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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W35
管理番号 1376820 
審判番号 取消2018-300937 
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-09-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2018-12-13 
確定日 2021-07-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第5618874号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5618874号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5618874号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成25年(2013年)4月8日に登録出願、第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同年9月27日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成30年(2018年)12月28日である。
なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である平成27年(2015年)12月28日から同30年(2018年)12月27日までを、以下、「要証期間」という。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び審判事件弁駁書において、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、商標権者により、少なくとも過去3年以内に日本国内でその指定役務に使用されていないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
被請求人は、本件商標について、要証期間に、使用していないことを自ら証言している。また、本件商標の使用を証明する資料が不充分であり、使用した事実は認められない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は、請求人の負担とする、との審決を求め、審判事件答弁書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
1 本件商標の使用について
(1)商標登録出願時の使用について
本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)は、本件商標に関して、主として「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に係る役務について、商標登録出願の前後において、本件商標権者が運営するカタログ通販ニッセンオンラインの媒体(2013年1月春号「スマイルランド」、同年4月夏号「スマイルランド」、同年5月盛夏号「スマイルランド」)等を通じて使用していた。
(2)本件商標の令和元年(2019年)5月使用に向けての準備について
本件商標権者は、本件商標を長らく使用していなかったが、カタログ誌「スマイルセレクション」(年3回発行)を令和元年(2019年)号よりリニューアル発行するに当たり、主として「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に係る役務について、カタログ誌のシティ系のトレンドファッションのコーナー名又はキャッチタイトルとして使用する商標が必要となった。
そこで、前記コーナー名に使用する商標の検討作業を開始し、平成30年(2018年)11月2日に開催した社内でのスマイルセレクション盛夏号方向性検討会で検討の結果、本件商標権者の所有する登録商標から使用する商標を選択することなり、本件商標を採用することに決定した。
カタログ誌を制作するため、平成30年(2018年)11月6日に、外注先の担当者と初回の打ち合わせを行った(乙1)。初回の打ち合わせは、令和元年(2019年)盛夏号媒体(媒体名未定)において、シティ系のトレントファッションのコーナー名として本件商標を使用することを前提に、予算とスケジュールを調整し、箱組と実際の企画MAPを基に全体の構成と各見開きのサムネイル案等、当該媒体の制作の発注を行った。
令和元年(2019年)5月発行予定の「19盛夏2号スマイルセレクション(仮称)」(2は○付き数字。以下同じ。)で、本件商標を、主として「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に係る役務において、使用することを着々と準備している。
2 まとめ
よって、本件商標権者は、本件審判請求日より以前から、本件商標を、主として「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に係る役務において、着々と使用する準備をしており、直近の令和元年(2019年)5月発行予定の「19盛夏2号スマイルセレクション(仮称)」で実際に使用するものである。

第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び同人提出の証拠によれば、以下のとおりである。
(1)乙第1号証は、本件商標権者の担当者と外注先の担当者間のメールの写しであり、被請求人によれば、「カタログ誌を制作するため、2018年11月6日に初回の打ち合わせを行ったことを証するもの」であって、「19盛夏2 打ち合わせ」(2は○付き数字。以下同じ。)と題する書面である。メールの出力書面には「2018年10月25日」を送信日として、メール本文に「11月6日、19盛夏2の打ち合わせをお願いしたい」の記載がある。
(2)乙第2号証は、被請求人によれば、「本件商標権者が外注先に2018年12月7日に依頼して2019年1月22日にアップされた絵コンテの写し」であるところ、その欄外左上部には「19盛夏2号 スマイルランド」の記載があり、また、中央右上部には、本件商標と社会通念上同一と認められる標章が表示されている。
2 判断
(1)本件商標権者の担当者と外注先の担当者間のメールの写し(乙1)について
本メールの送信日である平成30年(2018年)10月25日は要証期間であるが、本メールの記載事項のみで、実際に、要証期間にカタログ誌を制作するための打合わせが行われたことを認めることはできない。
また、本メールにおいて、本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を使用している事実を確認できない。
(2)「絵コンテ」の写し(乙2)について
絵コンテの写しには、本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)の記載があるものの、絵コンテの作成日、作成者、頒布日、頒布方法、頒布地域等、頒布の事実を裏付ける証拠が提出されていない。
(3)小括
上記のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、要証期間に、本件商標権者が、本件審判の請求に係る指定役務について、本件商標を使用したことを認めるに足りる事実を見いだせない。
3 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件審判の請求に係る指定役務のいずれかについての本件商標の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。
また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定役務について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。

別掲


別掲
本件商標(色彩は原本参照)




審理終結日 2021-04-30 
結審通知日 2021-05-10 
審決日 2021-05-31 
出願番号 商願2013-25563(T2013-25563) 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (W35)
最終処分 成立  
前審関与審査官 飯田 亜紀 
特許庁審判長 小松 里美
特許庁審判官 豊田 純一
青野 紀子
登録日 2013-09-27 
登録番号 商標登録第5618874号(T5618874) 
商標の称呼 スマイルモア、スマイル、モア 
代理人 福井 陽一 

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