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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服20216145 | 審決 | 商標 |
不服20213236 | 審決 | 商標 |
不服202014218 | 審決 | 商標 |
不服20211307 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない W03 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W03 審判 査定不服 観念類似 登録しない W03 |
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管理番号 | 1380033 |
審判番号 | 不服2020-13065 |
総通号数 | 264 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2021-12-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-09-17 |
確定日 | 2021-11-01 |
事件の表示 | 商願2019-143106拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、平成30年12月26日に登録出願された商願2018-163033に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、令和元年11月11日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和元年12月23日付け:拒絶理由通知 令和2年 2月14日付け:意見書の提出 令和2年 6月18日付け:拒絶査定 令和2年 9月17日付け:審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第3類「せっけん類,化粧品」を指定商品として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6071530号商標(以下、「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成29年6月30日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料,爪用化粧品,つめ用研磨紙,つめ用研磨布,つめ用つや出し紙,つめのつや出し用研磨布」を指定商品として、同30年8月17日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 4 当審の判断 (1)本願商標 本願商標は、別掲1のとおり、上段及び中段に「LUCIA」の欧文字(上段の「C」の文字はひときわ大きく表されている。)を、下段に「ルチア」の片仮名を、それぞれ横書きしてなるものである。 そして、上段に横書きされた「LUCIA」の欧文字は、中段の欧文字をややデザイン化したものとして、また、下段に横書きされた「ルチア」の片仮名は、上段及び中段の欧文字の読みを付記的に表したものとして看取、理解されるといえるところ、該「LUCIA」の欧文字は、「ヨーロッパ系(主にイタリア語圏、西スラヴ語圏)の女性の名前」や「ドニゼッティの代表的オペラ」を指称する語である(請求人の主張)としても、いずれの意味合いにおいても、我が国において親しまれた語とはいえないことから、特定の意味合いを認識させない造語を表してなると理解されるものである。 そうすると、本願商標は、その構成全体から「ルチア」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。 (2)引用商標 引用商標は、別掲2のとおり、「LUCI」の欧文字に続いて、「Λ」の形状をした斜線の組合せに「v」状の線を組み合わせてなるもの(以下「デザイン部分」という。)が配置されているところ、引用商標の各欧文字及びデザイン部分は、それぞれ同じ大きさ、同じ色で等間隔に外観上まとまりよく一体的に表されているものである。 そして、別掲3のとおり、欧文字の「A」がデザイン部分のような構成にデザイン化されて表される事例があることから、引用商標の構成中、デザイン部分は、「A」をデザイン化して表したものとして、また、引用商標は、「LUCIA」の欧文字をデザイン化して表したものとして、容易に理解し、認識されるものといえる。 そうすると、引用商標は、「LUCIA」のローマ字風又は英語風の発音である「ルシア」又は「ルチア」の称呼を生じるが、上記(1)と同様に、特定の観念は生じないものである。 (3)本願商標と引用商標の類否 本願商標と引用商標の類否について検討すると、両商標は、構成全体の外観やデザイン化の手法においては相違するものの、本願商標の「LUCIA」の欧文字部分と引用商標とは、つづりを共通にするものであり、また本願商標の片仮名部分は欧文字部分の読みを示すために付記的に表されたものであるから、両者は外観上、近似した印象を与えるというのが相当である。 次に、本願商標と引用商標とは、引用商標から「ルチア」の称呼が生じる場合は、該称呼において共通する。 そして、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。 そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観において近似した印象を与え、称呼を共通にする場合があるから、これらを総合勘案すれば、両者は相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。 (4)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否 本願の指定商品である第3類「せっけん類,化粧品」は、引用商標の指定商品である第3類「化粧品,せっけん類,爪用化粧品」と同一又は類似のものである。 (5)小括 以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似の商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (6)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標の構成中、上段及び中段に表した「LUCIA」の文字は、引用商標と「LUCI」について、つづりを共通にしているが、該文字に続く引用商標のデザイン部分が本願商標の末尾の欧文字「A」とは明確に異なることから、本願商標と引用商標とは、外観上明らかに相紛れるおそれのない商標であり、また引用商標は、記号「A」を除く「LUCI」から「ルーシ」と称呼されることから、「ルチア」のみの称呼を生ずる本願商標とは、称呼上においても非類似である旨主張する。 しかしながら、引用商標の構成中のデザイン部分は、上記(2)のとおり、欧文字の「A」をデザイン化して表したものとして、容易に理解し、認識されるものであるから、引用商標に接した取引者、需要者が、これを「LUCIA」の欧文字を表したものとして看取、把握し、該文字をローマ字風又は英語風に発音して、「ルシア」又は「ルチア」の称呼を生じることも自然である。 なお、請求人は、本願の拒絶の理由を解消すべく請求した無効審判事件2020-890068の請求書において、「本件商標(審決注:当事件における引用商標である商標登録第6071530号のこと。)は、『LUCIA』の文字を普通に用いられる方法で左横書きして成り・・・『ルチア』の称呼を生じるものと認められる。」との記載があることが認められる(職権調査)。そうすると、請求人は、請求外事件において、引用商標は「LUCIA」の文字を普通に用いられる方法で表してなり、「ルチア」の称呼が生ずることを自ら主張していたのであるから、当事件において、これと明らかに矛盾する主張をすることは信義則上許されないというべきであり、請求人の上記主張は、採用することができない。 イ 請求人は、「LUCHIA」の欧文字と「ルチア」の片仮名を上下二段に併記してなり、指定商品を第3類「せっけん類,化粧品」とする商標登録を認められている(商標登録第5123812号)ところ、該登録は、引用商標の登録出願よりも前に設定登録されていることから、引用商標は、「ルチア」の称呼を生じる上記登録例とは明らかに区別されて登録された旨主張する。 しかしながら、商標の類否判断は、外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、かつ、具体的な取引状況に基づいて行うものであり、事案ごとの具体的な事実に基づく判断となるものであって、「ルチア」の文字を含む請求人保有の他の商標(本願商標とは態様が大きく異なる。)についての類否判断の結果によって、本願商標と引用商標の類否判断が左右されることはない。 したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。 (7)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本願商標 別掲2 引用商標 別掲3 欧文字「A」のデザイン化の例(「Λ」の形状をした斜線の組合せに「v」状の線を組み合わせた例) (1)「TYPOGRAPHY Issue_06 最新フォント150」(株式会社グラフィック社、2014年11月25日初版発行)において、「Alverata」の項に、「Alverataは、11?12世紀の碑文のロマネスク様式の大文字の形にインスパイアされて、デザインされたフレアセリフ書体である。」の記載とともに、以下の表示がある。 (2)「Font Style Book 2009」(株式会社ワークスコーポレーション、2009年2月5日初刷発行)において、「Victorian」の項に、以下の表示がある。 (3)「レタリングデザイン」(株式会社グラフィック社、2000年3月15日第66刷発行)において、「キャバナー・ペン・スクリプト」の項に、「このスクリプトは手描きの特徴をよく表わしている。」の記載とともに、以下の表示がある。 |
審理終結日 | 2021-08-31 |
結審通知日 | 2021-09-03 |
審決日 | 2021-09-14 |
出願番号 | 商願2019-143106(T2019-143106) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
Z
(W03)
T 1 8・ 262- Z (W03) T 1 8・ 261- Z (W03) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 渡辺 悦子、小林 郁、浦崎 直之 |
特許庁審判長 |
半田 正人 |
特許庁審判官 |
大森 友子 石塚 利恵 |
商標の称呼 | ルチア、ルシア |
代理人 | 西山 聞一 |