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審決分類 審判 全部無効 商4条1項7号 公序、良俗 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W0942
管理番号 1375159 
審判番号 無効2020-890004 
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-07-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2020-01-17 
確定日 2021-06-07 
事件の表示 上記当事者間の登録第5677365号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5677365号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5677365号商標(以下「本件商標」という。)は、「SCANeR」の欧文字を標準文字で表してなり、平成26年1月29日に登録出願、第9類「通信用ソフトウェアを搭載したデコーダ,電気通信機械器具,コンピュータソフトウェア,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD一ROM」及び第42類「インターネットを利用したコンピュータ用ソフトウェアの提供,電子計算機コンピュータソフトウェアのプログラムの更新のプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータソフトウェアの設計・作成又は保守に関するコンサルティング,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,電子計算機端末による通信におけるサーバーの記憶装置の記憶領域の貸与,電子計算機端末による通信におけるサーバーの記憶装置の記憶領域の貸与に関する情報の提供・助言及び指導,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計」を指定商品及び指定役務として、同年5月13日に登録査定され、同年6月13日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
請求人が引用する商標は、「SCANeR」の文字からなり、商品「自動車用ドライビングシミュレータソフトウェア」に使用するものである。

第3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第23号証(枝番号を含む。枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、商標法第4条第1項第19号又は同項第7号に該当するものであるから、同法第46条第1項第1号により、その登録は無効にすべきものである。
2 具体的な理由
(1)商標法第4条第1項第19号該当性について
ア 請求人について
請求人であるオクタル(「OKTAL」)は、1989年1月にフランスの法律に基づいて設立された会社であり、自動車、鉄道、航空機などのシミュレータソフトや関連ハードウェアの開発、制作、製造、販売を行う会社である(甲3)。
その製作販売する交通シミュレータは一般需要者に市販されるものではないが、交通関係の各種製品の設計販売においてシミュレータを利用しようとする当業者間では周知・著名であり、ルノー、プジョー、ボルボ、ボッシュ、フォード、フィアット、など、多数の交通関係の企業、研究機関などに納入実績がある(甲4)。なお、大がかりなシステムになるとハードウェアを含めて10億円以上になるものもある。
請求人の自動車部門、鉄道部門、航空機部門のうち、自動車部門では、様々な形態のシミュレータハードウェアを提供している。その種類としては、小型ドライビングシミュレータ、フルカーシミュレータ、高性能シミュレータなどがある(甲5の2)。
これらのハードウェアは、いずれも、請求人の「SCANeR」シリーズのソフトウェアをベースとしている(甲5の2)。請求人の「SCANeR」ソフトウェアは、エンジニアリング、研究活動用に世界中で200ライセンス以上、ドライバートレーニングシミュレータで約2000ライセンスが使用され、大規模ユーザー用の主力ソリューションとなっている(甲5の2)。
我が国においては、かつては、被請求人が日本国内における営業販売活動を行う者であったが、現在は、株式会社マックシステムズ(以下「マックシステムズ社」という。)が、我が国の販売代理人となっている(甲18、甲19)。
イ 請求人の自動車用ドライビングシミュレータソフトウェア「SCANeR」及びその周知性
「SCANeR」シリーズは、上述のとおり、自動車向けのドライビングシミュレータソフトであり、請求人が制作販売する、代表的な商品の一つである(甲3の4、甲5)。なお、請求人の自動車関連部門は、2017年9月1日に、請求人とルノー社との共同出資による合弁会社Autonomous Vehicle Simulation(AVS)社に移行した関係で、2017年9月1日以降は「SCANeR」シリーズも当該合弁会社に移行している(甲6、甲7)。
請求人の提供するドライビングシミュレータは、「SCANeR studio」等の「SCANeR」シリーズのドライビングシミュレータソフトウェアパッケージをベースとしている。「SCANeR studio」は、2013年5月時点で、世界中の60以上のユーザーに選ばれており、評判は非常に高く、ドイツ、フランス、イギリス、ノルウェー、スペイン、韓国、日本、アメリカ等、世界中で使われている(甲5の1)。
2013年5月時点における、「SCANeR」シリーズの主なユーザーは、(a)自動車産業において、アウディAG(ドイツ)、デコマ(カナダ)、フォードRAE(ドイツ)、現代自動車(韓国)、万都(韓国)、ミシュラン(フランス)、日産(日本)、PSA・プジョーシトロエン(フランス)、ルノー(フランス)、Robotiker Tecnalia(スペイン)、ボルボ・トラック(フランス)、ヴァレオライティングシステムズ(フランス)であり、(b)研究所において、クイーンズランドエ科大学(オーストラリア)、同済大学(中国)、スペイン輸送・エネルギー研究開発協会(CIDAUT)(スペイン)、コヴェントリー大学(イギリス)、CTAG(スペイン)、フランス国立工芸大学(ENSAM)(フランス)、フラウンホーファーIAO(ドイツ)、フランス国立交通・安全研究所(INRETS)(フランス)、日本自動車研究所(JARI)(日本)、香川大学(日本)、国民大学校(韓国)、韓国自動車研究員(KATECH)(韓国)、ミネソタ大学(アメリカ)、フランス国立科学研究センター(CNRS)分子理工学研究所(LSIS)マルセイユ大学(フランス)、武蔵工業大学(日本)、ナポリ大学(イタリア)、モデナ大学(イタリア)、ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)、ヴァランシェンヌ大学(フランス)、大学病院センター(フランス)、RTSA(韓国)、ノルウェー産業科学技術研究所(SINTEF)(ノルウェー)、ペンシルベニア交通研究所(アメリカ)、イギリス交通研究所(TRL)(イギリス))であり、(c)「SCANeR DT」ユーザーは、MACIF(フランス)、アルコン研究所(フランス)、ノーサンブリア(イギリス)、タレス・トレーニング&シミュレーション(ヨーロッパ)、TRANSURB(ベルギー)、RTSA(韓国)、I-Ven(フランス)である(甲5の1)。
加えて、南デンマーク大学(デンマーク)、VeDeCom(フランス)、SystemX(フランス)、ゲルフ大学(カナダ)、フランス陸軍(フランス)といった研究機関や企業も請求人のドライビングシミュレータを採用しており、「SCANeR」ソフトウェアのユーザーである(甲5の2)。
甲第5号証の2には、請求人の顧客である同済大学(中国)、クイーンズランドエ科大学(オーストラリア)、ガルシア自動車技術センター(スペイン)が、本件商標の出願日よりも前に、請求人のドライビングシミュレータを導入したことが証明されている。
このように、本件商標の出願日よりも前から、世界各国の多くの大手交通関係の企業や研究機関が請求人の顧客であり、請求人の「SCANeR」シリーズのソフトウェアを導入している。
このようなことから、本件商標の出願日である2014年1月29日の時点で、既に、「SCANeR」商標は、請求人の業務に係る商品である自動車用ドライビングシミュレータのソフトウェアを表示するものとして、当該商品の需要者である交通関係の企業や研究機関の間に広く認識されていたというのが相当である。
ウ 請求人の登録商標及び商標登録出願
請求人は、フランス国内で、2007年12月に「SCANeR」商標を商標登録出願し、登録番号3545509として商標登録を受けており、現在も有効に存続中である(甲8)。
また、請求人は、欧州連合商標第014047691号「SCANeR」(甲9)、欧州連合商標第014055719号「SCANeRstudio」(甲10)も所有している。
さらに、請求人は、国際登録第1273789号「SCANeRstudio」(甲11)を有し、指定国のオーストラリア、コロンビア、韓国、ノルウェー、シンガポールでの登録が認められている(甲12?甲16)。
加えて、請求人は、2014年12月24日に、我が国に、商標「SCANER」を商標登録出願したが(甲17)、本件商標を引用商標として商標法第4条第1項第11号を理由とする拒絶理由が通知されており、現在も審査に係属中である。
エ 本件商標と請求人の「SCANeR」シリーズの商標との対比
本件商標は、「SCANeR」の文字からなる標準文字商標である。請求人の使用する「SCANeR」商標とは、つづりが同一、さらに「e」の文字だけが小文字で書されていることが共通している。
したがって、本件商標は、請求人が使用する「SCANeR」シリーズの商標と同一または極めて類似する商標である。
不正の目的について
被請求人である「オクタル・シャボン株式会社」は、2002年に、日本国内において、請求人と被請求人代表者が50パーセントずつ出資し、日本国内における営業販売活動を行うことを目的として設立された会社である(甲21、甲23)。
被請求人は、設立後、請求人の日本国内のおける代理店として営業活動をしていた。なお、請求人は、2005年には、その出資持分全部を被請求人代表者に売却した。
そして、被請求人は、2006年頃から、請求人から自動車用のシミュレータソフトウェア「SCANeR」を輸入して、商標「SCANeR」及びフランス・オクタル社の商号「OKTAL」を使用して、日本国内で販売していた。
しかし、その事業活動はおもわしくなく、被請求人は、請求人に対する債務の清算をしなかった。請求人は、被請求人だけでは、同シミュレータの販売に不安があった。そのような経緯などにより、2009年12月頃から、後に請求人の販売代理人となるマックシステムズ社が、共同事業者として、被請求人と顧客との間の取引に介在するようになった。
その後、被請求人はマックシステムズ社を通じて、2社ほどに「SCANeR」を販売することに成功した。
ただ、請求人は、被請求人との新規販売契約は、被請求人が資金を調達し、請求人に対する債務を清算することが前提条件と考えていた。それにもかかわらず、被請求人は、債務を支払わず、その姿勢を変えることはなかった。被請求人は、営業努力が具体的プロジェクトを実現すると考え、債務の清算の代替案として、デモンストレーション用ライセンスの支払いにより、債務を補うことを提案した。
請求人は仕方なく、2011年7月29日付けで、被請求人との間でライセンス契約を締結した。これにより、被請求人は、「SCANeR studio」バージョン1.1ソフトウェアのデモンストレーション及び開発のライセンスを取得した。
しかしながら、被請求人は、再び支払い義務を怠ったため、請求人は、提携関係を破棄しなければならなくなると警告せざるを得なかった。
被請求人が提案した解決策は、支払いを保証するであろうパートナー、マックシステムズ社との提携であった。被請求人は、マックシステムズ社と2012年3月28日付けで提携協定を締結し、それにより請求人の割引手形は清算された。
そのような中、2012年7月、被請求人及びマックシステムズ社は、ある顧客から、納期を同年12月として、当該顧客からの受注に成功したようである。
納品のためには請求人のドライビングシミュレータソフト「SCANeR」に、当該顧客の車両データを連動させる必要があり、そのためにはシステムの設計から始まるハード・ソフトの納入、設置、調整作業が必要であったが、それは被請求人の担当であった。
そこで、被請求人は、顧客のデータを扱うソフトについて、請求人の「SCANeR」シリーズのドライビングシミュレータソフトである「SCANeR studio」との間で通信連動させる加工を試みた。
しかし、被請求人の技術力のなさ、人的資源の不足等から、ソフトの加工、ハードとの連携がいつまで経ってもできず、2012年12月の納期を優に経過した。
結果、顧客は、2013年6月には「被請求人ではらちがあかない。マックシステムズ社が直接、請求人と連絡を取って対応してほしい」と要請するようになったようである。
また、被請求人は、2013年7月に至って、顧客との取引では契約当事者の立場にあるマックシステムズ社に対し、「追加費用が発生する」と見積書に記載のない追加金(2800万円余り)の支払い要求をしたようである。
マックシステムズ社は顧客との関係もあり、やむなく支払いをしたようであるが、にもかかわらず、結局、被請求人はソフトの修正加工ができず、請求人及びマックシステムズ社が対応せざるをえなかった。
このようなことから、被請求人とマックシステムズ社との提携関係は長続きせず、提携解消直後から被請求人の支払いは再び遅延した。
被請求人は、この間、上記と並行して、本件商標の出願準備を進めたようであり、2014年1月29日に、本件商標「SCANeR」及び請求人の商号である「OKTAL」(商願2014-5937、登録第5677364号、無効2019-890034)を出願し、同年6月13日、商標登録を受けた。
請求人は、その商標登録を知ると、被請求人に対し、その取下げを即刻催促した。請求人と被請求人の法律顧問で何度も調整が行われたが、被請求人の法律顧問は、被請求人が当該商標登録の放棄は一切行うつもりはないことを明言した。
このような状況下において、ライセンシーが契約条項に違反した場合にはライセンス契約を解消することを定めたライセンス契約条項に基づき、請求人は、被請求人に対し、ライセンスの解約を通告したが、商標登録の放棄はされなかった。
請求人は、その後、2015年4月、ライセンス契約の解消の確認等を求めて、被請求人を被告としてパリ大審裁判所に訴訟を提起した(甲20)。
一方、被請求人は、2015年11月6日、マックシステムズ社に対し、本件商標権に基づく警告状を送付した(甲22)。2016年3月15日、被請求人は、マックシステムズ社を被告として、商標法第36条第1項及び第2項に基づく差止及び廃棄、及び民法第709条に基づく損害賠償を求める訴訟を提起した(平成28年(ワ)第8475号)。しかしながら、被請求人の権利行使は権利の濫用であると判断され、請求はいずれも棄却された(甲23)。
請求人がパリ大審裁判所に提起した訴訟は、2017年11月17日に判決がなされ、2011年7月29日付けのライセンス契約が、2015年4月8日付けで、被請求人により契約不履行により解約された旨が確認された。また、被請求人は、請求人のソフトウェアの使用を、その理由の如何を問わず禁止され、使用を止めない場合は違約金を支払う旨定められた(甲21)。
以上のように、被請求人は、請求人との取引が今後立ち行かなくなることを予想し、また、日本において、「SCANeR」が商標登録されていないことを奇貨として、請求人の商標「SCANeR」を継続して使用する権限を窃取するため、請求人との交渉を有利に進めるため、あるいは、請求人及びマックシステムズ社が日本国内において「SCANeR」ソフトウェアを販売するのを妨害するため、本件商標の登録を行ったものである。
したがって、本件商標は、請求人に損害を与える目的その他の不正の目的をもって使用するものであることが明白である。
カ まとめ
以上のとおり、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に周知な商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を与える目的、その他不正の目的をいう。)をもって使用するものであるから、商標法第4条第1項第19号の規定に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第7号該当性について
商標法第4条第1項第7号については、次の(ア)及び(イ)のとおり、知的財産高等裁判所において判示されている。
ア 商標法第4条第1項第7号は、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」は、商標登録を受けることができないと規定している。ここでいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には、(a)その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合、(b)当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合、(c)他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合、(d)特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合、(e)当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合、などが含まれるというべきである(知財高裁平成17年(行ケ)第10349号参照)。
イ 「被告が、文字構成において独創的な造語と認められる『ASROCK』と同一文字構成を使用した本件商標を出願した点こそ重視されるべきであって‥・被告の本件商標の出願は、ASUSTeK社若しくはASRock社が商標として使用することを選択し、やがて我が国においても出願されるであろうと認められる商標を、先回りして、不正な目的をもって剽窃的に出願したものと認められるから、商標登録出願について先願主義を採用し、また、現に使用していることを要件としていない我が国の法制度を前提としても、そのような出願は、健全な法感情に照らし条理上許されないというべきであり、また、商標法の目的(商標法1条)にも反し、公正な商標秩序を乱すものというべきであるから、出願当時、引用商標及び標章『ASRock』が周知・著名であったか否かにかかわらず、本件商標は『公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標』に該当するというべきである。」(平成21年(行ケ)第10297号同22年8月19日判決言渡最高裁ホームページ参照)。
ウ 上記したように、被請求人は、請求人との取引が今後立ち行かなくなることを予想し、また、日本において、「SCANeR」が商標登録されていないことを奇貨として、請求人の商標「SCANeR」を継続して使用する権限を窃取するため、請求人との交渉を有利に進めるため、あるいは、請求人及びマックシステムズ社が日本国内において「SCANeR」ソフトウェアを販売するのを妨害するため、剽窃的及び先取り的に、本件商標の出願、登録を行った。
したがって、請求人の商標が日本又は外国で獲得した顧客吸引力や信頼等を利用し不正の利益を得る目的、又は先願主義を採用する我が国の法制を利用して請求人の引用商標が登録されないようにすることにより、請求人に損害を与える目的で、不正の目的をもって本件商標を使用する若しくは使用しようとするものであることは明白である。また、本件商標は、請求人が諸外国において獲得した顧客吸引力、信頼をただ乗りしようとするものである。
エ このことは、極めて悪質なものであり、社会の一般的道徳観念に反するものといえる。
オ 本件商標は、登録に至る出願の経緯において著しく社会的妥当性を欠くものがあり、本件商標の登録を認めることは、商標法の予定する公正な商標秩序を乱すものというべきであり、到底容認し得ない。すなわち、上記(ア)(e)に該当するものである。
カ したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当する。
(3)むすび
上述のように、本件商標登録は商標法第4条第1項第19号及び同第7号の規定に違反してされたものであり、同法第46条第1項第1号の規定によりその登録は無効とされるべきものである。

第4 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判請求の費用は請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を審判事件答弁書及び上申書において要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第15号証(枝番号を含む。枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。)を提出した。
1 審判事件答弁書における主張
(1)経緯
ア オクタル・シャボンの成り立ち
請求人が主張するとおり、被請求人であるオクタル・シャボン株式会社は、2002年に、日本国内において請求人と被請求人の代表者が50%ずつ出資し、日本国内における営業販売活動を行うことを目的として設立された株式会社であり、被請求人は、会社設立後、請求人の日本国内における代理店として営業活動をしていた。もっとも、請求人は短期間では日本市場に食い込むことは困難であると判断したのか、2005年には、その出資持分全部を被請求人代表者に売却している。
イ ライセンス契約の締結
請求人も主張するとおり、請求人と被請求人は、2011年7月29日付けでライセンス契約を締結し、被請求人は、「SCANeR Studio」バージョン1.1ソフトウェアのデモンストレーション及び開発のライセンスを取得した。
ウ 環境省からの受注
被請求人は、2012年1月25日、環境省からエコドライブ事業を受注し(乙3)、被請求人代表者が交通工学の知識を用い、かつ上記事業で設置された学識経験者からなる検討会で承認を受けた走行判定データを組み込んで開発したエコドライブ・シミュレータ「SCANeR ECO」を製作して地方自治体に納入した(乙4)。
被請求人が自ら開発したエコドライブ・シミュレータの名称を「SCANeR ECO」にしたのは、その時点では「SCANeR Studio」バージョン1.1ソフトウェアを用いていたこと、当時はまだ請求人と被請求人の関係は悪化しておらず、2012年当時、フランスのパリで開催された日本の有力な顧客も訪れる国際展示会の費用を被請求人が負担するなど、資本関係はないものの被請求人は「SCANeR」という名称を日本に広めていく予定であったからである。
なお、この「SCANeR ECO」は、東京モーターショーなどでも毎年のように使用されており、全国の自治体にも知られているものである。
エ 被請求人による商標出願
環境省から受注して開発したエコドライブ・シミュレータ「SCANeR ECO」が埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、川崎市、横浜市、千葉市、さいたま市、相模原市の各自治体に納入され(乙4)、公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団が主催するエコドライブシンポジウム(乙5)、東京モーターショー(乙6)、トヨタみらいじどうしゃフェスティバル(乙7)などで使用されることが多くなったことから、被請求人は、自らが販売する「SCANeR ECO」を守るため、2014年1月29日、本件商標を出願し、2014年6月13日に登録された。
(2)不正の目的か否かについて
ア 被請求人が本件商標を出願した目的
既に述べたとおり、被請求人は、環境省から受注した「SCANeR ECO」が全国の自治体や東京モーターショーなどで使用されることが多くなったことが原因で、自らが販売する「SCANeR ECO」を守るため、2014年1月29日、本件商標を出願したものである。
権利の濫用とする判決について
(ア)判決の内容
請求人が指摘する東京地方裁判所平成29年3月28日判決(平成28年(ワ)第8475号)は、「以上の事情を総合すると、『SCANeR』及び『OKTAL』の商標は商品の出所がフランス・オクタル社に由来することを示すものとして取引者及び需要者に認識されていると認められるから、かつての販売代理店であった原告が、現在の販売代理店である被告に対して本件各商標権を行使することは、商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り、需要者の利益を保護するという商標法の目的に反し、権利の濫用に当たると判断するのが相当である。」としている。
(イ)「不正の目的」の判断時期は出願時である
不正の目的」の判断時期は、本件商標の出願日である2014年1月29日であり、登録日は2014年6月13日である。
これに対し、被請求人がマックシステムズ社に対し本件商標に基づき「SCANeR」の使用の中止を請求する内容の通知書を発送したのは、2015年11月6日である(甲22)。
被請求人が出願時からマックシステムズ社に対し権利行使をする意図であったのであれば、商標登録がなされて1年半近く、商標出願から考えれば2年近くの間、権利行使の意思表示をしないはずがない。
被請求人がマックシステムズ社に対する本件商標による権利行使を思い立ったのは、商標出願時ではなく、出願から2年近くが経過し、被請求人と請求人・マックシステムズ社との関係が極めて悪化するようになってからであると考えるのが妥当である。
このように、出願時点で「不正の目的」があったと認められない以上、商標法第4条第1項第19号の適用はないというべきである。
(3)公序良俗違反か否かについて
ア 裁判例
知的財産高等裁判所平成20年6月26日判決(平成19年(行ケ)第10392号)は、「当該出願人が本来商標登録を受けるべき者であるか否かを判断するに際して、先願主義を採用している日本の商標法の制度趣旨や、国際調和や不正目的に基づく商標出願を排除する目的で設けられた法4条1項19号の趣旨に照らすならば、それらの趣旨から離れて、商標法4条1項7号の『公の秩序又は善良の風俗を害するおそれ』を私的領域にまで拡大解釈することによって商標登録出願を排除することは、商標登録の適格性に関する予測可能性及び法的安定性を著しく損なうことになるので、特段の事情のある例外的な場合を除くほか、許されないというべきである。」としている。
また、知的財産高等裁判所平成22年5月27日判決(平成22年(行ケ)第10032号)も当該出願人が本来商標登録を受けるべき者であるか否かを判断するに際して、先願主義を採用している日本の商標法の制度趣旨や、国際調和や不正目的に基づく商標出願を排除する目的で設けられた法4条1項19号の趣旨に照らすならば、それらの趣旨から離れて、商標法4条1項7号の『公の秩序又は善良の風俗を害するおそれ』を私的領域にまで拡大解釈することによって商標登録出願を排除することは、商標登録の適格性に関する予測可能性及び法的安定性を著しく損なうことになるので、特段の事情のある例外的な場合を除くほか、許されないというべきである。」としている。
イ 以上のとおり、本件においては、商標法第4条第1項第19号該当性を判断すれば足り、商標法第4条第1項第7号を私的領域にまで拡大解釈することによって商標登録出願を排除することは、商標登録の適格性に関する予測可能性及び法的安定性を著しく損なうことになるので許されないというべきである。
2 上申書における主張
(1)本件商標は周知ではない(商標法第4条第1項第19号について)
ア 「SCANeR」は市場調査レポートの中に出てこない
乙第8号証及び乙第9号証の膨大で詳細な市場調査レポートにも、請求人の名称もその商品名である「SCANeR」の名称も出てこない。このことから、これらのレポートより約5年前の2014年の段階で、請求人もその商品名である本件商標も国内はおろか外国ですら周知でなかったことは明らかである。
イ EUでの「SCANeR」出願は本件商標の出願より遅い
請求人がEUで「SCANeR」を商標出願したのは、本件商標の出願日である2014年1月29日よりも1年以上後の2015年5月11日である(甲9)。フランス法人の請求人がEUで出願もしていない商標が、本件商標の登録出願日時点で「外国における需要者の間に広く認識されている」といえないことは明らかである。
ウ 請求人は「OKTAL」の商標ですらWIPOで更新手続きをしなかった
請求人は、WIPOにおける手続で、自らのコーポレートブランドである「OKTAL」の商標すら,出願を取り下げている(乙10)。「OKTAL」が周知であり、その商標に価値があれば、当然に登録を狙うはずである。にもかかわらず、出願を取り下げているのは「OKTAL」の知名度がさほどでもないからである。そして、コーポレートブランドである「OKTAL」ですら周知でないのに、その商品の一つである「SCANeR」(本件商標)が周知などということはあり得ない。
エ 「大手自動車メーカーがユーザーである=有名である」ではない 大手の自動車メーカーは、強大な資金力を有しており、どのドライブシミュレータ・ソフトが自社の役に立つか検証するため、無名の会社のドライブシミュレータ・ソフトであっても、多少は購入、使用をするものである。請求人は、審判請求書において、請求人のドライブシミュレータのユーザーを列挙して「SCANeR」が国外において周知であるかのように主張しているが、実態を反映しない主張である。
(2)不正の目的がない(商標法第4条第1項第19号について)
ア 無名である以上不正の目的を抱きようがない
既に述べたとおり、本件商標は日本国内はおろか国外でも無名であり、このような商標を使用したとしても、商標に化体した出所識別機能により利益を得られる状況にはないから、不正使用の目的がないことは明らかである。
イ 日本国内においては被請求人自らのブランドとなっていた
請求人が審判請求書において主張するとおり、被請求人は、2011年7月29日付けで「SCANeR studio」に関するライセンス契約を締結しており、「SCANeR studio」を日本国内で売り込む必要があった。
しかし、請求人は、「SCANER studio」普及のための対外的な営業活動を全く行わず、フランス国内で行われており、国際的に認知され、また、日本の自動車関係の企業も多数集まる展示会「Vision」にすら出展をしようとせず、日本市場にあわせて製品の改善をすべきとの被請求人からの再三再四の意見も無視していた。そこで、被請求人は、やむを得ず自ら費用を支出して、2012年のフランスでの「Vision」に出展する(乙11)、「2013年 人とくるまのテクノロジー展」に出展する(乙12)、フランスと日本の違いに対応すべく独自の製品開発をするなど、日本市場に溶け込むべく努力をした。
その結果、請求人が「SCANeR」に関しフランスルノー社と合弁会社AVSimulation社を設立する(乙13)など、極めて緊密な関係にあるにもかかわらず、日本国内においては、ルノー社と提携関係にある日産は、第2回産学連携フォーラム「自動車技術に関するCAEフォーラム2016」(乙14)においても、請求人ではなく被請求人のVRシミュレーションを採用する(乙15)などしているのである。
このように、設立の経緯から被請求人は、「OKTAL」「SCANeR」の名称を使用せざるを得ず、「OKTAL」や「SCANeR」の名称を用いて活動をしてきたが、我が国においては、「OKTAL」や「SCANeR」の名称は、真摯な営業活動・開発活動をして日本市場に溶け込んだ被請求人のものとして認知されており、被請求人による本件商標の登録出願も、このような経緯から被請求人に対して生じている出所識別機能を保護するためになされたものであって、被請求人の出願に「不正の目的」は存在しない。

第5 当審の判断
請求人が本件審判を請求する利害関係を有することについては、当事者間に争いがなく、また、当審は請求人が本件審判を請求する利害関係を有するものと認める。
以下、本案に入って審理する。
1 請求人及び引用商標並びに被請求人について
請求人の提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
(1)請求人は、自動車、鉄道、航空機などのドライビングシミュレータソフトウェアや関連ハードウェアの開発、制作、製造、販売を行う、1989年1月にフランスの法律に基づいて設立された会社である(甲3、甲5)。主要な取引先としては欧米諸国、韓国及び日本の自動車メーカーや研究機関などである(甲4)。
(2)請求人の自動車用ドライビングシミュレータは、「SCANeR studio」ないし「SCANeR」を使用したドライビングシミュレータソフトウェアをベースにし、2001年頃から販売したことがうかがえ、また、2013年5月時点では日本を含む諸外国の自動車産業、研究機関、大学等で導入されている(甲5)。
(3)被請求人は、請求人から50%の出資を受け2002年に設立された会社であって、日本における請求人の販売代理店として営業していたが、2005年には、請求人はその出資持分全部を被請求人に売却した。
その後(2006年頃)も、被請求人は請求人の自動車用ドライビングシミュレータソフトウェア「SCANeR」を輸入し、「SCANeR」及び請求人の商号「OKTAL」を使用して日本において販売していた。
(4)2009年12月頃からは、請求人の共同事業者としてマックシステムズ社が被請求人と顧客との取引に介在するようになる。
(5)請求人は、被請求人と2011年7月29日付けで、「SCANeR studio」バージョン1.1ソフトウェアのデモンストレーション及び開発に関するライセンス契約を締結した。
(6)被請求人は、マックシステムズ社と2012年3月28日付けで、提携協定を締結した。
(7)被請求人及びマックシステムズ社は、2012年7月に受注した案件において、被請求人が担当だったソフトの加工やハードとの連携ができずに、納期には間に合わず、追加費用も発生するなどの事情から、被請求人とマックシステムズ社との提携関係は解消した。
なお、マックシステムズ社は、現在、日本における請求人の販売代理店である(甲18、甲19)。
(8)被請求人が本件商標を登録出願したのは、2014年1月29日であり、本件商標は、同年5月13日に登録査定され、同年6月13日に設定登録された。
(9)請求人は、被請求人に対し本件商標の取下げを求めたが、被請求人は商標権の放棄は行わないと回答した。
(10)請求人は、2015年4月パリ大審裁判所において被請求人を被告として訴訟を提起した。
(11)被請求人は、2015年11月6日付けで、マックシステムズ社に対し、「SCANeR」等の商標の使用を中止するよう通知した(甲22)。
(12)被請求人は、マックシステムズ社を被告として商標権侵害行為差止等を請求する訴訟を提起したが、被請求人がマックシステムズ社に対して本件商標権を行使することは権利の濫用であるとして、その請求は棄却された(甲23 平成28年(ワ)第8475号(平成29年3月28日判決言渡))。
(13)上記(10)の訴訟については、2017年11月17日付け判決において、上記(5)のライセンス契約は契約不履行により解約されたことが確認され、被請求人は、請求人のソフトウェアを使用することを禁止された。
2 本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性について
(1)商標法第4条第1項第7号の意義
商標法第4条第1項第7号は、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」は、商標登録を受けることができないと規定する。ここでいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には、(a)その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合、(b)当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合、(c)他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合、(d)特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合、(e)当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合、などが含まれるというべきである(知財高裁平成17年(行ケ)第10349号、同18年9月20日判決参照)。
以下、本件商標が、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものであるかについて、上記判決の観点から検討する。
(2)検討
ア 上記1によれば、以下のとおり認めることができる。
(ア)本件商標は、前記第1のとおり、「SCANeR」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字と請求人の使用に係る引用商標「SCANeR」の欧文字とは、文字構成が同一であり、本件商標は引用商標に酷似する商標である。
(イ)引用商標は、本件商標の登録出願前である2001年頃には、商品「自動車用ドライビングシミュレータソフトウェア」について請求人により使用が開始され、2013年5月時点では、当該商品は日本を含む諸外国の自動車産業、研究機関、大学等で導入されている。
(ウ)被請求人は、請求人から50%の出資を受けて設立された会社であって、日本における請求人の販売代理店として営業していたものであるから、引用商標の存在を認知していたことは明らかである。
(エ)被請求人は、本件商標の設定登録後、請求人による本件商標の取下げについての求めには応じず、2015年11月には、日本における請求人の販売代理店であるマックシステムズ社に対し、商標「SCANeR」の使用を中止するよう警告し、さらに、マックシステムズ社を被告として商標権侵害行為差止等を請求する訴訟を提起した。
イ 判断
これらの経緯及び事情を総合すれば、被請求人は、本件商標の登録出願前から、引用商標「SCANeR」が請求人によって「自動車用ドライビングシミュレータソフトウェア」に使用されていたことを認知していながら、引用商標が我が国で登録されていないことを奇貨として、請求人に無断で、引用商標と同一構成の文字からなる本件商標を、剽窃的に登録出願したものと優に推認できるものである。
そして、被請求人は、本件商標の設定登録後、請求人による本件商標の取下げの要求を拒み、日本における請求人の販売代理店に対し、引用商標の使用を中止するよう警告し、商標権侵害行為差止等を請求する訴訟を提起した。
被請求人によるこのような一連の行為は、商標法第4条第1項第7号の趣旨に照らせば、不当な方法による権利の取得行為であり、かつ、請求人による引用商標の我が国における使用を妨げることを目的とする行為であって、請求人との取引上の信義則に反し、前記(1)の「(e)当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合」に該当するものであり、本件商標は商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたというべきである。
3 被請求人の主張について
被請求人は、知的財産高等裁判所平成19年(行ケ)第10391号(平成20年6月26日判決)及び平成22年(行ケ)第10032号(平成22年5月27日判決)の判示に照らして、商標法第4条第1項第7号を私的領域にまで拡大解釈することによって商標登録出願を排除することは、商標登録の適格性に関する予測可能性及び法的安定性を著しく損なうことになるので許されないと主張する。
しかしながら、上記認定のとおり、被請求人は、引用商標が我が国において商標登録されていないことを奇貨として、先取り的に商標登録出願し、登録を得たものであって、請求人の商標「SCANeR」を剽窃したものといわなければならないものであるから、本件商標の登録出願の経緯には、著しく社会的妥当性を欠くものがあり、私的な問題の範囲を超えているといわなければならない。
よって、被請求人の主張は採用できない。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものであるから、その余の理由について論及するまでもなく、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2021-03-22 
結審通知日 2021-03-24 
審決日 2021-04-23 
出願番号 商願2014-5938(T2014-5938) 
審決分類 T 1 11・ 22- Z (W0942)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 小松 里美
齋藤 貴博
登録日 2014-06-13 
登録番号 商標登録第5677365号(T5677365) 
商標の称呼 スキャンイイアアル、スキャナー 
代理人 小林 幸夫 
代理人 ▲吉▼川 俊雄 
代理人 河部 康弘 

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