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審決分類 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W35
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W35
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W35
管理番号 1375945 
審判番号 不服2020-17095 
総通号数 260 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-08-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-12-11 
確定日 2021-07-06 
事件の表示 商願2019-70452拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,令和元年5月7日に登録出願され,その後,指定役務については,審判請求と同時になされた令和2年12月11日受付の手続補正書により,「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,布製身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,うちわ及び扇子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ガーター・靴下留め・ズボンつり・バンド・ベルトの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,頭飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,携帯用化粧道具入れの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下のとおりであり,いずれの商標権も現に有効に存続している。
1 登録第610504号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,昭和36年5月4日に登録出願,第22類に属する願書記載の商品を指定商品として,同38年5月6日に設定登録され,その後,平成15年7月2日に指定商品を第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」,第21類「靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」,第25類「履物」及び第26類「靴飾り(貴金属製のものを除く。),靴はとめ,靴ひも,靴ひも代用金具」とする指定商品の書換登録がされたものである。
2 登録第1880128号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲3のとおりの構成よりなり,昭和59年3月5日に登録出願,第22類に属する願書記載の商品を指定商品として,同61年8月28日に設定登録され,その後,平成18年5月17日に指定商品を第6類「つえ用金属製石突き」及び第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」とする指定商品の書換登録がされたものである。
3 登録第5137481号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲4のとおりの構成よりなり,平成19年6月29日に登録出願,第35類「履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,靴ブラシ・靴べら・靴磨き布・軽便靴クリーナー及びシューツリーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,靴飾り(貴金属製のものを除く。)・靴はとめ・靴ひも及び靴ひも代用金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,傘・ステッキ・つえ・つえ金具及びつえの柄の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として,同20年6月6日に設定登録されたものである。

第3 当審の判断
1 引用商標1及び引用商標2について
本願の指定役務は,前記第1のとおり補正された結果,本願の指定役務は,引用商標1及び引用商標2の指定商品と類似しない役務になった。
したがって,本願商標が,引用商標1及び引用商標2と類似するとして,商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由は,解消した。
2 本願商標と引用商標3について
(1)本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,文字の一部に切れ目を入れたような特殊な態様で表した「VAN」の文字と,その下に小さく表した「・JAC・」の文字等を二段に配してなるものである。また,「VAN」の「V」及び「N」の文字が黒色で表されているのに対し,「VAN」の「A」の文字及び「・JAC・」の文字等は,灰色で表されている。さらに,「VAN」の文字は,ひときわ顕著に表されており,看者の注意を最も強く引く部分ということができる。
また,「VAN」の文字は,「(軍隊・艦隊などの)先頭,大型バン」(「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館)等の意味を有し,「JAC」の文字は,「(話し言葉としての)jacket(ジャケット)」(ランダムハウス英和大辞典第2版)や「ジャパンエアコミューター(Japan Air Commuter)」(「略語大事典第2版」丸善出版株式会社)等の意味を有するものであり,両文字は観念上の結びつきがない。
さらに,「VAN」及び「JAC」の文字が上記の意味を有する語であるとしても,本願商標に接する取引者,需要者に直ちにそれらの意味合いを理解させるとはいい難いうえに,本願商標の指定役務との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるともいい難い。
以上よりすれば,本願商標は,構成全体から生じる「バンジャック」又は「バンジェイエーシー」の称呼の他に,顕著に表された「VAN」の文字部分に相応して「バン」の称呼をも生じるものであり,特定の観念は生じない。
(2)引用商標3について
引用商標3は,別掲4のとおり,「VAN」の文字を書してなるところ,語頭の「V」の文字の大きさは,それに続く「AN」の文字の2倍ほどあり,また「V」,「A」及び「N」の各文字を構成する左上から右下に描かれている斜線は,いずれもひときわ太く表されており,さらにいずれの文字もそれらを構成する線の先端及び末端部分は三角形状に広がっている。
そして,「VAN」の文字は,上記(1)のとおりの各意味を有するものの,引用商標3の指定商品との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるとはいい難い。
そうすると,引用商標3は,「VAN」の文字に相応して「バン」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
(3)本願商標と引用商標3の類否について
本願商標と引用商標3との類否について検討するに,外観においては,本願商標構成中の「VAN」の文字部分と引用商標3の構成態様が顕著に異なることに加え,両者の外観全体をみても明らかに異なるものであるから,両者は外観において判然と区別し得るものである。
次に,称呼についてみるに,本願商標及び引用商標3は,「バン」の称呼が共通する場合がある。
さらに,観念についてみるに,本願商標及び引用商標3は,いずれも特定の観念を生じないものであるから,観念について比較することはできない。
そうすると,本願商標と引用商標3とは,観念において比較できず,称呼において共通する場合があるとしても,外観において明らかに相違し,その外観上の差異は称呼上の類似性を凌駕するといえるものであるから,外観,称呼及び観念によって,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
本願商標と引用商標3は,上記(3)のとおり,非類似の商標であるから,本願商標の指定役務と引用商標3の指定役務が類似するものであるとしても,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって,本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲
別掲1(本願商標)


別掲2(引用商標1)


別掲3(引用商標2)


別掲4(引用商標3)




審決日 2021-06-17 
出願番号 商願2019-70452(T2019-70452) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (W35)
T 1 8・ 263- WY (W35)
T 1 8・ 261- WY (W35)
最終処分 成立  
前審関与審査官 田崎 麻理恵 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 小田 昌子
茂木 祐輔
商標の称呼 バンジャック、バン、ブイエイエヌ、ジャック、ジェイエイシイ 
代理人 藤沢 昭太郎 
代理人 藤沢 則昭 

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