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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0918
管理番号 1381179 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-01-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-06-18 
確定日 2021-12-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第6372367号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6372367号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6372367号商標(以下「本件商標」という。)は、「MINIO」の欧文字を標準文字で表してなり、令和2年3月18日に登録出願、同3年3月17日に登録査定、第9類「スマートフォン用ケース,スマートフォン用カバー,携帯情報端末用ケース,携帯情報端末用カバー,タブレットコンピューター用カバー,タブレットコンピューター用ケース,ノートブック型コンピュータ用ケース,ノートブック型コンピュータ用カバー,マウスパッド,電気通信機械器具,携帯情報端末,電子応用機械器具及びその部品,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,太陽電池,電池,電線及びケーブル,眼鏡,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」及び第18類「名刺入れ,パス入れ,カード入れ,キーケース,財布,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,化粧品・キー及び他の身の回り品を保持するためのポーチ,かばん金具,がま口口金,蹄鉄,レザークロス,皮革,皮革製包装用容器,ペット用被服類,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具」を指定商品として、同年4月2日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第6159713号商標(以下「引用商標」という。)は、「MINISO」の欧文字を赤色で書してなり、平成30年5月25日に登録出願、第3類、第8類ないし第11類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第25類、第26類、第28類ないし第30類及び第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、令和元年7月5日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標の外観について
本件商標は、欧文字「MINIO」を標準的な書体で書した商標である。引用商標は、欧文字「MINISO」を標準的な書体及び赤系の色で書した商標である。
ここで、本件商標の綴りと引用商標の綴りとでは、欧文字「S」の1文字の有無において異なるのみであり、他の文字においては全て共通している。また、両商標は、全ての文字が大文字である点も共通している。
一方、本件商標と引用商標では書体及び色において差異がある。しかしながら、いずれの書体も標準的なものであるため、外観上の特徴としては機能していない。また、引用商標の赤系の色の着色も、単に文字全てを赤系の色で表しただけに過ぎず、特筆すべき外観的特徴は生じていない。
これらの共通点及び差異点を考慮すると、共通点がもたらす印象が、差異点がもたらす印象を凌駕している。
したがって、両商標の外観の全体的印象は互いに紛らわしく、両商標は、外観において類似している。
イ 本件商標と引用商標の称呼について
本件商標からは、ローマ字読みで「ミニオ」という称呼が自然と生じる。引用商標からは、ローマ字読みで「ミニソ」という称呼が自然と生じる。
本件商標の称呼「ミニオ」と引用商標の称呼「ミニソ」とを比較すると、両称呼は、いずれも3音からなり、最初の2音「ミニ」において共通している。第3音「オ」と「ソ」において異なるが、これらの音は共通の母音を有している。また、これらの音は、最後の音であるため、比較的弱く発音される。
これらの事情を考慮すると、本件商標の称呼「ミニオ」と引用商標の称呼「ミニソ」とは、全体的印象が近似して聴覚されるものであり、互いに紛らわしいものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼において類似している。
ウ 本件商標と引用商標の商品について
本件商標の指定商品の大多数は、以下の類似群について引用商標の指定商品と抵触しており、これらの類似群において、引用商標の指定商品と同一又は類似である。
第9類 10C01 11A03 11A05 11B01 11C01 23B01 24A01 26A01 26D01
第18類 13C01 18A01 18C11 19B33 21C01 21F01 22B01 22C01 24C02
エ 商標法第4条第1項第11号への該当について
上記のような外観及び称呼の類似性を考慮すると、本件商標は引用商標に類似する商標であることは明らかである。
よって、本件商標は、本件商標登録出願の日前の商標登録出願に係る引用商標に類似する商標であって、その商標登録に係る指定商品又はこれらに類似する商品について使用をするものであるため、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 本件商標と引用商標との類似性の程度
前記(1)で述べたとおり、本件商標は引用商標に類似する商標である。仮に類似しないとしても、外観及び称呼の類似度の高さにより、本件商標と引用商標との類似性の程度は、かなり高いものである。
イ 引用商標の周知度
引用商標の権利者は、2013年に創業した日用品、化粧品、食品等を販売する小売り企業であり(甲3)、引用商標はそのハウスマークである。権利者は、7年間の間に急成長し、日本及び中国の他に、米国、英国、カナダ、オーストラリア、スペイン、アラブ首長国連邦、インド、メキシコなどの80を超える国及び領域において4200以上の店舗を有している(甲3)。日本においては、高田馬場(東京)、小名浜(福島県)、幕張(千葉県)、津田沼(千葉県)、名取(宮城県)において店舗を有している(甲4)。
このように、権利者は、日本を含む世界各国において大々的にビジネスを展開しているため、そのハウスマークである引用商標は、本件商標の出願時及び登録査定時において、日本及び外国の需要者によって広く認識されている商標である。
ウ 引用商標が造語よりなるものであるか、又は構成上顕著な特徴を有するものであるか
引用商標は、権利者が創作した造語である。
エ 引用商標がハウスマークであるか
前記イのとおり、引用商標は、権利者のハウスマークである。
オ 企業における多角経営の可能性
権利者は、食品やデジタル製品等、既に多種多様な商品を取り扱っている(甲5)。大々的にビジネスを展開しているため、今後もさらに取扱商品を多様化する可能性がある。
カ 商品間の関連性
本件商標の指定商品はいずれも、デジタル製品や日用品等であり、権利者が、引用商標を使用して取り扱っている商品と同一若しくは類似の関係にあるか又は高い関連性を有している。
キ 商標法第4条第1項第15号への該当性について
以上を総合的に考慮すると、本件商標をその指定商品に使用すると、引用商標の権利者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の需要者が商品の出所について混同するおそれがあるか、又は引用商標の権利者と経済的若しくは組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の需要者が商品の出所について混同するおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当し商標登録を受けることができないものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標は、上記1のとおり「MINIO」の文字からなり、「ミニオ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 他方、引用商標は、上記2のとおり「MINISO」の赤色の文字からなり、「ミニソ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ そこで、本件商標と引用商標の類否を検討すると、両者は、5〜6文字という比較的短い文字構成における「S」の文字の有無、また、色彩の相違から、外観において、明瞭に区別し得るものである。
次に、本件商標から生じる「ミニオ」と引用商標から生じる「ミニソ」の称呼を比較するに、両称呼は、語尾において、「オ」と「ソ」の音の差異を有するところ、「オ」と「ソ」の音は、母音「o」を共通とするとしても、明瞭に聞き分けられる音であり、かかる差異が共に3音という短い音構成からなる両称呼全体に及ぼす影響は小さいものとはいえず、それぞれを称呼するときは、全体の語調、語感が相違し、十分に聴別することができるものである。
さらに、観念においては、両商標は、共に特定の観念を生じないものであるから、観念上類似するところのないものである。
そうすると、両商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきである。
その他、両商標が類似するというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標の指定商品中の第9類及び第18類に属する商品と引用商標の指定商品とが、同一又は類似であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)引用商標の周知性について
申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査によれば、申立人は、我が国においては2013年に創業した日用品、化粧品、食品等を販売する小売り企業であり、引用商標はそのハウスマークであること、申立人は、7年の間に急成長し、日本及び中国の他に、米国、英国、カナダ、オーストラリア、スペイン、アラブ首長国連邦、インド、メキシコなどの80を超える国及び領域において4200以上の店舗を有していること(甲3)、日本においては、高田馬場、小名浜、幕張、津田沼、名取において、合計5店舗を有していること(甲4)が認められる。
しかしながら、80を超える国及び領域において4200以上の店舗を有しているとしても、我が国においては5店舗を有するに過ぎず、日本を含む世界各国において大々的にビジネスを展開しているとの主張に関して、我が国における引用商標の使用態様及び使用数量(生産数、販売数等)、並びに広告宣伝の方法、期間、地域及び規模等を示す主張、証左もないことから、申立人が提出した証拠からは、引用商標が、本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において、申立人の業務に係る商品であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
また、同様の理由から、引用商標が申立人を指称するハウスマークとして認知されていると認めることもできない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
前記(2)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、上記(1)のとおり、本件商標は、引用商標と外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
そうすると、本件商標は、本件商標権者がその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

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異議決定日 2021-12-07 
出願番号 2020029556 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W0918)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 齋藤 貴博
特許庁審判官 馬場 秀敏
綾 郁奈子
登録日 2021-04-02 
登録番号 6372367 
権利者 エレコム株式会社
商標の称呼 ミニオ、ミーニオ 

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