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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない W35
管理番号 1377905 
審判番号 取消2020-300824 
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-10-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2020-11-13 
確定日 2021-08-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第5860889号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5860889号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成27年11月19日に登録出願、第35類「履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿記載の役務を指定役務として、同28年5月11日に登録査定、同年6月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の請求の登録は、令和2年12月4日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の平成29年12月4日から令和2年12月3日までを以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張
請求人は、「商標法第50条第1項の規定により、登録第5860889号商標の指定役務中、第35類『履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供』(以下「請求に係る指定役務」という。)についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、請求書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないことから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、下記の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。
1 株式会社ベガコーポレーションの事業内容について
被請求人(商標権者)である株式会社ベガコーポレーション(以下「ベガコーポレーション」という。)は、家具・インテリア等のインターネット通信販売事業、越境ECプラットフォームの運営等を行う企業である。越境ECプラットフォームとして、本件商標「DOKODEMO」の名称にてネット上のショッピングサイトを運営しており、出店者は、DOKODEMOのサイトで商品を販売している(乙2)。
2 本件商標の使用事実
(1)出荷依頼の電子メール
乙第3号証は、ベガコーポレーションからショッピングサイトDOKODEMOの出店者である株式会社ティンパンアレイ(以下「ティンパンアレイ」という。)が運営するユーズドセレクトショップ「RAGTAG」の担当者宛に、顧客への出荷を依頼した電子メールである。
乙第4号証として、ティンパンアレイのウェブサイト上に掲載されている会社概要を提出する。
上記出荷依頼の電子メールの送信日時は、2020年2月6日であり、要証期間内である。また、商品情報には、「商品名:【中古品】Le Talon シューズ サイズ:35 1/2(22cm位)」と記載されていることから、請求に係る指定役務に関連する「靴」であることは明らかである。
また、件名には、「【RAGTAG 様_出荷依頼】ドコデモ_個別配送サービス」と記載されており、ショッピングサイトDOKODEMOで購入された靴の出荷である。
さらに、本出荷依頼の電子メールの「■seller」の「seller情報:(店舗ページ)」にあるURLをクリックすると、DOKODEMOのウェブサイトにリンクが貼られており、同サイトの上部中央には、本件商標「DOKODEMO」と社会通念上同一の商標が付されている。
乙第5号証として、本件商標「DOKODEMO」と社会通念上同一の商標が記載された本ウェブサイトの写しを提出する。
ここで、出荷依頼メールからURLをクリックすることで直接的に繋がる上記ウェブサイトは、取引書類の一部である。
したがって、本件商標「DOKODEMO」と社会通念上同一の商標が取引書類である出荷依頼メールに付されて電磁的方法によって提供されたことは、明らかである。
また、乙第5号証の左下には、「RAGTAG」と記載されていることから、本出荷依頼に基づいて出荷される予定の「靴」は、DOKODEMOのウェブサイト内で運営される「RAGTAG」で購入された商品である。
さらに、本出荷依頼メールの最後尾にある「マイページお問い合わせフォーム」のURLをクリックすると、DOKODEMOのウェブサイトにリンクが貼られており、同サイトの上部中央には、本件商標「DOKODEMO」と社会通念上同一の商標が付されている。
出荷依頼メールからURLをクリックすることで直接的に繋がるウェブサイトは、取引書類の一部であるため、本件商標「DOKODEMO」と社会通念上同一の商標が取引書類である出荷依頼メールに付されて電磁的方法によって提供されたことは、明らかである。
乙第6号証として、本件商標「DOKODEMO」と社会通念上同一の商標が記載された本ウェブサイトの写しを提出する。
以上のことから、要証期間内に商標権者であるベガコーポレーションが、請求に係る指定役務に関連する「靴」についての取引書類である出荷依頼を内容とする情報に登録商標と社会通念上同一の商標を付して電磁的方法により提供していることは明らかである。
(2)データベース上の記録
乙第7号証は、REGTAGを運営するティンパンアレイが商品「【中古品】Le Talon シューズ サイズ:35 1/2(22cm位)」をDOKODEMOのウェブサイトに登録した日付を示す、データベース上の記録をキャプチャしたものである。
nameには、「【中古品】Le Talon シューズ サイズ:35 1/2(22cm位)」の記載があり、created_atには、2019-06-25 18:05:58と記載されている。
nameは、商品名を示しており、created_atは、商品の登録日、つまり出品日を示すものであるため、REGTAGを運営するティンパンアレイが、2019年6月25日にDOKODEMOのウェブサイトに出品したことが証明される。
(3)PR TIMESのニュース記事及びDOKODEMOのウェブサイト
乙第8号証は、PR TIMESのニュース記事の写しである。
2019.12.4付で、越境ECプラットフォームDOKODEMOに株式会社SOUが運営するヴィンテージセレクトショップ「ALLU(アリュー)」が出店することが紹介されている。
さらに、乙第9号証は、株式会社SOUが運営する「ALLU(アリュー)」がDOKODEMOのウェブサイト上で【中古品】シャネル ココマーク レザースニーカー 40 レディース ブラック×ホワイト G34085を販売している画像の写しであり、右下には2021/03/18と記載されている。
上記より、PR TIMESのニュース記事に記載された2019年12月4日より現在まで継続して、DOKODEMOのウェブサイト上で商品「靴」が販売されていることが推認される。
3 むすび
以上のとおり、要証期間内に、本件商標「DOKODEMO」と社会通念上同一の商標が、商標権者である被請求人によって、請求に係る指定役務について使用されたことは明らかであるから、本件商標の登録は商標法第50条第1項により、取消すことはできない。

第4 当審の判断
1 事実認定
被請求人の提出した証拠及び主張によれば、以下の事実を認めることができる。
(1)乙第8号証は、2019年12月4日付けのPR TIMESのニュース記事の写しであり、ベガコーポレーションが運営する越境ECプラットフォーム「DOKODEMO」に、株式会社SOUが運営するヴィンテージセレクトショップ「ALLU(アリュー)」が出店したことが紹介されている。
(2)乙第9号証の1葉目は、株式会社SOUが運営する「ALLU(アリュー)」が出店した、ベガコーポレーションが運営する「DOKODEMO」のウェブサイト上において、ブランド品であるシャネルのスニーカーが商品画像、価格等とともに複数掲載され、販売されていることが確認できる。中央上には、別掲2のとおり「DOKODEMO」(冒頭の「D」の文字の縦線が三箇所切れて表されている。以下「使用商標」という。)の文字が表示されている。
(3)乙第9号証の2葉目は、1葉目に複数掲載されたシャネルのスニーカーのうちの一つ「【中古品】シャネル ココマーク レザー スニーカー 40 レディース ブラック×ホワイト G34085」についての商品画像付きの詳細情報(在庫数、仕様・規格、素材・材質等)であり、右下には2021/03/18と表示されている。中央上には使用商標が表示されている。
(4)上記(1)及び(3)を勘案すれば、PR TIMESのニュース記事に記載された2019年(令和元年)12月4日より現在(少なくとも2021年(令和3年)3月18日)まで(以下「使用期間」という。)継続して、商標権者が運営する越境ECプラットフォーム「DOKODEMO」のウェブサイト上で「履物の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「使用役務」という。)が行われていたことが推認される。
2 判断
上記1で認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標
乙第9号証には、中央上に使用商標が表示されているところ、使用商標と本件商標とは、冒頭の「D」の文字の態様において一部差異があるものの、「DOKODEMO」の構成文字及び「ドコデモ」の称呼を共通にする、社会通念上同一と認められる商標である。
(2)使用役務
上記1(4)のとおり、商標権者が運営する越境ECプラットフォーム「DOKODEMO」のウェブサイト上で使用役務が提供されていたと推認されるところ、当該使用役務は、請求に係る指定役務、第35類「履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに含まれるものと認められる。
(3)使用時期
上記1(4)のとおり、使用期間に継続して、商標権者が運営する越境ECプラットフォーム「DOKODEMO」のウェブサイト上で使用役務の提供が行われていたと推認されるところ、当該使用期間は、要証期間を含むものである。
(4)使用者
乙第9号証において、使用商標が表示されている越境ECプラットフォーム「DOKODEMO」を運営しているのはベガコーポレーションであるから、使用者は、本件商標権者と認められる。
(5)使用行為
乙第9号証において、本件商標権者のウェブサイト上で使用商標が表示され、使用役務が提供されていた行為は、「電磁的方法により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する行為」(商標法第2条第3項第7号)が行われていたものと認められる。
(6)小括
上記(1)ないし(5)で判断したとおり、本件商標権者は、要証期間に日本国内において、請求に係る指定役務、第35類「履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに含まれる「履物の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を、インターネットにより映像面を介して提供するに当たり、その映像面に本件商標と社会通念上同一の商標を表示して提供する行為をしていたことが認められる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件商標権者が、要証期間に日本国内において、請求に係る指定役務について、本件商標と社会通念上同一の商標の使用をしていたことを証明したと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りではない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲1(本件商標)


別掲2(使用商標)



審理終結日 2021-06-17 
結審通知日 2021-06-21 
審決日 2021-07-08 
出願番号 商願2015-113839(T2015-113839) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (W35)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 赤澤 聡美 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 板谷 玲子
森山 啓
登録日 2016-06-24 
登録番号 商標登録第5860889号(T5860889) 
商標の称呼 ドコデモ 
代理人 下田 容一郎 
代理人 特許業務法人はなぶさ特許商標事務所 
代理人 下田 憲雅 

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