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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 03
審判 一部申立て  登録を維持 03
審判 一部申立て  登録を維持 03
管理番号 1378068 
異議申立番号 異議2020-900344 
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-10-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-12-21 
確定日 2021-09-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第6297998号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6297998号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6297998号商標(以下「本件商標」という。)は、「NAOL」の欧文字を標準文字で表してなり、令和2年3月9日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料,薫料」、第5類「薬剤,食餌療法用食品,食餌療法用飲料,サプリメント,乳幼児用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用粉乳,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),乳酸発酵用酵素(医薬用のもの),食物繊維」及び第29類「乳製品,加工野菜及び加工果実」を指定商品として、同年8月28日に登録査定され、同年9月29日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由において、商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第5899878号商標(以下「引用商標」という。)は、「NAOS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成28年5月13日に登録出願、第3類「洗濯用漂白剤その他の洗濯用剤,洗浄剤(煙突用化学洗浄剤を除く。),つや出し剤,油脂除去剤及び研磨剤,せっけん類,香料,薫料及び香水類,精油,化粧品,クリーム,シャンプー,ヘアーローション,歯磨き,身体防臭用化粧品,保湿用化粧品,肌美白用剤,スキンクレンジング用化粧品,痩身用化粧品,日焼け用及び日焼け止め用化粧品,ベビー肌用化粧品,脱毛剤,脱毛用ワックスシート」を指定商品として、同年11月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標の指定商品中、第3類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)外観について
本件商標は欧文字の「NAOL」からなるのに対し、引用商標は欧文字の「NAOS」からなるものである。
両商標はいずれも4文字からなる構成であり、そのうち3文字が共通する。さらに、その共通する文字は、需要者が注目しやすい語頭に配されているから、これらに接する需要者が両商標を混同する可能性は高い。
したがって、両商標は外観において類似する。
(2)称呼について
本件商標からは「ナオル」の称呼が生じるのに対し、引用商標からは「ナオス」の称呼が生じる。
両商標はいずれも3音節であり、かつ、異なる音節は末尾に位置している。さらに、「ル」と「ス」とはそれらの母音「ウ」が共通し、かつ、いずれも弱い音であるから、異なる音節は需要者が両商標の称呼を聴別するのに十分ではない。
したがって、需要者が両商標を混同する可能性は高いため、両商標は称呼において類似する。
(3)観念について
本件商標と引用商標はいずれも造語であり特定の観念は生じない。
(4)まとめ
本件商標と引用商標とは外観及び称呼において類似するから全体として類似する商標である。また、本件商標と引用商標は、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、「NAOL」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、我が国において一般的に使用されている辞書等に載録されている語ではなく、また、特定の意味合いを有するものとして認識されているというような事情も見いだせないものである。
そして、一般的に、特定の意味を有しない欧文字は、我が国において親しまれた外国語である英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されることから、本件商標は、その構成文字に相応して「ナオル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は、「NAOS」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、我が国において一般的に使用されている辞書等に載録されている語ではなく、また、特定の意味合いを有するものとして認識されているというような事情も見いだせないものである。
そして、上記(1)と同様に、一般的に、特定の意味を有しない欧文字は、我が国において親しまれた外国語である英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されることから、引用商標は、その構成文字に相応して「ナオス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。
(3)本件商標と引用商標との類否について
ア 本件商標と、引用商標との類否について検討すると、両者は、外観において、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、1文字目から3文字目の「NAO」の文字を共通にし、4文字目において「L」と「S」の各文字に差異を有するところ、両者の構成文字数が4文字と比較的少ない中にあって、「L」と「S」の差異が看過されるとはいい難く、両者の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえないから、両者は、外観において相紛れるおそれのないものである。
イ 本件商標から生じる「ナオル」の称呼と引用商標から生じる「ナオス」の称呼とを比較すると、両者は共に3音で構成され、「ナオ」の音を共通にするとしても、第3音における「ル」と「ス」の音の差異を有するものであり、わずか3音という短い音構成にあっては、かかる差異が、両称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえないから、両者をそれぞれ称呼しても、語調、語感が異なり、互いに聞き誤るおそれはないものである。
ウ 本件商標と引用商標とは、共に特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできない。
エ 以上よりすると、本件商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、これらの外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であるというのが相当である。
(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
引用商標の指定商品は、本件商標の指定商品中、第3類の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。
(5)小括
以上によれば、引用商標の指定商品が、本件商標の指定商品中、第3類の指定商品と同一又は類似の商品を含むものであるとしても、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その登録異議の申立てに係る指定商品についての登録は同条第1項の規定に違反してなされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。



別掲

異議決定日 2021-09-09 
出願番号 商願2020-30615(T2020-30615) 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (03)
T 1 652・ 263- Y (03)
T 1 652・ 262- Y (03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小島 玖美池田 光治 
特許庁審判長 齋藤 貴博
特許庁審判官 山根 まり子
小田 昌子
登録日 2020-09-29 
登録番号 商標登録第6297998号(T6297998) 
権利者 株式会社N&O Life
商標の称呼 ナオル 
代理人 橘 和之 
代理人 長谷 玲子 

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