ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X25 |
---|---|
管理番号 | 1371009 |
審判番号 | 取消2020-300058 |
総通号数 | 255 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2021-03-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2020-01-22 |
確定日 | 2021-01-07 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5068938号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録5068938号商標(以下「本件商標」という。)は、「tayUtaf」の欧文字と「タユタフ」の片仮名を上下二段に中央揃えで横書きしてなり、平成19年2月2日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年8月10日に設定登録され、その後、同29年8月8日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録は、令和2年2月5日になされたものであり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成29年2月5日から令和2年2月4日までの期間(以下「本件要証期間」という。)である。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証(以下、証拠の表記に当たっては、「甲(乙)第○号証」を「甲(乙)○」のように、「第」及び「号証」を省略して記載する。)を提出している。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消しされるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 請求人は、被請求人の答弁に対して、何ら弁駁していない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙1ないし乙6(枝番号を含む。)を提出している。 1 答弁の理由 被請求人は、本件要証期間内に、指定商品中、「被服」について、本件商標を使用している。 2 本件商標の使用の事実 (1)使用の時期及び態様 被請求人は、平成19年頃から現在まで継続的に本件商標を付した被服(以下「本件被服」という。)を販売しているものであって、「tayUtaf」でネット検索しても、tayUtaf(タユタフ)が被請求人によって創設されたファッションブランドであるとのファッション情報が掲載されている(乙1)。 被請求人は、同人の関連会社である有限会社西海(以下「西海」という。西海は被請求人のファッションブランドである「RADIC COLOR(ラディックカラー)」を通販に使用してヤフーショップを運営し、実店舗は「WESTSEA(ウエストシー)」という名称で営業している(乙2の1及び2)。)に、本件被服を継続的に販売し、西海がこれをネット販売や店舗販売している。 被請求人から西海への本件被服の販売については、例えば2018年(平成30年)12月28日の納品書控(乙3、伝票番号895241?895248。以下「本件伝票」という。)をみると、同日に、被請求人から西海に譲渡し引き渡された多数の商品の中で、商品コードの3と4の桁が「62」となっている商品は全て本件被服に該当し、多数販売されていることが分かる。また、tayUtafの略称の「T/T」が表示されていて一目で本件被服と分かるもの、例えば、伝票番号895242の1行目の商品コード81628008の商品(PT、すなわちプリントTシャツ。乙5の1及び2。以下「本件Tシャツ」という。)等と、その表示がないもの、例えば、伝票番号895241の5行目の商品コード41623606の商品(スウェットパンツ)等とがある。 そして、西海に販売された本件被服が継続的にネット販売されていることも、例えば、グーグル検索で上記「ラディックカラー」を入力すると、西海のヤフーショッピングのコーナーが出て来て、その中の「Tシャツ・カットソー」のジャンル(ちなみにTシャツはカットソーの一種でT字形のものであり、Tシャツをカットソーと呼ぶこともある。)をクリックすると、「花柄五分袖カットソートップスラグランレディースゆったり送料無料:81628008・・・」というタイトルの下に、本件Tシャツの「商品コード81628008」と同じ表示がされており、同一の商品であることが分かる商品のページ(以下「本件ページ」という。)が出てくることから明らかである。 そして、本件Tシャツに本件商標が付されていることも、本件ページに掲載されている本件Tシャツの数枚の写真のうち「Item Detail」の欄に「首まわりはゴムで、首元によくフィットします。」と解説されて掲載されている首まわり撮影写真に写る襟ネームから明らかである。 同写真の原寸では襟ネームに付されている英文字の商標は小さすぎて明確には読めないが、同写真の拡大写真(乙4の2)を見ると、若干不鮮明ではあるが、「tayUtaf」という英文字(本件商標と同じく4文字目の「U」が大文字になっているという特徴ある書体のもの。)が付されているのが見える(乙5の2と同じ)。 さらに、本件ページが2017年(平成29年)に開設されて現在まで本件Tシャツがネット販売されていることも、本件ページの末尾に「Copyright(C)2017 Nishiumi Corporation All Rights Reserved.」とあるとおりである。 また、被請求人から継続的に販売される本件被服を西海はネット販売するばかりでなく店舗での販売もしている(乙6の1?8)。 すなわち、本件伝票に載っている本件Tシャツ等(乙5の1、乙6の2)、本件伝票には記載のない、例えば、カーディガンやタンクトップ等(乙6の3?8)の本件被服等を店舗販売している。 (2)むすび 以上のとおり、本件商標は、本件要証期間内に日本国内において被請求人により指定商品中「被服」について使用されていることが明らかであるから、取り消されるべきものではなく、本件審判請求は成り立たない。 第4 当審の判断 1 被請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、次の事実が認められる。 (1)「tayUtaf」は、株式会社サイカイのファッションブランドであり、被請求人の関連会社である西海は、「RADIC COLOR」のストア名でヤフーショップを運営し、実店舗は「WESTSEA(ウエストシー)」という名称で営業している(乙1、乙2の2、乙6の1)。 (2)西海は、ヤフーショップにおいて、首回りに花柄プリントがあしらわれ、「tayUtaf」の文字が表示された衿ネームが付されている「81628008」の番号のホワイト、ブラック、ピンク及びブルーのTシャツ(以下「使用商品」という。)を販売しており、そのうち、ブルーの商品の首回りの拡大写真には、「No.81628008」及び「PRODUCE BY SAIKAI CO.LTD」の文字が記載された下げ札が写っている(乙4、乙5)。 (3)被請求人は、2018年12月28日に、西海の実店舗「ウエストシー」に商品コード「81628008」の商品を20枚納品した(乙3)。 2 前記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。 (1)使用商標について 本件商標は、前記第1のとおり、「tayUtaf」の欧文字と「タユタフ」の片仮名を上下二段に中央揃えで横書きしてなるところ、下段の文字は、上段の欧文字の読みを片仮名で表記したものと理解されるものである。他方、使用商標は、「tayUtaf」の欧文字からなるものであり、これより「タユタフ」の称呼を生じるものである。 そうすると、両者は、「tayUtaf」のつづり字を、大文字小文字を含めて共通しているとともに、その構成文字に相応して「タユタフ」の称呼が生じる点でも一致し、観念において異なるところはないと解されるから、両者は、社会通念上同一の商標といえる。 (2)使用商品について 使用商品は、「Tシャツ」であり、本件商標の指定商品中、「被服」の範ちゅうに属する商品である。 (3)使用者及び使用時期について 前記1(3)のとおり、被請求人は、2018年(平成30年)12月28日に、西海の実店舗「ウエストシー」に、商品コード「81628008」の商品を20枚納品(譲渡)したことが認められるところ、これと使用商品に付されている「81628008」とは、番号が一致していることから、被請求人が西海に納品した上記商品は、使用商品と推認することができ、その使用者は、被請求人である商標権者といえ、また、上記日付は本件要証期間内である。 (4)小括 以上によれば、本件商標の商標権者は、本件要証期間内である平成30年12月28日に、「被服」の範ちゅうに含まれる「Tシャツ」について、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付したものを、西海の実店舗「ウエストシー」に対して譲渡したと認めることができる。 そして、この行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品に標章を付したものを譲渡する行為」に該当する。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、指定商品の範ちゅうに属する使用商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしたことを証明したということができる。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
|
審理終結日 | 2020-10-30 |
結審通知日 | 2020-11-04 |
審決日 | 2020-11-27 |
出願番号 | 商願2007-8462(T2007-8462) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(X25)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 内藤 順子 |
特許庁審判長 |
中束 としえ |
特許庁審判官 |
木村 一弘 山村 浩 |
登録日 | 2007-08-10 |
登録番号 | 商標登録第5068938号(T5068938) |
商標の称呼 | タユタフ |
代理人 | 大槻 聡 |
代理人 | 橘高 郁文 |