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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W40
審判 査定不服 外観類似 登録しない W40
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W40
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない W40
管理番号 1375946 
審判番号 不服2020-7817 
総通号数 260 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-08-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-06-08 
確定日 2021-06-14 
事件の表示 商願2018-128889拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「冊子製本キング」の文字を標準文字で表してなり、第40類「書類の製本,本の装丁,製本,製本に関する情報の提供」を指定役務として、平成30年10月15日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5019533号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲1のとおり「king」の欧文字(「i」の文字の点が赤丸で表されている。)を横書きしてなり、平成18年6月6日に登録出願、別掲2のとおりの役務を指定役務として、同19年1月19日に設定登録され、その後、同29年1月10日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、上記第1のとおり、「冊子製本キング」の文字からなるところ、「冊子」の文字は、「書きこみ用に紙をとじたもの。広く、書物・書籍。」を、「製本」の文字は、「原稿・画稿・印刷物・白紙などを糸・針金・接着剤などで綴じて表紙をつけ、小冊子・書籍などに形づくること。」を、「キング」の文字は、「王」の意味を有するものである(いずれも岩波書店「広辞苑第七版」)。
そして、本願商標の構成中、「冊子製本」の文字部分は、紙をとじて小冊子・書籍などを作ることを直ちに理解させるものあり、本願の指定役務である「書類の製本,本の装丁,製本,製本に関する情報の提供」との関係においては、提供する役務の質(内容)を表したものにすぎないから、需要者、取引者は、当該文字部分を提供される役務の質(内容)であると認識するにとどまるというのが相当であって、本願商標は、その構成中「キング」の文字部分が独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
したがって、本願商標からは、その構成全体より生じる「サッシセーホンキング」の称呼に加え、要部である「キング」の文字部分より、単に「キング」の称呼及び「王」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲1のとおり、「i」の文字の点を赤丸で表した「king」の欧文字を横書きした構成からなるところ、その構成文字に相応して「キング」の称呼及び「王」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
上記(1)のとおり、本願商標は、その構成中、「キング」の文字部分が独立して自他役務の識別標識として機能し得るものであるから、本願商標から当該文字部分を要部として抽出し、これと引用商標とを比較して、商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
そこで、本願商標と引用商標を比較すると、本願商標と引用商標とは、外観上、その構成全体の比較においては、区別し得るとしても、本願商標の構成中、自他役務の識別標識としての要部である「キング」の文字部分と引用商標の比較においては、両者は「キング」の称呼及び「王」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、その称呼及び観念を共通にするものであり、これら外観、称呼及び観念を総合して観察すれば、両商標は互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
本願の指定役務、第40類「書類の製本,本の装丁,製本,製本に関する情報の提供」と、引用商標の指定役務、第40類「製本」とは、同一又は類似するものである。
(5)小括
したがって、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、引用商標の指定役務と同一又は類似する役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、「キング」の文字は我が国において「国王。王様。」等の意味を有する英語「king」の片仮名表記として親しまれている既存の語であるとともに、様々な商品、役務分野においてその名称や屋号に多用されている実情があり、該文字自体の自他役務識別力は決して強いものとはいえない。さすれば、同書、同大で外観上まとまりよく構成された「冊子製本キング」について、殊更「キング」の文字部分のみを抽出して認識されることは許されるべきではなく、むしろその構成全体をもって一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが自然であると主張している。
しかしながら、「キング」の文字は、本願の指定役務の質等を表す表示として一般に多用されている事情があるわけではないから、本願の指定役務との関係においては、自他役務の識別標識としての機能を十分に果たすものと認められる。そして、上記(1)で述べたとおり、本願商標の構成中、「冊子製本」の文字部分は指定役務の質(内容)を表すものであり、「キング」の文字部分が独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであるから、本願商標が常に一体不可分のものとして認識、把握されるということはできず、本願商標から当該文字部分を要部として抽出し、これと引用商標とを比較して、商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであって、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
別掲1 引用商標(色彩は原本参照のこと。)


別掲2 引用商標の指定役務
第40類「写真の引き伸ばし,写真の焼付け,写真用フィルムの現像,映画用フィルムの現像,放射線の除洗,布地・被服又は毛皮の加工処理(乾燥処理を含む。),裁縫,ししゅう,金属の加工,ゴムの加工,プラスチックの加工,セラミックの加工,木材の加工,紙の加工,石材の加工,剥製,竹・木皮・とう・つる・その他の植物性基礎材料の加工(食物原材料の加工を除く。),食料品の加工,義肢又は義歯の加工(医療材料の加工を含む。),製本,浄水処理,廃棄物の再生,原子核燃料の再加工処理,印章の彫刻,グラビア製版,繊維機械器具の貸与,写真の現像用・焼付け用・引き伸ばし用又は仕上げ用の機械器具の貸与,金属加工機械器具の貸与,製本機械の貸与,食料加工用又は飲料加工用の機械器具の貸与,製材用・木工用又は合板用の機械器具の貸与,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具の貸与,浄水装置の貸与,廃棄物圧縮装置の貸与,廃棄物破砕装置の貸与,化学機械器具の貸与,ガラス器製造機械の貸与,靴製造機械の貸与,たばこ製造機械の貸与,材料を特定しない総合的な材料処理情報の提供,印刷,廃棄物の収集・分別及び処理,編み機の貸与,ミシンの貸与,印刷用機械器具の貸与」

審理終結日 2021-03-18 
結審通知日 2021-03-19 
審決日 2021-04-20 
出願番号 商願2018-128889(T2018-128889) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W40)
T 1 8・ 262- Z (W40)
T 1 8・ 263- Z (W40)
T 1 8・ 264- Z (W40)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 守屋 友宏町田 圭輔 
特許庁審判長 森山 啓
特許庁審判官 鈴木 雅也
綾 郁奈子
商標の称呼 サッシセーホンキング、サッシセーホン、キング 
代理人 特許業務法人藤本パートナーズ 

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