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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W03
管理番号 1368211 
審判番号 不服2019-9167 
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-06-19 
確定日 2020-10-16 
事件の表示 商願2018-18192拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「パーフェクト泡洗顔」の文字を横書きしてなり、第3類「泡状の洗顔用せっけん類,泡状の洗顔用化粧品」を指定商品として、平成30年1月31日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標の構成中の「パーフェクト」の文字は、「完璧なこと。完全であること。」を意味する親しまれた外来語であり、「泡」及び「洗顔」の文字は、「あわ。気泡。」及び「顔を洗うこと。」を意味する語である。そして、指定商品を取り扱う業界において、「泡洗顔」について、泡状の洗顔に用いる意味合いで使用され、また、「パーフェクト泡洗顔」の文字も洗顔料に使用されている実情がみられる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用したときには、需要者は、「完璧に仕上げる泡状の洗顔用の商品」等の意味合いを理解するにとどまり、単に商品の品質を誇称して表示する標章のみからなる商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 当審においてした審尋
当審において、審判長は、請求人に対し、令和2年3月11日付けで、別掲に示すとおりの用例を提示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する旨の見解を示した審尋を発し、期間を指定して、これに対する回答を求めた。

4 審尋に対する請求人の回答
請求人は、前記3の審尋に対し、令和2年4月24日付け回答書を提出し、要旨以下のように主張した。
(1)本願商標を構成する各文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で表されており、外観上まとまりよく一体的に表されているものであって、特定の観念を生じさせない一体不可分の請求人による造語である。
(2)「パーフェクト」という言葉は、動詞としては「完成する」等の意味を、形容詞としては「完全な」等の意味を有し、「パーフェクト」という単語のみをもって「洗い上げる?」等の形容詞的な意味は有さない。本願の指定商品の分野における「パーフェクト」という語の用例を見ても、様々な意味合いで用いられている。
(3)楽天市場にて「パーフェクト泡洗顔」を検索すると、指定商品を取扱う市場においての使用例は、請求人と、他1社によるもののみである(2020年4月20日時点)。さらに、検索結果の7割5分以上が出願人の商品である。他1社の商品説明をみても、「汚れを洗い上げる泡状の洗顔用商品」という意味合いではない説明がされている。このことは、他の1社も、「パーフェクト泡洗顔」という造語をたまたま採用したにすぎないといえる。
(4)「パーフェクト泡洗顔」は請求人が考えついた造語であり、商品の品質、内容、用途を特定できるものでもないから、指定商品を取り扱う業界において自他商品識別機能を有するものであり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。

5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「パーフェクト泡洗顔」の文字を横書きしてなるところ、該文字は、片仮名で表された「パーフェクト」の語と、漢字で表された「泡洗顔」の語との組合せからなる結合商標であると容易に看取、理解されるものである。
そして、本願商標の構成中、「泡洗顔」の文字は、辞書類に載録されているものではないが、別掲1に示すとおり、泡状の洗顔用商品であることを表すものとして一般に用いられており、本願の指定商品「泡状の洗顔用せっけん類,泡状の洗顔用化粧品」との関係においては、商品の品質を表したものといえる。
また、「パーフェクト」の文字は、「完璧なこと。完全であること。」(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)の意味を有する語として一般に親しまれているものであるところ、本願の指定商品を取り扱う業界における別掲2の用例を見るに、「パーフェクト」の文字を「ソープ」等の「洗う」機能(品質)を有する商品に冠して使用するときは、「パーフェクト」の文字がそれに続く名詞を修飾し、商品の品質や特長を強調する語として使用され、「完璧に洗うこと」すなわち「洗い上げる」というような意味合いで説明されている実情が見受けられる。
そうすると、本願商標は、本願の指定商品を取り扱う業界における「パーフェクト」及び「泡洗顔」の文字の上記使用状況などを勘案すれば、その指定商品の取引者、需要者によって、「洗い上げる泡状の洗顔用商品」ほどの意味合いを表したものと認識されるにとどまり、これが商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識されることはないというべきである。
したがって、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標を構成する各文字は、同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく一体的に表されているものであって、特定の観念を生じさせない一体不可分の請求人による造語である旨主張する。
しかしながら、「パーフェクト」の文字が片仮名で、「泡洗顔」の文字が漢字で表されていることから、本願商標は、「パーフェクト」と「泡洗顔」との複数の構成部分を組み合わせた結合商標と容易に理解されるところ、上記(1)のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界における各語の使用状況などを勘案すれば、本願商標に接した取引者、需要者は、「洗い上げる泡状の洗顔用商品」ほどの意味合いを表したものと認識するにとどまり、本願商標を、特定の観念を生じさせない一体不可分の造語と認識するということはできない。
イ 請求人は、「パーフェクト」という単語のみをもって「洗い上げる?」等の形容詞的な意味は有さず、本願の指定商品の分野における「パーフェクト」という語の用例を見ても、様々な意味合いで用いられている旨主張する。
しかしながら、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは、辞書上の意味にかかわらず、本願の指定商品の取引者、需要者が、本願商標に接してどのように認識するかが問題となるところ、本願の指定商品を取り扱う業界における「パーフェクト」の文字の使用状況などからみて、当該文字を「洗う」機能(品質)を有する商品に冠して使用するときは、それに接する取引者、需要者は、「パーフェクト」の文字がそれに続く名詞を修飾し、商品の品質や特長を強調する語であると理解、認識すると判断するのが相当である。
ウ 請求人は、楽天市場にて「パーフェクト泡洗顔」を検索すると、請求人と、他1社の使用例しかなく、さらに、7割5分以上の使用例は出願人の商品である旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号に該当する商標であるか否かは、現実の使用の事実が、同号の適用の要件となるものではないから、請求人及び他1社以外に「パーフェクト泡洗顔」の使用例がないとしても、本件の判断が左右されるものではない。
また、「パーフェクト泡洗顔」の文字を請求人が7割5分以上使用しているとしても、それをもって、取引者、需要者が上記(1)のとおり「洗い上げる泡状の洗顔用商品」ほどの意味合いを表したものと認識するにとどまることを否定されるものではない。
したがって、上記請求人による主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 令和2年3月11日付け審尋において示した用例
1 本願の指定商品の分野における「泡洗顔」の文字の用例
(1)「クラランス」のウェブサイトにおいて、「ホワイト-プラス ブライト クレンザー」の見出しの下、「泡(ルビ:ムース)洗顔で、澄んだ、輝き素肌に。」の記載がある。
(https://www.clarins.jp/wp-cleanser-C070400050.html)
(2)「クワトロボタニコ」のウェブサイトにおいて、「ボタニカル フェイスウォッシュ&シェービングフォーム 泡洗顔」の見出しの下、「泡立てずに、いつも濃密泡。多忙な男の頼れる洗顔料。」の記載がある。
(https://www.quattro-botanico.com/onlineshop/facewash_and_shaving_foam/?gclid=EAIaIQobChMItIT4v8nI5QIVTHRgCh3iCAyZEAQYAiABEgJGmvD_BwE)
(3)「山田養蜂場」のウェブサイトにおいて、「蜜みつ泡洗顔」の見出しの下、「『手軽に』『誰でも』『すぐに』ふわふわの泡ができる肌にやさしい洗顔料を追求した泡洗顔商品。」の記載がある。
(https://www.3838.com/cosme/item/32782/?prid=oli_ac_aaf_A27_GS_PLA_32782&sc_cid=oli_ac_aaf_A27_GS_PLA_32782)
(4)「美カンヌ化粧品」のウェブサイトにおいて、「クリーミー泡洗顔」の見出しの下、「肌にやさしい弱酸性で、こだわりの美容成分をたっぷり配合した、泡立て不要の泡状洗顔料。」の記載がある。
(https://bicannes.iforet.jp/awasengan.php)
(5)「SKINFOOD」のウェブサイトにおいて、「ブラックシュガー パーフェクト ムースフォーム 150ml」の見出しの下、「洗うたび、生まれたて濃密ムース泡洗顔」の記載がある。
(https://www.skinfood.co.jp/fs/skin/20027)
(6)「RAFRA」のウェブサイトにおいて、「マシュマロオレンジ150g」の見出しの下、「くすみを落とす炭酸泡洗顔」「泡立て不要で濃密泡」の記載がある。
(https://www.rafra.co.jp/top/detail/asp/detail.asp?gcode=0101250)
(7)「ロート製薬」のウェブサイトにおいて、「肌ラボ 極潤 ヒアルロン泡洗顔」の見出しの下、「『ヒアルロン泡洗顔』はメイクも落とせる泡洗顔料。ポンプを押すだけでメレンゲのような泡が生まれます。」の記載がある。
(https://jp.rohto.com/hadalabo/gokujun-foaming-wash/)
(8)「Hyalu Millefeuille」のウェブサイトにおいて、「HMクレンジング&ウォッシュ」の見出しの下、「メイクも落とせる泡洗顔。美容成分でしなやかな肌へ」の記載がある。
(https://www.aruru.jp/hm013/lp/)
(9)「資生堂」のウェブサイトにおいて、「メイクも落とせる泡洗顔料」の見出しの下、「米ぬかオイル(洗浄成分)配合のミクロ濃密泡がアイメイクもぐんぐん吸収し、さらりと落とす」の記載がある。
(http://www.hada-senka.com/products/all-clear-double-w-form/)
(10)「ユニリーバ」のウェブサイトにおいて、「ダヴ メイクも落とせる泡洗顔料新発売」の見出しの下、「『ダヴメイクも落とせる泡洗顔料』を2013年2月25日(月)より全国新発売いたします。これにより、クレンジングと洗顔を1本で済ませられる2in1製品の既存ユーザが求めている“肌へのやさしさ”や“うるおい”を加えることができないかと、洗浄成分や保湿を考えた、新たなクレンジングを提案いたします。」の記載がある。
(https://www.unilever.co.jp/news/press-releases/2013/dove-makeup-washable-foam-cleanser.html)

2 本願の指定商品の分野における「パーフェクト」の文字の用例
(1)「ロート製薬」のウェブサイトにおいて、「若年男性向けスキンケアブランド『オキシー』から ダントツ爽快!ニキビ予防する泡洗顔 『パーフェクトウォッシュ泡タイプ』リニューアル」の見出しの下、「爽快でスッキリした洗い心地はそのままに、泡の弾力が更にパワーアップしました。・・・1プッシュで簡単にきめ細かい泡を作り、爽快な泡で洗い上げる泡洗顔料で、気持ちいい毎日を応援します。」の記載がある。
(https://www.rohto.co.jp/news/release/2015/0217_01/)
(2)「サントリーウエルネス」のウェブサイトにおいて、「『vitoas ザ パーフェクト ソープ』新発売」の見出しの下、「クレンジングと洗顔の時間をもっと素敵なものにしたいという想いから、素早く泡立ちメイクに吸いつくような濃密泡とグリーンフローラルの香りで“肌と心のリラックス”を追及しました。泡と香りによる使い心地を楽しみながら、メイクや汚れをすっきり落とし、しっとり明るい肌に仕上げます。」の記載がある。
(https://www.suntory.co.jp/news/article/12855.html?rss=0000000029)
(3)「奥阿蘇の宝」のウェブサイトにおいて、「ゴートパーフェクトソープ(山羊のミルク入り石けん)」の見出しの下、「人の母乳に近い成分の山羊ミルクをふんだんに使うことにより肌に優しい洗い上げを実感できるソープとなっています。」の記載がある。
(https://okuasotakara.base.ec/items/8145344)
(4)「ビノワコスメティック ヤフー!ショッピング店」のウェブサイトにおいて、「洗顔石けん ソープ コスメ 毛穴 石鹸 炭 ビノワ パーフェクトクリアソープ 135g wsh YN40203 定形外郵便 送料無料」の見出しの下、「肌に吸い付く“もち泡”で スッキリ洗い上げる」の記載がある。
(https://store.shopping.yahoo.co.jp/benowa-cosme/yn40203.html)
(5)「ビオレ」のウェブサイトにおいて、「Biore パーフェクトオイル」の見出しの下、「キメや毛穴の奥に入り込んだミクロレベルのメイク汚れもすばやく浮かせてすみずみまで落とします。」の記載がある。
(https://www.kao.co.jp/biore/lineup/m_oil/)


審理終結日 2020-08-11 
結審通知日 2020-08-17 
審決日 2020-08-31 
出願番号 商願2018-18192(T2018-18192) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 旦 克昌高野 和行 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 石塚 利恵
大森 友子
商標の称呼 パーフェンクトアワセンガン、パーフェクトアワ、パーフェクト 

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