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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W313542 審判 一部申立て 登録を維持 W313542 |
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管理番号 | 1369151 |
異議申立番号 | 異議2020-900153 |
総通号数 | 253 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2021-01-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2020-06-10 |
確定日 | 2020-12-04 |
異議申立件数 | 2 |
事件の表示 | 登録第6240244号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6240244号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6240244号商標(以下「本件商標」という。)は,「たねまき」の文字を標準文字で表してなり,平成31年4月1日に登録出願,「野菜,糖料作物,果実,麦芽,あわ,きび,ごま,そば(穀物),とうもろこし(穀物),ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料用たんぱく,飼料,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草」を含む第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品,「農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,花及び木の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務,「農業・畜産及び水産に関する試験・検査及び研究」を含む第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務並びに第29類,第30類及び第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,令和2年2月19日に登録査定,同年3月27日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 1 登録異議申立人「株式会社 武蔵野種苗園」の理由 本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第31類「種子類」について,商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきものであると申し立て,その理由を要旨以下のように述べた。 (1)商標法第3条第1項第3号該当性 農家は種子類で種蒔きをすることが生産又は使用の方法であるから,本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第31類「種子類」との関係において,商標法第3条第1項第3号の「その商品の生産若しくは使用の方法を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当すること明らかである。 (2)商標法第3条第1項第6号該当性 本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第31類「種子類」との関係において,農家等が通常使用している表現であるから,出所表示識別機能はなく商標法第3条第1項第6号の「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」に該当する。 2 登録異議申立人「株式会社サカタのタネ」の理由 本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第31類「野菜,糖料作物,果実,麦芽,あわ,きび,ごま,そば(穀物),とうもろこし(穀物),ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料用たんぱく,飼料,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草」,第35類「農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,花及び木の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第42類「農業・畜産及び水産に関する試験・検査及び研究」(以下「申立に係る商品及び役務」という。)について,商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきものであると申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証及び甲第2号証(表記にあたっては,「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載する。)を提出した。 (1)第31類「野菜,糖料作物,果実,麦芽,あわ,きび,ごま,そば(穀物),とうもろこし(穀物),ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料用たんぱく,飼料,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草」について 本件商標の指定商品及び指定役務中,第31類「種子類」の使用方法には,「種を蒔く」という以外の方法,例えば食用といった方法もあるが,最も通常行われている使用方法は「たねまき」であること疑いない。 また,本件商標の指定商品及び指定役務中,第31類「野菜,糖料作物,果実,麦芽,あわ,きび,ごま,そば(穀物),とうもろこし(穀物),ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料用たんぱく,飼料,木,草,芝, ドライフラワー, 苗, 苗木, 花, 牧草」の生産方法には,「種を蒔く」以外の方法,例えば苗から育成するといった方法もあるが,それらにおいて「種を蒔く」というのは一つの生産方法であること疑いない。 したがって,本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第31類「野菜,糖料作物,果実,麦芽,あわ,きび,ごま,そば(穀物),とうもろこし(穀物),ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料用たんぱく,飼料,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草」との関係においては,商標法第3条第1項第3号にいう「その商品の使用の方法又は生産の方法を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当する。 (2)第35類「農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,花及び木の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について 種蒔機は種を蒔くために使用されること当然の理であるから,商品「農耕用品」ついて,「たねまき」は,商標法第3条第1項第3号にいう「その商品の使用の方法を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当する。 また,商品「花及び木」について,「たねまき」は,商標法第3条第1項第3号にいう「その商品の生産の方法を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当する。 そして,小売り又は卸売りの対象となる商品について識別力のない言葉は,その商品の小売り又は卸売りにおいても識別力がないと考えられるべきである。 したがって,本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第35類「農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,花及び木の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」との関係においては,商標法第3条第1項第3号に該当する。 (3)第42類「農業・畜産及び水産に関する試験・検査及び研究」について 農業試験においては,もちろん「種を蒔く」以外の試験方法も種々あるが,「種を蒔く」というのは農業試験方法の一態様であること疑いない。 したがって,本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第42類「農業に関する試験・検査及び研究」について,商標法第3条第1項第3号にいう「その役務の提供の態様を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当する。 第3 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号該当性について 本件商標は,上記第1のとおり「たねまき」の文字からなるところ,当該文字は,「種をまくこと。」等の意味を有する語(「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店発行)であり,植物の栽培の一工程を表す言葉であるから,本件商標の指定商品及び指定役務中,第31類「野菜,糖料作物,果実,麦芽,あわ,きび,ごま,そば(穀物),とうもろこし(穀物),ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料用たんぱく,飼料,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草」との関係において,商品の使用・生産の方法を直接表したものとはいい難い。 また,本件商標の指定商品及び指定役務中,第35類「農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,花及び木の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第42類「農業・畜産及び水産に関する試験・検査及び研究」との関係においても,役務の質,提供の態様等を直接表したものといい難いものである。 さらに,第35類の上記役務において小売り又は卸売りの対象とする商品「農耕用品,花及び木」との関係においても,これらの使用・生産の方法を直接表したものともいい難いものである。 してみれば,本件商標は,これをその指定商品及び指定役務中,申立てに係る商品及び役務に使用しても,商品の使用・生産の方法,品質等又は役務の質,提供の態様等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず,自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであるというべきである。 したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号に該当しない。 2 商標法第3条第1項第6号該当性について 本件商標は,上記第1のとおり「たねまき」の文字からなるところ,当該文字は,上記1のとおり「種をまくこと」の意味を有するものであって,仮に,農家等が一般に使用している言葉であるとしても,本件商標の指定商品及び指定役務中,第31類「種子類」との関係において,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとはいい難いものである。また,当審において職権をもって調査するも,本件商標の指定商品及び指定役務中,第31類「種子類」を取り扱う業界において,「たねまき」の文字が自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないとする事情は見いだせず,さらに,取引者,需要者が当該文字を自他商品の識別標識とは認識しないというべき事情も発見できなかった。 そうすると,本件商標は,これをその指定商品及び指定役務中,第31類「種子類」について使用しても,自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当であるから,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものとはいえない。 したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第6号に該当しない。 3 まとめ 以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同項第6号のいずれにも該当するものとはいえず,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
別掲 |
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異議決定日 | 2020-11-26 |
出願番号 | 商願2019-45812(T2019-45812) |
審決分類 |
T
1
652・
13-
Y
(W313542)
T 1 652・ 16- Y (W313542) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 太野垣 卓 |
特許庁審判長 |
半田 正人 |
特許庁審判官 |
須田 亮一 大森 友子 |
登録日 | 2020-03-27 |
登録番号 | 商標登録第6240244号(T6240244) |
権利者 | SBプレイヤーズ株式会社 |
商標の称呼 | タネマキ |
代理人 | 鈴木 亜美 |
代理人 | 小林 弘明 |
代理人 | 水野 勝文 |
代理人 | 和田 光子 |
代理人 | 竹山 尚治 |
代理人 | 保崎 明弘 |
代理人 | 島田 俊昭 |