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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W212425303235
管理番号 1381164 
総通号数
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2022-01-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-04-16 
確定日 2022-01-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第6346217号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6346217号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6346217号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり「FOB COOP」の欧文字を書してなり、令和2年2月13日に登録出願、第8類「手動利器(「刀剣」を除く。),エッグスライサー(電気式のものを除く。),かつお節削り器,缶切,スプーン,チーズスライサー(電気式のものを除く。),ピザカッター(電気式のものを除く。),フォーク」、第9類「測定機械器具」、第11類「家庭用電熱用品類」、第21類「台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。),清掃用具及び洗濯用具,植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,じょうろ」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン,ふきん」、第25類「被服」、第30類「茶,コーヒー,ココア,菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ」、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」及び第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,布製身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料・果実飲料及び飲料用野菜ジュースの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,穀物の加工品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ぎょうざ・しゅうまい・すし・たこ焼き・弁当・ラビオリの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食卓用マットの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ふきんの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,測定機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,園芸用プランター及び植木鉢の小売又は卸売の業務において行なわれる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、同年12月25日に登録査定、同3年1月28日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、以下(1)ないし(8)であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4997049号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成18年4月20日
設定登録日:平成18年10月20日
更新登録日:平成28年10月25日
指定商品:第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
(2)登録第5008114号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成18年6月5日
設定登録日:平成18年12月1日
更新登録日:平成28年11月15日
指定商品:第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
(3)登録第5014047号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成18年6月20日
設定登録日:平成18年12月22日
更新登録日:平成28年11月22日
指定商品:第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
(4)登録第5852486号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成27年3月30日
設定登録日:平成28年5月20日
指定商品及び指定役務:第30類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
(5)登録第5057273号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成18年9月5日
設定登録日:平成19年6月22日
更新登録日:平成29年3月14日
指定商品:第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
(6)登録第2201367号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:昭和62年12月3日
設定登録日:平成元年12月25日
最新更新登録日:令和元年10月1日
指定商品:第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
(7)登録第5066624号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成18年10月5日
設定登録日:平成19年7月27日
更新登録日:平成29年5月23日
指定商品:第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
(8)登録第5257910号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成19年7月2日
設定登録日:平成21年8月14日
更新登録日:令和元年5月28日
指定役務:第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務

以下、引用商標1ないし引用商標8をまとめて「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第21類「全指定商品」、第24類「全指定商品」、第25類「全指定商品」、第30類「全指定商品」、第32類「全指定商品」及び第35類「全指定役務」(以下、これらをまとめて「申立てに係る指定商品及び指定役務」という。)について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証(枝番号を含む。以下、枝番号の全てを示すときは、枝番号を省略して記載する。)を提出した。
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人について
申立人は、1951年3月に消費生活協同組合法(以下「生協法」という。)に基づき設立された組織であって、消費者一人一人が出資金を出し合い組合員となって協同で運営・利用する独立した法人組織である地域生協、職域生協、大学生協等の、全国各地の計316(2019年度末時点)の会員生協が加入するとともに、それら会員生協の幾つかが商品の開発や仕入れ、物流設備やシステム基盤の整備などを協力して行う事業連合(連合会)が加入する、組合員総数約2,960万人に及ぶ日本最大級の組織である(甲3)。
また、申立人は、商品の開発とその商品の会員生協への供給(販売)、会員生協の事業や活動のサポートなどを通して、会員生協の発展を支える役割を果たしている。なお、会員生協への商品の供給(販売)は、会員生協が毎週1回発行する宅配カタログや会員生協が運営するインターネットサイトを通じた宅配や、会員生協が経営する店舗を通じて行われる。
イ 引用商標の使用について
申立人は、1960年から「組合員のふだんのくらしに役立つ」商品を目指して商品の開発に取り組んでいる。また、1981年から引用商標「CO・OP」を、ハウスマークとして使用するとともに、上記開発商品に使用したコープ商品を会員生協に供給しており、2020年3月31日の時点では、飲食料品全般及び日用品等について約5,500品目ものコープ商品を全国各地の会員生協に供給している(甲4)。
なお、申立人のコープ商品事業に関する2019年度の供給高は、約3,100億円となっている(甲5)。
ウ(ア)飲食料品及び日用品への引用商標の使用
引用商標が付された商品(コープ商品)(以下「コープ商品」という。)である飲食料品及び日用品等は、少なくとも2011年から現在に至るまで、地域生協等の集まりである事業連合(連合会)であるコープデリ連合会(組合員数495万人)、コープきんき(組合員数218万人)、コープ九州(組合員数191万人)、ユーコープ(組合員数179万人)、コープ東北サンネット(組合員数180万人)、コープCSネット(組合員数176万人)、コープこうべ(組合員数172万人)等が主体となって発行し組合員に配布している宅配カタログを通じて、組合員に供給されている(甲6)。
(イ)第21類の指定商品についての引用商標の使用
コープ商品として、「ホイルケース 6号 180枚」、「元禄箸 50膳」、「北海道のつま楊枝 約380本」、「ホイル レギュラー 25cm×25m」、「ポリエチレンラップ レギュラー 30cm×40m」、「アクとり名人 20枚」等が存在する(甲7)。
(ウ)第30類の指定商品についての引用商標の使用
コープきんき事業連合の2019年度の宅配事業におけるコープ商品(冷凍食品)の供給高(売上高)については、「サクっとプリプリえびフライ(特大)」は1億7,064万円、「長崎風ちゃんぽん」は1億5,556万円、「冷凍讃岐うどん200g×5」は1億5,211万円、「レンジで国産チキンのナゲット400g」は1億2,583万円、「チキンライス 230g×2」は1億237万円、「讃岐ふっくら大きなあげのきつねうどん」は9,460万円である。また、コープCSネットの2019年度の宅配事業におけるコープ商品(冷凍食品)の供給高(売上高)については、「和風若鳥竜田揚げ700g」は1億5,779万円、「たこ焼50個(1kg)」は1億3,257万円、「若鶏から揚げ(和風しょうゆ味)」は8,114万円、「具たっぷり豚まん5個」は7,260万円である(甲9の1)。
また、コープこうべやその他の事業連合(連合会)の2019年度の宅配事業における供給高ランキング(売上高ランキング)においては、上記コープ商品の他にも数多くのコープ商品がトップ20にランクインしている(甲9の1)。さらに、コープ九州事業連合等の2012年度、2013年度及び2015年度の宅配事業における供給高ランキング(売上高ランキング)においては、上記コープ商品と同じ又は同様のコープ商品がトップ10にランクインしており、少なくとも2012年から継続して一定の数量が販売されていることが分かる(甲9の2〜甲9の4)。
そして、第30類に属するコープ商品は、継続的にテレビ、新聞などの各種メディアにおいて取り上げられており、最近では、JA農業協同組合新聞・ウェブ、商人舎流通スーパーニュース・ウェブ等でコープ商品が取り上げられている(甲10)。
(エ)第32類の指定商品についての引用商標の使用
コープ商品として、「ミックスキャロット」が存在し、1981年の発売以降、125mlパック換算で累計32億本を売り上げており、また、「CO・OPただの炭酸水」が存在し、年間3,700万本以上の出荷量がある(甲11の1〜甲11の4)。
そして、第32類に属するコープ商品は、継続的にテレビ、新聞などの各種メディアにおいて取り上げられている(甲10の17、甲10の18、甲11の2、甲11の4〜甲11の11)。
また、国内平均月間利用者数が5,000万人を超えるレシピサイト「cookpad」において、コープ商品を用いたレシピが1,300種類以上掲載され、多くの利用者に閲覧されている(甲11の12〜甲11の14)
さらに、上記コープ商品については、全国各地の地域生協が運営する少なくとも850店舗においても販売されている(甲6の1)。加えて、少なくとも2011年から、上記コープ商品と同一又は同様の種類の商品が販売されている(甲6の3)。
なお、令和3年5月14日時点において、インターネット検索サイトGoogleで「コープ商品」と検索した際には、1,110万件がヒットするほど、コープ商品はいろいろなサイトで取り上げられている(甲11の15)。
(オ)第35類の小売等役務への引用商標の使用
申立人は、衣服やキッチン・生活雑貨や寝具等を製造メーカーより一括して買い付けるとともに、それらの商品を、会員生協を通じて組合員に供給しており、2005年からはインターネットサイトの全ページの下端部において引用商標が小売等役務商標として標記された注文サイト「くらしと生協」を開設しており、組合員は注文サイトを通じて商品を注文することが可能となっている。
具体的には、第21類に属する台所用品である「フライパン,食器,米びつ,盆ざる等,ハンガー」、第24類に属する「タオル,布団,テーブルランナー,ふきん」、第25類に属する「洋服,下着,靴下,マフラー,帽子」などの商品を注文することができる。
なお、上記注文サイトは、昨年度の後半の半年間でページビュー数が5,500万以上であり(閲覧人数は200万人以上)、多くの組合員に利用されている。特に閲覧数が多い商品は、トップス(被服:320,716)、ボトムス(被服:236,908)、インナー・ルームウェア(被服:167,272)、・寝具・ベッド(寝具:165,290)、家具・収納用具(洗濯用具:113,516)などとなっている(甲12)。
(カ)地域生協の最大の集まりであるコープデリ連合会に属する地域生協が運営する店舗においては、その看板に引用商標と社会通念上同一の商標が小売等役務商標として使用されている(甲13の2、甲13の3)。
また、コープデリ連合会が地域生協の組合員に配布するために毎週1回発行する宅配カタログには、引用商標と社会通念上同一の商標が小売等役務商標として使用されている(甲6の2、甲6の3)。
さらに、コープデリ連合会に属する地域生協が、組合員が購入した商品を宅配する際に使用する約6,500台の配送車にも、引用商標と社会通念上同一の商標が小売等役務商標として使用されている(甲13の4、甲13の5)。
なお、コープデリ連合会が地域生協の組合員に配布するために発行する宅配カタログには、上記コープ商品以外の飲食料品や生鮮食料品、日用品、衣服等が掲載されており(甲6の2、甲6の3)、また、コープデリ連合会に属する地域生協が運営する店舗においても同様に上記コープ商品以外の飲食料品等を販売しており、組合員はそれらを購入することが可能である。
(キ)以上のとおり、本件商標の登録出願前から登録査定時、そして本件商標の異議申立時に至るまで、引用商標は申立人商品(コープ商品)及び小売等役務(以下「申立人商品及び役務」という。)について継続的に使用されているだけではなく、テレビ、新聞などの各種メディアにおいて、引用商標が付された商品が継続的に取り上げられている。
さらに、上記のような供給実績等もあることから、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、申立人商品及び役務を表示するものとして、取引者及び需要者の間に広く認識されていたということができる。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 引用商標について
引用商標は、欧文字「CO」と「OP」の間に記号「・」を配置して横書きしてなる構成で、構成文字全体に相応して「コープ」の称呼が生じるものであり、観念については、上記のとおり、「CO・OP」が申立人商品及び役務の表示として、「コープ」の称呼とともに、取引者及び需要者の間に広く認識されていることから、「申立人商品及び役務の表示としての『CO・OP』」の観念が生じる。
イ 本件商標について
本件商標は、欧文字で「FOB COOP」と横書きしてなる構成で、その各構成文字は同書同大で表され、「FOB」の文字部分と「COOP」の文字部分から構成される結合商標である。そして、本件商標は、その構成中の「FOB」の文字部分と「COOP」の文字部分との間に半角のスペースが空いており、商標の外観上「FOB」の文字部分と「COOP」の文字部分とを明瞭に区別して認識することができるものであること、そして、これら2つの文字の関連性が薄いこと等を考慮すると、本件商標の「FOB」の文字部分と「COOP」の文字部分は、それを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとみることはできない。
また、上記のとおり、本件商標の構成中の「COOP」の文字部分は、引用商標「CO・OP」の記号「・」を抜いて表記したものであるためその構成が近似すること、「CO・OP」が申立人商品及び役務の表示として、「コープ」の称呼とともに、取引者及び需要者の間に広く認識されていること等を考慮すると、本件商標に接する需要者は、本件商標の構成中の「COOP」の文字部分に着目し、申立人商品及び役務の表示として広く認識されている「CO・OP」を想起することも少なくないといえる。
そうすると、本件商標の構成中の「COOP」の文字部分は、取引者及需要者に対し、自他商品及び役務の識別標識として強く支配的な印象を与える部分であるということができ、本件商標からは当該文字に相応して「コープ」の称呼が生じるものいえる。
さらに、上記文字部分は、「CO・OP」が申立人商品及び役務の表示として、「コープ」の称呼とともに、取引者及び需要者の間に広く認識されていること、引用商標「CO・OP」の記号「・」を抜いて表記したものでありその構成が近似していることなどから、「申立人の展開するコープ商品及び小売等役務の表示としての『CO・OP』」の観念が生じるということができる。
一方、本件商標の構成中の「FOB」の文字部分は、指定商品及び指定役務との関係において自他商品及び役務を識別する機能が全くないというわけではないが、自他商品及び役務の識別標識として強く支配的な印象を与える「COOP」の文字部分と対比した場合、本件商標の指定商品及び指定役務との関係からすれば、取引者及び需要者に対し、自他商品及び役務の識別標識として強く支配的な印象を与える文字部分とはいえない。
ウ したがって、本件商標及び引用商標からは、いずれも「コープ」の称呼が生じるものであるから、両者は称呼を共通にするものである。また、引用商標からは「申立人の展開する商品及び小売等役務の表示としての『CO・OP』」の観念が生じるものであり、本件商標からも、「申立人商品及び役務の表示としての『CO・OP』」の観念を生じ得るということができるから、両者は同一の観念を有するものである。
エ 上記より、本件商標と引用商標は、全体の外観において差異を有するとしても、本件商標の要部といい得る「COOP」の文字部分と引用商標「CO・OP」の文字部分とは似通った印象を与えるものであり、また、本件商標と引用商標とは、「コープ」の称呼を共通にし、観念においても同一であるから、両者の外観・称呼・観念によって、取引者・需要者に与える印象・記憶・連想等を総合して全体的に考察すれば、本件商標と引用商標とは互いに相紛れるおそれのある類似の商標と判断できる。
オ また、本件商標の申立てに係る指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似の関係にある。
カ 以上によれば、本件商標と引用商標とは類似する商標であると認められ、また、本件商標の申立てに係る指定商品及び指定役務と引用商標に係る指定商品及び指定役務は同一又は類似である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用商標は、申立人商品及び役務の表示として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、取引者及び需要者の間において広く認識されている商標である。
一方、本件商標は、上記のとおり、欧文字で「FOB COOP」と横書きしてなる構成で、その各構成文字は同書同大で表され、「FOB」の文字部分と「COOP」の文字部分とから構成される結合商標である。
そして、本件商標の構成中の「COOP」の文字部分は、上記のとおり、申立人商品及び役務の表示として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、取引者及び需要者の間に広く認識されている引用商標「CO・OP」と構成が近似しているため、取引者及び需要者に対し、自他商品及び役務の識別標識として強く支配的な印象を与える部分である。
一方、「FOB」の文字部分は、上記のとおり、取引者及び需要者に対し、自他商品及び役務の識別標識として強く支配的な印象を与える文字部分とはいえない。また、本件商標の申立てに係る指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似の関係にあるため、取引者及び需要者が共通する。
そうすると、本件商標を申立てに係る指定商品及び指定役務に使用した場合、本件商標に接する取引者及び需要者は、その構成中に自他商品及び役務の識別標識として強く支配的な印象を与える部分を有していること、「CO・OP」が申立人商品及び役務の表示として広く認識されていることから、その商品及び役務が申立人又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのように、商品及び役務の出所について混同を生じるおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
イ なお、引用商標「CO・OP」が、申立人商品及び役務との関係において、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、取引者及び需要者の間において広く認識されているとはいえない場合であっても、申立人は飲食料品以外にも家庭用品や繊維品を相当量扱っており、2019年度の会員生協への供給高は約640億円及び約400億円となっている(甲5)。
そのため、本件商標を上記のような指定商品及び指定役務に使用した場合であっても、その商品及び役務が申立人又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのように、商品及び役務の出所について混同を生じるおそれがある。
ウ よって、仮に本件商標が、商標法第4条第1項第11号に該当しない場合であっても、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人の提出に係る証拠及び主張によれば、以下のとおりである。
(ア)申立人は、1951年3月に設立された組織であって、消費者一人一人が出資金を出し合い組合員となって協同で運営・利用する独立した法人組織である全国各地の計316の会員生協(地域生協、職域生協、大学生協等。2019年度末)及びそれら会員生協が商品の開発や仕入れ等を協力して行うための組織である事業連合(連合会)が加入しており、総組合員数は約2,960万人(2019年度末)である(甲3、甲4)。
(イ)申立人は、1981年から別掲2のとおりの態様からなる「CO・OP」の商標(以下「別掲2商標」という。)をハウスマークとして使用するとともに、これを使用した商品(コープ商品)を会員生協に供給しており、2020年3月末時点で飲食料品及び身の回り品など約5,500品目のコープ商品を全国各地の会員生協に供給している(甲4)。
(ウ)申立人の供給高は、飲食料品及び身の回り品を中心に、2016年度が約3,717億円、2017年度が約3,785億円、2018年度が約3,821億円、2019年度が約3,922億円である(甲5)。
(エ)申立人は、少なくとも2011年から現在に至るまで、コープデリ連合会、コープきんき、コープ九州、ユーコープ、コープ東北サンネット、コープこうべなど事業連合(連合会)を通じて、宅配カタログやインターネットで注文を受け、また、会員生協が運営する全国各地の店舗(約850店舗。2019年度末頃)を通じて、飲食料品及び身の回り品など多種多様な商品を供給するなどし、さらに、自身のウェブサイトを通じてコープ商品以外の商品を供給しており、それには、別掲2商標が使用されている(甲6〜甲11の11、甲12の1〜甲12の14)。
イ 上記アのとおりの申立人による別掲2商標の使用状況、使用実績からすれば、別掲2商標は、本件商標の登録出願日前から、申立人の業務に係る役務(飲食料品・身の回り品などの小売等役務)を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標であって、その状況は、本件商標の登録査定日においても継続しているものと判断するのが相当である。
そうすると、別掲2商標と同一の構成からなり、飲食料品・身の回り品などの小売等役務をその指定役務に含むと認められる引用商標4及び引用商標8は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務(飲食料品・身の回り品などの小売等役務)を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されている商標と認めることができる。
しかしながら、それ以外の引用商標1ないし引用商標3及び引用商標5ないし引用商標7は、それらの指定商品について使用され、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていると認めるに足りる証左は見いだせないから、そのように認識されている商標と認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、「FOB COOP」の欧文字よりなるところ、その構成中の「FOB」と「COOP」の各文字は、半角程度の間隔を有するとしても、同じ書体、同じ大きさで外観上まとまり良く表されており、その構成全体から生じる「フォブクープ」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標を構成する「FOB」及び「COOP」の文字が、それぞれ「懐中時計の鎖(ひも)」、及び「小屋」の意味(ジーニアス英和辞典 第5版)を有する英語であるとしても、いずれも上記意味合いをもって、我が国において親しまれている語とはいえず、また、本件商標の構成文字全体は、辞書等に載録がなく、特定の意味合いを想起させるものとして一般に知られているということもできないものである。
そうすると、本件商標は、構成全体をもって不可分一体の造語を表したものと取引者、需要者に認識されるというのが相当であるから、その構成文字全体から、「フォブクープ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、「CO・OP」の欧文字を別掲2のとおりの態様で表してなるところ、その構成文字に相応して、「コープ」の称呼を生じるものである。
そして、観念については、引用商標4及び引用商標8は上記(1)のとおり、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものであるから、「(申立人のブランドとしての)CO・OP」の観念を生じ、それ以外の引用商標1ないし引用商標3及び引用商標5ないし引用商標7は特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標の類否を検討すると、外観においては、「FOB」の文字の有無、及び引用商標の「CO」と「OP」の間の「・」の有無の差異により、区別し得るものである。
次に、本件商標から生ずる「フォブクープ」の称呼と、引用商標から生じる「コープ」の称呼を比較すると、称呼の識別上重要な要素である語頭を含む他の構成音が、「フォブクー」と「コー」と明らかに異なるから、両者をそれぞれ一連に称呼しても構成音数、語調語感が異なり、明確に聴別し得るものである。
さらに、観念においては、本件商標は特定の観念を有しないものであるのに対し、引用商標は「(申立人のブランドとしての)CO・OP」の観念を生じるもの又は特定の観念を生じないものであるから、両者は相紛れるおそれがないか、比較することができないものである。
以上から、本件商標と引用商標とは、外観及び称呼において相紛れるおそれがなく、観念において相紛れるおそれがないか、比較することができないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標の申立てに係る指定商品及び指定役務が引用商標の指定商品及び指定役務と類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
上記(2)のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
そうすると、本件商標は、引用商標4及び引用商標8が申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていることを考慮してもなお、これに接する取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起することはないものである。
してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその申立てに係る指定商品及び指定役務について使用しても、取引者、需要者をして、当該商品及び役務が、他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が引用商標と出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、申立てに係る指定商品及び指定役務について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
別掲1(本件商標)



別掲2(引用商標1ないし引用商標8)



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異議決定日 2021-12-28 
出願番号 2020015367 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W212425303235)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 中束 としえ
特許庁審判官 杉本 克治
小田 昌子
登録日 2021-01-28 
登録番号 6346217 
権利者 株式会社トレードワークス
商標の称呼 エフオオビイコープ、フォブコープ 
代理人 米屋 崇 
代理人 特許業務法人東京アルパ特許事務所 
代理人 米屋 武志 
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