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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1378986 
異議申立番号 異議2021-900016 
総通号数 263 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-11-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-01-14 
確定日 2021-10-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第6309547号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6309547号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6309547号商標(以下「本件商標」という。)は、「BURTON WOOD」の欧文字を標準文字で表してなり、令和元年12月20日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」を指定商品として、同2年10月19日に登録査定され、同月28日に設定登録されたものである。

2 引用商標及び引用標章
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は次のとおりである(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)。
ア 登録第2112745号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 別掲1のとおり
指定商品 第5類、第9類、第10類、第16類、第17類、第21類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 昭和60年6月29日
設定登録日 平成元年2月21日
書換登録日 平成21年11月25日
イ 登録第4414036号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 BURTON
指定商品 第25類に属する閉鎖商標原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 平成5年11月24日
設定登録日 平成12年9月1日
ウ 登録第4451144号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成 BURTON
指定商品 第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 平成5年11月24日(商願平5-118659を原出願とする分割出願における遡及日)
設定登録日 平成13年2月2日
なお、引用商標1及び3に係る商標権はいずれも現に有効に存続しているものであり、引用商標2に係る商標権は令和2年9月1日に存続期間が満了し、その後、登録の抹消がなされているものである。
(2)申立人が、本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するとして引用する標章(以下「引用標章」という。)は、別掲2のとおり、「BURTON」の欧文字よりなり、申立人が「スノーボード、スノーボードウェア」等について使用し、需要者の間で周知著名となっていると主張するものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同項第10号及び同項第15号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標について
本件商標は、「BURTON」と「WOOD」の欧文字をスペースを介して標準文字で表してなるものである。
イ 引用商標について
引用商標1は、「BURTON」の欧文字を太字の通常といえる範囲の書体で表してなり、引用商標2及び引用商標3は、「BURTON」の欧文字を太字の通常書体で書してなるものである。
なお、申立人は上記以外にも「BURTON」を含む商標を11件登録しており(甲5)、本件商標はこれらの登録商標とも類似するものである。
ウ 本件商標から「BURTON」の文字が抽出される点について
本件商標は、「BURTON」と「WOOD」の欧文字を1文字分のスペースを介して標準文字で書してなり、結合商標と解されるものである。
そして、「BURTON」は「軽滑車」を意味する英単語であるが、特殊な業界の専門用語であり、また、国語辞書に掲載はない。他方、人名事典には複数の採録があることから、我が国でも「BURTON」は欧米人の人名と理解されると考えるのが自然である(甲6)。一方、「WOOD」は国語辞書にも「木。木材。」の意味が掲載されており、我が国でも日常普通に使用されている外来語として定着しているものである(甲7)。
したがって、本件商標を構成する「BURTON」と「WOOD」の各要素間に観念上の繋がりはなく、また、1文字分のスペースを介していることから外観上も分離されているといえる。
以上のことから、本件商標は、結合商標と解されるものの、結合の程度は弱いといえる。
そして、後述するように「BURTON」はスノーボードに関連する商品について世界的に周知著名である。
してみれば、引用商標は「運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」の取引者、需要者の間で周知著名であり、さらに、スノーボードウェアは冬期にはタウンユースとしても日常普通に使用されることから、その周知著名性は需要者が重複ないし密接に関連する「被服」「履物」及びその関連商品の取引者、需要者の間にも浸透している。
したがって、本件商標において「BURTON」の文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与え、本件商標から「BURTON」の文字部分が抽出される。
エ 本件商標と引用商標の類否
以上のように、本件商標より「BURTON」の文字部分が抽出されることから、本件商標の「BURTON」部分を引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することは許される。
そうすると、本件商標と引用商標は「BURTON」の文字を共通にすることから互いに相紛れるおそれがあることは明らかである。
よって、本件商標と引用商標とは要部を共通にして全体として類似するものである。
オ 小括
上記のとおり、本件商標と引用商標は類似するものであり、また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とはほぼ全ての商品について重複している。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号について
ア 引用標章の周知著名性
申立人は、1977年に設立されたスノーボード用品の製造販売会社であり(甲8)、引用標章は、その設立から現在に至るまで、その製造販売する全ての商品に使用されているものである。我が国にも、1980年代より代理店を通じて輸入販売され(甲9)、1998年には、スノーボードが長野オリンピックの正式種目として採用され(甲10)、冬期のメジャースポーツとして認知されるに至っている。申立人の商品は、スノーボードの黎明期からトップブランドとして多数の選手に使用されており(甲11)、2006年のトリノオリンピックでは、契約選手が金メダルを獲得し(2010年バンクーバー、2018年平昌でも獲得(甲12、甲13))、同年10月には原宿に日本初の直営店をオープンさせている。また、日本人契約選手が2014年のソチオリンピック及び2018年の平昌オリンピックで銀メダルを獲得し、同じく他の契約選手がソチオリンピックで銅メダルを獲得している(甲12、甲14、甲15)。スノーボードはボードの裏面にブランド名が大きく表されており(甲16)、競技において最も注目されるエアーターンではその裏面が大きく露出し、テレビや新聞、雑誌等ではこの場面が報道されることが多く(甲17、甲18)、また、選手は競技後のインタビューや取材等ではスノーボードの裏面が見えるように保持しており(甲19)、スノーボード愛好家に限らず、一般人の間にもブランド名が極めて効果的に認知かつ浸透していく。そして、申立人は、現在では全国に9店の直営店を展開しているほか(甲20)、その商品は日本全国のスポーツ用品店やオンラインストアで販売されている(甲21)。
以上のことから、引用標章は、スノーボード及びその関連商品について周知著名となっており、「スキー・スノーボード・雪遊び情報」のウェブサイトでも「世界No.1のスノーボードブランド」「世界シェアトップ」と紹介され、「スノボウェアのおすすめブランド8選」では「世界で最も有名なスノボウェアブランド」「日本では・・・の着用により大ブレーク」と紹介されている(甲22、甲23)。
さらに、申立人は、競技用のグッズやウェアにとどまらず、ファミリー向け商品やアウトドア用品(甲22、甲25)、タウンユースを意識したデザイン性の高い商品も展開しており(甲23?甲25)、アパレルブランドとしても認知されている。
以上から、引用標章はスノーボードに関心のある需要者の間で周知著名となっており、需要者の重なりやアパレルブランドとしても認知されていることから、その周知著名性は、「運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」といったスポーツ関連商品、「被服」や「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」「仮装用衣服」といったアパレル商品の需要者にも及んでいる。
イ 本件商標と引用標章の類否
上記(1)で述べたように、本件商標からは「BURTON」の文字部分が抽出され、引用標章は「BURTON」の欧文字よりなるから、本件商標と引用標章は要部を共通にして類似する。
ウ 本件商標の指定商品と引用標章の使用商品の類否
引用標章は、スノーボードブーツ、スノーボードウェア、グローブ、帽子に使用されており、少なくとも運動用特殊靴、運動用特殊衣服について重複しているほか、これらの商品はタウンユースとしても使用されることから、被服とも重複ないし類似している。
よって、本件商標の指定商品と引用標章の使用商品は、「仮装用衣服」を除く全ての指定商品について同一又は類似する。
エ 小括
以上のとおり、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標に類似する商標であって、その商品又はこれらに類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
ア 上記のとおり、本件商標と引用標章とは全体として類似し、引用標章はスノーボードについて周知著名であり、その周知著名性はスポーツ関連商品、アパレル商品の需要者の間にも及んでおり、引用標章は欧米人の氏からなり独創性が高いとはいえないものの、我が国でありふれているわけではなく、生来的に識別力を有するものである。また、本件商標の指定商品と引用標章の使用商品とは運動用特殊靴において重複し、その他の商品についても、アパレル関連商品(スポーツアパレルを含む)として密接な関連性を有し、取引者及び需要者も重複ないし共通性がある。さらに、本件商標の指定商品はスノーボード、ウェア、ブーツ、被服等であり特別に高額品ではなく需要者の注意力は格別に高いとはいえず、むしろファッション性が高いことから需要者は周知著名ブランドに敏感でフリーライドされ易いといえる。また、ファッション業界では、著名ブランドの感性やテイストを残しつつ、その普及版として著名ブランドと他の用語を組み合わせた商標を使用したディフュージョンブランド、セカンダリーラインを販売することも多く(甲26、甲27)、そのような派生ブランドとして出所の混同を生ずるおそれもある。
イ これらのことを総合的に考慮すれば、本件商標をその指定商品に使用した場合は、これに接した取引者及び需要者に対し、当該商品が申立人との間に緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品であると誤信され、商品の出所につき誤認を生じさせるとともに、周知著名となっている引用標章の持つ顧客吸引力ヘのただ乗り(フリーライド)やその希釈化(ダイリューション)を招くという結果を生じかねない。
よって、本件商標は、仮に一部の指定商品が引用標章の使用商品と非類似であるとしても、商標法第4条第1項第15号にいう「混同を生ずるおそれがある商標」に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標及び引用標章の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査(インターネット情報、新聞記事情報など)によれば、申立人(前身を含む。)は1977年に米国バーモント州で設立されたスノーボード用品(スノーボード、スノーボードウェアなど)の製造販売会社であり、引用標章はその設立から現在に至るまで同人が製造販売する商品に使用されていること(甲8、甲9、甲18、職権調査)、申立人が引用標章を使用し製造販売する商品(以下「申立人商品」という。)は、2002年以降の冬期オリンピックにおいて日本人を含む多くのメダリストなどが使用していること(甲11?甲15)、及び、我が国においては2006年10月に東京原宿に直営店がオープンし、現在、申立人商品は9店の直営店、スポーツ用品店、オンラインストアで全国的に販売されていること(甲20、甲21)が認められる。
また、インターネットの記事において、スノーボードブランド「BURTON」について、「世界No.1のスノーボードブランド」「スノーボードの総合メーカーとして、・・・世界シェアトップであり、・・・」「世界で最も有名なスノボウェアブランドと言っても過言ではありません。」等の記載が確認できる(甲22、甲23)。
しかしながら、申立人商品の売上高、シェアなど販売実績に係る主張はなく、それを示す証左も見いだせない。
イ 上記アのとおり、申立人商品は、1977年から40年以上継続して販売され、2002年以降の冬期オリンピックにおいて多くのメダリストなどに使用されていること、及び我が国においては遅くとも2006年から販売され、現在においては全国的に販売されていることが認められ、さらに、スノーボードブランド「BURTON」が世界No.1のスノーボードブランドであるなどと紹介するインターネット記事があることを併せ考慮すれば、引用標章は、我が国のスノーボード用品の需要者の間で相当程度認識されているといい得るものの、申立人商品の販売実績を示す証左は見いだせないことから、本件商標の指定商品に係る需要者の間においては、スノーボードウェアがタウンユースされることなどを考慮しても、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されているものと認めることはできない。
そうすると、引用標章「BURTON」と同一の文字のつづりからなる引用商標も、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の指定商品に係る需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 引用商標2との関係において
引用商標2に係る商標権は、上記2(1)のとおり、本件商標の登録査定時(令和2年10月19日)前である令和2年9月1日に存続期間が満了しており、その後登録の抹消がなされているものであるから、本件商標は、引用商標2との関係において本号に該当しない。
イ 引用商標1及び引用商標3との関係において
(ア)本件商標について
本件商標は、上記1のとおり、「BURTON WOOD」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字が特定の意味合いを有するものとして知られているような事情は見いだせないものであるから、その構成文字に相応して「バートンウッド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(イ)引用商標1及び引用商標3について
引用商標1は、別掲1のとおり、ややデザイン化された「BURTON」の欧文字よりなり、また、引用商標3は、上記2(1)ウのとおり、「BURTON」の欧文字よりなるところ、「BURTON」の文字が特定の意味合いを有するものとして知られているような事情は見いだせないものであるから、その構成文字に相応して「バートン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(ウ)本件商標と引用商標1及び引用商標3との類否について
本件商標と引用商標1及び引用商標3の類否について検討すると、外観においては、本件商標の構成文字「BURTON WOOD」と引用商標1及び引用商標3の構成文字「BURTON」の比較において、両者は後半部に「WOOD」の文字の有無という差異を有し、この差異が両者の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きく、相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。
次に、本件商標から生じる「バートンウッド」の称呼と引用商標1及び引用商標3から生じる「バートン」の称呼を比較すると、両者は後半部において「ウッド」の音の有無という差異を有し、この差異が両称呼全体の構成音数、語調語感に及ぼす影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、十分に聴別できるものである。
さらに、本件商標と引用商標1及び引用商標3は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできない。
そうすると、本件商標と引用商標1及び引用商標3は、観念において比較できないとしても、外観、称呼において相紛れるおそれはないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
その他、本件商標と引用商標1及び引用商標3が類似するというべき事情は見いだせない。
ウ 申立人の主張について
申立人は、本件商標はその構成中にスペースを有するから「BURTON」と「WOOD」の文字の結合商標と解される、両文字に観念上の繋がりはなく結合の程度は弱い、「BURTON」は「被服,履物」及びその関連商品の取引者、需要者の間で周知著名であることよりすれば、本件商標は、「BURTON」の文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるから、「BURTON」の文字部分を抽出し引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することは許されるとして、本件商標と引用商標は類似する旨主張している。
しかしながら、本件商標の構成文字「BURTON WOOD」は、同書同大で一体的に表され、これより生じる「バートンウッド」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものであり、また、上記(1)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の指定商品に係る需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。さらに、本件商標は、その構成中「BURTON」の文字部分を分離抽出して他の商標と比較検討することが許されるというべき事情は見いだせない。
してみれば、「BURTON」の文字部分を抽出した上で、本件商標と引用商標は類似するという申立人の主張は、採用することができない。
なお、申立人は、本件商標は引用商標以外の「BURTON」の文字を含む11件の登録商標(甲5)とも類似する旨述べるところがあるが、本件商標は、「BURTON」の文字部分を分離抽出して他の商標と比較検討することが許されないものであることは上述のとおりであるから、上記11件の商標と同一又は類似の商標とは認められないものである。
エ 小括
以上のとおり、引用商標2に係る商標権は本件商標の登録査定時前に存続期間が満了し、その後登録の抹消がなされており、また、本件商標の指定商品と引用商標1及び引用商標3の指定商品が同一又は類似するとしても、両商標は非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
本号は、「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの」と規定されている。
引用標章は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時のいずれにおいても、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
また、本件商標と引用標章は、上記(2)イ(ウ)と同様の理由により、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用標章の周知性について
引用標章は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時のいずれにおいても、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
イ 本件商標と引用標章との類似性の程度について
本件商標と引用標章は、上記(2)イ(ウ)と同様の理由により、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、類似性の程度は高いとはいえない。
ウ 本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品の関連性、需要者の共通性について
スノーボードウェアがタウンユースされることがある等の事情を考慮すれば、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品とは、その一部において、需要者を共通にする場合があり、商品の関連性はあるものといえる。
エ 小括
上記アないしウのとおり、本件商標の指定商品は、その一部において、申立人の業務に係る商品との関連性を有し、その需要者の範囲を共通にする場合があるとしても、引用標章は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているとはいえず、本件商標と引用標章の類似性の程度も高いとはいえないものである。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者が、引用標章を連想又は想起することはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというのが相当である。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
【別掲1】
引用商標1


【別掲2】
引用標章



異議決定日 2021-09-27 
出願番号 商願2019-162083(T2019-162083) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W25)
T 1 651・ 271- Y (W25)
T 1 651・ 261- Y (W25)
T 1 651・ 25- Y (W25)
T 1 651・ 263- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 菊池 夏未福田 洋子 
特許庁審判長 中束 としえ
特許庁審判官 冨澤 美加
黒磯 裕子
登録日 2020-10-28 
登録番号 商標登録第6309547号(T6309547) 
権利者 ケントジャパン株式会社
商標の称呼 バートンウッド、バートン、ウッド 
代理人 恩田 博宣 
代理人 恩田 誠 

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