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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W30
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管理番号 1369163 
異議申立番号 異議2020-900151 
総通号数 253 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2021-01-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-06-01 
確定日 2020-12-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第6235514号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6235514号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6235514号商標(以下「本件商標」という。)は、「FINNS」の文字を標準文字で表してなり、平成30年9月21日に登録出願、第30類「チョコレート,菓子,キャンデー,ビスケット,ケーキ,洋菓子,パスタ,マカロニ,めん類,即席麺,スパゲッティの麺,バーミセリ,酵母,ベーキングパウダー,料理用重曹,食用粉類,ドレッシング,マヨネーズソース,食酢,ケチャップソース,ソース(調味料),即席パンのもと,冷凍パン生地,冷凍揚げパン,アイスクリーム,乳製品を含まない冷凍菓子,氷菓,コーヒー,茶,ココア,砂糖,米,タピオカ,サゴ,代用コーヒー,食パン,糖みつ,食塩,マスタード,穀物から作られた食用穀粉,香辛料,穀物・ハーブを含む茶飲料,グレービーソース,ハーブティー,はちみつ」を指定商品として、令和2年1月28日に登録査定、同年3月13日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は、以下の2件の登録商標等であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第6240057号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲1のとおり
登録出願日:平成30年3月28日
設定登録日:令和2年3月27日
指定商品 :第30類「砂糖菓子,キャンディー,氷菓,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,砂糖,角砂糖,果糖,氷砂糖(調味料),麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ(調味料)」
(2)国際登録第1144676号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
事後指定日:令和2年5月6日
指定商品 :第30類「Sugar, particularly sweets and candy, confectionery, ices.」

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て(合議体注:令和2年8月28日付けの手続補正書により補正された申立ての理由には、商標法第4条第1項第19号該当性に関する言及がないため、同号該当性は申立ての理由から削除されたと理解した。)、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア(ア)本件商標は、欧文字5文字の標準文字からなり、「FINNS」の語は一般の英和辞書等に記載がないため、一種の造語である。
(イ)引用商標1は、図形と「Your」及び「Fini」の欧文字により構成されているところ、「Fini」の文字が大きく表記されていること、当該文字は一般の英和辞書等に記載がない一種の造語であり識別力が高いのに対し、「Your」の文字は「あなたの」を意味する平易な英単語であり識別力が低いこと、「Your」を捨象した引用商標2の態様で広く一般的に使用されていることから、「Fini」の部分のみ認識、把握される場合がある。
(ウ)本件商標と引用商標1を比較すると、商標を認識する上で重要な語頭において、3文字が共通しているため、外観が類似している。
したがって、本件商標は、引用商標1とは、類似の商標である。
イ 本件商標の指定商品中「菓子,キャンディー,氷菓,砂糖,はちみつ」は、引用商標1の指定商品と同一又は類似である。
ウ 以上のとおり、引用商標1が「Fini」の文字部分のみをもって認識、把握される場合、本件商標は引用商標1と外観を共通にする類似の商標であり、その指定商品も同一又は類似である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号について
ア 申立人は、自身が製造販売する砂糖菓子のシリーズ名として「Fini」の文字を用いたロゴマークを使用している(甲4、甲5)。
申立人は、スペイン国に本社を置く、砂糖菓子を中心に製造販売するメーカーであり、1970年代に手作りガムから創業し、スペイン、ブラジル、ポルトガル、英国、フランス、チリ、カナダ、米国に営業拠点を有し、世界90カ国以上に輸出している。
日本においては、2015年より販売を開始し、現在は提携会社を通じ、ダイソーやドン・キホーテといった小売店で販売されている(甲6?甲13)。また、日本における昨年度までの総売上は、約2.5億円である。
そして、申立人の商品パッケージには、「Fini」のロゴマークが大きく表示されていることから、これに接する需要者は、当該ロゴマークを確実に認識、把握できる。
このように、「Fini」の文字は、申立人の砂糖菓子製品を表示するものとして、我が国における取引者、需要者の間に広く認識されている商標である。
イ 本件商標と引用商標2の外観を比較すると、商標を認識する上で必要な語頭において、5文字又は4文字の構成文字中、3文字(「FIN」と「Fin」)が共通している。そうすると、前半部の印象が強いから、時と処を異にして離隔的に観察した場合、外観上相紛らわしい。
したがって、本件商標は、引用商標2とは、類似の商標である。
ウ 本件商標の指定商品中「菓子,キャンディー,氷菓,砂糖」は、引用商標2の指定商品と同一又は類似である。
エ 以上のとおり、本件商標は、申立人の砂糖菓子製品を表示する商標として需要者の間に広く認識される商標と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品に使用するものだから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、引用商標2とは類似の商標である。
また、申立人は、有名な砂糖菓子メーカーであり、引用商標2を付した多数の商品を製造、販売しているから、引用商標2は、申立人の出所識別標識として著名である。
そして、本件商標権者と申立人は、いずれも食品販売会社であって、その需要者、取引者は一致している。
さらに、引用商標2は、子ども向けの砂糖菓子に使用されており、その性質上廉価であり、また、需要者の大部分が子どもであることを考慮すると、高い注意力を払わずに商品が選択される。
すなわち、本件商標に接する需要者は、語頭の3文字だけを見て商品を選択する可能性が高く、本件商標を食品に付して販売した場合、申立人の商品に係るものであると誤認、混同するおそれがある。
したがって、本件商標は、需要者において、申立人又は引用商標2と経済的又は組織的に何らかの関係があると誤認させ、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標2の周知性について
申立人提出の証拠及び主張によれば、申立人は、スペイン国に所在する砂糖菓子製造会社であって、引用商標2を包装に表示する商品「グミキャンディ」等(以下「申立人商品」という。)を、我が国において販売しており(甲10?甲13)、その売上高は2015年の販売開始からの約5年間で約2.5億円程度とされる。
しかしながら、申立人商品は、(ア)我が国における販売期間は数年にすぎないこと、(イ)特定の店舗(ダイソー、ドン・キホーテ)以外の一般の小売店における販売実績が不明で、販売経路が比較的限られていると理解できること、(ウ)その販売実績を裏付ける客観的な証拠の提出はなく、当該実績が申立人の主張どおりであるとしても、菓子業界における市場シェアなども不明で、少なくとも多額の販売実績とは評価し難いこと、(エ)広告宣伝の子細や規模も不明で、広告宣伝実績が把握できないことを踏まえると、申立人商品に係る引用商標2が、我が国の需要者の間において高い周知性や著名性を獲得していたものとは考え難く、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、広く認識されていたとは認められない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
ア(ア)本件商標は、上記1のとおり、「FINNS」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該構成文字は特定の意味を認識、看取させるものではないから、その構成文字に相応して「フィンズ」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。
(イ)引用商標2は、別掲2のとおり、青色に塗られた横長楕円形の枠内に、「Fini」の欧文字を白抜きで表し、その2文字目と4文字目の「i」の上部の点の間に、4つの小さな円図形(それぞれ緑色、黄色、茶色及び赤色に塗られている。)を連続して配置してなるところ、その構成文字は特定の意味を認識、看取させるものではないから、その構成文字に相応して「フィニ」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。
(ウ)本件商標と引用商標2を比較すると、外観については、構成文字や構成態様の差異から、明らかに異なるものであり、判別は容易である。また、称呼については、語頭の「フィ」の音が共通するとしても、それに続く構成音(「ンズ」と「ニ」)が明らかに相違するから聴別は容易である。そして、観念については、互いに特定の観念は生じないから比較できない。
以上を踏まえると、本件商標は、引用商標2とは、外観及び称呼において明瞭に判別できるもので、観念において比較できないとしても、互いに別異の商標であると容易に理解できるから、誤認混同を生じるおそれはなく、類似する商標とはいえない。
イ 以上のとおり、本件商標は、引用商標2とは類似する商標ではなく、さらに、上記(1)のとおり、引用商標2は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間で申立人商品を表示するものとして広く認識されている商標でもないから、その指定商品を比較するまでもなく、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第11号について
引用商標1は、別掲1のとおり、引用商標2と共通する構成に加えて、楕円形の枠の左上部に「Your」の欧文字を白抜きで表記してなるものである。
そして、本件商標は、引用商標2とは、上記(2)アのとおり、互いに別異の商標であると容易に理解できるところ、引用商標1とは、引用商標2の構成要素に相応する差異に加えて「Your」の文字部分に相応する差異も加わるため、なおさら互いの印象は異なるものとなるから、需要者の間において誤認混同を生じるおそれはなく、類似する商標とはいえない。
したがって、本件商標は、引用商標1とは、同一又は類似する商標ではないから、その指定商品を比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第15号について
引用商標2は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間で広く認識されている商標ではなく、本件商標は、引用商標2とは、上記(2)アのとおり、互いに別異の商標と容易に理解できるから、その指定商品と申立人商品との関連性や、その需要者及び取引者の共通性にかかわらず、本件商標に係る需要者をして、申立人又は引用商標2との関連を連想又は想起させることは考え難く、申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について誤認を生じさせるおそれはない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。


別掲

別掲1(引用商標1。色彩は原本を参照。)



別掲2(引用商標2。色彩は原本を参照。)




異議決定日 2020-12-07 
出願番号 商願2018-119948(T2018-119948) 
審決分類 T 1 651・ 251- Y (W30)
T 1 651・ 271- Y (W30)
T 1 651・ 253- Y (W30)
T 1 651・ 263- Y (W30)
T 1 651・ 262- Y (W30)
T 1 651・ 252- Y (W30)
T 1 651・ 261- Y (W30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 椎名 実 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 阿曾 裕樹
大森 友子
登録日 2020-03-13 
登録番号 商標登録第6235514号(T6235514) 
権利者 インターナショナル フードスタッフス シーオー エルエルシー.
商標の称呼 フィンズ 
代理人 特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK 
代理人 ▲吉▼川 俊雄 

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