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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W3745
管理番号 1378840 
審判番号 不服2020-13182 
総通号数 263 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-09-21 
確定日 2021-09-16 
事件の表示 商願2018-152528拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第37類「自動車車検のための自動車の修理又は整備,自動車車検のための自動車の修理又は整備に関する情報の提供,車検のための二輪自動車の修理又は整備,車検のための二輪自動車の修理又は整備に関する助言及び情報の提供」及び第45類「車検の申請手続の代理,自動車又は二輪自動車の車検のための申請代行,自動車の名義変更に関する手続の代行に関する情報の提供,車庫証明に関する手続の代行に関する情報の提供」を指定役務として、平成30年12月12日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『中部車検センター』の文字を藍色で普通に用いられる方法で書してなるところ、その構成中、『中部』の文字は、『中部地方の略。』の意味を有し、『車検』の文字は、『道路運送車両法に基づいて行われる自動車の車体検査。』の意味を有し、『センター』の文字は、『その分野の中心となる機関・施設。』の意味を有することから、本願商標は、その構成全体として、『中部地方にある車検を行う施設』ほどの意味合いを容易に認識させるものである。そして、本願商標に係る指定役務を取扱う業界において、『車検センター』の文字が、『車検を行う施設』ほどの意味合いを表すものとして一般に使用されている実情が見受けられる。そうすると、本願商標を、その指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、『中部地方にある車検を行う施設において提供される役務』ほどの意味合いを認識するにとどまり、本願商標は、単に役務の提供の場所及び役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、別掲1に示した構成態様からなり、「中部車検センター」の文字を藍色でやや肉太に表してなるものと容易に看取させるものである。
そして、一般に、商品又は役務に標章等を使用する際に様々なデザイン化が行われている現状にあっては、本願商標の構成各文字の態様や色彩についても、特殊な態様、色彩とはいい得ないものであるから、本願商標は、普通に用いられる方法の範囲で表してなるとみるのが相当である。なお、このことは、例えば別掲2の事実や、本願に係る意見書に添付された資料(例えば「車検整備」「板金塗装」のデザイン化など)からも裏付けられる。
また、「中部」の文字は「中部地方の略。」を、「車検」の文字は「道路運送車両法に基づいて行われる自動車の車体検査。」を、「センター」の文字は「その分野の中心となる機関・施設。」を意味する語(出典:いずれも、株式会社岩波書店「広辞苑第七版」)であるから、上記各文字(語)からなる「中部車検センター」の文字全体としては、「中部地方の車体検査の施設」の意味合いを容易に理解させるものである。
加えて、本願の指定役務を取り扱う業界においては、原審説示のとおり、「車検センター」の文字が、「車体検査の施設」の意味合いを表すものとして一般に使用されている実情がある。
そうとすれば、本願商標に接する需要者、取引者は、本願商標の構成全体から「中部地方の車体検査の施設」の意味を認識、理解するにとどまるというのが相当であり、上記意味を認識する以上に、本願商標を格別顕著なものとして把握し、自他役務の識別標識として認識するということはできない。
してみれば、本願商標をその指定役務に使用したときは、これに接する需要者、取引者は、当該役務が、「中部地方の車体検査の施設」における役務又は「中部地方の車体検査の施設」による役務であることを表示したものと認識するにすぎないものであって、本願商標は、役務の提供の場所又は質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標は、「役務の提供の場所及び役務の質を表示するもの」であるとしても、「普通に用いられる方法」で表示されたものではなく、本願商標はデザイナーが作成したものであり、例えば、「車」「セ」「ン」「タ」の文字は、文字の肉厚の広狭に工夫がされていることや、横線が水平方向に伸びるように表されていることから、特徴的なデザインからなるものとみるのが相当である旨主張する。
しかしながら、本願商標を構成する文字が、たとえデザイナーが作成したものであったとしても、別掲2のとおり、文字の太さに差を付けるような表し方や横線が水平方向に伸びるような表し方は一般的に採用されるデザイン手法の一つである上、本願商標は、「中部車検センター」の文字を表してなるものと容易に看取されるものである。そうすると、本願商標に接する需要者が、本願商標の態様に着目し、その態様で表されていることに特徴を見いだし、それをもって自他役務の識別標識として把握するものとはいい難く、本願商標は、いまだ普通に用いられる方法の域を出ない方法で表されたものであると判断するのが相当である。
よって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
別掲1 本願商標(色彩については原本参照。)



別掲2 文字の肉厚の広狭を工夫したり、横線が水平方向に伸びるように表した事例


https://corp.cocokarafine.co.jp/corporate/profile.html


https://www.avantistaff.com/corporate/outline/


http://www.carcenter.or.jp/


審理終結日 2021-06-24 
結審通知日 2021-06-29 
審決日 2021-07-27 
出願番号 商願2018-152528(T2018-152528) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W3745)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 滝口 裕子渡邉 潤地主 雄利 
特許庁審判長 森山 啓
特許庁審判官 綾 郁奈子
板谷 玲子
商標の称呼 チューブシャケンセンター、チューブシャケン、チューブ 
代理人 蓑和田 登 

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