとしている。
これら売上実績表が真正なものであることを示すために、念のため乙第8号証として、パソコン上で業務管理ソフトを起動してから売上実績表を出力するまでの流れを撮影した写真の写しを提出する。全体の流れとしてはパソコン上で「SMILE」を起動し、「ユーザーID」と「パスワード」を入力する(乙8の1)。「業務メニュー」を選択し(乙8の2)、「販売」→「月次業務」→「売上管理帳票」と進み(乙8の3)、「商品別得意先別売上実績表」において、「集計期間」や「対象商品」を選択する(乙8の4・5)と、その商品に応じた売上実績が表示される(乙8の6)。上記フローは「パワーマックス」の250mlの商品を例としてあげたものであるが、対象商品を「パワーマックス」の1Lの商品として、結果を出力し印刷したものが乙第6号証及び乙第7号証となっている。
また、乙第3号証のカタログは、裏表紙右下に「17−6.○○○(T)」の表示がなされており、これは要証期間である2017年に発行されたカタログであることを示している。この点、当該カタログが2017年に実際に製作されたことを示す証拠として、さらに、カタログ製作を依頼した会社からの費用の請求書の写しを提出する(乙9)。請求書には、品名として「リキモリカタログVOL.11」との記載がなされているが、これは、乙第3号証のカタログ表紙右上の記載と一致しており、かつ、その伝票日付も平成29年6月30日となっているため、要証期間に実際にカタログが製作されていることを把握することができる。
乙第10号証は、過去のWEBページを閲覧できるツール「WAYBACK MACHINE」を利用して、出願人ウェブサイトの過去の状態、すなわち、要証期間である2016年11月11日時点の乙第5号証の状態を表示させたものを出力したものであり、その当時において、前記に説明したような商品「アルミスペシャル」が、取扱商品として掲載されていたことが確認できる。
今回提出する各証拠からすれば、「化学品」に属する商品の販売に際して本件商標が使用されており、かつ、その商品が要証期間において実際に販売されているということが明らかである。
以上より、商標権者である被請求人が、要証期間に、本件商標を、請求に係る指定商品「化学品」について使用している事実は明らかである。
2 令和2年9月2日付け答弁書
(1)本件使用商品が本件審判請求に係る指定商品「化学品」に含まれる理由
ア 請求人の主張について
請求人の主張は、本件使用商品は、いずれも本件審判請求に係る指定商品第1類「化学品」に含まれない旨主張している。
その多岐にわたる主張を総合すれば、「パワーマックス」については、いわゆる「エンジンオイル添加剤」には、第1類「エンジンオイルの添加剤(化学品に属するものに限る。)」と、第4類「エンジンオイル用添加剤(化学品を除く。)の2種類が存在し、「化学品」とは、主として工業用、化学用及び農業用の化学品であって、他の類に属する商品の製造用(製造工程)に用いられるものである。よって、本件使用商品は、「化学品に属さない」ため、第1類の指定商品には該当しないというものである。
次に、「アルミスペシャル」については、当該商品が「アルミを中心とした金属粉末を配合した鉱油」であり、工業用、科学用及び農業用の化学品ではなく、他の類に属する商品の製造用(製造工程)に用いられるものでもないことから、第1類の「化学品」に属する商品ではない。また、本件使用商品2「アルミスペシャル」は、第4類に属する「工業用油」、「工業用鉱物性油」、又は「鉱物潤滑油」であるか、これに類する商品であると考えられるが、少なくとも、第1類の「化学品」に属する商品ではないというものである。
しかしながら、上記主張は、本件商標の指定商品の意味するところを正しく理解してなされたものとはいえない。以下、本件商標の指定商品の正しい解釈をふまえて判断した場合、本件使用商品が、第1類の指定商品に含まれることについて意見を述べる。
イ 出願時の商品区分を前提にすれば請求人の主張が誤りである。
(ア)指定商品の解釈の一般論
a 商標登録出願は、商標の使用をする商品又は役務を、商標法施行令で定める商品及び役務の区分に従って指定してしなければならないとされており(商標法第6条第1項及び第2項)、商標法施行令は、同区分を、「千九百六十七年七月十四日にストックホルムで及び千九百七十七年五月十三日にジュネーヴで改正され並びに千九百七十九年十月二日に修正された標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関する千九百五十七年六月十五日のニース協定」(以下「ニース協定」という。)の第1条に規定する国際分類(以下「国際分類」という。)に即して定めるとともに、各区分に、その属する商品又は役務の内容を理解するための目安となる名称を付し(商標法施行令第2条、同施行令別表)、商標法施行規則は、上記各区分に属する商品又は役務を、ニース国際分類に即し、かつ、各区分内において更に細分類をして定めている(商標法施行令第1条、商標法施行規則第6条、同施行規則別表)。また、特許庁は、商標登録出願の審査などに当たり商品又は役務の類否を検討する際の基準としてまとめている類似商品・役務審査基準において、互いに類似する商品又は役務を同一の類似群に属するものとして定めている。
そうすると、商標法施行規則別表において定められた商品又は役務の意義は、商標法施行令別表の区分に付された名称、商標法施行規則別表において当該区分に属するものとされた商品又は役務の内容や性質、国際分類を構成する類別表注釈において示された商品又は役務についての説明、類似商品・役務審査基準における類似群の同一性などを参酌して解釈するのが相当である(最判平成23年12月20日民事判例集65巻9号3568頁)。
b 上記の規範に基づく判断を行う場合、判断時ではなく、問題となっている商標登録出願時の商標法施行規則別表が参照される(前記平成23年最判)。
c また、出願人が出願において使用した用語は、別異の意義に解する特段の事情の存しない限り、上記規範によって導き出される意義と同じ意義に理解すべきである(知財高判平成20年6月24日(平成19年(行ケ)第10394号。判例秘書判例番号L06320216)。
(イ)指定商品の解釈は出願当時の指定商品の記載を基準になされるべきであること
a 前掲最判平成23年12月20日民集65巻9号3568頁は、問題となった商標の登録出願時に施行されていた商標法施行令及び商標法施行規則の記載を参酌して、指定役務の意義を解釈したものである。
b 同判例の事案は、第35類「商品の販売に関する情報の提供」に、消費者に対し商品を紹介するサービスが含まれるか否かが争点となったものであるところ、問題となった商標の出願・登録後に、国際分類の類別表注釈の改訂、商標法・商標法施行令別表第35類・商標法施行規則別表第35類の改正によって「接客、カタログを通じた商品選択の便宜を図ることなど商品の最終需要者である消費者に対して便益を提供する役務が商標の使用対象となる役務として認められるようになったなどの経緯」があったにもかかわらず、「本件商標登録の出願時には、上記の法令の改正はいまだ行われていなかったのであって、上記の経緯を考慮しても、本件商標登録の出願時に、消費者に対して便益を提供する役務が、上記の法令の改正等がされる以前から定められている省令別表第35類3の『商品の販売に関する情報の提供』に含まれていたものと解する余地はないというべきである。」と判断した。
c このように、登録商標における指定商品・役務の範囲は、当該商標の出願時を基準に、すなわち本件商標については旧分類(日本分類)を基準に判断されるべきものである。
(ウ)本件商標の出願の経緯について
a 本件商標は、平成2年2月21日に商標登録出願がなされ、同9年7月11日に設定登録されたものである。平成2年2月21日に被請求人が申請した指定商品の商品区分は旧分類(日本分類)に基づくものであった。また、その出願において、被請求人は指定商品を「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤」と積極表示し、第1類の商品として出願を行ったが、当時の審査において、商品の属する区分が異なる等の理由で拒絶はなされていない。
b その後、平成19年7月に被請求人は書換登録の申請を行い、特許庁の出していたガイドライン(乙11)に従って、第1類「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤(化学品に属するもの。),化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」、第4類「固形潤滑剤」に書換えを行った。この際にも、商品区分が異なる等の理由で拒絶はなされていない。
(エ)旧分類における化学品の意義
a 旧分類における本件商標の指定商品は、前記のとおり第1類「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤、その他本類に属する商品」であった。
b 出願当時(平成2年2月)の商標法施行令別表第1類の名称は、「化学品(他の類に属するものを除く。)薬剤 医療補助品」とされていた。
c 当時の商品区分は、商標法(昭和34年法律第127号。以下「昭和34年法」という。)の下で昭和35年4月1日より施行された34分類であったところ(乙12)、化学品から「他の類に属するもの」は除かれているが、この記載が他の類に属する商品の製造工程に用いられるものに限定する趣旨でないことは明らかである。
d したがって、旧分類における第1類については、請求人が主張するように「化学品」を「他の類に属する商品の製造工程に用いられるもの」に限定する解釈の根拠が存在しない。
(オ)出願当時を基準とする本件商標の指定商品の解釈
a 前記のとおり、出願当時、本件商標の指定商品は「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤、その他本類に属する商品」であった。
そして、旧分類における第1類以外の商品区分に、「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤」が含まれるものはなかった。なお、請求人は、特許情報プラットフォームにおける「商品・役務検索」の検索結果として、「(第1類)エンジンオイル用添加剤(化学品に属するものに限る。)」「エンジンオイル用添加剤(化学品を除く。)」(第4類)の2種類が存在すると述べているが、これはあくまで現時点において、そのような商品の採択例があるという点を示すものにすぎず、本件商標の出願時にそのような判断がなされていたことを推認させるものではない。
b したがって、本件商標の出願当時における本件商標の指定商品「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤、その他本類に属する商品」は他の類に属する商品の製造工程に用いられるものに限定されていなかった。
c 平成19年の書換は、特許庁が出していた書換ガイドライン(乙11)及び特許庁の手続補正指示(乙13の2)に従って行われた。
d 当該ガイドライン(乙11)には、昭和34年法の下における第1類の「化学品」についての記載がある。
e また、当該ガイドラインにおいて、昭和34年法の下における「化学剤」については、次の記載があった。
「5.化学剤
1 化学剤 01A01
2 媒染剤,木材保存剤 01A01
3 さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用漂白剤 01A01
4 固形潤滑剤 01A01
30 アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤 01A01」
f 被請求人はかかるガイドライン(乙11)の記載を踏まえ、書換前の本件商標の指定商品のうち「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤、その他本類に属する商品」を第1類の「化学品,二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」、第4類「固形潤滑剤」に書き換える申請を行った(乙13の1)。
これに対し、特許庁から「第1類に属する商品の表示としては『二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤(化学品に属するもの。)』のような商品表示が適切」である旨の手続補正指示を受け、指定商品を「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤(化学品に属するもの。)」と補正したものである(乙13の3)。
g このように、被請求人は「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤」についてその全てが、新分類の第1類に属するものと整理して書換申請を行ったものである。
すなわち、書換にあたって、被請求人には「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤」との指定商品に限定を加え、権利の範囲に変更を加える意図は全くなかった。
h したがって、本件商標の指定商品の意義の解釈にあたっては、被請求人による本件商標出願当時の基準を用いて判断されるべきである。
これによれば、本件商標の指定商品について、その出願当時の分類において存在しなかった、被告(審決注:「請求人」の誤記と認める。)の主張する「他の類に属する商品を製造するために用いられるもの」との限定は適用されないというべきであり、「化学品」の意義の項で口述するように、「化学」すなわち、「諸物質の構造・性質並びにこれら物質相互間の反応を研究する一部門」(乙14)が利用された商品を指すと解すべきである。
i 「パワーマックス」は、「主剤である二硫化モリブデンの物性を利用し潤滑効果を高める商品」であり、「アルミスペシャル」は、「アルミの熱伝導率が高いという物性を利用して焼付きを防止する効果を有する商品」であって、いずれも「化学品」に属するものであるといえ、かつ、出願当時の基準に沿って考えた場合に、他の区分においてこれに相当する商品は記載されていなかったのであるから、いずれも、審判請求対象の商品「化学品」に含まれる商品であるといえる。
したがって、被請求人は、本件商標を審判の請求対対象となっている指定商品内の、少なくとも「化学品」について、本件商標を使用している。
ウ 書換時の商品区分を前提にしても請求人の主張は誤りである。
(ア)本件商標の書換登録申請当時の関連法令等の定め
a 本件商標について、指定商品の書換登録申請がなされた平成19年7月6日当時、商標法施行令別表の第一類は「工業用、科学用又は農業用の化学品」とされていた。
b 同じく平成19年7月6日当時、商標法施行令別表の第四類は「工業用油、工業用油脂、燃料及び光剤」とされていた。
c 同じく平成19年7月6日当時、商標法施行規則別表には、次のような記載があった。
「一化学品
(二十六) 界面活性剤
起泡剤 吸着剤 仕上げ助剤 湿潤剤 柔軟剤(洗濯用のものを除く。)消泡剤 織布助剤 浸透剤 精練助剤 染色助剤 帯電防止剤(家庭用のものを除く。) 脱脂剤(家庭用のものを除く。) 脱色剤 乳化剤 はっ水剤 分散剤 紡績助剤 離型剤
(二十七) 化学剤
亜鉛めっき用剤 イオン交換樹脂 イオン交換樹脂膜 化学用試剤 かす除去剤 可塑剤 加炭剤 壁紙剥離剤 加硫促進剤 還元剤 金属溶接剤 金属溶接助剤 空気連行剤 鋼鉄焼き入れ剤 ゴム用処理剤 酸化剤 消火剤 触媒剤 食物保存剤 清缶剤 セメント急結剤 セメント混合剤 耐火剤 耐水剤 タイヤのパンク防止剤 鍛鋼剤 鋳造剤 中和剤 つや消し剤 展着剤 電池用硫化防止剤 土壌安定剤 軟化剤 燃料節約剤 剥離剤 発熱剤 発熱用コムパウンド はんだ付け用ペースト 皮革処理剤 被服のひだ付け用剤 漂白剤(洗濯用のものを除く。) 不凍剤 防かび剤 防湿剤 防縮剤 防しわ剤 防水剤 保温剤 焼き戻し剤 溶剤 冷凍剤 老化防止剤 ろ過清澄剤」
d ニース国際分類の第1類の区分見出しには、「Chemicals used in industry、science and photography、as well as in agriculture、horticulture and forestry; unprocessed artificial resins、unprocessed plastics; manures; fire extinguishing compositions; tempering and soldering preparations; chemical substances for preserving foodstuffs; tanning substances; adhesives used in industry」(訳:産業、科学及び写真並びに農業、園芸及び林業に用いられる化学品;未処理の樹脂、未処理のプラスチック;肥料;消火剤;はんだ付用ペースト;食品保存のための化学物質;革なめし剤;産業用の接着剤)との記載があり、説明文(Explanatory Note)には、「Class 1 includes mainly chemical products used in industry、science and agriculture、including those which go to the making of products belonging to other classes.」(訳:クラス1には、主として、産業、科学及び農業において用いられる商品を含む。ここには、他のクラスに属する商品の製造に用いられるものが含まれる)との記載がある。
(イ)平成19年7月当時の商標法施行令等下での指定商品の意義
a 施行規則別表第1類1の「化学品」には一般消費者向けの最終製品も含まれる
(a)施行令別表第1類は、その名称を「工業用、科学用又は農業用の化学品」としている。
(b)施行規則別表第1類の1の商品は、「化学品」とされている。施行規則別表第1類には、他に、2 植物成長調整剤類、3 のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)、4 高級脂肪酸、5 非鉄金属、6 非金属鉱物、7 原料プラスチック、8 パルプ、9 工業用粉類、10 肥料、11 写真材料、12 試験紙 人工甘味料 陶磁器用釉薬、13 塗装用パテが挙げられている。
(c)施行規則別表の第1類の1の「化学品」の(二十六)のうち、柔軟剤については「洗濯用のものを除く。」との付記が、帯電防止剤及び脱脂剤については「家庭用のものを除く。」との付記がなされている。
また、同じく(二十七)においても、漂白剤について「(洗濯用のものを除く。)」との付記がなされている。
(d)旧分類の商品分類は、「用途主義、販売店主義の商品分類」であるとされている。
これに対し、国際分類に対応した新商品区分は、基準が主として「機能又は用途主義、材料主義」を強調したものとなっているとされる(乙13)。
(e)このような観点、すなわち「機能又は用途主義、材料主義」の観点から見たときに、柔軟剤や漂白剤について洗濯用のものが除かれているのは、正に用途によって商品区分が変わる例であるといえる。
(f)一方で、施行規則別表第1類1の「化学品」について、上述した商品区分以外の商品については、用途による限定、具体的には他の類に属する商品の製造に用いるものに限る旨の限定は加えられていない。
施行令別表第1類の名称は「工業用、科学用又は農業用の化学品」であり、こちらについても用途による限定、具体的には他の類に属する商品の製造に用いるものに限る旨の限定は加えられていない。
(g)さらに、施行規則別表において第1類に属する商品として挙げられているものを見ると、「一化学品」の(二十六)及び(二十七)の商品群には他の区分に属する商品の製造に用いられないものが含まれている。
(h)施行規則別表第1類の他の商品をみても、肥料や写真材料のように最終製品として利用される商品が挙げられており、これと並べて定められている「化学品」についても同様に最終製品が含まれるというべきである。
(i)以上から、施行規則別表第1類が、化学品について一般的に用途による限定を加えていないのは、特段の事情がない限り、化学品について、他の類に属する商品の製造工程に用いられる商品を製造する場合と、最終製品を製造する場合とで、区分を分けないという判断に基づくもの解すべきである(特段の事情があるのが、上述した、柔軟剤等の類型である。)。
b 「化学品」の意義
(a)前記のとおり「化学品」については、特段の限定がない以上、その意義については、「化学」という用語から推測するしかない。
(b)ここで、「化学」とは、「諸物質の構造・性質並びにこれら物質相互間の反応を研究する自然科学の一部門」をいう(乙14)。
(c)したがって、「化学品」とは、「化学」、すなわち、「諸物質の構造・性質並びにこれら物質相互間の反応を研究する自然科学の一部門」が利用された商品を指すと解すべきである。
c 指定商品「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤(化学品に属するもの。)」と「化学品」の関係と当該語の意義
(a)本件商標の指定商品には、審判請求対象の指定商品である「化学品」の他に、「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤(化学品に属するもの。)」が含まれているが、後者は前者に含まれる商品である。
(b)指定商品に記載されている「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤」とは、潤滑効果を有する「二硫化モリブデン」を主剤とする、潤滑油用の添加剤をいう。
(c)本件商標の指定商品において「化学品に属するもの」との記載があるのは、次のような経緯による。
すなわち、平成19年7月の書換前の本件商標の指定商品が、旧分類(昭和34年法)の第1類「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤、その他本類に属する商品」であったところ、書換においては、国際分類になり分類の基準が変わったため、複数の商品区分に分けて書き換える必要があった。
被請求人は、書換前の本件商標の指定商品「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤」は、新分類第1類の化学品に該当するものと考え、書換に際して、指定商品を「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤」として申請したが、特許庁から「第1類に属する商品の表示としては『二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤(化学品に属するもの。)』のような商品表示が適切」である旨の手続補正指示を受けたため、その意味が変わらないことを当然の前提として、「化学品に属するもの。」との記載を入れたものである(乙13の3)。
(d)以上のとおり、「(化学品に属するもの。)」との記載は、「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤」の用途を限定する趣旨で記載されたものではない。
(ウ)請求人の主張に根拠がないこと
a 国際分類表の解釈について
(a)請求人の主張は、国際分類表の記載から、第1類に属する商品が「他の区分に属する商品の製造に用いるものに限定される」とするものである。
しかし、国際分類の表記は、あくまでも、「製造に用いる商品を含む」ことが記載されているにすぎず、第1類の商品を他の区分に属する商品の製造に用いるものに限定して解釈する根拠とはならない。
(b)以上のとおり、化学品を「他の類に属する商品の製造工程に用いられるもの」に限定する請求人の主張は、本件商標の指定商品における「化学品」の意義を正確に理解するものではない。
b 第4類の記載との関係について
(a)施行令別表第4類の名称は、「工業用油、工業用油脂、燃料及び光剤」である。
(b)施行規則別表第4類に挙げられた商品は、「1 工業用油、2 工業用油脂、3 燃料、4 ろう、5 靴油 固形潤滑剤 保革油 ランプ用灯しん ろうそく」である。具体的な商品の例示にも、「化学品を除く」との記載は含まれていない。
(c)この点、ニース国際分類の第4類には、「non−chemical」(化学品ではない)との記載がある。
しかし、そもそも、国際分類にいかなる法的効果を付与するかは、各加盟国が定めるものであり、とりわけ、商品区分は既に登録された商標(商品及びサービス)の保護の範囲の評価に関して、加盟国を拘束しないものとされているのであるから(ニース協定2条1項)、国際分類は日本において法的効力を有するものではない。あくまでも、解釈の参考資料にすぎない。
(d)上記のとおり、施行規則別表第4類には、そもそも化学品を除く添加剤は含まれていないのであり、したがって、日本法のもとで、第1類と第4類を化学品か否かで分ける解釈はそもそも成り立たないというべきである。
(エ)本件使用商品について
a 上記のとおり、化学品が「他の類に属する商品の製造工程に用いられるものに限定されるとする理解は正確なものではなく、実際には、第1類の「化学品」には最終製品も含まれていることは既に述べたとおりである。
b 本件使用商品「パワーマックス」及び「アルミスペシャル」については、前者が「主剤である二硫化モリブデンの物性を利用し潤滑効果を高める商品」、後者が、「アルミの熱伝導性が高いという物性を利用した焼付きを防止する効果を有する商品」であるから、「諸物質の構造・性質並びにこれら物質相互間の反応を研究する自然科学の一部門」が利用された商品、すなわち「化学品」に属する商品といって差し支えがない。
c なお、請求人は「アルミスペシャル」について、「アルミを中心とした金属粉末を配合した鉱油」であるから、第4類の「工業用油」、「工業用鉱物性油」、又は「鉱物潤滑油」であるか、これに類する商品であると述べている。しかし、「アルミスペシャル」は「鉱油」の作用により、潤滑効果を得ることを主たる目的とするものではなく、アルミの熱伝導率の高さを利用し、金属同士の癒着が起こりやすい部分の熱を逃し、金属同士に焼付き(かじり)が起きるのを防止することを目的とした商品である。この点は、新たに提出する出願人ウェブサイトにも掲載されているアルミスペシャルのリーフレットの写し(乙19)をみても、主としてアルミの作用により焼き付きが防止されることが述べられており、また、「潤滑剤と異なり、滑ることによる空回りがありません」と記載されていること等から、主として「潤滑(潤滑油)」として使用するものではないことを無理なく理解することができる。
したがって、「アルミを中心とした金属粉末が鉱油に入っている商品」であるから、第4類「工業用油」、「工業用鉱物性油」、又は「鉱物潤滑油」であるか、これに類する商品であるとする主張は、商品の実際の用途や性質を無視した主張であって認められない。「アルミの熱伝導性が高いという物性を利用し金属同士の焼付きを防止する商品」であるので、「アルミスペシャル」は第1類の「化学品」に属する商品であると解すべきである。
エ まとめ
以上のとおり、被請求人が、本件商標の出願当時に、「化学品」に属する「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤」について、そのように具体的な表示をして出願を行っており、その当時の審査において、商品の区分が異なるなどの理由から拒絶がなされていないこと、また、書換登録申請時にも、指定商品を「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤」と具体的に記載してその申請を行っており、これに対しても、商品区分が異なるとの理由で拒絶査定をしていないこと、当該書換において権利範囲(保護範囲)に変更を加える意図は全く有していなかったことをふまえて考えれば、本件使用商品1「パワーマックス」に相当する「二硫化モリブデンを主剤とする潤滑油用添加剤」は、書換前も書換後も、第1類に属するものであったと解するべきである。
また、本件使用商品2「アルミスペシャル」については、潤滑を主たる目的とするものではなく、焼付きを防止する商品であること、出願当時に「化学品」以外に属するものではなく、かつ、その用途からしても、請求人のいうような第4類の「工業用油」、「工業用鉱物性油」、「鉱物潤滑油」に類する商品と解すべき理由はないことから、第1類の商品と解すべきである。
さらに、そもそも、商標の区分を誤ることは、拒絶の理由にはなっても、登録異議の申し立ての理由や無効理由にはなっていない(商標法第15条第1項第3号、同第43条の2及び同第46条)。商品区分の意義は、出願費用・登録費用等の算定の基礎であるにすぎない、よって、商品区分自体は登録商標の指定商品の解釈に影響を与えるものではなく、指定商品として記載された商品の記載をふまえて解釈されるべきである。
したがって、本件使用商品は、審判請求対象の指定商品に含まれるものであるといえる。
(2)本件商標の使用が「名目的な使用にすぎない」との主張について
請求人は、被請求人の提出した売上実績表について、商品「パワーマックス」は購入者が2名かつ、総販売数が計4点、商品「アルミスペシャル」は購入者が2名かつ、総販売数が計3点であるため、一般の取引者の取引概念に照らせば、極めて少数であって、反復継続性に欠けため、「名目的な使用にすぎない」と述べている。
しかしながら、先の答弁書でも述べているとおり、販売数量及び金額については、いずれも公開されることを望まないため、下一桁を残し、黒塗りとしており、下一桁の合計が販売総数であることを意味するものではなく、その下一桁を加算した数字が全販売数量ではない。
また、請求人は「一般の取引者の取引概念に照らせば、極めて少数」と述べているものの、その根拠は不明である。本件商標の使用商品は主に「卸商」を通じて自動車関連の事業者や販売店に流通するものであること、その性質上使用頻度が高いとはいえず、また、一度に大量に消費させるものでもなく、需要者もある程度限定されるものである事からすれば、それを流通させる卸店がある程度限定され、販売総数量がそれほど多くなくとも何ら不自然とはいえない。
このような点からすれば、本件商標の使用が「名目的な使用にすぎない」とする請求人の主張が失当であることは明らかである。
(3)「不使用について正当な理由は存在しない」との主張について
前記のとおり、被請求人は本件商標を審判の請求対象商品について使用しているので、「不使用について正当な理由は存在しない」との請求人の主張は失当である。
(4)結論
以上述べたとおり、本件商標については、要証期間に、日本国内において、その商標権者が、本件審判請求に係る指定商品「化学品」について本件商標を使用しており、本件審判の取消理由は失当である。
3 令和3年1月29日付け上申書
(1)提出する取引関連書類等の概要について
被請求人と顧客の間における取引の流れは、概ね以下のとおりである。
まず、顧客から製品の注文があると、それがカタログ製品である場合には、その出荷を大阪工場又は協力倉庫会社に指示し、その出荷の報告があると売上処理を行う。それは得意先台帳に反映されるようになる。次に、顧客の請求締日において、得意先台帳のデータをもとにその締日の顧客を対象とする「請求一覧表」が作成されるとともに、その期間の売上明細を記した「請求明細書」が作成され、これが各顧客に送付される。各顧客はその請求明細書が自らの仕入と合致する場合、被請求人に商品の購入代金を支払う。顧客からの入金がありこれが処理されると「得意先台帳」にこれが反映されるというものである。
以下、この流れに従い、被請求人と顧客のいくつかの取引に関する取引書類を示すことで、先に本件商標を使用している商品として提出した「パワーマックス」に係る取引が行われていることを示す。
(2)ディアフィールドソリューションズとの取引にかかる取引関連書類について
今回提出するのは、被請求人の顧客のうち、「ディアフィールドソリューションズ株式会社」との取引に係る取引関連書類である。なお、顧客の名称が比較的長いため、スペース等の関係から、提出する資料のうちの一部はこれを省略した「ディアフィールド」という記載になっている点をあらかじめ補足する。
平成28年(2016年)12月の取引に関する取引関連書類について説明すると、乙第20号証の1は「得意先台帳」であって、同年12月6日に「パワーマックス」の「1L入り」の注文があったことがわかる。なお、商品品番「LM1102」が記載されているが、これは提出済のカタログの写し(乙3)に掲載されている「パワーマックス(1L入り)」の欄に記載されている品番と一致している。乙第20号証の2は12月末締めの顧客各社ごとの売上額が記載された請求一覧表のうちの、当該顧客が記載されている頁の抜粋(以下、単に「請求一覧表」という。)である。乙第20号証の3は各顧客へ送付される12月末締めの「請求明細書」であって、前記「得意先台帳」と同じ商品「パワーマックス」の記載があり、かつ、これが12月の取引分として顧客に請求されていることを把握することができる。乙第20号証の4は被請求人の取引先銀行の発行した「平成29年1月分の当座勘定照会表(抜粋)」であり、当該顧客からの入金額を確認することができる。乙第20号証の5は「顧客からの平成29年1月の入金額が反映された同年1月の取引先台帳」である。
上記の各資料から、本件商標を使用した商品「パワーマックス」の取引が現実に行われていることを確認することができる。
まず、「得意先台帳」及び「請求明細書」には、商品名が明記されており、かつ、その品名とともに記載されている品番についても、既に提出したカタログの写しに記載されている品番と一致している。
また、各書類に記載されているそれぞれの月の売上額及び請求額並びにこれに対する入金額もすべて一致しているのでこの点も念のため確認する。
平成28年12月の取引関連書類(乙20)を見ると、得意先台帳及び請求一覧表(乙20の1・2)に記載されている金額は82,825円(税込)であって、これに基づいて82,825円(税込)の請求がなされていることが請求明細書(乙20の3)から確認できる。これに対し、「平成29年1月分の当座勘定照会表(抜粋)」(乙20の4)で1月の入金金額を確認すると、82,285円(税込)となっており、540円の差異があるが、これは振込金額を被請求人が負担することとなっているためであって、実際には請求金額と入金額は一致している。この点は、入金金額が反映された平成29年1月の得意先台帳(乙20の5)を確認すると、振込額が82,285円と記載されるとともに540円が振込料として記載され、入金額総額が82,825円となっていることから見ても明らかである。
以上のとおり、被請求人の顧客に対する請求の明細等に、「パワーマックス」(1L入り)に係る記載があり、その商品を含む取引に係る請求に対し、顧客から適切に支払いがなされて取引が完了しているということをふまえて考えれば、当該商品が要証期間に実際に取引されていたことに疑義は生じないものと確信する次第である。
(3)まとめ
以上のとおり、これまでに提出した各証拠と、今回提出する「ディアフィールドソリューションズ」との取引関連書類の状況をふまえて考えれば、本件商標が要証期間において、「化学品」について使用され、実際にその商品の取引がなされていることは明らかである。

第4 当審の判断
1 事実認定
(1)被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
ア 乙第5号証は、2019年11月21日に出力された本件商標権者のウェブサイトの「製品紹介・ペースト」のページである。
当該ページの左上部には、青色横長楕円形の内部に白抜きで「LIQUI−MOLY」の文字が表示され、その下に本件商標権者の名称及び住所が記載されている。また、ペースト製品として複数掲載されている商品の中に「LM−901 アルミスペシャル(超高温用)」があり、円柱状の缶に「リキモリ」の文字を付した商品の画像とともに「アルミを主体とした金属粉末を鉱油に配合した、極めて耐熱性(1,200度)に優れた焼付き防止剤です。」の記載、「主用途」として「タービンケーシング、電気などのボルト、ナット、ワッシャーのかじり、固渋、焼付き防止」の記載がある。
イ 乙第10号証は、インターネットアーカイブ(WayBackMachine)のウェブサイトに保存されている本件商標権者のウェブサイトの「製品紹介・ペースト」のページである。
当該ページは、2016年11月11日のものであって、左上部には、青色横長楕円形の内部に白抜きで「LIQUI−MOLY」の文字が表示され、本件商標権者の名称と住所及び商品「LM−901 アルミスペシャル(超高温用)」が掲載されている。当該商品について、商品の画像及び商品の記載内容は乙第5号証と一致する。
ウ 乙第19号証は、被請求人によれば、「アルミスペシャル」のリーフレットの写しである。
当該リーフレットには、中央に大きく「LM−1501 焼付防止剤/アルミスペシャル」と記載され、「熱伝導率が良いアルミ粉使用」、「−60〜1200度までの幅広い耐寒・耐熱性!/オイル分が飛んでも残ったアルミが焼付きを防ぐ」、「潤滑剤と異なり、滑ることによる空回りがありません。」、「カジリや高温による変色防止にも効果的/熱を放出しやすい為、ネジなどの焼けを防止」などの文言とともに、本件商標権者の名称と住所及び略四角形の内部に「LM」と「リキモリ」の文字を二段に横書きした標章が記載されている。
(2)上記(1)によれば、次の事実を認めることができる。
本件商標権者は、2016年(平成28年)11月11日の本件商標権者のウェブサイト(製品紹介のページ)において、青色横長楕円形の内部に白抜きで「LIQUI−MOLY」の文字を配した標章(以下「使用商標」という。)とともに、「リキモリ」の文字を付した「アルミスペシャル」と称する商品「焼付防止剤」(以下「使用商品」という。)を掲載し、広告したといえる。
2 判断
(1)使用商標について
使用商標は、青色横長楕円形の内部に白抜きで「LIQUI−MOLY」の文字を配した標章であるところ、構成中の青色横長楕円形部分は単なる背景図形と認識され、識別力を有する部分は「LIQUI−MOLY」の文字部分にある。
一方、本件商標は「LIQUI−MOLY」と「リキモリ」の文字を二段に書した構成からなり、下段の片仮名は上段の欧文字の表音を示すものといえる。
そうすると、使用商標の文字部分と本件商標とは、片仮名の有無について相違はあるものの、欧文字部分のつづりを共通にすることから、両者の欧文字部分から生じる称呼及び観念において相違はないものといえる。
したがって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用者、使用時期及び使用行為について
使用商標及び使用商品が掲載されたウェブサイトには、本件商標権者の名称及び住所が掲載されていることから、当該ウェブサイトは本件商標権者が運営するものである。
そうすると、使用商標の使用者は本件商標権者といえる。
そして、本件商標権者は、要証期間の平成28年(2016年)11月11日に本件商標権者のウェブサイトにおいて使用商品に関する広告を内容とする情報に使用商標を付して電磁的方法により提供した。
(3)使用商品について
使用商品は、本件商標権者のウェブサイト(乙10)及びリーフレット(乙19)によれば、「焼付防止剤」であって、「潤滑剤」とは異なる「アルミを主体とした金属粉末を鉱油に配合した焼付防止剤」であり、「タービンケーシング、電気などのボルト、ナット、ワッシャー」の「かじり、固渋、焼付きを防止」する商品であり、また、被請求人の主張によれば、アルミの熱伝導率の高さを利用し、金属同士の癒着が起こりやすい部分の熱を逃し、金属同士に焼付き(かじり)が起きるのを防止することを目的とした商品である。
そうすると、使用商品は、金属粉末を混合した鉱油を原料とするものの、「鉱油」そのものや「潤滑剤」とも異なるものであり、ボルトやナット等のネジ類の固着を防止するための商品であるといえることから、第1類「化学品」の範ちゅうに属する商品「固着防止剤」の一種とみるのが相当である。
したがって、使用商品「焼付防止剤」は、第1類「化学品」の範ちゅうに属する商品と認められる。
(4)小括
以上によれば、本件商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、その請求に係る指定商品中の「化学品」の範ちゅうに属する商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して、電磁的方法により提供したと認められる。
そして、その行為は、商標法第2条第3項第8号にいう「商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。
3 むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標権者が、本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲(本件商標)


(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、この審決に係る相手方当事者を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合のご注意) 特許庁は、著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては、著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。

審判長 榎本 政実
出訴期間として在外者に対し90日を附加する。
審理終結日 2021-06-30 
結審通知日 2021-07-02 
審決日 2021-09-01 
出願番号 1990018803 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (X0104)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 齋藤 貴博
小松 里美
登録日 1997-07-11 
登録番号 4025664 
商標の称呼 リキモリ、リキュイモリー 
代理人 阿部 豊隆 
代理人 角藤 大樹 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 工藤 貴宏 
代理人 田中 克郎 
代理人 右馬埜 大地 
代理人 三井 直人 
代理人 太田 知成 
代理人 廣中 健 
代理人 鈴木 一永 
代理人 涌井 謙一 
代理人 山本 典弘 

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