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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W35
管理番号 1375094 
審判番号 取消2018-300843 
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-07-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2018-11-07 
確定日 2021-05-28 
事件の表示 上記当事者間の登録第5760463号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5760463号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第5760463号商標(以下「本件商標」という。)は、「ダイレクト・コネクト・マーケティング」の文字を標準文字で表してなり、平成26年12月16日に登録出願、第35類「マーケティング」を指定役務として、同27年4月24日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定役務について、本件審判の請求の登録前3年以内(平成27年(2015年)11月21日から同30年(2018年)11月20日まで。以下「要証期間」という。)に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
ア 本件商標権者とスパークル株式会社(以下「スパークル社」という。)との契約について
乙第1号証の契約書には、使用許諾の対象となる商標の特定方法、ライセンス料の算定方法、準拠法、署名部分の黒塗りなどに不自然な点があり、契約書を取り交わしたことが信用できない。本件審判による本件商標の登録の取消を免れるために、慌てて当該契約書を作成した疑念を抱かせる。
イ 乙第2号証(スパークル社のホームページ情報)には、本件商標がその指定役務に使用されていることを示す記載は全くない。
また、当該書証の記載からは、スパークル社が、スキンケア製品や健康食品の小売を行っていることや、当該商品の小売に付随してキャッシュバックのようなサービスが行われている程度しか読み取れない。
いずれにしても、市場を調査の上、どのように販売手法を採用すれば商品の売れ行きが向上するかという情報を顧客に提供し、その行為に対して対価を得るという、いわゆる役務としての「マーケティング」が行われていることを示す記載はない。
ウ 乙第3号証(社内資料)には、本件商標は一切登場しない。
エ 乙第4号証(クラブスパークル公式のインスタグラムのサイト情報)は、オリジナルの情報を反映していない場合もありえるが、仮にその情報が正確なものであったとしても、その記載内容は、乙第2号証の記載範囲を超えるものではなく、スパークル社がいわゆる役務としての「マーケティング」を行っている事実を示す証拠にはならない。
オ 乙第5号証(説明会資料)の記載は、具体的なサービスの内容を伝えておらず、全く中身がないから、このような趣旨不明の記述は、あらゆる役務との関係において、商標の使用を認定する証拠とはなり得ない。
カ 乙第6号証(説明動画)について、被請求人は、本件商標が役務「マーケティング」に使用されていることについて、何ら詳細な主張をしない。
なお、当該動画の内容も、他の証拠と齟齬があり、信用性を欠く。また、動画内に連鎖販売取引を示唆する内容が示されており、適法な事業・役務の提供が行われているのか疑義を持たざるを得ず、仮に本件商標の指定役務に対応する事業が諸法規を遵守したものではない場合、実質的に商標法の保護に値せず、その指定役務の使用には該当しないと判断されるべきである。
キ 本件商標をその指定役務に使用しているというためには、被請求人が実際にどのような事業・役務を行っているか詳細に示した上で、その事業・役務が「マーケティング」に該当し、かつ、その事業・役務に本件商標が適切に使用されている、というプロセスを経る必要があるところ、被請求人は、スパークル社がどのような役務を提供しているのか詳細な説明を一切行っておらず、使用の有無の判断の基礎を欠いている。

3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、審判事件答弁書において要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。
(1)通常使用権の許諾
乙第1号証は、本件商標権者とスパークル社との間に締結された知的財産ライセンス契約書である。
当該契約書は、平成28年(2016年)6月1日に締結されたもので、添付した別紙Aに、本件商標である「ダイレクト・コネクト・マーケティング」が記載されている。
つまり、本件商標権者は、本件商標の使用許諾をスパークル社に対して行なっているといえる。
(2)通常使用権者による使用
ア 乙第2号証は、スパークル社のホームページ情報である。
そこには、スパークル社が、長年にわたり化粧品と健康食品を世界規模で販売するグローバルな会社であること、化粧品等を販売するマーケティングの手法として「DCM/Direct Connect Marketing(ダイレクト・コネクト・マーケティング)」が紹介されており、また、同社がダイレクト・コネクト・マーケティング、すなわちDCMと呼ばれる新しい革命的なコンセプトを具体化していることが記載されている。
したがって、本件商標の通常使用権者であるスパークル社が、化粧品等の販売のマーケティングの手法として、本件商標「ダイレクト・コネクト・マーケティング」を使用しているといえる。
イ 乙第3号証は、スパークル社が2016年4月から2018年12月の間に開催したDCM(ダイレクト・コネクト・マーケティング)の説明会の開催日時を示した社内資料であり、これを参照すると、日本国内において複数回の説明会が開催されている。
したがって、スパークル社が「ダイレクト・コネクト・マーケティング」を一般需要者に広く知らしめて、使用しているといえる。
ウ 乙第4号証は、クラブスパークル公式のインスタグラム情報であり、そこでは2018年10月に日本全国各地で開催されるDCM(ダイレクト・コネクト・マーケティング)説明会のスケジュールが案内されている。
したがって、本件商標の通常使用権者であるスパークル社がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて、「ダイレクト・コネクト・マーケティング」を使用しているといえる。
エ 乙第5号証は、スパークル社がDCM(ダイレクト・コネクト・マーケティング)の説明会で使用したパワーポイント資料である。
この資料には、「ダイレクト・コネクト・マーケティング」により、スパークル社が販売する商品の説明や、ダイレクト・コネクト・マーケティングの説明として、「最も重要なことは次世代の新しいスタンダード:革新的なビジネスカテゴリーであるDCM(ダイレクト・コネクト・マーケティング)と呼ばれるものを創ることです。」、「ダイレクト・マーケティング・ビジネスと国際ビジネスの47年以上に及ぶ経験を通し、創設者は、クラブ・スパークルにてDCM(ダイレクト・コネクト・マーケティング)を使うことにより、新しい価値観の革命を起こす用意ができています。」との記載がある。
したがって、本件商標の通常使用権者であるスパークル社がDCM(ダイレクト・コネクト・マーケティング)の説明資料を一般需要者に広く頒布して、「ダイレクト・コネクト・マーケティング」を使用しているといえる。
オ 乙第6号証は、クラブスパークルが動画共有サービス「YouTube」に投稿したDCM(ダイレクト・コネクト・マーケティング)の説明動画であり、DCM(ダイレクト・コネクト・マーケティング)の説明が詳細にされている。なお、この動画は2016年3月20日に公開され、現在に至るまで視聴可能となっている。
したがって、本件商標の通常使用権者であるスパークル社がSNSを通じて、「ダイレクト・コネクト・マーケティング」を使用しているといえる。
(3)請求人の主張に対し
ア 本件商標権者とスパークル社の契約について
本件商標権者とスパークル社の間の契約書(乙1)は、互いが理解しやすいように、商標権の対象となる商標自体で、使用許諾の対象を特定しているだけである。登録番号は必須ではない。また、契約内容も、ライセンス料の算定方法や準拠法の選択は当事者の自由であるし、表記内容や黒塗り部分を含めて不自然ではない。米国弁護士が作成した真正な契約書である。
イ 指定役務「マーケティング」の解釈について
請求人は、「マーケティング」の意味を「市場を調査の上、どのように販売手法を採用すれば商品の売れ行きが向上するかという情報を顧客に提供し、その行為に対して対価を得る」行為であると、無理に狭義に解釈するが、英英辞典によれば、「marketing」の意味は、それより広義に解釈されている。その証拠に、第35類「マーケティング」には、「direct marketing」が含まれている。
請求人は、スパークル社が「スキンケア製品や健康食品の小売を行っている」程度である旨を主張するが、これこそがdirect marketingである。
したがって、スパークル社が本件商標を使用してその指定役務を営んでいるという被請求人の主張を、請求人は自ら認めている。
ウ 請求人による、提供する役務が諸法規を遵守している必要がある旨の主張は、不使用取消審判の目的及び趣旨を誤解した主張である。

4 当審の判断
(1)被請求人が提出する証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 本件商標権者とスパークル社とは、2016年6月1日付けで「ダイレクト・コネクト・マーケティング」及び「Direct Connect Marketing」の文字を含む知的財産の権利のライセンスを承諾する旨の条項を有する知的財産ライセンス契約を締結した(乙1)。
イ スパークル社は、化粧品と健康食品を販売する会社とされ、「DCM」(Direct Connect Marketing、ダイレクトコネクトマーケティング)と称するコンセプトを具体化したものとして、会員(アフィリエイトプラス会員、VIP会員)に対して、同社の売上収益を分配するポイントプログラム(誰かを紹介するだけでポイントがもらえる)などを提供しており(乙2)、2016年4月から2018年12月にかけて、日本国内で説明会を複数回開催している(乙3)。
(2)ア 上記認定事実によれば、スパークル社は、本件商標と同一の構成文字よりなる「ダイレクト・コネクト・マーケティング」の文字に係る通常使用権者の地位にある時期(2016年6月1日以降)に、「DCM」(Direct Connect Marketing、ダイレクトコネクトマーケティング)と称するコンセプトを具体化したとされる一定の事業活動(会員の募集、ポイントプログラムの提供、説明会の開催など)をしていた事実があることはうかがえる。
イ しかしながら、上記事業活動は、スパークル社の事業遂行のための活動と理解できても、他人のために行う商標法上の役務(他人のために行う労務又は便益であって、独立して商取引の目的たりうべきものをいう。)とは評価し難い。
また、本件商標の指定役務「マーケティング」は、「商品を大量かつ効率的に売るために行う、市場調査・広告宣伝・販売促進などの企業の諸活動」(「広辞苑 第7版」岩波書店)であるところ、被請求人提出の証拠からは、スパークル社が本件商標を用いて誰を顧客として、何を提供するのか、役務の具体的内容自体も明らかではないが、少なくとも、商標法上の役務としての「マーケティング」に相当するような労務又は便益が顧客に対して提供又は広告された事実は確認できない。
したがって、スパークル社が、要証期間に、本件商標を用いて、その指定役務「マーケティング」を提供又は広告したとは認められない。
ウ また、被請求人提出の動画(乙6)及び資料(乙9、乙10)は、それぞれの作成者と本件商標権者又はスパークル社との関係性が不明であるばかりか、それらの内容をみても、本件商標又はそれと社会通念上同一の商標を、その指定役務との具体的関連性をもって表示する記載は確認できない。
その他に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、要証期間に日本国内において、本件商標をその指定役務について使用をしていることを認めるに足りる証拠の提出はない。
(3)被請求人の主張について
被請求人は、本件商標の指定役務「マーケティング」は、狭義の意味にとどまらず、広義に解釈されるべきで、スパークル社の行うスキンケア製品や健康食品の小売も含まれる旨を主張する。
しかしながら、本件商標の指定役務「マーケティング」は、上記(2)イのとおり、「商品を大量かつ効率的に売るために行う、市場調査・広告宣伝・販売促進などの企業の諸活動」と理解すべきで、請求人の主張するような小売サービスとは、役務の内容や需要者層なども相違する別異の役務であるばかりか、そもそも、被請求人の提出証拠からは、スパークル社が本件商標を用いて小売サービスを提供する事実や取引実態も確認できないから、その主張自体が根拠を欠く。
(4)結論
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標をその指定役務について使用をしていることを証明したものと認めることができない。
また、被請求人は、その指定役務について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。


別掲


審理終結日 2021-01-06 
結審通知日 2021-01-08 
審決日 2021-01-19 
出願番号 商願2014-106497(T2014-106497) 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (W35)
最終処分 成立 
前審関与審査官 白鳥 幹周 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 阿曾 裕樹
大森 友子
登録日 2015-04-24 
登録番号 商標登録第5760463号(T5760463) 
商標の称呼 ダイレクトコネクトマーケティング、ダイレクトコネクト 
代理人 永田 貴久 
代理人 谷 昌樹 
代理人 赤松 俊治 
代理人 加藤 卓士 
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