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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 018
管理番号 1370167 
審判番号 取消2019-300489 
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-02-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2019-06-24 
確定日 2020-11-30 
事件の表示 上記当事者間の登録第4013719号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4013719号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成4年7月22日に登録出願、第18類「かばん類,袋物」を指定商品として、同9年6月20日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和元年7月8日である。

第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標について登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張し、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら意見を述べていない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、答弁書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。なお、枝番号を有する証拠において、枝番号の全てを引用する場合は、枝番号の記載を省略する。)を提出した。
1 使用者
(1)被請求人は、ボーイロンドン香港リミテッド(以下「ボーイロンドン香港」という。)に本件商標を含む日本の「BOY LONDON」関連商標について、使用を許諾している(乙1)。
被請求人は、ボーイロンドン香港が日本に輸出した「BOY LONDON関連商品」が、日本国内の小売業者を通じて、日本の一般需要者に販売されることを明確に理解し、意図、予定した上で、ボーイロンドン香港に、本件商標の使用を許諾し、輸出、販売活動を行うことを許諾していたものである。
なお、被請求人の資本の過半数はボーイロンドン香港によって所有されており、ボーイロンドン香港と被請求人は、いわゆる親子関係に当たる。
(2)本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間」という。)に、ボーイロンドン香港が主として取引を行っていた小売、卸売業者は、株式会社クラウド(以下「クラウド」という。)及び株式会社アイゴールド(以下、両者をまとめていうときは「クラウド等」という。)であった。
ボーイロンドン香港より「BOY LONDON関連商品」を購入したクラウド等は、被請求人の正規代理店として、店舗を通じて、また、自社にて設けた公式オンライン通販サイトにて、当該商品の販売を行っていたほか、公式サイトの運営を行っていた。
2 被請求人による「かばん類」の輸出・販売
(1)ボーイロンドン香港がクラウドに対して2016年9月3日付けで発行した請求書の写し(乙2)によれば、ボーイロンドン香港がクラウドに対して「CD BAG」及び「HYBRID BAG」の販売を行っていた事実を確認することができる。
上記請求書と同日付けで発行されたパッキングリストの写し(乙3)には、ボーイロンドン香港がクラウドに宛てて納品した商品のリストが記載されており、品目は上記請求書の内容と合致する。また、当該パッキングリストには、納品された商品の画像写真が貼付されており、「CD BAG」及び「HYBRID BAG」の画像を確認することができる。
(2)クラウドが運営していた被請求人の商品を専門的に取り扱う公式オンラインサイトの2016年7月19日時点のキャッシュデータ(乙4)に、被請求人の「CD BAG」及び「HYBRID BAG」が写真付きで掲載されており、乙第2号証及び乙第3号証に示すかばん類と同一の商品写真が掲載されていることから、当該商品が要証期間内である2016年7月以降日本国内において販売されていたことがわかる。
(3)乙第2号証及び乙第3号証は、乙第4号証に示すウェブサイトページの更新日より後に発行されたものであるが、ウェブサイト上における販売開始の日時と請求書の日時が相前後していることは、これらの商品が、要証期間開始以前からボーイロンドン香港からクラウドに納品され、クラウドがネット販売を行っていた事実を示すにすぎない。
実際、要証期間直前日にあたる2016年7月7日に、ボーイロンドン香港はクラウドに仕向けて「CD BAG」及び「HYBRID BAG」を輸出し(乙5)、同日付けにて請求書(乙6)を発行している。
同商品を受領したクラウドは、要証期間内である2016年7月19日に、被請求人商品の公式サイト上にて同商品の展示を行っていることが確認できる。
(4)オンラインにて商品写真が掲載される際には、かばん類本体のみの写真が用いられているが(乙4)、これらの商品(「CD BAG」、「HYBRID BAG」)が販売される際には、被請求人側が用意した専用のプラスチック製包装用袋に梱包されている(乙7、8)。
商品「CD BAG」を梱包するプラスチック製包装用袋には、本件商標と社会通念上同一の標章、すなわち、翼を左右に広げ顔を右側に向けた鷲の図形と、「BOY」の欧文字と「LONDON」の欧文字を三段に書した構成よりなる標章が付されている(乙7)。
上記包装用袋には、商品名「STYLENO CD BAG」などと記載したシールが貼付されていることから、当該包装用袋が「CD BAG」の専用の袋であることを示している。また、商品「HYBRID BAG」についても同様に、専用の袋であることを示している(乙8)。
3 登録商標と使用標章の同一性
本件商標は、両翼を左右に広げ、右に顔を向けた鷲の図形と「BOY」、「LONDON」の文字を上下三段に組み合わせた構成よりなる。
他方、被請求人が、「CD BAG」、「HYBRID BAG」と名付ける「かばん類」を販売する際に商品の包装に使用する袋には、やはり両翼を左右に広げ、右に顔を向けた鷲の図形と「BOY」、「LONDON」の文字を上下三段に組み合わせた構成よりなる標章が付されている。
両商標は、構成要素を同一とし、かつ、その配置においても共通する。
4 まとめ
上述のとおり、被請求人は、要証期間内に、本件商標の使用権者であるボーイロンドン香港を通じて日本国内にて本件商標を取消請求対象商品である「かばん類」の包装に付して販売を行っていた。また、包装に付された商標は本件商標と社会通念上同一のものである。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出に係る乙各号証及び同人主張の全趣旨を総合すれば、以下の事実が認められる。
(1)ア 被請求人は、その資本の過半数をボーイロンドン香港に所有されており、当該者の子会社にあたる(乙1)。
イ ボーイロンドン香港は、2013年の設立以降、日本における「BOY LONDON」事業(「BOY LONDON」ブランドに係る商品の販売及び商標の使用を含む。)を担っている(乙1)。
(2)ア 2016年7月19日時点の「BOY LONDON/ボーイロンドン 公式サイト」と称するインターネットサイト(写し)(乙4の2)に、「BOY CARRY BAG」の表題の下、「¥12,506(税込)」との価格表示、「BOYLONDONのショルダーバッグ。全面にはブランドの代表作であるEAGLE LOGOがプリントされ・・・」、「カラー:BLACK」、「送料:¥5,000以上のお買い上げで送料無料」などの記述、及びショルダーバッグを持つ人物の写真が掲載されている。そして、当該写真中のバッグ(以下「使用商品」という。)の正面には、「BOYLONDON」のブランド名の下で識別性を有する表示として、同ブランドの代表的なロゴとされる、翼を広げその顔を向かって右側に横向きにした鷲を表した図形と、当該図形の下に構成中の「O」の文字が上記図形の足下と接するように配された「BOY」の文字、及び上記図形の翼(向かって左側)の上に配された「LONDON」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)が表示されている。なお、撮影日は不明であるものの、乙第4号証の2に掲載された商品と同じデザインからなるものと見られるものが梱包された袋が存在し、当該袋には、上段から順に、翼を広げその顔を向かって右側に横向きにした鷲を表した図形、「BOY」の文字(当該「O」の上部が、上段の鷲の図形の足下と接している。)及び「LONDON」の文字を配してなるものが表示されている(乙7)。
イ(ア)「SALES INVOICE」と題する、ボーイロンドン香港がクラウドに対して発行した書面(写し)(乙5)には、「INVOICE No.」の欄に「009」、「DATE」の欄に「7/7/2016」の表示があり、また、「DESCRIPTION/STYLE No/SIZE」の欄に「CD BAG」、これに対応する「COLOUR」の欄に「BLACK」との表示があり、その他、数量等が表示されている。
(イ)「PACKING LIST」と題する、ボーイロンドン香港がクラウドに対して発行した書面(写し)(乙6)には、「NO.:009」、「Date:7 July,2016」の表示があり、また、「Style No.」の欄に「CD BAG」、これに対応する「Colour」の欄に「BLACK」との表示、「Image」の欄にショルダーベルト付きのバッグと思われる画像の掲載があり、その他、数量等が表示されている。そして、上記バッグの画像は、その細部が不明瞭であるものの、乙第4号証の2に掲載された商品と同じデザインからなるものと見られるものである。
(ウ)「SALES INVOICE」と題する、ボーイロンドン香港がクラウドに対して発行した書面(写し)(乙2)には、「INVOICE No.」の欄に「012」、「DATE」の欄に「3/9/2016」の表示があり、また、「DESCRIPTION/STYLE No/SIZE」の欄に「CD BAG」、これに対応する「COLOUR」の欄に「BLACK」との表示があり、その他、数量等が表示されている。
(エ)「PACKING LIST」と題する、ボーイロンドン香港がクラウドに対して発行した書面(写し)(乙3)には、「NO.:012」、「Date:3 Sep,2016」の表示があり、また、「Style No.」の欄に「CD BAG」、これに対応する「Colour」の欄に「BLACK」との表示、「Image」の欄にショルダーベルト付きのバッグと思われる画像の掲載があり、その他、数量等が表示されている。そして、上記バッグの画像は、その細部が不明瞭であるものの、乙第4号証の2に掲載された商品と同じデザインからなるものと見られるものである。
(オ)上記の乙第5号証と乙第6号証とにそれぞれ表示された番号、日付、品目の種類、カラー、数量等は、互いに齟齬がないものである。また、同様に、乙第2号証と乙第3号証とに表示された各事項も、互いに齟齬がないものである。
2 前記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は、前記第1(別掲)のとおり、上段から順に、翼を広げその顔を向かって右側に横向きにした鷲を表した図形、「BOY」の文字(当該「O」の上部が、上段の鷲の図形の足下と接している。)及び「LONDON」の文字を配してなるものである。
これに対し、使用商標は、翼を広げその顔を向かって右側に横向きにした鷲を表した図形、当該鷲の図形の足下に構成中の「O」の文字の上部が接するように配された「BOY」の文字、及び上記鷲の図形の翼(向かって左側)の上に配された「LONDON」の文字からなるものである。
そして、本件商標と使用商標とは、上段に大きく表された鷲の図形は、いずれも翼を広げその顔を向かって右側に横向きにした構成からなるものであって、外観において同視されるものであり、当該図形及びその直下に配された欧文字「BOY」についても、その構成及び配置について同視し得るものである。
また、両商標の文字部分は、いずれも「BOY」及び「LONDON」からなるものであり、「LONDON」の文字の配置において相違があるものの、これによって、当該文字部分から生じる称呼及び観念が異なるとはいえず、いずれも、「ボーイ」及び「ロンドン」の称呼並びに「少年」及び「ロンドン」の観念を生じるものである。
そうすると、使用商標は、本件商標との比較において、外観において同視される図形並びにつづり、称呼及び観念を共通にする文字からなるものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標というべきである。
(2)使用商品について
使用商品は、前記1(2)の認定事実から「ショルダーバッグ」といえるところ、これは、本件商標の指定商品中「かばん類」の範ちゅうに属する商品と認められる。
(3)使用時期について
ア 前記1(1)イ及び(2)イの認定事実からすれば、ボーイロンドン香港は、クラウドを通じて使用商品を日本国内で販売することを目的として、平成28(2016)年7月7日及び同年9月3日に香港から日本に向けて発送(輸出)したものであって、少なくとも要証期間(平成28(2016)年7月8日?令和元(2019)年7月7日)内である平成28(2016)年9月3日頃に、クラウドがこれを日本国内で受領したと認めることができる。
そうすると、クラウドは、要証期間内である平成28(2016)年9月3日頃に、使用商標を付した使用商品をボーイロンドン香港から輸入したということができる。
そして、ボーイロンドン香港とクラウドとの取引に係る使用商品に付された使用商標は、ボーイロンドン香港を出所として識別される標章として使用されていたものというのが相当である。
そうすると、当該輸入行為は、ボーイロンドン香港がクラウドを通じて行ったというのが相当である。
イ 前記1(2)アの認定事実からすれば、少なくとも要証期間内である平成28(2016)年7月19日時点において、日本の消費者向けのボーイロンドンの公式サイトに、販売を目的として使用商標を付した使用商品を展示し、又は使用商標を付した使用商品に関する広告を掲載したということができる。なお、上記展示により使用商品が販売される際には、本件商標と構成及び配置を共通にする社会通念上同一と認められる商標が付された包装に梱包されていたものとみるのが自然であるから、使用商品の販売に備えて、平成28(2016)年7月19日前後において、使用商品の包装に本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付されていたものと推認することもできる。
ウ 前記アからすると、ボーイロンドン香港は、要証期間内に、使用商標を付した使用商品をクラウドを通じて日本国内に輸入したということができる。
また、前記ア及びイを総合すると、ボーイロンドン香港は、使用商標を付した使用商品を日本の消費者向けに販売することを認識しつつ、クラウドに対して輸出(譲渡)し、クラウドは、要証期間内に、日本の消費者向けのボーイロンドンの公式サイトに、当該商品を販売(譲渡)のために展示し、又は当該商品の広告を掲載したと推認することができる。かかる事実によれば、使用商標は、要証期間内に、ボーイロンドン香港によって、日本国内において、クラウドを通じて使用をされたものと評価することができる。
(4)使用者について
前記1(1)の事実からすれば、ボーイロンドン香港は、被請求人(商標権者)の親会社であって、両者は緊密な関係にあるものと認められ、被請求人自らがボーイロンドン香港に対し本件商標の使用を許可していたことが認められる。他方、ボーイロンドン香港による本件商標の使用に関して、被請求人が異議を述べたとの事実は何ら確認できない。そうすると、被請求人は、ボーイロンドン香港に対して本件商標を使用する黙示の許諾を与えていたものと認めて差し支えない。
したがって、ボーイロンドン香港は、本件商標の通常使用権者であるといえる。
(5)小括
以上によれば、本件商標の通常使用権者であるボーイロンドン香港がクラウドを通じて、要証期間内に、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる使用商標を付した使用商品を輸入し、譲渡のために展示し、また、上記使用商標を付した使用商品に関する広告を電磁的方法により提供したと認めることができる。
そして、これらの行為は、商標法第2条第3項第2号又は同項第8号にいう使用行為に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が、本件審判の請求に係る指定商品に含まれる商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲(本件商標)




審理終結日 2020-05-07 
結審通知日 2020-05-12 
審決日 2020-07-20 
出願番号 商願平4-144079 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (018)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 中束 としえ
特許庁審判官 板谷 玲子
山田 啓之
登録日 1997-06-20 
登録番号 商標登録第4013719号(T4013719) 
商標の称呼 ボーイロンドン、ボーイ 
代理人 特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK 
代理人 豊崎 玲子 
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