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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 取り消して登録 W25 |
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管理番号 | 1379940 |
審判番号 | 不服2020-17157 |
総通号数 | 264 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2021-12-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-12-15 |
確定日 | 2021-11-02 |
事件の表示 | 商願2019-125353拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、2019年4月9日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権の主張をした、令和元年9月25日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和2年2月26日付け:拒絶理由通知書 令和2年5月26日 :意見書、手続補正書の提出 令和2年9月14日付け:拒絶査定 令和2年12月15日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「RICKY REGAL」の文字を標準文字で表してなり、第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記1の手続補正により、第25類「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服,運動用特殊衣服,ヘッドバンド,リストバンド,汗止めバンド,メリヤス下着・メリヤス靴下」と補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、その構成中に、千葉県浦安市の株式会社リーガルコーポレーションが、商品『履物』等に使用し、本願商標の登録出願前から著名となっている商標『REGAL』(以下、『引用標章』という。)の文字を有してなるものであるから、これをその指定商品に使用するときは、これがあたかも前記会社又は同社と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 4 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は、前記2のとおり、「RICKY REGAL」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「RICKY」の欧文字は「リッキー(男性名)」の、「REGAL」の欧文字は「王の、帝王にふさわしい」の意味を有する英語(いずれも「研究社新英和大辞典第6版」株式会社研究社)であるものの、「RICKY REGAL」の文字としては、辞書等に載録されておらず、特定の意味合いを有する語として知られているような事情も見いだせないものであるから、一種の造語を表したものとして理解されるとみるのが相当である。 (2)引用標章の著名性について 引用標章は、「REGAL」の欧文字からなるところ、当審における職権調査(別掲参照)によれば、株式会社リーガルコーポレーション(以下「リーガル社」という。)は、明治35年に創業、一貫して靴の企画・製造・販売に従事し、昭和36年に「紳士用革靴」について、「REGAL」の欧文字からなる商標(引用標章)を使用し、現在まで59年以上継続使用していること、昭和47年に引用標章に係る婦人靴の生産、販売を開始したこと、リーガル社の売上高は192億円で、服飾品卸売業において4位(2021年3月期)であることなどを認め得るから、引用標章は、本願商標の登録出願日には、我が国の「革靴」を取り扱う業界の取引者、需要者の間において、相当程度知られていたといえる。 しかしながら、引用標章は、主として「革靴」に使用されているものであって、それ以外の商品について広く使用されている事実は見いだせず、また、本願の指定商品の需要者の間に広く知られていることをうかがい知る実情も見いだせない。 そうすると、引用標章は、本願の指定商品の需要者の間において、広く知られているとは認めることができないものである。 (3)商標法第4条第1項第15号の該当性について ア 引用標章は、上記(2)のとおり、本願の指定商品の需要者の間において、広く知られているとは認めることができないものである。 イ 本願商標は、その構成中に「REGAL」の文字を含むものであるから、類似性の程度が低いものとはいえない。 ウ 引用標章を構成する「REGAL」の文字は、上記(1)のとおり、「王の、帝王にふさわしい」の意味を有する英語であるから、独創性が高いものということはできない。 エ 本願の指定商品は「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服,運動用特殊衣服,ヘッドバンド,リストバンド,汗止めバンド,メリヤス下着・メリヤス靴下」であり、引用標章に係る商品は「革靴」であって、いずれもファッション関連の商品であるから、その一部において需要者を共通にする場合があり、商品の関連性はあるものといえる。 オ 以上のことからすると、本願商標と引用標章とは、類似性の程度が低いものとはいえず、商品としての関連性を有するものであるとしても、引用標章を構成する文字は、独創性が高いものとはいえず、また、引用標章が、本願の指定商品の需要者の間において、広く認識されているということもできないものである。 してみれば、本願商標は、出願人(請求人)がこれをその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が引用標章を連想又は想起することはなく、その商品があたかもリーガル社又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じるおそれはないものというべきである。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標が、商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 (1)「日本経済新聞」(2012年8月9日)において、「中部VS関東競う技あり企業(下)ビジネス靴??リーガル。」の見出しの下、「千葉県浦安市に本社を置くリーガルコーポレーションの主力は男性向けのビジネス靴だ。しっかりしたつくりで固定ファンをつかんでいる。」「同社は1902年に東京で設立された日本製靴が前身。61年にリーガルブランドの生産を始め90年に現社名に変更した。全国に200店を持つ小売企業でもある。12年3月期の売上高は352億円だった。」の記載がある。 (2)「毎日新聞」(2020年8月24日)において、「100年カンパニーの知恵:リーガル/上 『武骨に、ひたすらに』」の見出しの下、「リーガルの紳士靴には『50年選手』が名を連ねる。品番2504の『プレーントウ』(1969年?)はオーソドックスなひも靴だ。品番2235の『ウイングチップ』(72年?)は70?80年代のテレビCMに広く登場した『リーガルの顔』。品番2177の『ローファー』(71年?)はアイビーブーム全盛期に誕生した『時代の証人』でもある。」の記載がある。 (3)「日経MJ(流通新聞)」(2021年9月1日)において、「<数表>20年度日本の卸売業調査??服飾品。」の見出しの下、「順位 社名 連/単 本社 売上高(百万円) 伸び率(%) 営業利益額(百万円) 伸び率(%) 経常利益額(百万円) 伸び率(%) 税引後利益額(百万円) 粗利益率(%) 決算月 主な扱い商品」「4(3) リーガルコーポレーション 連 千葉 19,200 ▲34.1 ▲2,181 ? ▲2,087 ? ▲4,417 41.2 3 靴」の記載がある。 (4)「リーガルコーポレーション」のウェブサイトにおいて、「会社概要」「沿革」の見出しの下、「1972(昭和47)年1月 『リーガル』ブランド婦人靴の生産、販売を開始。」との記載がある。 https://www.regal.co.jp/shoes/c/c8002/ |
審決日 | 2021-10-18 |
出願番号 | 商願2019-125353(T2019-125353) |
審決分類 |
T
1
8・
271-
WY
(W25)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 松田 訓子 |
特許庁審判長 |
中束 としえ |
特許庁審判官 |
杉本 克治 黒磯 裕子 |
商標の称呼 | リッキーリーガル、リッキー、リーガル |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 石田 昌彦 |
代理人 | 両部 奈穂子 |
代理人 | 森本 久実 |