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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W36
審判 全部申立て  登録を維持 W36
審判 全部申立て  登録を維持 W36
管理番号 1375209 
異議申立番号 異議2020-900199 
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-07-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-08-11 
確定日 2021-05-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第6252396号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6252396号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6252396号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に掲げるとおりの構成よりなり、平成31年2月18日に登録出願、別掲2のとおりの役務を指定役務として、令和2年3月6日に登録査定され、同年5月19日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、以下の商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第5841125号商標(以下「引用商標1」という。)は、「WELIVE」の欧文字と「ウィーリブ」の片仮名を上下二段に書してなり、平成27年6月19日に登録出願、別掲3のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同28年3月29日に登録査定され、同年4月15日に設定登録されたものである。
2 国際登録第1213065号商標(以下「引用商標2」という。)は、「WELIVE」の欧文字を横書きにしてなり、2014年(平成26年)8月27日に国際商標登録出願(事後指定)、第9類、第36類、第38類、第42類、第43類及び第45類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2017年(平成29年)2月1日に登録査定、同年3月17日に設定登録、その後、指定商品及び指定役務については、2018年(平成30年)7月2日に国際登録簿に記録された基礎出願又は基礎登録の効力の一部終了を原因とする当該商標権の登録の一部抹消の結果、別掲4のとおりの商品及び役務となったものである。
なお、以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていう場合は、「引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1 具体的理由
(1)指定役務の類否について
本件商標及び引用商標は、ともに第36類の指定役務について登録を受けているが、両指定役務は「建物の貸与,建物の売買,土地の売買」といった同一の役務を指定している他、互いに類似している役務を指定しているため、本件商標と引用商標に係る指定役務は互いに同一又は類似の関係にある。
(2)商標の類否について
商標の類否を判断するにあたっては、対比された商標がその出所につき誤認混同を生じるおそれがあるか否かによって判断されるべきであるが、本件商標と引用商標1及び引用商標2は、商標全体を総合的に考慮すると、出所につき誤認混同する商標である。
ア 「i」と「WE」について
英文字の筆記体で表されている本件商標は、英文字「i」と「liv」の間にスペースを設けて、すべて小文字で表した商標であるが、全体としては「アイリブ」という称呼が生じる。
ここで、「アイリブ」という称呼を聴取した場合、需要者は「私は住んでいる」を意味し、我が国において広く認識される「I LIVE」という英語を想起することが一般的である。また、「i」は小文字で表されているが、現代のチャットツールやソーシャルネットワークにおいては、「私」を意味する「I」を、大文字入力をせずに「i」と表すことも多いため、「i」は実質的に「I」と同一の意味を有することを踏まえると、「アイリブ」と称呼した場合の「i」と「ウィーリブ」の「WE」は、「私」と「私たち」という程度の相違となり、近い意味合いを有している。
そのため、本件商標の「i」部分と、引用各商標の「WE」部分は、観念的に類似している部分であると判断されてしかるべきである。
イ 「liv」と「LIVE」について
本件商標の構成中の「i」部分と、引用商標の構成中の「WE」部分が類似することは上述のとおりであるが、その他の構成要素である「liv」と「LIVE」は、「E」のみが相違するものの、双方とも同一の「リブ」という称呼が生じる。
「liv」は特に意味を有さない造語であるが、本件商標及び引用商標の「リブ」という称呼は同一であり、また、本件商標を「アイリブ」と称呼した場合には、「リブ」部分は通常「live」が想起されることが一般的である。
上記の点を踏まえると、称呼が同一であることや、称呼を聴取した場合には「live」を想起することが一般的であって、外観や観念上の差異よりも、称呼上類似していることが商標の類否に与える影響が大きい。
そのため、本件商標の構成中の「liv」部分と引用商標の構成中の「live」部分は類似すると判断されてしかるべきである。
ウ 商標の類否判断について
本件商標と引用商標は、全体として外観及び称呼は異なるものの、「i」と「WE」は観念的に「私」と「私たち」を近似する意味を有することから、観念上類似し、また、「liv」と「live」は称呼が同一であり、同部分は類似するものである。
この点を考慮して本件商標と引用商標の商標全体として比較すると、需要者が通常有する注意力をもって本件商標のアイリブの称呼を聴取した場合には、ウィーリブとの称呼は異なるものの、「I」(私)と「WE」(私たち)という人称代名詞が近い意味合いを有していること、及び「リブ」の称呼から一般的には「live」の意味を想起することから、本件商標は「私は住んでいる」、引用商標は「私たちは住んでいる」という意味合いが生じることから、全体としても観念が類似することとなる。
そして、商標全体として、外観や称呼が非類似であるとしても、観念上明確に類似している本件商標においては、観念上の類似性が外観・称呼の差異を凌駕しているといえる。
よって、本件商標と引用商標は、その観念を比較した場合には類似する商標であると判断されてしかるべきものである。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は、互いに出所が混同する程度に類似する商標であって、かつ、同一及び類似の役務について使用するものである。
2 むすび
上記のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、別掲1のとおり「iliv」の欧文字を筆記体風の書体で横書きしてなるところ、本件商標は、同じ書体、同じ大きさをもって、等間隔に表されており、全体として、まとまりよく一体的なものとして把握されるものであり、本件商標は、その構成文字から「アイリブ」の称呼を生じるものである。
また、「iliv」の欧文字は、一般的な辞書等に載録された特定の意味を有する語ではなく、また、当該文字が、特定の意味合いを想起させる語として知られているというような事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応した「アイリブ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1は、上記第2の1のとおり、「WELIVE」の欧文字と「ウィーリブ」の片仮名を上下二段に書してなるところ、その構成中の「WELIVE」の欧文字は、「私たちは」等を意味するよく知られた英語「WE」(出展:小学館 プログレッシブ英和中辞典)と「住む」等を意味するよく知られた英語「LIVE」(同掲書)とを結合したものと容易に認識できるものであり、「ウィーリブ」は、「WELIVE」の読みを表したものと認められる。
したがって、引用商標1は、その構成文字に相応した「ウィーリブ」の称呼を生じ、「私たちは住んでいる。」のような観念を生じるものである。
イ 引用商標2は、上記第2の2のとおり、「WELIVE」の欧文字を横書きにしてなるところ、上記アのとおり、「WELIVE」の欧文字は、「WE」の欧文字と「LIVE」の欧文字とを結合したものと容易に認識できるものである。
したがって、引用商標2は、その構成文字に相応した「ウィーリブ」の称呼を生じ、「私たちは住んでいる。」のような観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否
ア 外観について
本件商標と引用商標とは、構成態様や構成文字数が明らかに相違するものであり、外観上、相紛れるおそれはないものである。
イ 称呼について
本件商標から生ずる「アイリブ」と引用商標から生ずる「ウィーリブ」の称呼とを比較するに、本件商標の「アイリブ」の称呼と引用商標の「ウィーリブ」の称呼は、称呼の後半部の「リブ」の音を共通にするものの、前半部の「アイ」と「ウィー」の音が相違し、当該差異音は、明確に発音される傾向にある称呼の前半部の相違であることから、これらの比較的短い音構成においては、当該差異が両称呼全体に及ぼす影響は決して小さくなく、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合には、語調、語感が相違するため、称呼上、相紛れるおそれはない。
ウ 観念について
本件商標は、特定の観念を生じないものであり、引用商標は、「私たちは住んでいる」のような観念が生じるものであるから、これらの観念は、比較することができない。
エ 小括
そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼が、明らかに相違するため、これらは、相紛れるおそれはないものであるから,十分に区別することができる非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、たとえ、本件商標の指定役務が、引用商標の指定役務と同一又は類似する役務を含むとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲1(本件商標)


別掲2(本件商標の指定役務)
第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定着物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,信用購入あっせん,前払式支払手段の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,商品代金の徴収の代行,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引,外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券先渡取引・有価証券店頭指数等先渡取引・有価証券店頭オプション取引若しくは有価証券店頭指数等スワップ取引又はこれらの取引の媒介・取次ぎ若しくは代理,有価証券等清算取次ぎ,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物内のスペースの貸与,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,中古自動車の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金,紙幣・硬貨計算機の貸与,現金支払機の貸与,現金自動預け払い機の貸与」

別掲3(引用商標1の指定商品及び指定役務)
第9類「コンピュータソフトウェア,コンピュータハードウエア,レストラン予約・食品の居住地域への配達のための発注・パーティー及びイベントの運営のためのソフトウェア及びダウンロード可能なソフトウェア,フィットネスクラブ・ヘルスクラブ・エクササイズ用施設におけるクラスヘの登録及びヘルススパにおける施術の予約のためのソフトウェア及びダウンロード可能なソフトウェア,居住地の住人のソーシャルネットワーキングヘの参加・仮想コミュニティヘの参加・コミュニティ会員資格の管理・家賃の支払い・図書館・メディアルーム・劇場・ジム・コンシェルジュ・レストラン・カフェ・台所といった施設の管理及び使用のための携帯電話及び手持ち式コンピュータのためのコンピュータアプリケーションソフトウエア」
第36類「保険業務,金融又は財務に関する計画の分野における助言,金融又は財務取引,金融又は財務に関する指導・管理及び助言,金融・財務分析,金融又は財務に関する評価,企業の信用に関する調査,金融・財務に関する仲介,金融又は財務に関する助言及び情報の提供,金融又は財務に関する計画の立案,金銭債権の取得及び譲渡,送金事務の取扱い,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,土地又は建物及びアパートの貸与,アパート及び建物の管理」
第38類「電気通信,光ファイバーネットワークによる通信,インターネットによる音声を送る放送,デジタルネットワークによる電気通信,複数ユーザーのためのワイヤレスネットワークヘの接続の提供,携帯型手持ち式機器・有線及び無線の通信機器によるデータ及びデジタルメッセージの電子送信のための電気通信,グローバルコンピュータネットワーク経由で使用者がメッセージ・テキスト・マルチメディアコンテンツ・ビデオ・音声・アニメーション・画像を電子送信できるようにするための電気通信,居住地域・近隣の誘致・一般関心事の分野における使用者間のメッセージの通信のためのオンラインフォーラム形式・チャットルーム形式・電子掲示板による通信電子掲示板による通信」
第42類「科学及び技術研究・調査及びそれにかかわる設計,工業上の分析及び調査コンピュータのハードウエア及びソフトウエアの設計及び開発,登録者の議論への参加・仲間からのフィードバックの受取・仮想コミュニティの形成・ソーシャルネットワーキングヘの参加のためのオンラインコミュニティ用ウェブサイトの作成,居住地の住人のソーシャルネットワーキングヘの参加・仮想コミュニティヘの参加・コミュニティ会員資格の管理・家賃の支払い・図書館・メディアルーム・劇場・ジム・コンシェルジュ・レストラン・カフェ・台所といった施設の登録及び管理のためのプラットフォーム用ウェブサイトのホスティング,他者のためにオンライン上での紹介・ミーティング・集会・相互間の議論を運営及び開催するためのオンラインのウェブサイトのホスティング,使用者が自らのコンテンツ及び画像を公開及び共有し、他者とオンラインで交流することを可能にする相互間のウェブサイトのホスティング,クラウドコンピューティング,コンピュータシステムの現場及び遠隔での管理,コンピュータソフトウェアの設置・アップデート及び保守,ウェブサーバーの貸与,サーバーのホスティング,コンピュータソフトウェア問題のトラブルシューティングといった技術的援助,コンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェア上の問題の診断に関するトラブルシューティングの技術的援助」
第43類「飲食物の提供,一時宿泊施設の提供,ホテルにおける宿泊施設の提供,ホテル・レストラン及び一時宿泊施設の予約の取次ぎ,懇親会及びミーティング用のコミュニティーセンターの貸与,ビジネスや行事のための社交の催し用の施設の貸与,保育所における乳幼児の保育及び高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),愛玩動物の一時預かり,喫茶店及びレストランにおける飲食物の提供,カフエテリアにおける飲食物の提供,ケータリング会議・展示会及びミーティングのための施設の提供」
第45類「法律業務,財産及び個人の保護のための警備,オンラインによるソーシャルネットワーキングサービスの提供施設の警備,身辺の警護,家事の代行」

別掲4(引用商標2の指定商品及び指定役務)
第9類「Computer application software for mobile phones and handheld computers, namely, software for members of a residential community to participate in social networking, engage in virtual communities, manage their community membership.」
第36類「Leasing of real property and apartments; management of apartments and buiIdings.」
第38類「Digital network telecommunications services; providing multiple user wireless access to the Internet.」
第42類「Computer services, namely, creating an on-line community for registered users to participate in discussions, get feedback from their peers, form virtual communities, and engage in social networking; providing a web hosting platform for members of a residential community to participate in social networking, engage in virtual communities, manage community membership; computer services, namely, on-site and remote management of IT systems; technical support services, namely, troubleshooting of computer software problems; technical support services, namely, troubleshooting in the nature of diagnosing computer hardware and software problems.」
第43類「Providing community centers for social gatherings and meetings; providing of drink.」
第45類「Online social networking services; personal concierge services rendered in residential complexes, namely security and protection services and housework services rendered to meet the needs of individuals.」


異議決定日 2021-05-20 
出願番号 商願2019-26104(T2019-26104) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W36)
T 1 651・ 261- Y (W36)
T 1 651・ 263- Y (W36)
最終処分 維持  
前審関与審査官 田崎 麻理恵 
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 豊田 純一
小俣 克巳
登録日 2020-05-19 
登録番号 商標登録第6252396号(T6252396) 
権利者 中埜産業株式会社
商標の称呼 アイリブ、リブ、エルアイブイ 
代理人 砂山 麗 
代理人 朝倉 悟 
代理人 猿山 純平 
代理人 柏 延之 
代理人 宮嶋 学 
代理人 本宮 照久 
代理人 中村 行孝 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 高田 泰彦 

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