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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W09
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない W09
審判 査定不服 外観類似 登録しない W09
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W09
管理番号 1368209 
審判番号 不服2018-17007 
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-12-21 
確定日 2020-10-23 
事件の表示 商願2017-128337拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は,「POET ポエット」の文字を標準文字で表してなり,第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成29年1月31日に登録出願された商願2017-8602に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,同年9月26日に登録出願され,その後,指定商品については,当審における同30年12月21日付け手続補正書により,第9類「翻訳業務を支援するためのコンピューターソフトウェア・コンピュータプログラム」と補正されたものである。

第2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして本願の拒絶の理由に引用した登録第4634308号商標(以下「引用商標」という。)は,「POET」の文字を標準文字で表してなり,平成14年2月6日に登録出願,第9類「電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として,同15年1月10日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

第3 当審の判断
1 本願商標
本願商標は,上記第1のとおり,「POET ポエット」の文字を標準文字で表してなるところ,構成中後半の「ポエット」の片仮名部分は,「POET」の欧文字部分の読みを特定したものと無理なく認識できるものであるから,本願商標は,その構成文字に相応して「ポエット」の称呼及び「詩人」(株式会社研究社「新英和中辞典」)の観念が生じるものである。
2 引用商標
引用商標は,「POET」の文字を標準文字で表してなるところ,上記1のとおり「ポエット」の称呼及び「詩人」の観念が生じるものである。
3 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否について検討すると,外観においては,片仮名「ポエット」の有無という差異があるものの,「POET」の文字を共通にすることに加え,いずれも一般的な書体で横書きに表されている点を共通にするため,外観上,相紛らわしいものである。
次に,称呼及び観念については,両者は「ポエット」の称呼及び「詩人」の観念を同一にするものである。
そうすると,本願商標と引用商標とは,外観において相紛らわしいものであり,称呼及び観念を同一にするものであるから,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合的に勘案すれば,両者は互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
4 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
(1)商品の類否
指定商品が類似のものであるかどうかは,商品自体が取引上誤認混同のおそれがあるかどうかにより判定すべきものではなく,それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により,それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあると認められる関係にある場合には,たとえ,商品自体が互いに誤認混同を生ずるおそれがないものであっても,それらの商標は商標法第4条第1項第11号にいう「類似する商品」に当たると解するのが相当であり(最高裁昭和33年(オ)第1104号,昭和36年6月27日第三小法廷判決参照),そのためには,当該商品の生産部門,販売部門,用途,需要者の範囲が一致するかどうかなどを総合的に考察して判断するのが相当である。
(2)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品について
ア 本願商標の指定商品「翻訳業務を支援するためのコンピュータソフトウェア・コンピュータプログラム」(以下「本願商品」という。)は,たとえ,用途が翻訳業務支援に限定されているとしても,別掲(2)イないしエのとおり,実際に業務用の翻訳ソフトウェアは,電子計算機用プログラムのカテゴリーの下で販売されており,本願商品は「電子計算機用プログラム」の範ちゅうに含まれるものであることが認められる。
イ ところで,引用商標の指定商品は,第9類「電子応用機械器具及びその部品」(以下「引用商品」という場合がある。)であるところ,請求人は,「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに「コンピュータ」が入るのは認められるが,コンピュータプログラム等は,「電子応用機械器具」でも「その部品」でもなく,また,本願商品と引用商品とは,用途,需要者の範囲において一致することはない旨主張している。
しかしながら,商標法施行規則別表(第6条関係)には,第9類に属する商品として「十五 電子応用機械器具及びその部品」の中に「(五)電子計算機用プログラム」が記載されており,「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに「電子計算機用プログラム」が含まれることは明らかである。
ウ つぎに,本願商品と引用商品の生産部門,販売部門,用途,需要者の範囲等を比較するに際し,引用商品である「電子応用機械器具及びその部品」は包括概念の表示であるため,例えば,請求人も引用商品の範ちゅうに含まれると認めている「コンピュータ」を具体例として検討する。
別掲(1)及び別掲(2)に示す事実によれば,本願商品を含む「電子計算機用プログラム」と引用商品に含まれる「コンピュータ」は同一企業により製造されており,また,両商品とも,家電量販店やコンピュータ等を専門に扱う販売店のウェブサイトにて販売されていることが認められる。
エ 「電子計算機用プログラム」は一般的に,コンピュータを動作させるためのプログラムとしてコンピュータに内蔵され使用されている。
一方,「コンピュータ」は,ウェブページの閲覧,インターネット上の各種サービスやビジネスアプリケーションの使用,音楽や動画などマルチメディアの利用など多彩な用途に対応するため,さまざまな電子計算機用プログラムが内蔵されており,また,必要に応じて,用途に適した電子計算機用プログラムをコンピュータにインストールすることでさらに機能強化が可能となるものである。
そうすると,「電子計算機用プログラム」と「コンピュータ」とはその用途において,非常に関連性の高い商品といえる。
オ さらに,両商品の需要者は,プログラマー等の専門家はもちろんのこと,これらを利用する国民一般であり,共通にする場合があるというのが相当である。
(3)小括
以上からすると,本願商品と引用商品とは,生産部門,販売部門,用途,を共通にし,また,需要者を共通にする場合があるものであるから,両者は,互いに類似する商品であるといわざるを得ない。
5 まとめ
以上のとおり,本願商標は,引用商標と同一又は類似する商標であって,かつ,本願の指定商品は,引用商標の指定商品と類似するものであるから,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
したがって,本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取り消すことができない。
よって,結論のとおり審決する。
なお,この商標登録出願は,商願2017-8602の分割出願として登録出願されたものであるが,上記原商標登録出願の指定商品又は指定役務についての補正がこの出願と同時になされていないことから,この出願は商標法第10条第1項の規定による商標登録出願とは認められない。
したがって,この商標登録出願は,通常の商標登録出願として,上記のとおり処理した。
別掲 別掲(1)「電子計算機用プログラム」と「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「コンピュータ」が同一営業主により製造(開発)されている実情について
ア 「東芝デジタルソリューションズ株式会社」のウェブサイト中,「製品」の項において,「サーバー」の見出しの下,「産業用コンピュータ GF8000シリーズ」の記載があり,また「情報活用」の見出しの下,「The翻訳エンタープライズ」をクリックすると「業務アプリケーションの『翻訳』でグローバル化を促進」の記載がある。
(https://www.toshiba-sol.co.jp/products/index_j.htm)
イ 「日本マイクロソフト株式会社」のウェブサイトにおいて,「すべてMicrosoft製品」の項をクリックすると,「ソフトウェア」及び「PCとデバイス」などのカテゴリがある。
(https://www.microsoft.com/ja-jp)

別掲(2)「電子計算機用プログラム」と「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「コンピュータ」が同一営業主により販売されている実情について
ア 「NEC LAVIE公式サイト」(NECパーソナルコンピュータ株式会社が運営するショッピングサイト)の「ショッピング」の「お取扱商品」の項に,「PC(製品情報)」,「オプション・周辺機器」,「ソフトウェア」の見出しがあり,当該「ソフトウェア」の見出しをクリックすると「パソコン本来の性能を引き出すセキュリティソフト」の記載がある。
(http://nec-lavie.jp/shop/software/index.html)
イ 「富士通WEB MART(個人のお客様向け)」(運営会社:富士通クライアントコンピューティング株式会社)のウェブサイトにおいて,「デスクトップ」,「ノートパソコン」,「周辺機器・ソフトウェア」等の項があり,当該「周辺機器・ソフトウェア」をクリックすると,「他社製品」の見出しの下,「オフィスソフトウェア」の中に「翻訳」の項目がある。
(http://www.fujitsu-webmart.com/pc/ui2050)
ウ パソコンショップ・通販サイトの「パソコン工房」(運営:株式会社ユニットコム)において,「デスクトップパソコン」,「ノートパソコン」,「ダウンロードソフト」等の項があり,当該「ダウンロードソフト」をクリックすると,「おすすめダウンロードソフト」の見出しの下,翻訳ソフトウェア「コリャ英和!一発翻訳」の記載がある。
(https://www.pc-koubou.jp/download/products/detail.php?product_id=4062)
エ 「ヨドバシ.com」のウェブサイトの「パソコン」のカテゴリに「パソコン・タブレットPC」及び「パソコンソフト」の項があり,「パソコンソフト」をクリックすると,「ビジネスソフト」のカテゴリがあり,その中の「翻訳」をクリックすると,英語,中国語等さまざまな翻訳ソフトウェアが記載されている。
(https://www.yodobashi.com/category/19531/19535/19597/20014/)

審理終結日 2019-10-29 
結審通知日 2019-12-03 
審決日 2019-12-23 
出願番号 商願2017-128337(T2017-128337) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W09)
T 1 8・ 263- Z (W09)
T 1 8・ 261- Z (W09)
T 1 8・ 264- Z (W09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 赤星 直昭 
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 浜岸 愛
平澤 芳行
商標の称呼 ポエットポエット、ポエット 
代理人 鈴木 泰彦 

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