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審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 W33
管理番号 1376832 
審判番号 不服2020-16223 
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-09-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-11-25 
確定日 2021-08-03 
事件の表示 商願2019-89955拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,「大山清正公」の文字を標準文字で表してなり,第33類「日本酒,泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,清酒,直し,みりん,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」を指定商品として,令和元年6月27日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は『大山清正公』の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中『清正公』の文字に着目すると,『公』の文字は『貴人などへの敬称。名などの下につけて親しみの意を表す。』の意味があるから,『清正』という名前の者に尊敬の念を持ってあがめていることを表しているとみるのが相当である。そうすると,本願商標は,一般需要者に,戦国時代の武将の一人である,『加藤清正』公を容易に想起させるものである。そして,当該人物は,神格化され人々にあがめられており,また,これに伴い,観光振興や地域興しなども行われていることを考慮すると,本願商標を,一私人である出願人が,自己の商標として,その指定商品について独占的に使用することは,その著名な故人の名声にあやかることにつながり,また,支持者等の尊敬の心情を害したり,当該歴史上の人物に関連した観光振興や地域興しなどの公益的な施策の遂行を阻害することが考えられるから,社会公共の利益に反するものといわざるを得ない。したがって,本願商標は,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものであるから,商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨を認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は,上記1のとおり,「大山清正公」の文字からなるところ,その構成文字は,同じ書体,同じ大きさで等間隔に,外観上まとまりよく一体的に表されているものであり,また,その構成中「大山」の文字は「大きな山。」,「神奈川県中部にある山。」,「姓氏の1つ。」等,複数の意味を有する語(「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)であって,「清正公」の文字が戦国時代の武将の一人である「加藤清正」の敬称として用いられる場合があるとしても,本願商標に接する取引者,需要者はその構成全体をもって特定の意味合いを有しない一体不可分の造語として理解,認識するとみるのが相当である。
そうすると,請求人が本願商標を出願し,登録を受けることが,地方公共団体や商工会議所等の公益的な機関による観光振興や地域興しのための施策等に「清正公」の名称を利用することについて支障を生じさせるおそれがあるとはいい難いものである。
さらに,当審において職権をもって調査するも,「大山清正公」の文字を商標として採択,使用することが「加藤清正」の出身地である名古屋市中村区や日本国内各地のゆかりの地とされる地域等の人々の感情を害すると認め得る具体的な事情は,発見することができなかった。
してみれば,本願商標は,その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,きょう激又は他人に不快な印象を与えるような構成でないことは明らかであり,また,本願商標をその指定商品に使用することが社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反するとはいえず,加えて,他の法律によって,その商標の使用等が禁止されているものではないし,特定の国若しくはその国民を侮辱し,又は一般に国際信義に反するものでもない。
さらに,本願商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり,登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に該当すると認めるに足る具体的事実も見いだせない。
したがって,本願商標は,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標とはいえないから,本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲

審決日 2021-07-13 
出願番号 商願2019-89955(T2019-89955) 
審決分類 T 1 8・ 22- WY (W33)
最終処分 成立  
前審関与審査官 馬場 秀敏 
特許庁審判長 平澤 芳行
特許庁審判官 鈴木 雅也
須田 亮一
商標の称呼 オーヤマセーショーコー、オーヤマキヨマサコー 
代理人 高橋 浩三 

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