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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W09
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W09
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W09
管理番号 1374050 
審判番号 不服2020-12127 
総通号数 258 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-08-28 
確定日 2021-05-25 
事件の表示 商願2019-40571拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「I-DTC」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第12類、第16類、第25類及び第41類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成31年3月20日に登録出願されたものである。その後、指定商品及び指定役務については、原審における令和2年5月11日付け手続補正書及び当審における同年8月28日付け手続補正書により、最終的に、第9類「測定機械器具,電気通信機械器具,携帯情報端末,電子応用機械器具及びその部品」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6161165号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成30年8月7日に登録出願、第9類「半導体素子,集積回路,電子回路,デジタルカメラ用イメージセンサ,無線通信端末用イメージセンサ,電子計算機用イメージセンサ,CMOSイメージセンサ,その他の電子応用機械器具およびその部品,電気通信機械器具およびその部品,測定機械器具」及び第42類「電子回路・半導体素子・集積回路・大規模集積回路・イメージセンサに関する試験又は研究,電子回路・半導体素子・集積回路・大規模集積回路・イメージセンサの設計,電子回路・半導体素子・集積回路・大規模集積回路・イメージセンサの分析および評価,半導体設計全般に関するコンサルティング,電子計算機用プログラムの提供,電子計算機のプログラムの設計、作成又は保守,デザインの考案(広告に関するものを除く。)」を指定商品及び指定役務として、令和元年7月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、「I-DTC」と標準文字で表してなるところ、その構成は、「I」の文字と「DTC」の文字との間に「-」(ハイフン)の符号を介するとしても、同じ書体、同じ大きさ、等しい間隔で、外観上、まとまりよく表されており、これから生じる「アイディーティーシー」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、本願商標は、その構成全体として辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから、特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものである。
そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して、「アイディーティーシー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲のとおり、上段に、レタリングされた「idtc」の文字を横書きし、そのすぐ下に、水平の直線を介して、「Imaging Device Technologies Corp.」の文字を横書きしてなるものであるところ、上段の「idtc」の文字部分は、そのうち「i」の文字の点に当たる位置に青色・緑色・赤色・白色で着色された4つの四角形の図形が描かれ、「d」の文字の内部に地球儀の経線と緯線のような交差する曲線及び「d」の文字をとり囲むような赤色の曲線が描かれているが、全体的には黒色の太い書体で表してなるものである。
そして、上段の「idtc」の文字部分、下段の「Imaging Device Technologies Corp.」の文字部分及びそれらの間に位置する水平の直線は、いずれも全体的に黒色で表されていること、各部分の横幅がすべて同一となるように配置され、上下の間隔もさほど離れていないこと、上段の「idtc」の文字は、そのつづりから、下段の「Imaging Device Technologies Corp.」の文字の頭文字を連想させるものとみるのが相当であることに照らせば、引用商標は、上段の文字部分と下段の文字部分とが関連性を有する、まとまりのよい一体的なものとして把握し得るものである。
また、下段の「Imaging Device Technologies Corp.」の文字は、そのうち、「Corp.」の文字が、「法人」を表す英語「Corporation」の略語であることから、その全体をもって会社名を英語表記したものと認められるものである。
一方、上段の「idtc」の文字は、辞書に載録された既成語ではないから、それ自体、特定の語義を有しない造語と認められるところ、上記のとおり、下段の「Imaging Device Technologies Corp.」の頭文字を連想させるものとみるのが相当であるから、それ自体から特定の観念が生じるものではない。
そうすると、引用商標は、その構成中の文字部分に相応して、「アイディーティーシーイメージングデバイステクノロジーコープ」、「イメージングデバイステクノロジーコープ」、「イメージングデバイステクノロジー」、「アイディーティーシー」といった複数の称呼が生じ得るものである。
また、引用商標は、その構成中の「Imaging Device Technologies Corp.」の文字部分に相応して、「イメージングデバイステクノロジーという会社」を理解させるとしても、その構成全体からは特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
ア 本願商標と引用商標との類否について検討するに、外観においては、本願商標と引用商標とは、図形及び色彩の有無、構成文字において明らかな差異があるから、両商標は、外観において、著しく相違する。
イ 称呼においては、本願商標は、「アイディーティーシー」の称呼を生じるのに対し、引用商標は、「アイディーティーシーイメージングデバイステクノロジーコープ」、「イメージングデバイステクノロジーコープ」、「イメージングデバイステクノロジー」、「アイディーティーシー」といった複数の称呼が生じ得るから、両商標は、「アイディーティーシー」の称呼を共通にする場合がある。
ウ 観念においては、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じるものではないから、両商標は、観念において、比較することはできない。
エ 上記アないしウによれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないものとしても、外観において、著しく相違するものであって、称呼において「アイディーティーシー」の称呼を共通にする場合だけでなく明瞭に聴別できる場合もあることからすれば、これらを総合して全体的に考察すると、両商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について判断するまでもなく、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
別掲 引用商標(色彩については、原本を参照。)


審決日 2021-05-10 
出願番号 商願2019-40571(T2019-40571) 
審決分類 T 1 8・ 263- WY (W09)
T 1 8・ 262- WY (W09)
T 1 8・ 261- WY (W09)
最終処分 成立  
前審関与審査官 和田 恵美真鍋 伸行 
特許庁審判長 小松 里美
特許庁審判官 渡邉 あおい
小俣 克巳
商標の称呼 アイデイテイシイ、デイテイシイ、アイディーティーシー 
代理人 特許業務法人京都国際特許事務所 

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