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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20208766 審決 商標
不服2020650039 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W41
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W41
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W41
管理番号 1372829 
審判番号 不服2020-8613 
総通号数 257 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-05-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-06-22 
確定日 2021-04-07 
事件の表示 商願2019-32454拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「まる現」の文字を標準文字で表してなり、第41類「セミナー・シンポジウム・会議・講演会・研修会の企画・運営又は開催に関する相談・指導・助言・情報の提供,企業の人材育成の教育に関する助言,経営企画コンサルタントの育成及び認定,求人に関する講習会の企画・運営及び開催に関する情報の提供及びコンサルティング,技芸・スポーツ又は知識の教授,コーチング,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,書籍の制作,放送番組の制作,録画済み磁気テープの貸与,通訳,翻訳」を指定役務として、平成31年3月4日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5634055号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成25年3月27日に登録出願、第41類及び第44類に属する別掲2のとおりの役務を指定役務として、同年11月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、上記1のとおり、「まる現」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、一般的な辞書等に載録された語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているというような事情も見いだせないことから、特定の語義を有さない一種の造語として認識されるというのが相当である。
そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して、「マルゲン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲1のとおり、不規則に凹凸を有する円輪郭内に、小さな円及び直線と折れ線とを組み合わせた太線を有するオレンジ色の図形(以下「図形部分」という。)と、その下に、黒色でややデザイン化された「まるげん」の平仮名(以下「文字部分」という。)を横書きしてなるものである。
そして、引用商標の構成は、上段に図形部分、下段に文字部分が配置されていること、図形部分と文字部分の構成態様が異なること、異なる色彩で表されていること等から、両者は視覚上、分離して看取されるものである。
また、図形部分は、我が国において特定の意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないものであるから、これよりは直ちに特定の称呼及び観念は生じないというのが相当である。
さらに、文字部分の「まるげん」の文字は、一般的な辞書等に載録された成語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているというような事情も見いだせないものであることから、特定の語義を有さない一種の造語として認識されるというのが相当である。
以上のことからすると、引用商標は、その構成上、図形部分と文字部分とは、それぞれが視覚上分離して看取されるものであって、かつ、これらが観念上のつながりを有するような事情は存しないことから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難いものである。
そうすると、引用商標は、その構成中の図形部分及び文字部分が、それぞれ独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るといえるものであるから、引用商標の構成中の「まるげん」の文字部分を要部として観察することが許されるというべきである。
したがって、引用商標は、その要部たり得る「まるげん」の文字部分に相応して「マルゲン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
ア 本願商標と引用商標との類否を検討するに、両者は、外観においては、図形の有無の差異を有することから、全体の構成を異にするものである。
イ 本願商標と引用商標の要部である「まるげん」とを比較しても、外観において、前者は、平仮名2文字と漢字1文字、後者は、平仮名4文字という点で異なり、これらの差異がともにわずか3文字又は4文字という少ない文字構成からなるから外観に与える影響は大きい。
また、前者は標準文字で表されているのに対し、引用商標の要部である「まるげん」は、ややデザイン化されていることから、文字の態様においても差異を有することからすれば、両者は、視覚的な印象が相違し、外観上、判然と区別し得るものである。
ウ 次に、称呼においては、本願商標と引用商標とは、共に「マルゲン」の称呼を生じるから、称呼上、同一である。
エ さらに、観念においては、本願商標と引用商標とは、特定の観念を生じないから、比較することができない。
オ そうすると、本願商標と引用商標とは、「マルゲン」の称呼を共通にするとしても、外観においては、全体の構成を異にし、その印象が著しく相違し、かつ、本願商標と引用商標の要部との対比においても、両者の構成及び態様において差異を有するものであって、判然と区別し得るものであり、また、観念においては、比較することができないものであるから、これらを総合して全体的に考察すれば、本願商標は、引用商標と役務の出所について混同を生じるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、役務の類否について判断するまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消を免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲1 引用商標(色彩については、原本参照。)



別掲2 引用商標の指定役務
第41類「運動機能又は認知機能の回復・向上のための運動の教授,インストラクターの養成教育,美容の教授,料理に関する教授,栄養・食生活に関する知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授並びにこれらに関する情報の提供,運動機能又は認知機能の回復・向上のための運動に関するセミナーの企画・運営又は開催,美容に関するセミナーの企画・運営又は開催,料理教室の企画・運営又は開催,ファッションに関するセミナーの企画・運営又は開催,セミナーの企画・運営又は開催並びにこれらに関する情報の提供,電子出版物の提供及びこれに関する情報の提供,図書及び記録の供覧並びにこれらに関する情報の提供,図書の貸与及びこれに関する情報の提供,運動機能又は認知機能の回復・向上のための運動に関する書籍の制作,料理に関する書籍の制作,美容に関する書籍の制作,ファッションに関する書籍の制作,電子出版物の制作,書籍の制作及びこれに関する情報の提供,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営並びにこれらに関する情報の提供,運動機能又は認知機能の回復・向上のための運動に関するビデオ・CD-ROM・DVDの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),美容に関するビデオ・CD-ROM・DVDの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),料理に関するビデオ・CD-ROM・DVDの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),ファッションに関するビデオ・CD-ROM・DVDの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオ・CD-ROM・DVDの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)並びにこれらに関する情報の提供,運動施設の提供及びこれに関する情報の提供,運動機能又は認知機能の回復・向上のためのスポーツイベントの企画・運営又は開催,ウォーキングの大会の企画・運営又は開催,ゴルフの大会の企画・運営又は開催,スポーツの興行の企画・運営又は開催並びにこれらに関する情報の提供,演芸の上演及びこれに関する情報の提供,演劇の演出又は上演及びこれらに関する情報の提供,音楽の演奏及びこれに関する情報の提供,美容ショー及びコンテストの企画・運営又は開催,料理コンテストの企画・運営又は開催,ファッションショーの企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)並びにこれらに関する情報の提供,映画の上映・制作又は配給並びにこれらに関する情報の提供,CD又はDVD等の録音済み又は録画済みデジタル記録媒体の貸与並びにこれらに関する情報の提供,レコード又は録音済み磁気テープの貸与並びにこれらに関する情報の提供,録画済み磁気テープの貸与及びこれに関する情報の提供,娯楽施設の提供及びこれに関する情報の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供並びにこれらに関する情報の提供,運動用具の貸与及びこれに関する情報の提供」
第44類「美容並びにこれに関する助言・指導及び情報の提供,理容並びにこれに関する助言・指導及び情報の提供,運動機能又は認知機能の低下に対する機能回復訓練並びにこれらに関する助言・指導及び情報の提供,高齢者に対するリハビリテーション並びにこれに関する助言・指導及び情報の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,健康管理に関する相談・指導・助言及びこれらに関する情報の提供,運動療法による健康指導,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導・助言及びこれらに関する情報の提供,食生活に関する指導,リハビリテーション用機械器具の貸与,介護用医療機械器具の貸与,医療用機械器具の貸与及びこれに関する情報の提供」


審決日 2021-03-19 
出願番号 商願2019-32454(T2019-32454) 
審決分類 T 1 8・ 263- WY (W41)
T 1 8・ 262- WY (W41)
T 1 8・ 261- WY (W41)
最終処分 成立  
前審関与審査官 蛭川 一治 
特許庁審判長 小松 里美
特許庁審判官 青野 紀子
豊田 純一
商標の称呼 マルゲン 
代理人 植村 貴昭 

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