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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W09 |
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管理番号 | 1380019 |
審判番号 | 取消2020-300427 |
総通号数 | 264 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2021-12-24 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2020-06-17 |
確定日 | 2021-11-01 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5576883号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第5576883号商標の指定商品中、第9類「電子翻訳機,携帯情報端末装置,電子計算機及びその周辺機器,電子辞書,ダウンロード可能な家庭用テレビゲーム機用プログラム,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラムに関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD-ROM等の記録媒体,携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラム等の技術に関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD-ROM等の記録媒体,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みDVD・ビデオテープ・ビデオディスク及びCD-ROM,ダウンロード可能な画像(動画・静止画を含む)・音楽・音声,ダウンロード可能な文字データ,ダウンロード可能な電子出版物,電子応用機械器具及びその部品(「電子計算機用プログラム」を除く。),電気通信機械器具,電子出版物表示用携帯端末」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5576883号商標(以下「本件商標」という。)は、「翻訳コンニャク」の文字を標準文字で表してなり、平成24年11月20日に登録出願、第9類「電子翻訳機,携帯情報端末装置,電子計算機及びその周辺機器,電子辞書,ダウンロード可能な家庭用テレビゲーム機用プログラム,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラムに関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD-ROM等の記録媒体,携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラム等の技術に関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD-ROM等の記録媒体,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みDVD・ビデオテープ・ビデオディスク及びCD-ROM,ダウンロード可能な画像(動画・静止画を含む)・音楽・音声,ダウンロード可能な文字データ,ダウンロード可能な電子出版物,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,電子出版物表示用携帯端末」を含む第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同25年4月19日に設定登録がされたものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和2年7月9日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である平成29年7月9日から令和2年7月8日までの期間を、以下「要証期間」という。 なお、本件商標の権利者は、令和元年10月1日に、「株式会社秤権社」から「株式会社ジガー」(以下「ジガー社」又は「商標権者」という。)に、特定承継されている。 また、本件の登録は、令和3年3月15日に、放棄による本商標権の登録の抹消がなされている。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書、令和2年8月27日付け審判事件答弁書(以下「答弁書1」という。)に対する同年9月28日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)にて、要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品中、第9類「電子翻訳機,携帯情報端末装置,電子計算機及びその周辺機器,電子辞書,ダウンロード可能な家庭用テレビゲーム機用プログラム,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラムに関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD-ROM等の記録媒体,携帯用通信機械器具・電話機・携帯情報端末・電子計算機端末装置・カメラその他の写真機械器具・コンピュータプログラム等の技術に関する印刷物の文字データ・画像データ等を記録したフロッピーディスク・CD-ROM等の記録媒体,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みDVD・ビデオテープ・ビデオディスク及びCD-ROM,ダウンロード可能な画像(動画・静止画を含む)・音楽・音声,ダウンロード可能な文字データ,ダウンロード可能な電子出版物,電子応用機械器具及びその部品(「電子計算機用プログラム」を除く。),電気通信機械器具,電子出版物表示用携帯端末」(以下「本件審判請求に係る指定商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)本件審判に至る経緯 ア 「ほんやくコンニャク」(「ほん訳コンニャク」又は「翻訳コンニャク」とも表記する。)は、漫画・アニメーション「ドラえもん」のひみつ道具として著名である。 イ 本件商標は、2012年11月20日に登録出願され、2013年4月19日に登録された。 ウ ジガー社は、本件商標の商標権を譲り受けた(表示変更登録申請書:2019年10月1日/移転登録済通知書:同年11月1日)。 エ 請求人は、「ドラえもん」の著作権者からライセンスを得て、翻訳機ポケトーク専用「ほんやくコンニャク」ケースを2020年1月23日に発売した。 オ 商標権者は、2020年2月20日付けの内容証明郵便(甲2)で、請求人に対して「ほんやくコンニャク」の使用中止又はライセンス料の支払いを要求してきた。 カ 請求人は、2020年2月26日にウェブサイトで「ほんやくコンニャク」の文字を削除し、同年3月12日に、ケースの正式名称を「コンニャクケース」に変更した。 キ 請求人は、翻訳機ポケトークのドラえもんEdition特別セットの広告で、「21世紀のほんやくコンニャク!?」の文字を使用している。 (2)本件審判請求に係る指定商品 本件審判は、「電子応用機械器具及びその部品(「電子計算機用プログラム」を除く。)」を、本件審判請求に係る指定商品の一部としており、「電子応用機械器具及びその部品(「電子計算機用プログラム」を除く。)」とは、「電子応用機械器具及びその部品」から「電子計算機用プログラム」を除いた商品である。 (3)本件商標の使用 被請求人は、答弁書において、Androidスマートフォン/タブレット向けの本件商標を使用したいわゆるアプリを開発し、令和2年2月14日より販売をしていると述べている。 (4)使用商品 被請求人は、要証期間に我が国において審判請求に係る指定商品中、「電子応用機械器具及びその部品(「電子計算機用プログラム」を除く。)」について、本件商標を使用していると述べ、その根拠は、本件商標の使用商品は、「携帯情報端末機用プログラム」であり、これは「電子計算機用プログラム」の下位概念には含まれないが、「電子応用機械器具及びその部品」の概念に含まれる、とのことである。 しかし、「電子応用機械器具及びその部品(「電子計算機用プログラム」を除く。)」の商品群には、「携帯情報端末機用プログラム」を包括する商品が例示されていない。また、「携帯情報端末機用プログラム」は、「電子応用機械器具及びその部品」に属するのであれば、「電子計算機用プログラム」に包括されると解釈すべきである。 したがって、「携帯情報端末機用プログラム」は、本件審判請求に係る指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品(「電子計算機用プログラム」を除く。)」の範ちゅうに含まれる商品ではない。 以上から、被請求人の主張は失当であり、商標権者による商標の使用は、「電子応用機械器具及びその部品(「電子計算機用プログラム」を除く。)」についての使用ではないため、本件商標は、その登録の取り消しを免れない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める旨を主張し、その理由を、答弁書1、令和2年12月9日付け審判事件答弁書(以下「答弁書2」という。)において要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。 1 答弁書1における主張 (1)商標権者は、要証期間に我が国において、本件審判請求に係る指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品(「電子計算機用プログラム」を除く。)」について、本件商標を使用している。 (2)本件商標は、令和元年11月1日付けで、商標権者に移転登録されたものであり、その後、商標権者は、Androidスマートフォン/タブレット向けの本件商標を使用したいわゆるアプリを開発し、同2年2月14日より販売をしている。このような携帯情報端末向けのアプリは、本件審判の取消の対象とはなっていないが本件商標の指定商品である「携帯情報端末機用プログラム」といえる。これらは、「電子計算機用プログラム」の下位概念には含まれないが、「電子応用機械器具及びその部品」の概念に含まれることは明らかである。 したがって、「電子応用機械器具及びその部品(「電子計算機用プログラム」を除く。)」について、使用していることは明らかである。 (3)乙第1号証は、Android端末向けのアプリの販売サイトである「Google playストア」において、「翻訳コンニャク」と有料アプリを検索した場合の画面の出力写しである。これによると、「翻訳コンニャク」と本件商標が使用されたアプリが100円の販売価格で提供されていることが分かる。 乙第2号証は、上記「翻訳コンニャク」をクリックすると遷移するページの写しであり、「翻訳コンニャク」アプリの詳細情報が記載された購入ページである。これによると、提供元「JIGGER」はジガー社の名称の英語表記であり、開発元の住所が商標権者の住所であることから、商標権者による使用であることが分かる。 また、更新日が「2020年2月14日」となっており、要証期間にすでに販売開始されていることが分かる。 乙第3号証は、乙第2号証のアプリ画面に左端にあるスタート画面を拡大したものの写しである。このような「Google playストア」でアプリを開発・販売するデベロッパーについては、「Google Play Console」と呼ばれるツールを使って、アプリやアカウントの管理をする。 乙第4号証は、「Google Play Console」におけるアプリに関する情報を表示した際の書面の写しであるが、最終更新日が「2020/02/15」とされており、要証期間にすでに販売開始されていることが確認される。 乙第5号証は、「Google Play Console」におけるデベロッパーのアカウントの詳細に関する情報を表示した際の画面の写しであるが、このデベロッパーが商標権者であることが確認される。 これら乙第1号証ないし乙第3号証に係る使用は、商標法第2条第3項第1号、同項第2号及び同項第8号の使用行為に該当する。 したがって、商標権者は、要証期間に、本件商標を日本国内で本件審判請求に係る指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品(「電子計算機用プログラム」を除く。)」に使用していたことは明らかである。 2 答弁書2における主張 請求人は、弁駁書において、商標権者が本件商標を「携帯情報端末機用プログラム」に使用していること、「携帯情報端末機用プログラム」が「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに含まれることについては否定していない。 しかしながら、「携帯情報端末機用プログラム」は、「電子応用機械器具及びその部品(「電子計算機用プログラム」を除く。)」の範ちゅうに含まれる商品ではない、と主張している。 そして、「携帯情報端末」と「電子計算機」とは、特許庁において異なる商品として扱っていることから、それぞれに用いられるプログラムが異なる商品であることは明らかである。 3 まとめ よって、「携帯情報端末機用プログラム」は「電子応用機械器具及びその部品(「電子計算機用プログラム」を除く。)」に含まれる商品であるから、商標権者は、要証期間に我が国において、本件商標を使用している。 第4 当審の判断 1 商標法第54条第2項は、「・・・第50条第1項の審判により商標登録を取り消すべき旨の審決が確定したときは、商標権は、同項の審判の請求の登録の日に消滅したものとみなす」と規定するところ、本件審判の請求の登録の日は、商標登録原簿の記載によれば、令和2年7月9日であるところ、前記第1のとおり、本件商標は、同3年3月15日受付で放棄による商標権の登録の抹消がなされているものである。 そうすると、商標権の放棄による抹消は、登録によりその効力を生じる(商標法第35条で準用する特許法第98条第1項第1号)ものであるから、本件審判の請求の登録日時点において、本件審判の請求は存在しており、このことは、当該登録日より後になされた放棄によって影響されるものではないから、以下のとおり判断する。 2 事実認定 (1)被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。 ア 乙第1号証は、そのURLから「Google playストア」のウェブサイトを出力した書面であり、出力日の記載はないものの、「Google Play」の表題の下、「検索」、「Androidアプリ」、「有料」の記載があり、その下に、犬のイラストとともに「翻訳コンニャク?」、「JIGGER」及び「¥100」の記載がある。 イ 乙第2号証は、「Google playストア」(乙1)のウェブサイトの「翻訳コンニャク?」の部分をクリックすると遷移するとされる「翻訳コンニャク」の詳細情報が記載された頁であるところ、「翻訳コンニャク?犬のしぐさで伝えたいこと?-Google Playのアプリ」の見出しの下、乙第1号証の犬のイラストとともに「翻訳コンニャク?犬のしぐさで伝えたいこと?」、「JIGGER」の記載があり、その下に上記と同様に犬のイラスト、「翻訳コンニャク」、「?犬のしぐさで伝えたいこと?」及び「TAP TO START」の記載がある。また、「新機能」の項に「犬のしぐさから犬の気持ちを推し知るアプリにしました。」の記載、「追加情報」の項に「更新日 2020年2月14日」、「サイズ 17M」、「インストール 0+」、「現在のバージョン 1.0」、「Android要件 5.0以上」、「提供元 JIGGER」及び「開発元 東京都渋谷区渋谷・・・」の記載がある。 ウ 乙第3号証は、乙第2号証の「TAP TO START」と記載されている部分の画面を拡大したものであり、「利用規約」の記載、「翻訳コンニャク」の記載、「?犬のしぐさで伝えたいこと?」の記載及び「TAP TO START」の記載がある。 エ 乙第4号証は、「Google Play Console」におけるアプリに関する情報を表示した画面を出力した書面の写しであるが、本号証の1頁目の「アプリ名」の項に「翻訳コンニャク?犬のしぐさで伝えたいこと?」及び「jp.jigger.translator」の記載、「最終更新日」の項に「2020/02/15」の記載、「ステータス」の項に「公開中」の記載がある。 オ 乙第5号証は、「Google Play Console」におけるデベロッパーのアカウントの詳細に関する情報を表示した画面を出力した書面の写しであるが、本号証の1頁目の「デベロッパー名」の項に「JIGGER」と記載され、その下に、「デベロッパー名はアプリ名の下に表示されます。デベロッパー名を変更するにはGoogleの審査が必要です。」の記載、「住所」の項に「東京都渋谷区渋谷・・・」の記載、本号証の2頁目の「ウェブサイト」の項に「https://jigger.jp」の記載、本号証の4頁目の「販売アカウント」の項に「販売アカウントは有効です。」の記載がある。 (2)上記(1)からすれば、以下のとおりである。 「Google playストア」(以下「本件ウェブサイト」という。:乙2)には、2020年(令和2年)2月14日を更新日とする「翻訳コンニャク?犬のしぐさで伝えたいこと?」(以下「使用商標」という。)と表示された有料のAndroid端末用のアプリ(以下「使用商品」という。)が掲載された。使用商品の「提供元」及び「開発元」は「JIGGER」及び「東京都渋谷区渋谷・・・」であり、その住所は上記時期の商標権者の住所と一致する。 そうすると、商標権者と住所が一致する「JIGGER」の開発に係る使用商品は、本件ウェブサイトにおいて、少なくとも2020年2月14日には広告、販売されていたということができる。 3 判断 (1)使用商標について 本件商標は、上記第1のとおり「翻訳コンニャク」の文字を標準文字で表してなり、使用商標は「翻訳コンニャク?犬のしぐさで伝えたいこと?」であって、本件商標と使用商標を比較すると、「?犬のしぐさで伝えたいこと?」の文字の有無に差異を有するものである。 そして、乙第2号証には「新機能」として「犬のしぐさから犬の気持ちを推し知るアプリにしました。」の記載があることから、使用商標中の「?犬のしぐさで伝えたいこと?」の文字は、そのアプリの内容を表した部分にすぎないといえる。 そうすると、使用商標の要部は「翻訳コンニャク」の文字部分であり、本件商標と使用商標の「翻訳コンニャク」の文字部分とは、文字のつづりを同じくするものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一のものと認められる。 (2)使用商標の使用者について 使用商品の「提供元」である「JIGGER」は、その住所が「追加情報」の更新日である2020年(令和2年)2月14日時点において商標権者の住所と一致することからすれば、「JIGGER」が、商標権者の名称の英語表記であるという被請求人の主張には不自然なところはないから、使用商標を表示した使用商品の使用者は商標権者と認められる。 (3)使用商標の使用商品について 使用商品は、「Androidアプリ」であって、乙第2号証の「追加情報」に「サイズ」、「インストール」、「現在のバージョン」、「Android要件」として、それぞれ「17M」、「0+」、「1.0」及び「5.0以上」と記載されていることからすれば、このウェブサイトで販売されているものは、「アンドロイド用の携帯電話機用アプリ」であることが認められる。 そして、「アンドロイド用の携帯電話機用アプリ」は、「携帯電話機にインストールして使用するソフトウェア」と認められ、いわゆるソフトウェアに該当する商品であるところ、「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「電子計算機用プログラム」とは、「電子計算機(コンピュータ)」のみならず、スマートフォン(携帯電話機)やタブレット端末にインストールし、当該機器で使用するコンピュータプログラムが該当する商品であることからすれば、「アンドロイド用の携帯電話機用アプリ」は、「電子計算機用プログラム」の範ちゅうに属する商品であると判断するのが相当である。 他方、本件審判請求に係る指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品(電子計算機用プログラムを除く。)」は、コンピュータやスマートフォン(携帯電話機)等にインストールし、当該機器で使用するコンピュータプログラムは含まれていない。 そうすると、「アンドロイド用の携帯電話機用アプリ」は、「電子応用機械器具及びその部品(電子計算機用プログラムを除く。)」には含まれない商品と判断するのが相当である。 また、「アンドロイド用の携帯電話機用アプリ」は、「電子応用機械器具及びその部品(電子計算機用プログラムを除く。)」以外の本件審判請求に係る指定商品にも含まれない。 したがって、使用商品は、本件審判請求に係る指定商品の範ちゅうに属するものとはいえない。 (4)使用商標の使用期間について 使用商品が本件ウェブサイトで広告、販売されていた2020年(令和2年)2月14日は、要証期間の日付である。 (5)小括 上記のとおり、被請求人が提出した証拠によれば、商標権者が、要証期間に日本国内において、使用商品である「アンドロイド用の携帯電話機用アプリ」に、本件商標と社会通念上同一の商標を使用したことは認められる。 しかしながら、使用商品は、本件審判請求に係る指定商品には含まれない。 その他、被請求人が提出した証拠を参照しても、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、要証期間に日本国内において、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を本件審判請求に係る指定商品に使用していることは確認することはできない。 4 被請求人の主張について 被請求人は、携帯情報端末向けのアプリは、「携帯情報端末機用プログラム」といえ、「電子計算機用プログラム」には含まれないが、「電子応用機械器具及びその部品」の概念に含まれることは明らかであるから、「電子応用機械器具及びその部品(「電子計算機用プログラム」を除く。)」について、使用している旨主張する。 しかしながら、上記3(3)のとおり、使用商品は、「電子計算機用プログラム」の範ちゅうに属する商品であることから、「電子応用機械器具及びその部品(「電子計算機用プログラム」を除く。)」には、含まれないと判断するのが相当である。 したがって、被請求人の主張は採用することができない。 5 むすび 以上のとおり、被請求人が提出した全証拠によっては、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標又は本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、本件審判請求に係る指定役務のいずれかについて、商標法第2条第3号各号に規定する使用行為を行ったことを証明していない。 また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2021-05-31 |
結審通知日 | 2021-06-03 |
審決日 | 2021-09-21 |
出願番号 | 商願2012-94066(T2012-94066) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(W09)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 中島 光 |
特許庁審判長 |
榎本 政実 |
特許庁審判官 |
豊田 純一 大山 健 |
登録日 | 2013-04-19 |
登録番号 | 商標登録第5576883号(T5576883) |
商標の称呼 | ホンヤクコンニャク、コンニャク |
代理人 | 特許業務法人はるか国際特許事務所 |
代理人 | 木戸 一彦 |
代理人 | 木戸 良彦 |