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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W16
審判 全部申立て  登録を維持 W16
審判 全部申立て  登録を維持 W16
管理番号 1370270 
異議申立番号 異議2020-900230 
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-02-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-09-13 
確定日 2020-12-24 
異議申立件数
事件の表示 登録第6263031号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6263031号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6263031号商標(以下「本件商標」という。)は、「氣功経絡体操の会」の文字を標準文字で表してなり、令和元年8月21日に登録出願、第16類「印刷物,紙類,文房具類,写真,写真立て」を指定商品として、令和2年5月21日に登録査定、同年6月24日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録商標は、次のとおりであり(以下「引用商標」という。)、現に有効に存続しているものである。
登録第6247563号商標
商標の構成 別掲のとおり
指定役務 第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」
登録出願日 令和元年6月6日
設定登録日 令和2年4月22日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同項第10号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
以下、証拠の表記に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する。
(1)商標法第4条第1項第8号について
ア 「氣功経絡体操の会」は権利能力なき社団であること
「氣功経絡体操の会」は、会員約430名を擁し(平成30年時点)、会長、副会長、会計、幹事等の役員が会を運営し、総会において、出席者の過半数をもって多数決が行われ(甲1)、会員の変更について定めを置き(甲2)、会計担当において財産管理を行っている(甲3)。
したがって、「氣功経絡体操の会」は、代表の方法、総会の運営、意思決定方法、財産の管理その他団体としての主要な点が確定しており、その組織を備えているから、いわゆる権利能力なき社団である。
イ 本件商標について
本件商標は、権利能力なき社団である「氣功経絡体操の会」の名称をそのまま用いたものであり、「他人の名称を含む商標」であるため、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
ア 申立人は、引用商標を、本件商標の出願に先立ち登録しており、本件商標は、引用商標の要部である「氣功経絡体操の会」の名称そのものを表示するものである。
イ 「氣功経絡体操の会」の役務について
「氣功経絡体操の会」は、平成27年より、健康長寿づくりのため、東洋医学の考え方を基礎とした、氣功経絡体操の普及等を行うこと等を目的とし、当該体操の指導、講演、指導員の育成や教育をその活動(役務)として行っており、上記活動にあたって、申立人が中心となって作成した入門書等の教本、普及のためのパンフレット(甲5)等において、活動を表示するものとして、引用商標及び「氣功経絡体操の会」の名称を付しており、需要者の間に広く認識されているものである。
したがって、本件商標は、「他人の役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標」に該当し、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
前記(2)のとおり、本件商標は、「氣功経絡体操の会」の名称そのものであり、これを表示することは、同会が行う諸活動及びこれに伴い利用に供される物と混同、誤認を生じさせるものであるから、本件商標は、「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」に該当し、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4 当審の判断
申立人の主張において、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号の各号について引用する商標が不明確なところがあるが、当審は、上記各号について引用する商標は、引用商標及び申立人が氣功経絡体操と称する体操の指導等において使用する「氣功経絡体操の会」の文字(以下「使用標章」という。また、引用商標と使用標章を合わせて「引用商標等」という。)と認定し、判断した。
(1)引用商標等の周知性について
申立人の甲各号証及び同人の主張によれば、申立人は、氣功経絡体操と称する体操の普及等を行う団体(甲1及び甲2)(以下「申立人団体」という。)の会長であり、同団体は、代表の方法、総会の運営、意思決定方法、財産の管理その他団体としての主要な点が確定しており、いわゆる権利能力なき社団といえる。申立人団体は、道場を東京都に4か所、神奈川県に8か所運営しており、会員数は約430名、予算約2千万円で運営されていること、部数は不明であるが引用商標等を表示したパンフレットを作成したこと(甲3及び甲5)がうかがえる。
しかしながら、申立人団体が運営する道場の所在地は2都県のみであり、道場数、会員数及び予算のいずれもさほどの数ともいえず、その他、引用商標等が使用された結果、需要者の間に広く認識されている事実を客観的に裏付ける証拠の提出もない。
また、当審において職権をもって調査するも、引用商標等の周知性を認めるに足りる事実は見いだせない。
したがって、引用商標等が、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、申立人団体の業務に係る役務を表示するものとして、一般の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第8号について
申立人は、本件商標は申立人団体の名称「氣功経絡体操の会」を含むから、商標法第4条第1項第8号に該当する旨主張している。
しかしながら、申立人団体は権利能力なき社団であるから、法人との均衡上、その名称は、商標法第4条第1項第8号の略称に準ずるものとして著名性を要するものと解すべきである(平成13年4月26日東京高裁平成12年(行ケ)第344号)ところ、前記(1)のとおり使用標章は、著名なものとは認められないものであるから、本件商標は、他人の名称及び著名な略称を含む商標ということはできないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するものといえない。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号について
本件商標は、「氣功経絡体操の会」の文字からなるところ、引用商標は、別掲のとおり、「身も心も軽く楽しく」、「しんしん・けいらく」及び「氣功経絡体操の会」の文字を、書体及び色彩等を異にして3段に横書きしてなるところ、その構成態様から、構成中の「氣功経絡体操の会」が独立して看取されるといえるものであり、また、使用標章は「氣功経絡体操の会」の文字からなるものである。
そうすると、「氣功経絡体操の会」の文字からなる本件商標は、引用商標等と「氣功経絡体操の会」の文字を共通にするものであるから、同一又は類似の商標ということができるものである。
しかしながら、前記(1)のとおり引用商標等は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、他人(申立人団体)の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものと認めることができないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものといえない。
また、引用商標等が、上記のように広く認識されていたと認められない以上、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標等を連想又は想起するものということはできない。
してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして申立人団体の使用に係る引用商標等を連想、想起させることはなく、その商品が他人(申立人団体)あるいは同人(同団体)と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号、同項第10号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲

別掲(引用商標、色彩については原本参照)



異議決定日 2020-12-16 
出願番号 商願2019-111955(T2019-111955) 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (W16)
T 1 651・ 23- Y (W16)
T 1 651・ 271- Y (W16)
最終処分 維持  
前審関与審査官 豊瀬 京太郎 
特許庁審判長 中束 としえ
特許庁審判官 木村 一弘
黒磯 裕子
登録日 2020-06-24 
登録番号 商標登録第6263031号(T6263031) 
権利者 坂井 幸子
商標の称呼 キコーケーラクタイソーノカイ、キコーケーラクタイソー 
代理人 高橋 伴子 
代理人 井上 裕史 

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