• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない W08
管理番号 1370219 
審判番号 取消2018-300053 
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-02-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2018-01-30 
確定日 2021-01-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第5629066号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5629066号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成25年7月12日に登録出願、第8類「爪切り,爪切り用ニッパー,ニッパー,手動利器」及び第44類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として、同年11月8日に設定登録されたものである。
そして、本件審判請求の登録は、平成30年2月13日にされたものであり、この登録前3年以内の期間を、以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張の要点
請求人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第8類「爪切り,爪切り用ニッパー,ニッパー,手動利器」(以下「本件取消請求に係る指定商品」という。)を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求め、審判請求書、平成30年4月6日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年5月11日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書1」という。)及び同31年4月18日付け回答書(以下「回答書」という。)に対する令和2年4月8日付け審判事件弁駁書(第2回)(以下「弁駁書2」という。)にて、その理由を要旨以下のように述べた。
1 請求の理由
本件商標は、商標権者,専用使用権者又は通常使用権者(以下、これらをまとめていう場合は、「商標権者等」という。)のいずれによっても、本件取消請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において、使用された事実が存さないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
2 弁駁書1による主張の要旨
被請求人は、答弁書にて、契約書(乙第1-1号証?乙第1-3号証),取引書類(乙第2-1号証?乙第9-3号証,乙第12-1号証?乙第12-3号証)(以下証拠は、乙○(○は数字)のように、各号証の枝番号は、乙○の1(○は数字)のように、省略して表記する。)を提出し、商標権者等は、本件商標を要証期間に、商品「爪切りニッパー用, 手動利器(コーンカッター)」(乙11)に使用していた旨主張するが、本件商標の使用事実は存在しない。
(1)取引契約書(乙1の1)
本号証は、単なるプランズ太陽石(以下「プランズ社」という。)と有限会社エーシーピー(以下「エーシーピー社」という。)とのOEM契約書にすぎず、何ら本件商標の使用事実を示すものではない。
しかも、取引契約書(乙1の1)の第4条(商標)に規定された「甲の指定した商標」が特定されていない以上、そもそも本号証は本件商標に関する契約書ではない。
(2)ドクターネイル爪革命商標ライセンス契約書(乙1の2)
本号証は、単なる商標権者と在宅医療マッサージ株式会社(以下「在宅医療社」という。)とのライセンス契約書にすぎず、それ自体は何ら本件商標の使用事実を示すものではない。
しかも、本号証の第8条(有効期間)によれば、本契約の有効期間は平成26年12月31日までとされており、要証期間内において有効であるかも不明である。
(3)ドクターネイルR(Rは○付き,以下同じ。)爪革命【足のトラブル119番】加盟契約書(乙1の3)
本号証は、単なる在宅医療社と株式会社北西産業との加盟契約書にすぎず、それ自体は何ら本件商標の使用事実を示すものではない。
しかも、本号証の第10条(標章の使用許諾)第1項の「甲が定めた商標」が特定されていない以上、そもそも本号証は本件商標に関する契約書ではない。
(4)エーシーピー社発行のプランズ社宛て請求書(乙2)及びエーシーピー社発行のプランズ社宛て納品書(乙3)
エーシーピー社発行のプランズ社宛て請求書(乙2)及びエーシーピー社発行のプランズ社宛て納品書(乙3)には、本件商標が表示されていないため、それ自体は何ら本件商標の使用事実を示す取引書類ではない。
しかも、当該書類に表示された品名は、「Nail Nipperrs A」、「Nail Nippers B」、「Con cutter」、「Corn Cutter」であるのに対し、乙第11号証の1の包装箱に付された品名は、「Foot care Nail Nippers A」、「Foot care Nail Nippers B」、「Foot care Com cutter」であって、両品名は「Footcare」の有無、「Nippers」と「Nippers」のスペル、及び「Com」と「Con」、「Corn」のスペルにおいて異なる以上、そもそも当該書類は、「Footcare Nail NippersA」、「Footcare Nail NippersB」、「Footcare Com cutter」の商品本体及び包装箱の写真(乙11の1及び乙11の2)の商品の請求書及び納品書ではない。
(5)振り込み依頼の受け書(乙4)
振り込み依頼の受け書(乙4)には、本件商標が表示されていないため、それ自体は何ら本件商標の使用事実を示す取引書類ではない。
しかも、当該書類には、請求書の伝票番号等が記されておらず、当該書類の振込依頼に対応する請求書が特定できない以上、そもそも当該書類は、エーシーピー社発行のプランズ社宛て請求書(乙2)に対応する振込み依頼の受付書ではない。
(6)プランズ社発行の在宅医療社宛て請求書(乙5)
プランズ社発行の在宅医療社宛て請求書(乙5)には、本件商標が表示されていないため、それ自体は何ら本件商標の使用事実を示すものではない。
しかも、当該請求書に対応する受領書や初期セット内容の説明書がなく、備考欄に示された「初期セット」にいかなる商品が含まれているか不明である以上、そもそも、「Footcare Nail NippersA」、「Footcare Nail NippersB」、「Footcare Com cutter」の商品本体及び包装箱の写真(乙11)の商品に関する請求書ではない。
(7)プランズ社の普通貯金通帳(乙6)
プランズ社の普通貯金通帳(乙6)には、本件商標が表示されていないため、それ自体は何ら本件商標の使用事実を示すものではない。
しかも、当該通帳には、請求書の伝票番号等が表示されておらず、「振込」に対応する請求書が特定できない以上、当該通帳に記載された「ザイタクイリヨウマサーシ」の平成29年7月24日付け「振込」は、プランズ社発行の在宅医療社宛て請求書(乙5)に対応する「振込」を示すものではない。
(8)ドクターネイル本店発行の注文確認メール(乙7)
ドクターネイル本店発行の注文確認メール(乙7)には、本件商標が表示されていないため、それ自体は何ら本件商標の使用事実を示すものではない。
しかも、当該注文確認メールで注文の確認をされている商品は、「ネイルニッパー(大)」、「ネイルニッパー(小)」、「クレドコーンカッター」等であって、商品本体及び包装箱の写真(乙11)に付された「Footcare Nail NippersA」、「Footcare Nail NippersB」、「Footcare Com cutter」ではない以上、そもそも本号証は、商品本体及び包装箱の写真(乙11)の商品に対する注文確認メールを示すものではない。
さらに、当該注文確認メールの送信者は、「ドクターネイル本店」であって、本件商標権者ではない以上、そもそも本号証は、本件商標権者が販売したことを示す取引書類ではない。
(9)プランズ社の普通貯金通帳(乙8)
プランズ社の普通貯金通帳(乙8)は、本件商標が表示されていないため、それ自体は何ら本件商標の使用事実を示すものではない。
しかも、当該通帳には受注番号等が表示されておらず、「振込」に対応する注文が特定できない以上、当該通帳の「振込」は、ドクターネイル本店発行の注文確認メール(乙7)の注文確認メールに対応する「振込」を示すものではない。
(10)「フットケア備品オーダー」のウェブサイト(乙9)
「フットケア備品オーダー」のウェブサイト(乙9)には、本件商標が表示されていないため、それ自体は何ら本件商標の使用事実を示すものではない。
しかも、当該ウェブサイトヘの掲載者が誰であるか不明であると共に、被請求人の提出した証拠説明書(2)によれば、「フットケア備品オーダー」のウェブサイト(乙9)は、本件審判請求の予告登録後の2018年3月29日に、本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)によって作成されており、本件審判請求の予告登録前から当該ウェブサイトを掲示していた事実を示すものではない。
(11)商品の流れと商標の使用態様との関係図(乙10)
本号証は、取引書類ではなく、単なる説明資料であるため、それ自体は何ら本件商標の使用事実を示すものではない。
しかも、被請求人の提出した証拠説明書(2)によれば、本号証は、本件審判請求の予告登録後の2018年(平成30年)4月1日に被請求人の代理人によって作成されており、本件審判請求の予告登録前に「Footcare Nail NippersA」及び「Footcare Nail NippersB」の商品及び包装箱が製造、取引された事実を示すものではない。
(12)「Footcare Nail NippersA」,「Footcare Nail NippersB」,「Footcare Corn cutter」の商品本体及び包装箱の写真(乙11)
「Footcare Nail NippersA」、「Footcare Nail NippersB」、「Footcare Corn cutter」の商品本体及び包装箱の写真(乙11)には、商品本体や包装箱に製造者の表示がされておらず、当該商品の製造者、販売者が誰であるか全く不明である。
しかも、被請求人の提出した証拠説明書(2)によれば、本号証は、本件審判請求の予告登録後の2018年(平成30年)4月4日に被請求人の代理人によって作成されており、本件審判請求の予告登録前に本号証に掲載された商品及び包装箱が製造、取引された事実を示すものではない。
(13)在宅医療社発行のフランチャイザー(A氏)宛ての請求書(乙12の1)、フランチャイザー(B氏)発行の初期セット受領書(乙12の2)、在宅医療社発行のフランチャイザー(A氏)宛ての入金確認明細(乙12の3)
在宅医療社発行のフランチャイザー(A氏)宛ての請求書(乙12の1)、フランチャイザー(B氏)発行の初期セット受領書(乙12の2)及び在宅医療社発行のフランチャイザー(A氏)宛ての入金確認明細(乙12の3)には、本件商標が表示されていないため、それ自体は何ら本件商標の使用事実を示すものではない。
しかも、当該請求書(乙12の1)及び当該入金確認明細(乙12の3)の宛名がフランチャイザー「A」氏なのに対し、当該初期セット受領書(乙12の2)の受領者が、フランチャイザー「B」氏で異なっているため、当該初期セット受領書(乙12の2)は、当該請求書(乙12の1)及び当該入金確認明細(乙12の3)に対応した受領書とはいえない。
してみれば、当該請求書(乙12の1)及び当該入金確認明細(乙12の3)の「初期セット」にいかなる商品が含まれているか不明であり、自ずと当該請求書(乙12の1)及び当該入金確認明細(乙12の3)は、商品本体及び包装箱の写真(乙11)に掲載された商品に関する取引書類を示すものではない。
仮に、当該初期セット受領書(乙12の2)が、当該請求書(乙12の1)及び当該入金確認明細(乙12の3)の「初期セット」の内容を示すとした場合であっても、当該初期セット受領書(乙12の2)に表示された品名は、「ニッパ17mm × 1本」、「ニッパ13.5mm × 1本」、「クレドコーンカッター × 1本」等なのに対し、商品本体及び包装箱の写真(乙11の1)の包装箱に付された品名は、「Foot care Nail NippersA」、「Foot care Nail NippersB」、「Foot care Com cutter」であって、異なる品名が表示されている以上、当該初期セット受領書(乙12の2)は、当該請求書(乙12の1)及び当該入金確認明細(乙12の3)の「初期セット」に、商品本体及び包装箱の写真(乙11)に掲載された商品が含まれている事実を示すものではない。
(14)むすび
以上のとおり、被請求人が、答弁書により提出した乙各号証によっては、本件商標が「爪切り用ニッパー,手動利器(コーンカッター)」に使用された事実は認められない。
3 弁駁書2による主張の要旨
被請求人は、製作請書(乙13)、製作品仕様締結書(乙14)、宜誓書(乙15)を提出して、要証期間内に、本件商標の使用事実が存する旨主張する。
しかしながら、本件商標権者又は通常使用権者において、本件審判請求の要証期間内に、本件登録商標の使用事実が存しないことは、以下のとおり明らかである。
(1)製作請書(乙13)について
製作請書(乙13)には、本件商標が表示されていないため、それ自体は何ら本件商標の使用事実を示すものではない。
特に、当該請書に、品名として「Nail NippersA」、「Nail NippersB」、「Corn Cutter」と記載されているが、これらが本件商標でないことは自明であり、また、商品本体及び包装箱の写真(乙11の1)の包装箱に付された「Foot care Nail NippersA」、「Foot care Nail NippersB」、「Foot care Corn cutter」とも異なることは明らかである。
ちなみに、当該請書には、「製作物に商標登録第5629066号を商品に付す」と記されており、これに応じて作成された商品には、当該記載にしたがって、商標登録番号(商標登録第5629066号)が付されているはずであるにもかかわらず、商品本体及び包装箱の写真(乙11)には、かかる商標登録番号は付されていない。
しかも、当該請書中の宛名、「製作条件」及び「¥1,266,300」の文字のフォントが他の文字のフォントと明らかに異なっているとともに、「下記のとおり、商品製作をお受け致し」以降の文字が消えている事実に徴すれば、発注仕様書が提出されていないことはもとより、本件商標権者自身が作成した当該請書に対応する発注書すら提出されていないことともあいまって、当該請書は真正に作成されたものとは認められない。
(2)製作品仕様締結書(乙14)について
製作品仕様締結書(乙14)には、本件商標が表示されていないため、それ自体は何ら本件商標の使用事実を示す取引書類ではない。
特に、当該書類には、「ドクターネイル爪革命【商標登録第5629066号】を付した商品」と記載されているが、製作請書(乙13)と同様具体的な商標の表示態様は全く不明である。
このことは、被請求人自ら、「甲に納品した本件包装箱のスペックまでは、書面で決められていない」(回答書)と主張していることからも明らかである。
しかも、前述したとおり、発注仕様書がなく、また真正な製作請書も存在しない。
したがって、当該書類は単なる製品仕様書にすぎず、その内容とおりに商品が製作されたことを示すものではない。
(3)宜誓書(乙15)について
宜誓書(乙15)は、取引書類ではなく、単なる自己主張にすぎないため、それ自体は何ら本件商標の使用事実を示すものではない。
しかも、当該書類は、回答書提出直前の平成31年4月11日に作成されており、本件審判請求の予告登録前に、商品本体及び包装箱の写真(乙11)の商品及び包装箱が製造、取引された事実を客観的に示すものではない。

第3 被請求人の主張の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書及び回答書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、答弁書で乙1の1ないし乙12の3を、回答書で乙13ないし乙15を提出した。
1 答弁書による主張の要旨
商標権者又は通常使用権者は、要証期間内に、商品「爪切り用ニッパー,手動利器(コーンカッター)」について、「Dr.ネイル」、「爪革命」の2段書き文字と足裏図形からなる本件商標を使用している。
(1)本件商標の使用者
本件商標の使用者は、本件商標権者及び通常使用権者である在宅医療社である。
(2)商標の使用態様
ア 商標法第3条第2項第2号の行為について
(ア)本件商標権者は、本件商標が付された商品「爪切り用ニッパー,クレド(コーンカッター)」(以下「使用商品」という。)をエーシーピー社に製造を委託している(乙1の1、乙10、乙11)。
実際に、要証期間に、使用商品を取り引きしたことは、エーシーピー社発行のプランズ社宛て請求書(乙2)、エーシーピー社発行のプランズ社宛て納品書(乙3)及び振り込み依頼の受け書(乙4)により明らかである。
(イ)本件商標権者は、使用商品を在宅医療社に卸販売している。本件商標権者は、エーシーピー社に委託して、使用商品を在宅医療社に納品している(乙1、乙10、乙11)。OEM製品製造後、本件商標権者に委託されたエーシーピー社は、使用商品を在宅医療社に配送している。
実際に、要証期間に取り引きがあったことは、プランズ社発行の在宅医療社宛て請求書(乙5)、プランズ社の普通貯金通帳(乙6)により明らかである。
(ウ)在宅医療社は,卸販売により仕入れた本件商標を付した初期セット(爪切り用ニッパー、手動利器[コーンカッター]を含む)を株式会社北西産業に小売販売している(乙1、乙10、乙12)。
また、実際に、要証期間内に、取り引きがあったことは、在宅医療社発行のフランチャイザー(A氏)宛ての請求書(乙12の1)及びフランチャイザー(B氏)発行の初期セット受領書(乙12の2)により明らかである。
初期セットとは、フランチャイザーが、フランチャイズ契約の際に、フランチャイジーに小売販売する商品(爪切り用ニッパー、手動利器[コーンカッター]を含む)をいう。
追加商品とは、会員となったフランチャイジーが、「フットケア備品オーダー」のウェブサイト(乙9)を通じて、本件商標権者に対して、発注する商品(爪切り用ニッパー、手動利器[コーンカッター]を含む)をいう。
会員とは、フランチャイズ契約締結後、かつ、フランチャイジーが研修終了後に会員となる。
(エ)本件商標権者は、OEMで製造した商品(爪切り用ニッパー、手動利器[コーンカッター]を含む)を会員となったライセンシーに小売販売している(乙1、乙10、乙11)。
会員となったライセンシーは、本件商標権者のウェブサイト(乙9) を通じて、本件商標権者へ追加商品を発注する。本件商標権者は、発注を受けて、本件商標が付された追加商品を発送する。実際に、要証期間内に、取り引きが有ったことは、ドクターネイル本店発行の注文確認メール(乙7)及び
プランズ社の普通貯金通帳(乙8)により明らかである。
イ 商標法第2条第3項第8号の行為について
本件商標権者は、要証期間内に、商品「爪切り用ニッパー、手動利器(コーンカッター)」の広告、価格表もしくは取引書類に本件商標を付してウェブサイトに掲示する行為を行った。
「フットケア備品オーダー」のウェブサイト(乙9)は、本件商標権者のメインサイトであり、会員である加盟店(ライセンシー)、このウェブサイトから各商品の注文をすることができ、当該ウェブサイトには、本件商標が記載されてる。
価格表もしくは取引書類の内容は、上記ウェブサイトから、「爪切り用ニッパー、手動利器(コーンカッター)」を受注するシステムであることから、商品「爪切り用ニッパー、手動利器(コーンカッター)」の価格表若しくは取引書類に本件商標を付して、ウェブサイトに掲示する行為を行ったことに間違いはない。
要証期間内に、上記ウェブサイトを掲載していたことについては、インターネットアーカイブにより過去のサイト情報が取得できない状態にあるが、上記ウェブサイトは要証期間前から、継続して同一内容のウェブサイトを掲載していたことに間違いはない。
(3)結論
以上のとおり、本件商標権者又は通常使用権者は、要証期間内に日本国内において、本件商標が使用された商品「爪切り用ニッパー、手動利器(コーンカッター)」に使用している。
2 回答書による主張の要点
(1)エーシーピー社発行のプランズ社宛て請求書(乙2)及びエーシーピー社発行のプランズ社宛て納品書(乙3)に「Nail Nippers A」、「Nail Nippers B」、「Corn cutter」及び「箱」の記載があるとしても、本件商標(社会通念上同一の商標を含む。以下同じ。)が付されている写真(乙11)は、要証期間後に撮影されたものであるから、(ア)エーシーピー社が、プランズ社に納品した商品、(イ)プランズ社が在宅医療社に納品した商品、(ウ)在宅医療社がフランチャイザーに送付した商品が、当該写真の商品であるか確認することができない
ことについて、被請求人は、エーシーピー社が、本件商標権者に納品した商品のスペックは、要証期間内である平成27年(2015年)7月24日に作成した「製作請書」(乙13)、「製作品仕様締結書」(乙14)及び「宣誓書」(乙15)により明確である。
宣誓書(乙15)に記載したとおり、本件商標権者は、エーシーピー社と本件商標を付した商品を製作するOEM取引契約書(乙1の1) を締結した。
次に、エーシーピー社は、本件商標権者からの発注を受けて、平成27年(2015年)7月24日に、製作請書(乙13)を作成し、同時に、製作品仕様締結書(乙14)を作成した。
この後、エーシーピー社は、本件商標権者と打ち合わせながら、本件商標を付した3種類の商品(ネイルニッパーA、ネイルニッパーB、コーンカッター)の製作に取り掛かり、製作完了後、本件商標を付した3種類の商品の代金を請求(乙2の3)し、当該商品を同年11月30日に納品(乙3の3)、本件商標権者は、商品代金を、JAバンク普通貯金通帳から、エーシーピー社の口座に振り込んだ(乙4の2)。
エーシーピー社が製作し、本件商標権者に納品した商品は、商品本体及び包装箱の写真(乙11)の商品と外観同一である。
上記事実から、平成27年(2015年)7月24日ないし同年11月30日の間(要証期間内)に、本件商標権者が、エーシーピー社に発注して、ネイルニッパーA、ネイルニッパーB及びコーンカッターに本件商標を付す行為(商標法第2条第3項第1号)をしたことに間違いはない。
(2)「フットケア備品オーダー」のウェブサイト(乙9)に、「ネイルニッパー(大)」、「ネイルニッパー(小)」並びに「コーンカッター」の商品名及びその販売価格の表示と共に,商品の写真が表示されているが、当該ウェブサイトの内容からは、本件商標を確認することができず、また、当該ウェブサイトの提供者が誰であるかも確認することができない。そして、当該ウェブサイトの写しは、要証期間後に作成されたものであるから、当該ウェブサイトが要証期間内にインターネット上に掲載されていた事実も確認することができないことについて、被請求人は、「フットケア備品オーダー」(乙9)のウェブサイトの掲示については、積極的に立証するつもりはない。

第4 当審の判断
1 被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、(1)要証期間に、(2)日本国内において、(3)商標権者等のいずれかが,(4)本件取消請求に係る指定商品のいずれかについての,(5)本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。
2 被請求人の主張及びその提出に係る乙号証によれば,以下の事実が認められる。
(1)本件商標権者は、エーシーピー社と本件商標を付した商品を製作するOEM取引契約書を締結した(乙1の1)。
エーシーピー社は、本件商標権者からの発注を受けて、平成27年(2015年)7月24日に、製作請書(乙13)を作成し、同時に、本件商標権者とエーシーピー社との間で製作品仕様締結書(乙14)を作成した。
製作品仕様締結書(乙14)には、商品「Nail Nippers A」、「Nail Nippers B」及び「Corn Cutter」に本件商標の登録番号(登録第5629066号)が記載され、「製作商品に商標ロゴを付すこと」と記載されている。
(2)エーシーピー社は、本件商標権者から製作依頼を受けた商品を平成27年(2015年)11月30日に納品し(乙3の3)、同日付け請求書(乙2の3)を発行した。
その後、本件商標権者は、同年12月29日に、商品の代金を金融機関を通じて、振込・振替を依頼した(乙4の2)
(3)本件商標権者がエーシーピー社に依頼して製作した商品「Nail Nippers A」及び「Nail Nippers B」のかしめ部に、また、「Corn Cutter」の柄の下部には、人間の足跡をモチーフとしたと思しき図形と、その下部に「Dr.ネイル」の文字とその下に「爪革命」の文字が刻印されている(乙11)。
3 上記2において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
平成27年(2015年)11月30日に、エーシーピー社から本件商標権者に納品された商品「Nail Nippers A」及び「Nail Nippers B」のかしめ部に別掲2のとおりの標章(以下「使用商標」という場合がある。)が刻印されている。
また、同日に、エーシーピー社から本件商標権者に納品された商品「Corn Cutter」の柄の下部に使用商標が刻印されている。
本件商標は、別掲1のとおり、オレンジ及び青で着色されている人間の足跡をモチーフとしたと思しき図形と、その下部に「Dr.ネイル」の文字とその下に「爪革命」の文字を配してなるものであり、他方、使用商標は、色彩はないものの、人間の足跡をモチーフとしたと思しき図形と、その下部に「Dr.ネイル」の文字とその下に「爪革命」の文字からなるものであり、外観において同視されるものであるから、本件商標と使用商標とは社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用商品について
エーシーピー社が、本件商標権者に納品した商品は、「Nail Nippers」及び「Corn Cutter」であり、本件取消請求に係る指定商品(爪切り,爪切り用ニッパー,ニッパー,手動利器)に含まれる商品である。
(3)使用時期及び使用行為について
本件商標権者が、エーシーピー社に商品「Nail Nippers A」、「Nail Nippers B」及び「Corn Cutter」の製作を依頼した平成27年(2015年)7月24日、エーシーピー社が本件商標権者に当該商品を納品した同年11月30日は、いずれも要証期間内である。
そして、本件商標権者は、エーシーピー社が製作する商品に、本件商標を付すことを指示している。
そうすると、本件商標は、商品「Nail Nippers A」、「Nail Nippers B」及び「Corn Cutter」に本件商標を付す行為を行ったことが認められる。
(4)小括
以上によれば、本件商標権者は、要証期間内に、日本国内において、本件取消請求に係る指定商品に含まれる商品「Nail Nippers」及び「Corn Cutter」に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付しており、本件商標権者による上記行為は、商標法第2条第3項第1号にいう「商品に標章を付する行為」に該当する。
したがって、本件商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内である平成27年(2015年)11月30日に、日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品中に含まれる「Nail Nippers」及び「Corn Cutter」について,本件商標と社会通念上同一の商標を使用したものと認めることができる。
3 請求人の主張について
請求人は、被請求人が提出した全証拠によっても、商標権者等が、本件商標を「爪切り用ニッパー,手動利器(コーンカッター)」に使用した事実は認められない旨主張する。
しかしながら、上記1に記載したとおり、商標法第50条第2項は、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明すれば,商標登録の取消しは免れる旨規定しているものである。
そして、上記2認定のとおり、被請求人は、本件取消請求に係る指定商品に含まれる「Nail Nippers」及び「Corn Cutter」について,本件商標の使用をしていることを証明したことから、請求人の上記主張は採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、本件商標権者が、本件取消審判の請求に係る指定商品に含まれる商品について、本件商標の使用をしていたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標の指定商品及び指定役務中、本件取消請求に係る指定商品についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲1(本件商標)(色彩については原本を参照されたい。)



別掲2(使用商標)




審理終結日 2020-10-30 
結審通知日 2020-11-11 
審決日 2020-11-27 
出願番号 商願2013-54379(T2013-54379) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (W08)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 豊田 純一
小俣 克巳
登録日 2013-11-08 
登録番号 商標登録第5629066号(T5629066) 
商標の称呼 ドクターネイルツメカクメー、ドクターネールツメカクメー、ドクターネール、ツメカクメー、カクメー 
代理人 佐藤 富徳 
代理人 高野 登志雄 
代理人 特許業務法人アルガ特許事務所 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ