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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20209491 審決 商標
不服201310115 審決 商標
不服201311481 審決 商標
不服201423993 審決 商標
不服20187782 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W26
管理番号 1377948 
審判番号 不服2020-1998 
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-02-13 
確定日 2021-09-02 
事件の表示 商願2019-128760拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、「極やわインナーキャップ」の文字を横書きし、その構成中の「極」の文字の上に「ごく」の振り仮名を付した構成よりなり、第26類「かつら用ネット」を指定商品として、令和元年10月2日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『極やわインナーキャップ』の文字を表し、その構成中の『極』の文字の上に、『ごく』の振り仮名を付した構成からなるところ、その構成中の『極』の文字(語)が『最も。きわめて。この上なく』等の意味を、『やわ』の文字(語)が『やわらかい。』等の意味を、それぞれ有するから、『極やわ』の文字部分については、『きわめてやわらかい』ほどの意味合いを理解させ、「極やわ」及び当該文字を漢字で表した「極柔」の文字が、柔らかい肌触りであることを強調するために一般に用いられる実情がうかがえる。また、『インナーキャップ』の文字(語)は、『ウィッグ用ネット』を指称するものとして使用され、さらに、当該商品の品質の一つとして「柔らかい」ことが挙げられている事情がうかがえる。これらの実情を踏まえると、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者が、当該商品を『きわめてやわらかいかつら用ネット』であると容易に認識し得るものであって、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における審尋と請求人の回答
本願商標の商標法第3条第1項第3項該当性について、職権に基づく証拠調べを実施し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、令和3年3月29日付けの審尋で、その結果を通知するとともに、下記第4と同旨の暫定的見解について通知したが、請求人からは、何ら回答(応答)がなかった。

第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性
(1)本願商標は 上記第1のとおり、「極やわインナーキャップ」の文字を横書きし、その構成中の「極」の文字の上に、「ごく」の振り仮名を付した構成よりなるものである。
(2)本願商標の構成中、「極」の文字(語)は「きわめて。この上なく。」(広辞苑第7版)の意味を、また、「やわ」の文字は、「やわらかなさま。」の意味を表す「柔」(前掲書)の平仮名表記であることから、その構成中、「極やわ」の文字部分については、「極めてやわらかい」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
そして、職権による調査によれば、「極やわ」の文字及びその漢字表記といえる「極柔」の文字は、別掲2のとおり、被服や衛生用品など、身に付けて使用する商品をはじめとする様々な商品において、商品の特徴として、着け心地、着心地及び肌触りが「やわらかい」商品であることを強調する語として、商品説明等において多数使用されている実情が認められ、また、別掲3(1)ないし(4)及び(8)のとおり、本願の指定商品である「かつら用ネット」を取り扱う分野において「やわらかい」ことが商品の品質の一つとして表されている実情が認められる。
そうすると、本願商標の構成中、「極やわ」の文字は、構成する文字から認識される意味合い及び取引の実情をふまえると、取引者、需要者をして、「極めてやわらかい」という商品の品質を表したものと理解されるにとどまるものというのが相当である。
(3)また、本願商標の構成中、「インナーキャップ」の文字については、別掲3(1)、(2)及び(5)ないし(8)のとおり、本願の指定商品「かつら用ネット」との関係においては、商品そのものを表す語として多数使用されていることから、当該文字部分は、指定商品の名称を表したと理解されるものというべきである。
(4)そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、「極めてやわらかい商品」であるという商品の品質を表したものと認識するにすぎないものといえる。
また、本願商標の構成中、「極」の文字の上に「ごく」と付された平仮名は、漢字に対する振り仮名を付す方法として広く一般にみられる手法に準じて表されているにすぎず、本願商標に接する取引者、需要者をして、特段の特徴を有するものとして認識されるとはいい難いものであるから、本願商標は、普通に用いられる方法の域を脱しない方法で表示するものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、「極やわ」(「極」の文字の上に「ごく」と振り仮名を付している。)の構成よりなる、商標登録第5387131号商標の登録例を挙げ、当該商標の設定登録が平成23年であり、これを「審査時期が相当前」と認定することは許されないから、同様の事情には当然に同様の判断がなされるべきである旨を主張する。
しかしながら、請求人が挙げた登録例については、指定商品が異なるものであるから、事案を異にし、同一に論じることはできないものである。そして、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、商標の構成、指定商品又は指定役務、取引の実情等を踏まえて、当該商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標については、上記1のとおり判断するのが相当であって、請求人が挙げる登録例の存在をもって、上記判断が左右されるものではない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲1(本願商標)


別掲2 「極やわ」又は「極柔」の文字が、被服や衛生用品など身に付けて使用する商品をはじめとする様々な商品において、「極めてやわらかい」という商品の特徴を表す語として使用されている例
(1)「株式会社医食同源ドットコム」のウェブサイトには、商品「マスク」の商品パッケージの写真に「こだわり素材 口元極上のやわらかさ」及び「超やわらか幅広ゴム」の記載と共に、「極やわ不織布マスク ふつうサイズ40枚入」との記載がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0784PHLVM
(2)「Amazon.co.jp」のウェブサイトにおける「暮らしと寝具 LIVING&BEDDING」のストアのページには、商品「肌布団」の写真と共に、「極やわ 水洗い加工 プリント肌布団」との記載及び「中綿には、とろけるような風合いの極細のマイクロファイバー綿を使用。この極細のマイクロファイバー繊維がやわらかで、やさいく肌にからみつくような、独特の滑らかな感触を与えます。」との記載がある。
https://www.amazon.co.jp/F-150X210cm/dp/B07WRQT2B2
(3)「G-Ranking」のウェブサイトには、「The センイシティー -通販-」として、商品「肌着」の写真に「極やわしっとりソフト」の記載と共に、「レディース あったか インナー 肌着 長袖 Uネック しっとり 極やわ 薄手 やわらか 素材 セール」との記載がある。
https://pmall.gpoint.co.jp/g-ranking/itemdtl.php?itemid=740908
(4)「楽天市場」のウェブサイトには、商品「はらまきレギンス」の写真に「極やわ暖か」及び「表側は極やわウール」との記載がある。
https://item.rakuten.co.jp/841t/w05/
(5)「Amazon.co.jp」のウェブサイトにおける「暮らしと寝具 LIVING&BEDDING」のストアのページには、商品「枕」の写真と共に、「ゆったりリッチ ホテルタイプ 枕 専用カバー付き 極やわ 水洗いピーチ加工 ピロー ロング 大きい ワイド 洗える 安眠 人気」及び「このピーチ加工+水洗い加工のダブルのやわらか加工を施した生地を、枕の本体とセットの専用カバーに使用しました。」との記載がある。
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%86%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%8A%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%81-%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97-%E5%B0%82%E7%94%A8%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%BC%E4%BB%98%E3%81%8D-%E6%B0%B4%E6%B4%97%E3%81%84%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%81%E5%8A%A0%E5%B7%A5-45X75cm/dp/B07WTVQPTF
(6)「LOHACO」のウェブサイトには、「ケイワーク 極柔革手レインジャーM A2-M(取寄品)」の見出しの下、商品「手袋」の写真と共に、「ケイワーク 極柔革手レインジャーの商品説明」として、「驚きの柔らかさを実現しています。」との記載がある。
https://lohaco.jp/product/X249670/
(7)「ABAHOUSE INTERNATIONAL Co.」のウェブサイトには、「【極柔レザー】ダーツホールカットシューズ」のアイテム説明の欄に、「定番人気“極柔レザー”シリーズから新作登場!」の見出しの下、「足馴染みのよい非常に柔らかい革を使用しているのが最大のポイントである定番人気シリーズ。」との記載がある。
https://abahouse.jp/mens/alfredobannister/item_52391011008/523910110081/
(8)「楽天市場」のウェブサイトには、商品「シャツ」について、「極柔ダブルガーゼ素材で仕上げたこなれ感抜群のリラックスシャツ。」及び「ふんわりと空気を含んだ極柔ガーゼを2重にした生地は、優しい肌触りと、透け感により重なる2面の柄が独自の表情を表現。」との記載がある。
https://item.rakuten.co.jp/spu/buy140992/
(9)「ファション通販SHOPLIST」のウェブサイトには、商品「ソフトシリコンパッド」の商品紹介として「極柔♪ぷるぷる感触のソフトシリコンパッド」との記載がある。
https://shop-list.com/women/plusnao/sasami/
(10)「Become」のウェブサイトには、商品「バレエ用下着ショーツ」の写真と共に、商品説明として、「プロ選手も御用達の体操・ダンス用品、日本製 最高品質 柔らかバレエ用下着ショーツ(子供?大人)発表会衣装の下、レオタードの下に透けないはみ出ない 極柔インナーショーツ」との記載がある。
https://www.become.co.jp/sports/pid/732350879/

別掲3 本願の指定商品「かつら用ネット」を取り扱う分野において「やわらかいこと」が商品の品質の一つとして表されている例及びインナーキャップの文字が、「かつら(ウィッグ)用ネット」を指称するものとして使用されている例
(1)「Peer online shop」のウェブサイトには、商品「かつら用ネット」の写真と共に「【自毛をまとめてウイッグスタイルをキレイに仕上げる】柔らかメッシュの髪をまとめるインナーキャップ」との記載がある。
http://peer.shop-pro.jp/?pid=57588909
(2)「楽天市場」のウェブサイトにおける「Flatease」のページには、商品「かつら用ネット」の写真と共に、「竹コットンインナーキャップ」及び「竹コットンは、竹繊維を配合されたコットンで、とてもやわらかい肌触り」との記載がある。
https://item.rakuten.co.jp/flatease/care-0009/?gclid=EAIaIQobChMIotTO-uXP7gIVlKqWCh0dbANZEAQYAiABEgKIw_D_BwE&scid=af_pc_etc&sc2id=af_113_0_10001868&icm_cid=1784512067&icm_acid=152-237-2243&icm_agid=68937752323
(3)「AQUADOLL」のウェブサイトには、商品「かつら用ネット」の写真と共に、「new point3.変わらないホールド力◎」の見出しの下に、「細かく柔らかいネットが地毛をしっかりまとめ、ホールド力はそのまま変わりません」との記載がある。
https://item.rakuten.co.jp/luxystone/10000423/
(4)「Lady‘s SVSTORE」のウェブサイトには、商品「かつら用ネット」の写真と共に、「やわらかネット(5枚セット)」の説明として、「ウィッグの下の髪をまとめるネット 脱毛期、回復期の髪をまとめるためのやわらかいネットです。」との記載がある。
https://ladys-store.svenson.co.jp/shopdetail/004001000009/
(5)「AQUADOLL」のウェブサイトには、商品「かつら用ネット」の写真と共に、「医療用インナーキャップ」との記載がある。
https://aquadollwig.jp/i/wgn003
(6)「fitme フィットミー」のウェブサイトには、商品「かつら用ネット」の写真と共に、「フィットミー用インナーキャップ」の見出し及び「インナーキャップは優れた伸縮性のストレッチ繊維・・・」との記載がある。
https://www.fitme.jp/style/MW.html
(7)「Shiro.factory」のウェブサイトには、商品「かつら用ネット」の写真と共に、「フリーサイズインナーキャップ」の見出し及び「ウィッグの下にかぶる<フリーサイズインナーキャップ>です。」との記載がある。
https://wig-shiro.com/?pid=124807088
(8)「fascino medical wig」のウェブサイトには、商品「かつら用ネット」の写真と共に、「頭を守る柔らかインナーキャップ」及び「ウィッグを被る前にご使用するインナーキャップです。」との記載がある。
http://wig-fascino.net/?pid=134859968

審理終結日 2021-06-23 
結審通知日 2021-06-24 
審決日 2021-07-19 
出願番号 商願2019-128760(T2019-128760) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W26)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 福田 洋子 
特許庁審判長 中束 としえ
特許庁審判官 庄司 美和
馬場 秀敏
商標の称呼 ゴクヤワインナーキャップ、キョクヤワインナーキャップ、ゴクヤワ、キョクヤワ、インナーキャップ、インナー 
代理人 内島 裕 

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