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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W12 審判 全部申立て 登録を維持 W12 審判 全部申立て 登録を維持 W12 |
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管理番号 | 1376978 |
異議申立番号 | 異議2021-900013 |
総通号数 | 261 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2021-09-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2021-01-08 |
確定日 | 2021-07-28 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6306573号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6306573号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6306573号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和元年12月26日に登録出願、第12類「自転車用ブレーキ,自転車用チェーン,自転車用クランク,自転車用ベル,自転車用ハンドル,自転車用サドル,自転車用ペダル,自転車,自転車用泥よけ,自転車用キックスタンド」を指定商品として、令和2年10月16日に登録査定され、同月21日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由に該当するとして引用する登録第4670102号商標(以下「引用商標」という。)は、「XTR」の文字を標準文字で表してなり、平成14年8月22日に登録出願、第12類「自転車並びにその部品及び附属品,陸上の乗物用の機械要素,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),乗物用盗難警報器」を指定商品として、同15年5月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証(枝番を含む。)を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「FMFXTR」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、その構成中、前半の「FMF」の部分と後半の「XTR」の部分とは、構成文字の色彩及び装飾が異なっており両部分は外観上分離しているものと認められる。 また、本件商標の構成中、「XTR」の文字部分は、申立人の業務に係る商品「自転車並びにその部品及び附属品,陸上の乗物用の機械要素」を表示する商標として、取引者、需要者の間において広く認識されているものである。 してみれば、本件商標の要部は「XTR」であると認定できることから、本件商標と引用商標は、外観、称呼、観念において類似するものであり、また、指定商品も互いに抵触するものである。 2 商標法第4条第1項第15号について 「XTR」(引用商標)の文字は、本件商標の登録出願時において、既に申立人の業務に係る商品「自転車並びにその部品及び附属品,陸上の乗物用の機械要素」を表示する商標として、取引者、需要者の間において広く認識されていたものである。してみれば、本件商標は、その構成中の一部に「XTR」を含むものであるから、本件商標をそのいずれの指定商品に使用した場合であっても、その商品が申立人又は申立人と組織的若しくは経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 第4 当審の判断 1 引用商標の周知性について (1)申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば,以下のとおりである。 ア 申立人は、1921年2月創業、1940年(昭和15年)1月29日に設立された自転車部品及び釣具の製造販売を主な事業とするアウトドアスポーツメーカーであり、特にスポーツ自転車部品においては全世界で85%程のシェアを握っている世界最大手の企業である(甲3?5)。 イ 引用商標は、申立人が製造、販売するスポーツ自転車部品のコンポーネントのうち、マウンテンバイク用の最上位モデルを表す商標として使用されているものであり、引用商標が使用された上記コンポーネント(以下、「本件コンポーネント」という。)は、1992年に発売が開始され、その後、約30年にわたり、継続して販売されてきた(甲6?8)。 ウ 申立人の国内及び海外の販売店向けカタログには、本件コンポーネントが販売開始された1992年から現在に至るまで、該コンポーネントがマウンテンバイク用コンポーネントの最上位モデルとして継続して紹介されている(甲7、8)。 エ 本件コンポーネントに使用されている商標(以下、「使用商標」という。)は、別掲2ないし別掲5のとおりであり、2018年まで「SHImAnO」の文字とともに使用されてきた(甲7、8)。 オ 本件コンポーネントは、その販売開始直前の1991年、そして1992年、1994年ないし1996年、2002年、2003年、2008年、2010年及び2018年の自転車競技の専門誌において、紹介記事や広告が掲載されている(甲9)。 カ 自転車イベント(スポーツイベントや展示会)、具体的には、申立人が開催している2018年の「シマノ鈴鹿ロードレース」(1984年以来、毎年8月下旬に2日間開催)、2014年及び2018年の「シマノバイカーフェスティバル」(1991年より毎年長野県の富士見パノラマリゾートをメイン会場に開催)並びに2014年及び2018年の「シマノフェスティバル」(毎年開催)と、「CYCLE MODE international 2014」及び「CYCLE MODE international 2018」において、本件コンポーネントをマウンテンバイク用コンポーネントのブランドとして展示している(甲11?14)。「CYCLE MODE international 2018」(3日間開催)の入場者数は、約2万5千人であった(甲14の5)。 キ 本件コンポーネントは、全世界の工業製品等を対象に優れたデザインを選出する「iFデザイン賞」を2015年に受賞している(甲15の1?3)。 ク 検索エンジン「Google」及び「Yahoo!JAPAN」を用いて「XTR」の語を検索した結果、その検索結果の大半が本件コンポーネントに関する記事である(甲16)。 また、インターネット情報において本件コンポーネントが申立人のマウンテンバイク用の最上位モデルとしての記載がある(甲17)。 (2)上記(1)によれば、引用商標は、競技用自転車(特にマウンテンバイク)の愛好家、同競技者の間で、ある程度知られていたであろうことは推認できる。 しかしながら、使用商標は、別掲2ないし別掲5のとおり、2018年のカタログまで「SHImAnO」の文字とともに使用されており、「XTR」単独での使用例は、2019年のカタログのほかは、2018年に開催された各種の自転車イベントでの展示しか見当たらず、当該自転車イベントにおける入場者数や申立人ブースの来場者数も、「CYCLE MODE international 2018」の入場者数以外は不明である。 また、自転車競技の専門誌における本件コンポーネントの紹介記事や広告も、単発的に掲載されたのみであり、その掲載回数はさほど多いものとはいえない。 さらに、本件コンポーネントの売上金額、売上数量、シェア等の販売実績を示す証左も見出せない。 なお、過去のデザイン賞受賞の事実は需要者の認知度とは直ちに結びつかないし、インターネット検索結果の大半が本件コンポーネントに関する記事であることも、引用商標が造語であることからすれば、当然の結果ともいえることである。 したがって、申立人提出の証拠からは、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、引用商標が、申立人の業務に係る商品「自転車並びにその部品及び附属品,陸上の乗物用の機械要素」を表示するものとして、我が国の需要者の間で広く認識されていたということはできない。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は、別掲1のとおり、「FMFXTR」の欧文字からなり、後半の「XTR」の文字を多少デザイン化してなるところ、当該「FMFXTR」を構成するローマ字は、文字の幅や傾き具合を同じくしてまとまりよく表されており、その構成文字に相応して生ずる「エフエムエフエックスティーアール」の称呼もやや冗長ではあるものの、一連に称呼し得るものである。 そして、上記1のとおり、「XTR」の文字から構成される引用商標は周知性を有するものではなく、本件商標の構成中「FMF」の文字部分は商品の品質等を表すものではない。 そうすると、構成中の「XTR」の文字部分が多少デザイン化されているとしても、本件商標に接する、取引者、需要者が、「XTR」の文字部分に着目し、これをもって取引に当たるということもできない。 以上よりすれば、本件商標は、その構成全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識、把握されるものとみるのが相当である。 したがって、本件商標は、その構成文字に相応して「エフエムエフエックスティーアール」の称呼のみを生じ、特定の観念は生じないものである。 (2)引用商標について 一方、引用商標は「XTR」の文字を標準文字で表してなるところ、これよりは、その構成文字に相応して「エックスティーアール」の称呼を生じ、造語であるから特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標との類否について 本件商標と引用商標の外観については、構成文字数の相違、デザイン化の有無等により、両者は、外観上相紛れるおそれはないものである。 次に、本件商標から生じる「エフエムエフエックスティーアール」の称呼と、引用商標から生じる「エックスティーアール」の称呼とを比較すると、両称呼は、構成音数が相違し、かつ、前半の「エフエムエフ」の音の有無に差異を有することから、両者は、称呼上相紛れるおそれのないものである。 次に、観念においては、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じない造語であるから、比較できないものである。 そうすると、本件商標と引用商標とは、観念においては比較できないものであるとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、これらが需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、両者は非類似の商標というのが相当である。 (4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似のものである。 (5)小括 以上によれば、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が同一又は類似のものであるとしても、本件商標と引用商標は同一又は類似のものではない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第15号該当性について 上記1のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたということはできないものであり、また、上記2のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標である。 そうすると、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、需要者において、申立人や引用商標を連想、想起するということはできず、よって、その商品が申立人あるいは申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある商標とはいえない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 4 まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものとはいえず、ほかに同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標) ![]() 別掲2(使用商標:甲7の1(1992年カタログ)) ![]() 別掲3(使用商標:甲7の2(2012年カタログ)) ![]() 別掲4(使用商標:甲7の3(2018年カタログ)) ![]() 別掲5(使用商標:甲7の4(2019年カタログ)) ![]() |
異議決定日 | 2021-07-15 |
出願番号 | 商願2019-167636(T2019-167636) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(W12)
T 1 651・ 271- Y (W12) T 1 651・ 262- Y (W12) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 田中 瑠美 |
特許庁審判長 |
岩崎 安子 |
特許庁審判官 |
森山 啓 小田 昌子 |
登録日 | 2020-10-21 |
登録番号 | 商標登録第6306573号(T6306573) |
権利者 | クワンチョウ ホンユン フェイファン スポーツ エクイプメント シーオーエルティーディー |
商標の称呼 | エフエムエフエックステイアアル |
代理人 | 鎌田 和弘 |
代理人 | 特許業務法人藤本パートナーズ |