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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1378994 
異議申立番号 異議2021-900090 
総通号数 263 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-11-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-03-11 
確定日 2021-10-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第6329706号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6329706号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6329706号商標(以下「本件商標」という。)は、「ハヌケア」の片仮名を標準文字で表してなり、令和2年1月22日に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」を指定商品として、同年12月1日に登録査定、同月15日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において、引用する商標(以下、まとめて「引用商標」という。)は、以下のとおりであり、現に有効に存続している。
(1)国際登録第1407124号商標
商標の構成:HANACURE
国際商標登録出願日:2018年(平成30年)3月6日
設定登録日:令和元年7月5日
指定商品:第3類「Cosmetics; personal skin care products, namely soaps, moisturizing creams, lotions, serums, anti-wrinkle creams, brightening creams, skin toners, cleansing and moisturizing facial packs and masks, exfoliating skin scrubs for face and body, skin spot remover, eye cream, eye make-up remover, anti-aging treatments and masks, pore minimizing treatments and masks, sunscreen lotions, after-sun creams and lotions.」
(2)国際登録第1515559号商標
商標の構成:HANACURE
国際商標登録出願日:2019年(令和元年)12月18日
設定登録日:令和3年4月30日
指定商品:第3類「Perfume, cologne, bath oil, eye shadow, eye color pencil, brow color pencil, skin conditioning cream, mascara, blusher, face and body powder, foundation makeup, skin moisturizers, lipstick, lip gloss, lip contour pencil, nail enamel, nail polish, non-medicated soap for personal use, night cream, hand cream, cosmetic masques, and makeup remover, cologne spray, body cream, body lotion, bath and shower gel, bath soap, eau de toilette, skin moisturizer, body massage oil, body wash, skin soap, deodorant for personal use, hair conditioners, hair shampoo, hair gel.」

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第18号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、片仮名の標準文字「ハヌケア」からなり、その文字から「ハヌケア」の称呼を生じ、造語であるから、特定の観念は生じない。
引用商標は、いずれも大文字のアルファベット「HANACURE」からなり、自然な称呼として、「ハナキュア」の称呼を生じ、造語であるから、特定の観念は生じないものの、申立人の著名な商標として知られる。
本件商標と引用商標は、ともに4音からなり、語頭の「ハ」と語尾の「ア」が同一である。
本件商標と引用商標の差異は、中間に位置する「ヌ」と「ナ」、「ケ」と「キュ」であり、前者は、50音図の同行で子音「N」が同じであり、母音である「U(ウ)」と「A(ア)」が近似する。また、後者も、50音図の同行で、子音「K」及び最後の母音「U」は同じであり、引用商標にはその間に「Y」の音が挟まるのみで、両者の全体としての音は近似する。
本件商標も引用商標も、語頭が強く称呼され、語尾は同音であるため、中間の2音が近似する場合、聴者は聞き誤るおそれが高く、全体として、その称呼が類似する。
本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないため、観念は比較できず、また、片仮名とアルファベットである点でその外観を異にする。しかし、本件商標と引用商標の指定商品は、いずれも「せっけん類」や「化粧品」といった日常品であり、その需要者は、高度な注意力をもって商標を聴取するわけではない。
よって、同一・類似の商品について、両商標を使用した場合は、出所の混同が生じるおそれがあると考えるべきであり、両者は類似するものである。
また、本件商標の指定商品のうち「化粧品,せっけん類」は、引用商標の指定商品に類似する。
以上より、本件商標と引用商標は商標が類似し、指定商品も類似であるため、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の国内における著名性
引用商標は、「CUBE NEW YORK」のウェブサイトによれば、「2012年2月にドリュー・バリモアが『肌が10年若返った』というコメントとともにインスタグラムで紹介して以来、ビューティー・エディターやブロガーがこぞって注目し、程なく完売状態となった」化粧品に使用されている(甲4)。
この引用商標の付された化粧品は、2017年から今日に至るまで、日本全国で購入されており、会員数600万人を超える海外通販サイトBUYMAの「2019年上半期ベストコスメアワード」では、スキンケア部門で賞をとっている(甲5)。
さらに、インターネットサーチエンジンGoogleで引用商標の称呼である「ハナキュア」を検索すると、ヒットするウェブサイトはすべて引用商標に関するものである(甲6)。
このように、引用商標は、化粧品について、国内において著名性を有している。
イ 海外における引用商標の登録及び使用
申立人は、日本のみならず海外においても、引用商標や、引用商標と図形の組合せ商標を、第3類の商品について出願し、多くの登録を有している(甲7?甲17)。
また、インターネットサーチエンジンGoogleで「HANACURE」を検索すると、51万6千件のウェブサイトがヒットする(甲18)。
このように、引用商標は、外国においても著名な商標といえる。
ウ 本件商標の「他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標」の該当性
引用商標は、化粧品について、日本のみならず外国でも商標登録を受け、また、使用もされており、需要者の間で著名である。そして、引用商標の指定商品中、「歯磨き、香料、薫料」は、「化粧品」とは類似しないが、引用商標と本件商標は商標が類似し、本件商標を「歯磨き、香料、薫料」に使用した場合、その需要者が本件商標の出所を引用商標の出所と混同するおそれは十分にある。
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、上記1のとおり、「ハヌケア」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同書、同大、等間隔にまとまりよく横書きしてなり、当該構成文字に相応して「ハヌケア」の称呼を生じるものである。そして、当該文字は、辞書等に掲載されておらず、特定の意味合いを有しない造語よりなるものであるから、特定の観念は生じない。
他方、引用商標は、上記2のとおり、「HANACURE」の欧文字を表してなるところ、その構成文字は、同書、同大、等間隔にまとまりよく横書きしてなり、当該構成文字に相応して「ハナキュア」の称呼を生じるものである。そして、当該文字は、辞書等に掲載されておらず、特定の意味合いを有しない造語よりなるものであるから、特定の観念は生じない。
そこで、本件商標と引用商標の類否を検討すると、両者は、外観において、片仮名と欧文字という文字種の差異、及び4文字と8文字という構成文字数の差異を有し、これらの差異が両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえず、相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。
次に、本件商標から生じる「ハヌケア」の称呼と、引用商標から生じる「ハナキュア」の称呼を比較すると、両称呼は、ともに4音からなり、中間に位置する2音目の「ヌ」と「ナ」の音及び3音目の「ケ」と「キュ」の音に差異を有するものであるところ、短い4音構成における2音の差異音は、全体の称呼における影響が大きく、両者を一連に称呼したときは、聞き誤るおそれはなく、明瞭に聴別できるというべきである。
さらに、本件商標及び引用商標は、いずれも特定の観念を想起させない一種の造語として把握されるから、両商標は観念において比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないものの、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者の外観、称呼及び観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は非類似の商標と判断するのが相当である。
したがって、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が類似するとしても、本件商標は、引用商標と類似するものでないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人の主張及び同人提出に係る甲各号証によれば、「CUBE New York/キューブ・ニューヨーク」のウェブサイトにおいて、「Hanacure」(ハナキュア)と称する「オールインワン・フェイシャル・セット」について、2012年にアメリカ人女優がインスタグラムで紹介したことにより完売状態となった旨の記載(甲4)、また、「STORYweb」のウェブサイトにおいて、「2019.7.31 BUYMA『2019年上半期ベストコスメアワード』発表」の見出しの下、「スキンケア部門」として「HANACURE The All In One Facial 大物セレブがこぞって愛用し、その絶大なる効果をインスタグラムにアップして話題となったハナキュアのマスク。」の記載がある(甲5)。
しかしながら、上記ウェブサイトにおいて、「Hanacure」(ハナキュア)及び「HANACURE」の表示はあるものの、いずれも申立人に係る商品であることを確認できない。
また、引用商標が、諸外国で登録等されている(甲7?甲17)としても、諸外国で商標登録された事例が直ちに、我が国における引用商標の周知・著名性に結びつくものではない。
加えて、申立人は、インターネット検索エンジンで「ハナキュア」、「hanacure」の文字をキーワードとして検索した結果(甲6、甲18)を提出しているが、これらの出力日は2021年(令和3年)6月6日であり、本件商標の登録出願時(令和2年1月22日)及び登録査定時(令和2年12月1日)よりも後のものである。
その他、引用商標に係る商品の我が国における販売高、販売量などの販売実績及び宣伝広告の回数や宣伝広告費の額などの、周知・著名性を数量的に判断し得る客観的かつ具体的な証拠は提出されていない。
そうすると、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
また、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、相紛れるおそれのない商標といい得るから、本件商標と引用商標との類似性の程度は低いというべきである。
してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないとするのが相当である。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
異議決定日 2021-10-05 
出願番号 商願2020-6948(T2020-6948) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W03)
T 1 651・ 262- Y (W03)
T 1 651・ 261- Y (W03)
T 1 651・ 263- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 石戸 拓郎 
特許庁審判長 佐藤 松江
特許庁審判官 石塚 利恵
大森 友子
登録日 2020-12-15 
登録番号 商標登録第6329706号(T6329706) 
権利者 商品企画エンジン株式会社
商標の称呼 ハヌケア 
代理人 横堀 芳徳 
代理人 特許業務法人YKI国際特許事務所 

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