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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0942
審判 全部申立て  登録を維持 W0942
審判 全部申立て  登録を維持 W0942
審判 全部申立て  登録を維持 W0942
審判 全部申立て  登録を維持 W0942
管理番号 1376974 
異議申立番号 異議2020-900059 
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-09-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-03-02 
確定日 2021-06-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第6211961号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6211961号商標の商標登録を維持する。
理由
第1 本件商標
本件登録第6211961号商標(以下「本件商標」という。)は、「Horizon NavNet」の文字を横書きしてなり、平成31年2月20日に登録出願、第9類「コンピュータ操作用プログラム(記憶されたもの),携帯電話機,相互通信装置,乗物用ナビゲーション装置(コンピュータ内蔵のもの),測量用機器,乗物用の速度検査装置,眼鏡,テレビジョン受信機,ICチップ,集積回路製造用の電子チップ,コンピュータチップ,シリコンチップ,半導体チップ,事故防止用身体防護具,盗難防止用電気式設備,携帯型メディアプレーヤー,カメラ(写真用のもの),電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,電子計算機用プログラム」及び第42類「受託による新製品の研究開発,製品の品質評価,包装デザインの考案,コンピュータソフトウェアの設計,コンピュータソフトウェアの保守,コンピュータシステムの分析,コンピュータシステムの設計,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),クラウドコンピューティング,情報技術(IT)に関する助言,電子データの保存用記憶領域の貸与,コンピュータシステムの遠隔監視,地図の作製」を指定商品及び指定役務として、令和元年11月21日に登録査定され、同年12月27日に設定登録されたものである。

第2 引用商標等
1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由において、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、引用する登録商標は次の3件の商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4729579号商標(以下「引用商標1」という。)は、「NAVnet」の文字及び「ナブネット」の片仮名を上下二段に横書きしてなり、平成14年9月26日に登録出願、第9類「気象観測用機械,超音波のドップラ偏位の検出による船舶速度計,船舶用通信機械器具,レーダー機械器具,GPSを利用したナビゲーション装置,GPSを利用した航跡表示装置,超音波応用測深器,超音波応用探知機」を指定商品として、同15年11月28日に設定登録され、その後、同25年11月19日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第4838287号商標(以下「引用商標2」という。)は、「NAVnet」の文字を標準文字により表してなり、平成13年4月10日に登録出願、第9類「気象観測用機械,超音波応用船速計,船舶用通信機械器具,レーダー機械器具,GPS航法装置,航跡表示装置,超音波応用測深器,超音波応用探知機」を指定商品として,同17年2月10日に設定登録され,その後,同26年12月24日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第5816778号商標(以下「引用商標3」という。)は,「NAVNET」の文字を標準文字により表してなり,平成25年4月25日に登録出願,第9類「電気通信機械器具,無線通信機械器具,レーダ機械器具,ファクシミリ,電子応用機械器具及びその部品,魚群探知機,ソナー,ナビゲーション装置,船舶自動識別装置,船舶の操舵用電子制御装置,全地球航法衛星システム(GNSS)を利用した航海用コンパス,測定機械器具,気象観測用機械器具,超音波応用測深器,超音波応用船速計,電子コンパス,液晶表示装置,画像表示装置,電光表示装置,電気通信機械器具・無線通信機械器具・レーダ機械器具・ファクシミリ・電子応用機械器具及びその部品・魚群探知機・ソナー・ナビゲーション装置・船舶自動識別装置・船舶の操舵用電子制御装置・全地球航法衛星システム(GNSS)を利用した航海用コンパス・測定機械器具・気象観測用機械器具・超音波応用測深器・超音波応用船速計・電子コンパスにネットワーク接続できる液晶表示装置・画像表示装置・電光表示装置,電気通信機械器具・無線通信機械器具・レーダ機械器具・ファクシミリ・電子応用機械器具及びその部品・魚群探知機・ソナー・ナビゲーション装置・船舶自動識別装置・船舶の操舵用電子制御装置・全地球航法衛星システム(GNSS)を利用した航海用コンパス・測定機械器具・気象観測用機械器具・超音波応用測深器・超音波応用船速計・電子コンパス・液晶表示装置・画像表示装置・電光表示装置用コンピュータソフトウェア,電気通信機械器具・無線通信機械器具・レーダ機械器具・ファクシミリ・電子応用機械器具及びその部品・魚群探知機・ソナー・ナビゲーション装置・船舶自動識別装置・船舶の操舵用電子制御装置・全地球航法衛星システム(GNSS)を利用した航海用コンパス・測定機械器具・気象観測用機械器具・超音波応用測深器・超音波応用船速計・電子コンパス・液晶表示装置・画像表示装置・電光表示装置の遠隔操作用コンピュータソフトウェア,電子出版物,ダウンロード可能な電子出版物,ダウンロード可能な雑誌・書籍・新聞・地図・写真・音楽・文字情報」及び第42類「気象情報の提供,ウェブサイトを介して行う気象情報の提供,コンピュータネットワークを用いて行う気象情報の提供,電気通信ネットワーク・携帯電話及び無線ナビゲーション装置を介した気象情報の提供,コンピュータソフトウェアの提供,ウェブサイトを介して行うコンピュータソフトウェアの提供,コンピュータソフトウェアのインストール・設計・作成・保守・更新・トラブルシューティング(技術支援),コンピュータプログラム及びコンピュータシステムの遠隔監視,コンピュータソフトウェアのインストール・設計・作成・保守・更新・トラブルシューティング(技術支援)に関する情報の提供,コンピュータプログラム及びコンピュータシステムの遠隔監視に関する情報の提供」並びに第39類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同28年1月8日に設定登録されたものである。
以下、上記の引用商標1ないし引用商標3をまとめていう場合は、「引用商標」という。
2 申立人が,本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するとして引用する商標は、「NavNet」又は「NAVNET」の文字からなる商標(以下「申立人商標」という。)であり、申立人が「ネットワーク対応航海機器(接続されたレーダー・魚群探知機・GPSなどのセンサー情報を統合して画面に表示・コントロールする航海機器)」(以下「申立人商品」という。)について使用しているというものである。

第3 登録異議の申立ての理由
1 理由の要点
申立人は、本件商標は、第9類「全指定商品」及び第42類「全指定役務」について、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第12号証(枝番号を含む。なお、枝番号の全てを示すときは、枝番号を省略する。)を提出した。
2 具体的理由
(1)本件商標について
本件商標は、「Horizon NavNet」の文字をゴシック体で表してなるところ、「Horizon」と「NavNet」の文字の間にスペースを有していることにより、「Horizon」と「NavNet」の文字を結合したものと容易に認識できる。そして、これらの語はそれぞれ、「Horizon」が「地平線、水平線」の意味を有する語として、また「NavNet」が特定の意味合いを有しない造語として理解できる。
このうち、前者の「Horizon」については、「Horizon」(又は「HORIZON」)の文字を構成中に含む商標が、類似の指定商品について、多数登録されている事実から、本件商標の指定商品分野において、「Horizon」の文字は「地平線、水平線」のほか、「限界、範囲、展望、視野」の意味を有する語であって、他の語と結びつくために比較的好んで採択される文字であり、よく使用されているという点からすると、識別力がそれほど強くない文字である(甲3)。
したがって、本件商標は、構成前半の「Horizon」の文字の識別力が弱いこと、逆に構成後半の「NavNet」の文字は特定の意味合いを有しない造語であること、かつ、申立人商標「NavNet(NAVNET)」が周知著名である事情を併せて考慮すれば、本件商標中「NavNet」の文字部分が要部として商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであり、この要部である「NavNet」の文字部分から生じる称呼や外観をもって取引に供されると考えるのが自然である。
(2)申立人商標の著名性
ア 申立人事業の内容・規模
申立人は、1948年(昭和23年)に世界で初めて「魚群探知機」を実用化し、1951年(昭和26年)5月23日の設立から現在に至るまでの間、70年近くにわたって「魚群探知機」等の製造販売を行ってきた。現在では、「船舶用電子機器の総合メーカー」として、日本全国及び世界各国において、魚群探知機やソナー、航海用レーダー、無線通信装置、ネットワーク対応航海機器(接続されたレーダー・魚群探知機・GPSなどのセンサー情報を統合して画面に表示・コントロールする航海機器)、衛星通信装置を中心とする、商船・漁船・プレジャーボート・官公庁船向けの船舶用電子機器や、船舶用の通信ネットワークサービスの提供を行っている(甲4の1?9)。
上記に加え、医療機器・GPS/GNSSチップ&モジュール・ETC2.0/ETC車載器・車両管理ソリューション、防災・監視ソリューションに関する機器やサービスの提供、無線LANアクセスポイント・無線ハンディターミナルに関する機器やサービスの提供、EMC・環境試験サービスの提供を行うなど、その事業内容は多岐にわたっている。2019年2月期の連結売上高は、821億円に上り、地域別売上高でその内訳をみれば、日本が324億円、海外(北米・欧州・アジア・その他)が497億円となっている(甲4の1・3)。
イ 申立人商標について
申立人は、2002年4月の販売開始(開発は2001年)から現在に至るまで、申立人商標を、申立人商品について、継続的に使用し続けてきた(甲4の2、甲5)。申立人商品の具体的な特長としては、ユーザーインターフェイスを有する電子応用機器及び電気通信機器の一種であって、機器と接続されたレーダー・魚群探知機・GPSなどの各種センサー情報を統合して画面に表示しコントロールすることを可能とする機器であり、また当該機器を通じて各種コンピュータソフトウェアを提供するものである(甲4の10)。アプリケーションソフトウェアを通じて、申立人商品を遠隔操作することができるサービスも提供している(甲4の10)。
申立人商品の起動画面(甲6)、申立人商品のカタログ(甲7)、申立人商品の取扱説明書(抜粋:甲8) や、自社ウェブサイト(甲9)において、申立人商標を表示してきたことに加え、2013年から2019年には、毎年一回「ジャパンインターナショナルボートショー」に出展し、申立人のブースで申立人商品の展示を行い、申立人商標を大々的に使用してきた(甲10)。
また、様々な新聞・雑誌・ウェブサイトに、申立人商品の紹介記事が掲載されている(甲11)。
さらに、申立人は、様々な雑誌やパンフレットで、申立人商品について、積極的な宣伝活動を行ってきた(甲12)。
その他、「ボート倶楽部」(甲12の22)、「KAZI(舵)」(甲12の23)、「オーシャンライフ」(甲12の24)、「ジャパンゲームフィッシュ協会イヤーブック」(甲12の25)、「PerfectBOAT」(甲12の26)の各雑誌に掲載された申立人商品の広告の写しも、証拠として提出する。
ウ 小括
以上のとおり、申立人の長年にわたる大規模かつ多角的な事業経営に加え、申立人商標の宣伝活動、また数多くのメディアにおける申立人商標の表示の結果、申立人商標は、特に船舶用電子機器や船舶用通信ネットワークサービスの業界において、広く知られるに至っている。このため、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、日本において、申立人商標が需要者の間で周知となっていたことは明らかである。
(3)商標法第4条第1項第10号について
上記(2)で述べたとおり、申立人商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において需要者の間で広く知られていた。そして、本件商標は「NavNet」の文字部分を要部とするものであり、申立人商標「NavNet(NAVNET)」に類似していること、また、本件商標は、その指定商品及び指定役務から、申立人商標と同様に電子機器や通信ネットワークサービスの提供という商品及び役務に使用されるものであることが認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第15号について
上記(2)で述べたとおり、申立人商標は発売当初より大々的かつ継続的に使用されてきた。本件商標は「NavNet」の文字部分を要部とするものであり、申立人商標「NavNet(NAVNET)」と、「ナブネット」という称呼において共通するものであり、両商標は酷似している。かかる状況において、本件商標がその指定商品及び指定役務に使用された場合には、申立人が当該商品及び役務の出所であると需要者が混同することは明白である。申立人商標は、電子機器や通信ネットワークサービスの提供の業界において名が知れていることから、本件商標がその指定商品及び指定役務に使用された場合には、少なくとも申立人との間に緊密な営業上の関係を持つか、あるいは、申立人の関連企業の業務に係る商品及び役務であると誤信される事態は避けられず、ひいては、需要者の利益を損なうこととなる。さらには、申立人が長年にわたり大切に育ててきた申立人商標に化体する業務上の信用が希釈されるものであって、このような本件商標の登録は決して認められるべきものではない。
以上より、本件商標の要部と申立人商標とは似通った印象を与えるものであり、需要者が出所を混同するほどに相紛らわしいことは明らかであり、本件商標は紛れもなく「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」に該当する。
したがって、本件商標は申立人商標と類似の関係にあり、現実に使用される場面において、需要者に混同を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第11号について
ア 引用商標1について
引用商標1は、「NAVnet」の文字と「ナブネット」の片仮名を上下二段に表してなり、「ナブネット」の称呼を生じさせ、特定の意味合いを有しない造語として理解されるものである(甲2の1)。
上記(1)で述べたとおり、本件商標はその構成中、「NavNet」の文字部分が要部として商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであり、この要部である「NavNet」の文字部分から生じる称呼をもって取引に供されると考えるのが自然である。
つまり、本件商標は「ナブネット」と称呼され、引用商標1の称呼「ナブネット」と共通するので、明らかに引用商標1と類似する。この点、本件商標が一連一体として理解・認識されることはあり得ない。
また、本件商標にかかる指定商品中の第9類「携帯電話機,相互通信装置,乗物用ナビゲーション装置(コンピュータ内蔵のもの),測量用機器,乗物用の速度検査装置,テレビジョン受信機,携帯型メディアプレーヤー,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」は、引用商標1の指定商品中の第9類「気象観測用機械,超音波のドップラ偏位の検出による船舶速度計,船舶用通信機械器具,レーダー機械器具,GPSを利用したナビゲーション装置,GPSを利用した航跡表示装置,超音波応用測深器,超音波応用探知機」と抵触する。
したがって、本件商標は引用商標1に類似し、かつ、その指定商品が引用商標1にかかる商品と類似するため、商標法第4条第1項第11号に該当する。
イ 引用商標2について
引用商標2は、「NAVnet」の文字を標準文字により表されており、「ナブネット」の称呼を生じさせ、特定の意味合いを有しない造語として理解されるものである(甲2の2)。
上記(1)で述べたとおり、本件商標はその構成中、「NavNet」の文字部分が要部として商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであり、この要部である「NavNet」の文字部分から生じる称呼をもって取引に供されると考えるのが自然である。
つまり、本件商標は「ナブネット」と称呼され、引用商標2の称呼「ナブネット」と共通するので、明らかに引用商標2と類似する。この点、本件商標が一連一体として理解・認識されることはあり得ない。
また、本件商標にかかる指定商品中の第9類「携帯電話機,相互通信装置,乗物用ナビゲーション装置(コンピュータ内蔵のもの),測量用機器,乗物用の速度検査装置,テレビジョン受信機,携帯型メディアプレーヤー,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」は、引用商標2の指定商品中の第9類「気象観測用機械,超音波応用船速計,船舶用通信機械器具,レーダー機械器具,GPS航法装置,航跡表示装置,超音波応用測深器,超音波応用探知機」と抵触している。
したがって、本件商標は引用商標2に類似し、かつ、その指定商品が引用商標2にかかる商品と類似するため、商標法第4条第1項第11号に該当する。
ウ 引用商標3について
引用商標3は、「NAVNET」の文字を標準文字により表されており、「ナブネット」の称呼を生じさせ、特定の意味合いを有しない造語として理解されるものである(甲2の3)。
上記(1)で述べたとおり、本件商標はその構成中、「NavNet」の文字部分が要部として商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであり、この要部である「NavNet」の文字部分から生じる称呼をもって取引に供されると考えるのが自然である。
つまり、本件商標は「ナブネット」と称呼され、引用商標3の称呼「ナブネット」と共通するので、明らかに引用商標3と類似する。この点、本件商標が一連一体として理解・認識されることはあり得ない。
また、本件商標にかかる指定商品及び指定役務中、第9類「コンピュータ操作用プログラム(記憶されたもの),携帯電話機,相互通信装置,乗物用ナビゲーション装置(コンピュータ内蔵のもの),測量用機器,乗物用の速度検査装置,テレビジョン受信機,ICチップ,集積回路製造用の電子チップ,コンピュータチップ,シリコンチップ,半導体チップ,携帯型メディアプレーヤー,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,電子計算機用プログラム」及び第42類「コンピュータソフトウェアの設計,コンピュータソフトウェアの保守,コンピュータシステムの分析,コンピュータシステムの設計,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),クラウドコンピューティング,情報技術(IT)に関する助言,電子データの保存用記憶領域の貸与,コンピュータシステムの遠隔監視」は、引用商標3の指定商品中の第9類「電気通信機械器具,無線通信機械器具,レーダ機械器具,ファクシミリ,電子応用機械器具及びその部品,魚群探知機,ソナー,ナビゲーション装置,船舶自動識別装置,船舶の操舵用電子制御装置,全地球航法衛星システム(GNSS)を利用した航海用コンパス,測定機械器具,気象観測用機械器具,超音波応用測深器,超音波応用船速計,電子コンパス,液晶表示装置,画像表示装置,電光表示装置,電気通信機械器具・無線通信機械器具・レーダ機械器具・ファクシミリ・電子応用機械器具及びその部品・魚群探知機・ソナー・ナビゲーション装置・船舶自動識別装置・船舶の操舵用電子制御装置・全地球航法衛星システム(GNSS)を利用した航海用コンパス・測定機械器具・気象観測用機械器具・超音波応用測深器・超音波応用船速計・電子コンパスにネットワーク接続できる液晶表示装置・画像表示装置・電光表示装置,電気通信機械器具・無線通信機械器具・レーダ機械器具・ファクシミリ・電子応用機械器具及びその部品・魚群探知機・ソナー・ナビゲーション装置・船舶自動識別装置・船舶の操舵用電子制御装置・全地球航法衛星システム(GNSS)を利用した航海用コンパス・測定機械器具・気象観測用機械器具・超音波応用測深器・超音波応用船速計・電子コンパス・液晶表示装置・画像表示装置・電光表示装置用コンピュータソフトウェア,電気通信機械器具・無線通信機械器具・レーダ機械器具・ファクシミリ・電子応用機械器具及びその部品・魚群探知機・ソナー・ナビゲーション装置・船舶自動識別装置・船舶の操舵用電子制御装置・全地球航法衛星システム(GNSS)を利用した航海用コンパス・測定機械器具・気象観測用機械器具・超音波応用測深器・超音波応用船速計・電子コンパス・液晶表示装置・画像表示装置・電光表示装置の遠隔操作用コンピュータソフトウェア」及び指定役務中の第42類「コンピュータソフトウェアの提供,ウェブサイトを介して行うコンピュータソフトウェアの提供,コンピュータソフトウェアのインストール・設計・作成・保守・更新・トラブルシューティング(技術支援),コンピュータプログラム及びコンピュータシステムの遠隔監視,コンピュータソフトウェアのインストール・設計・作成・保守・更新・トラブルシューティング(技術支援)に関する情報の提供,コンピュータプログラム及びコンピュータシステムの遠隔監視に関する情報の提供」と抵触している。
したがって、本件商標は引用商標3に類似し、かつ、その指定商品及び指定役務が引用商標3にかかる商品及び役務と類似するため、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)むすび
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 申立人商標(「NAVnet」又は「NAVNET」)の周知性について
申立人の提出した甲各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
(1)申立人は、1951年(昭和26年)5月23日に設立、当初から「魚群探知機」等を製造、販売し(甲4の1・2)、現在では、魚群探知機やソナー、航海用レーダー、無線通信装置、ネットワーク対応航海機器、衛星通信装置を中心とする、商船・漁船・プレジャーボート・官公庁船向けの船舶用電子機器や、船舶用の通信ネットワークサービスの提供を行っている(甲4の1?9)。
(2)申立人は、2019(平成31年)年2月期の売上高を示している(甲4の1・3)ものの、申立人商標を付した商品等の販売数量、売上高、市場占有率等は明らかではない。
(3)申立人は、2002年(平成14年)4月の販売開始から現在に至るまで、商標「NavNet(NAVNET)」を、申立人商品(「ネットワーク対応航海機器」)について、継続的に使用した(甲4の2、甲5)旨主張しているが、その販売開始日を具体的、客観的に裏付ける証左は見いだせない。
(4)申立人は、申立人商品の起動画面、カタログ、取扱説明書及び申立人のウェブサイト(甲6?甲9)において申立人商標を表示し、2013年(平成25年)から2019年(平成31年)には、「ジャパンインターナショナルボートショー」のブースにおいて申立人商品を展示し、申立人商標を使用してきた(甲10)旨主張しているが、申立人商品の起動画面の写真は、その撮影日、撮影場所、撮影者等が不明であり、申立人商品のカタログ及び取扱説明書は、その作成日、作成部数、配布先等が不明であり、申立人のウェブサイトは、記事の掲載日やアクセス数等が不明であり、また、申立人商品の展示ブースの写真は、その撮影日、撮影場所、来場者数等が不明である。
(5)申立人は、様々な新聞・雑誌・ウェブサイト(甲11)に、申立人商品の紹介記事が掲載されており、また、様々な雑誌やパンフレットで、申立人商品について、積極的に宣伝活動を行ってきた(甲12)旨主張しているが、申立人商品の紹介記事や広告記事の多くは、業界紙、専門紙、漁船やボートユーザー向けなどの専門雑誌であるから、その購読者は漁業関係者、ボート愛好家等に限られるというべきものである。
(6)以上を総合すると、申立人商標は、申立人商品を取り扱う業界、漁業関係者やボート愛好家の間では相当程度知られているということができるとしても、その使用開始日が明らかではなく、また、申立人商品の我が国における市場占有率、売上高、販売数量及び広告費等を示す証拠は提出されていない。
してみると、申立人商標は、申立人商品を取り扱う限られた業界の範囲で知られているにとどまるというべきであって、その範囲を超えて、本件商標の指定商品の取引者、需要者の間で広く認識されているとまではいうことができない。
その他、申立人商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日及び登録査定日において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたと認めるに足りる証拠は見いだせない。
したがって、申立人商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日及び登録査定日において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されているとは認めることができない。
2 商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
(1)申立人商標の周知・著名性
上記1の認定のとおり、申立人商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。
(2)本件商標と申立人商標との類否について
ア 本件商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「Horizon NavNet」の文字を横書きしてなるところ、該文字は、「Horizon」と「NavNet」の文字との間に若干の空白があるものの、同じ書体で、まとまりよく表されており、一体的に認識するのが困難となるほど分離されて看取されるものではなく、これより生じる、「ホライズンナブネット」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。
また、「Horizon」の文字は、「地平性、水平線」の意味を有するものであり、「NavNet」の文字は、辞書に載録されている語ではないから、一種の造語として理解されるものである。
そうすると、本権商標は構成全体としては、特定の意味を有しない、一種の造語として理解されるものである。
してみると、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ホライズンナブネット」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
なお、申立人は、「Horizon」(又は「HORIZON」)の文字を構成中に含む商標が、多数登録されている事実から、本件商標の指定商品分野において「Horizon」の文字は、他の語と結びつくために比較的好んで採択される文字であり、よく使用されているという点からすると、識別力がそれほど強くない文字である旨主張しているが、「Horizon」(又は「HORIZON」)の文字を含む商標の登録例が存在するとしても、そのことをもって、「Horizon」(又は「HORIZON」)の文字が直ちに自他商品の識別力がないとか極めて弱いとまではいえないし、また、「Horizon」(又は「HORIZON」)の文字が商品の識別標識としての機能を有しないと認めるに足りる証拠の提出はないから、申立人の主張は採用することができない。
イ 申立人商標について
申立人商標は、前記2のとおり、「NavNet」又は「NAVNET」の文字を横書きしてなるところ、これよりは、いずれも「ナブネット」の称呼を生ずるものであり、また、各文字は、辞書に載録されている語ではないから、一種の造語として理解されるものである。
してみると、申立人商標は、「ナブネット」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と申立人商標との類否
(ア)外観
本件商標は、上記アのとおり、「Horizon NavNet」の文字を横書きした構成からなるものであり、申立人商標は、上記イのとおり、「NavNet」又は「NAVNET」の文字を横書きした構成からなるものである。
そうすると、本件商標と申立人商標とは、「Horizon」の文字の有無という明確な差異があるから、両者の外観における印象は大きく異なるものである。
したがって、本件商標と申立人商標は、外観上、明確に区別できるものである。
(イ)称呼
本件商標より生じる「ホライズンナブネット」の称呼と申立人商標より生じる「ナブネット」の称呼は、その構成音及び構成音数が明らかに相違するものであるから、それぞれの称呼を一連に称呼した場合は、その語調、語感が相違したものとなり、互いに紛れるおそれはない。
したがって、本件商標と申立人商標は、称呼上、明瞭に聴別できるものである。
(ウ)観念
本件商標と申立人商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができず、観念上類似する商標ということもできない。
(エ)したがって、本件商標と申立人商標とは、観念においては比較できないとしても、外観及び称呼において、互いに紛れるおそれのないものであるから、両商標が需要者に与える印象、記憶等を総合して考察すれば、両商標は、非類似の商標というべきである。
(3)小括
以上によれば、申立人商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る商品を表すものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることができず、また、本件商標と申立人商標とは、上記(2)のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
そうすると、本件商標は、これを本件商標権者がその指定商品について使用しても、これに接する需要者が申立人又は同人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第11号該当性について
引用商標は、前記第1のとおり、「NAVnet」及び「ナブネット」の文字を上下二段に横書きしてなるか、「NAVnet」又は「NAVNET」の文字を横書きしてなるところ、その構成文字「NAVnet」又は「NAVNET」は、申立人商標と同一又は類似するものであるから、上記2(2)イの申立人商標についてと同様に、引用商標からは、「ナブネット」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、上記2(2)ウにおいてした本件商標と申立人商標との比較における場合と同様に、非類似の商標である。
したがって、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定商品中の第9類「コンピュータブログラム(記億されたもの),コンピュータソフトウェア(記憶されたもの),コンピュータ用プログラム(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),コンピュータ用ゲームソフトウェア,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),コンピュータハードウエア,コンピュータ操作用プログラム(記憶されたもの),腕時計型携帯情報端末」と引用商標の指定商品とは同一又は類似するものであるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
異議決定日 2021-02-24 
出願番号 商願2019-27371(T2019-27371) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W0942)
T 1 651・ 25- Y (W0942)
T 1 651・ 261- Y (W0942)
T 1 651・ 263- Y (W0942)
T 1 651・ 271- Y (W0942)
最終処分 維持 
前審関与審査官 田中 瑠美 
特許庁審判長 小松 里美
特許庁審判官 榎本 政実
小俣 克巳
登録日 2019-12-27 
登録番号 商標登録第6211961号(T6211961) 
権利者 ベイジン ホライズン ロボティクス テクノロジー リサーチ アンド デベロップメント カンパニー リミテッド
商標の称呼 ホライゾンナブネット、ホライゾン、ホライズン、ホリゾン、ナブネット、ナブ、エヌエイブイ 
代理人 宗助 智左子 
代理人 松井 宏記 
代理人 田中 景子 
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