• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W11
審判 全部申立て  登録を維持 W11
審判 全部申立て  登録を維持 W11
管理番号 1377000 
異議申立番号 異議2021-900079 
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-09-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-03-04 
確定日 2021-08-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第6328056号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6328056号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6328056号商標(以下「本件商標」という。)は、「クォーツカウンター」の文字を標準文字で表してなり、令和元年10月4日に登録出願、第11類「家庭用調理台,家庭用流し台,家庭用調理台用天板」を指定商品として、同2年11月2日に登録査定され、同年12月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するため、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標の指定商品が属する流し台、調理台等を取り扱う業界では、台所の流し台、調理台及び加熱器などに一枚の板状の部材である天板(カウンター)をかぶせることにより、各種組み合わされて一体化され、さまざまな機能や収納が付されるなどの工夫が施された「システムキッチン」と称される商品が販売されており、システムキッチンの天板(カウンター)の代表的な素材として、ステンレス、人造大理石、クォーツストーン、セラミック及びメラミン等がある(甲2の1、甲2の2、甲3の1)。その中でも、クォーツストーンとは、粉砕した天然のクォーツ(水晶)を樹脂で圧縮硬化させた人造石であり、クォーツを約93%以上含有した高級品を指す(甲2の3、甲2の4)。
(2)本件商標の指定商品「家庭用調理台,家庭用流し台,家庭用調理台用天板」は、全てシステムキッチンに組み込まれて使用される商品であるため、システムキッチンと深く関連する商品といえる。
(3)本件商標は、「クォーツカウンター」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「クォーツ」の語と「カウンター」の語との組合せからなる結合商標であると容易に看取、理解されるものである。
(4)本件商標の構成中「クォーツ」の文字は、「水晶」の意味を有する語であるところ(甲5の1)、本件商標の登録査定時において、「クォーツ」及びこれと同義の「クオーツ」の文字は、本件商標の指定商品を取り扱う業界では、システムキッチンの天板(カウンター)の素材である「クォーツストーン」の略語として広く一般に使用されていた実情がある(甲2の2?甲2の9、甲4の1?甲4の4)。
(5)本件商標の構成中「カウンター」の文字は、「超図解でよくわかる建築現場用語完全版」(甲5の2)によると、本件商標の指定商品との関係において「システムキッチンの天板部分」の意味合いを有する語であり、本件商標の登録査定時において、本件商標の指定商品に使用する場合、「システムキッチンの天板、システムキッチンのカウンター」の意味合いを示す語として広く親しまれ、普通に使用されていたことが認められる(甲2の1、甲2の2、甲2の4、甲2の5、甲2の7、甲2の10、甲2の11、甲3の2、甲4の1、甲5の3)。
(6)してみれば、本件商標は、「クォーツ」及び「カウンター」の語を一連に連結した構成からなるものであるため、両語の意味合い及び本件商標の指定商品を取り扱う業界における各語の使用状況などを勘案すれば、全体として「(システムキッチン用)クォーツストーン製天板(カウンター)」の意味合いを容易に理解させるものとみるのが相当であり、実際、本件商標の登録査定時において、「クォーツカウンター」の文字は、本件商標の指定商品との関係で「(システムキッチン用)クォーツストーン製天板(カウンター)」の意味合いを示す語として広く一般に使用されていた実情が見受けられる(甲2の4?甲2の6、甲2の8、甲2の10、甲2の12、甲2の13?甲2の15、甲3の3、甲4の5)。
(7)そうすると、本件商標は、その指定商品に使用されるときには、これに接する取引者、需要者に、「(システムキッチン用)クォーツストーン製天板を備えた商品」という商品の品質を表示するものとして認識、理解させるにすぎず、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適切でないとともに、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
(8)そして、本件商標は、「クォーツカウンター」の文字を標準文字で表してなることから、普通に用いられる方法で表示する標章であるといえる。
(9)以上の点を総合的に勘案すると、本件商標は、その指定商品について使用されるときは、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというのが相当であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、本件商標の指定商品中「(システムキッチン用)クォーツストーン製天板を備えた商品」以外の商品について使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するものである。
(10)仮に本件商標が、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章に該当しない場合であっても、本件商標は、その指定商品について、商品の内容を記述する語として多数使用されている語であることに鑑みれば、これを本件商標の指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当するものである。

3 当審の判断
(1)本件商標
本件商標は、上記1のとおり、「クォーツカウンター」の文字を標準文字で表してなるものである。
(2)商標法第3条第1項第3号及び同項第6号該当性について
申立人の主張及び申立人提出の甲各号証によれば以下のとおりである。
「クォーツ」及び「カウンター」の文字が「水晶」及び「計算係、銀行・ホテルなどで客と応対する高く細長い台」などの意味を有すること(甲5の1)、及び、いわゆる「システムキッチン」について、その天板を「カウンター」と称していること(甲2、甲5の2)、天板の素材の一つに「水晶(クォーツ)」を含有するものがあり、それを用いた天板を「クォーツストーン」、「エンジニアドストーン(クォーツ)カウンター」、「クォーツストーン天板」、「クォーツカウンター」、「クォーツストーン(人造石)カウンター」及び「クォーツ エンジニアドストーン カウンター」などと称していること(甲2の1、甲2の3?甲2の16、甲3、甲4の5)が認められる。
しかしながら、水晶を含有するシステムキッチンの天板について、「クォーツカウンター」の文字が本件商標の登録査定日(令和2年11月2日)以前に用いられていると認め得る証左は、2015年(平成27年)から2019年(令和元年)の間で7件と限られていること(甲2の6、甲2の8?甲2の10、甲2の14、甲2の15、甲4の5)及び同天板を表わすものとして、「クォーツカウンター」の文字の他、「クォーツストーン」、「エンジニアドストーン(クォーツ)カウンター」、「クォーツストーン天板」、「クォーツストーン(人造石)カウンター」及び「クォーツ エンジニアドストーン カウンター」など異なった文字が相当数用いられていることからすれば、「クォーツカウンター」の文字は、本件商標の登録査定時において、本件商標の指定商品の品質等を表す語として普通に用いられ、その指定商品の品質等を表したものと認識させるものと認めることは困難である。
また、これを特定人による独占使用を認めることが公益上適切でないものということもできない。
さらに、当審において職権により調査しても、「クォーツカウンター」の文字が、本件商標の指定商品の品質等を表示するなど、自他商品の識別標識としての機能を有しないものというべき事情は発見できなかった。
そうすると、本件商標は、本件商標の登録査定時において、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、特定の意味合いを想起、認識することのないものであり、本件商標の指定商品の品質等を具体的に表示するものではなく、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当するものといえない。
(3)商標法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、上記(2)のとおり、本件商標の指定商品の品質を表示するものとは認められないものであるから、これをその指定商品に使用しても商品の品質の誤認を生ずるおそれのないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものといえない。
(4)まとめ
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情は見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
異議決定日 2021-08-03 
出願番号 商願2019-129544(T2019-129544) 
審決分類 T 1 651・ 272- Y (W11)
T 1 651・ 13- Y (W11)
T 1 651・ 16- Y (W11)
最終処分 維持  
前審関与審査官 安達 輝幸 
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 豊田 純一
小俣 克巳
登録日 2020-12-11 
登録番号 商標登録第6328056号(T6328056) 
権利者 パナソニック株式会社
商標の称呼 クォーツカウンター、クォーツ 
代理人 村山 正人 
代理人 徳田 佳昭 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ