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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W35
管理番号 1369083 
審判番号 取消2019-300794 
総通号数 253 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2021-01-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2019-10-17 
確定日 2020-11-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第5873223号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5873223号商標の指定役務中、第35類「リサイクル品又は中古品の売買契約の締結の媒介又は取り次ぎ」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5873223号商標(以下「本件商標」という。)は、「1.5次流通」の文字を標準文字により表してなり、平成28年1月6日に登録出願、第35類「リサイクル品又は中古品の売買契約の締結の媒介又は取り次ぎ,トレーディングスタンプの発行,クーポン券及び割引などの特典付カードの発行,商品の展示会・商品のキャンペーンの企画・運営又は開催,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おむつの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,キーホルダーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,頭飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,携帯電話機用ケース、カバーその他の携帯電話機用の部品及び付属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,スマートフォン用ケース、カバーその他のスマートフォン用の部品及び付属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,タブレット型電子情報端末装置用ケース、カバーその他のタブレット型電子情報端末装置用の部品及び付属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,眼鏡及びサングラスの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ボールペンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ライターの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第36類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として平成28年8月12日設定登録され、その後、商標権一部取消し審判により、指定役務中、第35類「携帯電話機用ケース、カバーその他の携帯電話機用の部品及び付属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,スマートフォン用ケース、カバーその他のスマートフォン用の部品及び付属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,タブレット型電子情報端末装置用ケース、カバーその他のタブレット型電子情報端末装置用の部品及び付属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について取り消すべき旨の審決がされ、令和2年4月9日にその確定審決の登録がされたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和元年11月11日であり、この登録前3年以内の期間を以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中、第35類「リサイクル品又は中古品の売買契約の締結の媒介又は取り次ぎ」(以下「取消請求役務」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証等について
被請求人が提出した乙第1号証である株式会社マイナビ(以下「マイナビ社」という。)掲載記事「マイナビ2021 インターンシップパッケージ」(以下「本件記事」という。)には、本件商標「1.5次流通」と同一の標章が記載されている。
なお、乙第2号証ないし乙第7号証については、標章「1.5次流通」が付されていない。
(2)本件記事における「1.5次流通」について
ア 本件記事は、冒頭のタイトル「【1DAY】デザイナーズブランドのバイヤー体験インターン」から、学生向けの「インターンシップ募集広告」であることが分かる。
また、その記載内容「RINKANは、1次流通の最新シーズンの新品のアイテムと2次流通のユーズドのアイテムの両方を取り扱う1.5次流通のセレクトショップです。」から、本件記事中の「RINKAN」とは、セレクトショップ(小売業)を指すものである。
したがって、本件記事は、「『RINKANという名前の小売店(小売業)』に関し、バイヤー体験のインターンを募集する広告」であるといえる。
イ 本件記事における標章「1.5次流通」を検討する。
本件記事には「1次流通の最新シーズンの新品のアイテムと2次流通のユーズドのアイテムの両方を取り扱う1.5次流通のセレクトショップです」との記載がある。
当該記載によれば、本件記事における標章「1.5次流通」は、「1次流通の最新シーズンの新品のアイテムと2次流通のユーズドのアイテムの両方を取り扱うセレクトショップ」という小売業における一つ態様を説明するものといえる。
したがって、本件記事における標章「1.5次流通」は、単なる小売業の業態の説明として用いられるものにすぎず、商標としての使用と認められない。
ウ 本件記事の「1次流通の最新シーズンの新品のアイテムと2次流通のユーズドのアイテムの両方を取り扱う1.5次流通のセレクトショップです」の記載に従えば、標章「1.5次流通」は、学生に対する小売業の求人広告の中で使用されているにすぎない。
標章「1.5次流通」についての使用行為は、役務「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」はもちろんのこと、取消請求役務についての商標法上の広告的使用に該当しない。
このように考えると、本件記事における標章「1.5次流通」は、学生向けの求人広告の中において、単なる小売業の業態の説明として用いられるものにすぎず、商標法上の商標的使用とは認められない。
(3)標章「1.5次流通」を使用する役務
仮に、標章「1.5次流通」が商標法上の商標的使用であった場合、取消請求役務は、いわば、「売主と買主との間に入って売買契約の締結等」を行うものであるのに対し、本件記事における標章「1.5次流通」は、読者である学生向けに対する「セレクトショップのインターン募集の記事」において使用されるものであり、それ以外の記載が見つからない。
すなわち、本件記事において、標章「1.5次流通」と、「売主と買主との間に入って売買契約の締結等」との関連性を示す記載はない。
したがって、標章「1.5次流通」と、取消請求役務との関連性を示す記載はないから、本件記事には、標章「1.5次流通」が付されているものの、本件商標の指定役務「売買契約を希望する第三者に対しその媒介又は取次を行う行為」としての使用ではない。
(4)小括
乙第1号証等には、被請求人が、要証期間内に日本国内において本件商標を取消請求役務について使用した事実は記されていない。
(5)結語
上述のとおり、被請求人は、要証期間内に日本国内において本件商標を取消請求役務について使用したとはいえない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と主張し、その要旨を以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
1 本件審判請求が成り立たない理由
(1)本件商標は、要証期間内に日本国内において取消請求役務について使用されているものであるから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。
(2)被請求人による使用の事実
被請求人は、本件商標を用いて、「リサイクル品又は中古品の売買契約の締結の媒介又は取り次ぎ」を行っている。
乙第1号証は、マイナビ社が、インターネット上で提供する「マイナビ2021」で、被請求人が掲載した記事マイナビ「2021 インターンシップパッケージ」(本件記事)である。
本件記事の日付は、「最終更新日:2019/11/15」になっているが、当該掲載記事は、本件審判の請求の登録日である令和元年10月17日(審決注:令和元年11月11日の誤記と認める。)より前から掲載されていたことは以下で証明する。
乙第2号証は、被請求人とマイナビ社の間で成立した2019年5月8日付け「総合参画申込書」の写しであり、被請求人が、同書面に捺印することで契約が成立する。
また、当該書面の「納品予定月」の「2019/10」の記載から、本件記事の掲載が、2019年10月1日より開始されること、その請求額及び請求日が2019年10月31日であり入金予定日が2019年11月30日であることが証明される。
乙第3号証は、乙第2号証に基づいて、マイナビ社が消費税を含めた金額を請求していることを示す2019年10月31日付け「請求書」の写しである。
乙第4号証は、上記請求に従って、被請求人が、消費税を含めた上記金額を支払ったことを示すマイナビ社発行の「領収書」の写しであり、当該証拠にも、「サービス期間:2019/10/01?2020/2/29」と記載があり、本件記事の掲載が本件審判の請求の登録日より前からであることが証明される。
以上を踏まえると、乙第1号証の日付が、本件審判の請求日以降であるとしても、本件商標の使用はそれ以前からであることが示される。
(3)乙第5号証は、上記と同様に、被請求人とマイナビ社の間で成立した「マイナビ2021 プレサイト6月/サマーインターンシップパッケージA」「マイナビ2021 プレサイト6月/先輩情報掲載」に関する「総合参画申込書」の写しであり、乙第6号証は、上記書面に基づいて、消費税を含めた金額を請求していること、乙第7号証は、上記請求書に従って、被請求人が、消費税を含めた上記金額を支払ったことが証明される。
2 結語
上述のとおり、被請求人は、要証期間内に日本国内において本件商標を取消請求役務について使用していたといえる。

第4 当審の判断
1 被請求人は、本件商標を要証期間内に、日本国内において、「リサイクル品又は中古品の売買契約の締結の媒介又は取り次ぎ」(取消請求役務)に使用した旨主張し、乙第1号証ないし乙第7号証を提出している。
(1)被請求人の主張及び提出に係る証拠よれば、被請求人は、2019年5月8日に、納品(掲載)予定月を同年10月としてマイナビ社に本件記事(乙1)に係る掲載の申込みを行い(乙2)、その代金が同年10月31日に請求され(乙3)、同年11月29日に支払われた(乙4)ことが認められることから、本件記事は、同年10月頃から掲載されたものと推認できる。
(2)そして、本件記事(乙1)は、最終更新日を2019年11月15日とする「マイナビ 2021」の表題のウェブサイトであり、その内容は、被請求人の業務に係るインターンシップ希望者を募集するものであって、「<<RINKANのバイヤーって?>>」の表題の下、「RINKANは、1次流通の最新シーズンの新品のアイテムと2次流通のユーズドのアイテムの両方を取り扱う1.5次流通のセレクトショップです。」の記載がある。
(3)また、被請求人は、2019年5月8日付けで、同年6月を納品(掲載)予定月として、マイナビ社に上記と同様の記事掲載の申込みを行ったことがうかがわれ(乙5)、その代金が同年6月30日に請求され(乙6)、同年7月31日に支払われた(乙7)ことが認められるが、これによって、申し込まれたウェブサイトについての提出はない。
2 判断
(1)前記1によれば、被請求人は、2019年5月8日付けでマイナビ社に対し、本件記事の掲載の申込みを行い、当該記事が同年10月頃に掲載されたことが推認できるところ、その掲載時期は、要証期間内であり、また、本件記事中には、本件商標と同じ「1.5次流通」の文字が記載されていることは確認できる。
しかしながら、本件記事は、マイナビ社のウェブサイトにおいて、被請求人の業務に係るインターンシップ希望者を募集するにすぎないものであるから、被請求人に係る業務の広告等とはいえないものであり、また、本件記事における「1.5次流通」の文字は、被請求人の業務内容の説明文中に業務の特徴を記述する語として記載されており、「1.5次流通」の文字部分が、独立して商標として認識されるとはいい難いものである。
したがって、被請求人は、本件商標(社会通念上同一と認められるものを含む。)を取消請求役務に使用したと認めることができない。
(2)小括
上記(1)によれば、被請求人である本件商標権者が、要証期間内に、本件商標(社会通念上同一と認められるものを含む。)を取消請求役務「リサイクル品又は中古品の売買契約の締結の媒介又は取り次ぎ」について、使用したものと認めることができない。
3 むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、要証期間内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件審判の請求に係る指定役務について、登録商標(社会通念上同一の商標を含む。)の使用をしていたことを証明したということはできないし、また、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定役中、結論掲記の役務について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2020-09-09 
結審通知日 2020-09-14 
審決日 2020-09-30 
出願番号 商願2016-1329(T2016-1329) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (W35)
最終処分 成立  
前審関与審査官 馬場 秀敏 
特許庁審判長 木村 一弘
特許庁審判官 中束 としえ
山田 啓之
登録日 2016-08-12 
登録番号 商標登録第5873223号(T5873223) 
商標の称呼 イッテンゴジリューツー、イッテンゴジ 
代理人 下田 一徳 
代理人 辻田 朋子 
代理人 樋口 頼子 
代理人 中川 慶太 

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