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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W30
審判 査定不服 外観類似 登録しない W30
審判 査定不服 観念類似 登録しない W30
管理番号 1368208 
審判番号 不服2020-5519 
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-04-23 
確定日 2020-10-15 
事件の表示 商願2019-103720拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなるものであり,第30類「茶,ウーロン茶,紅茶,昆布茶,麦茶,緑茶,アイスティー,カモミールを主原料とする茶飲料,代用茶として使用される花又は葉,茶飲料」を指定商品として,令和元年7月31日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下の2件(以下,これらをまとめて「引用商標」という。)であり,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4377858号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおり,「SKK」の欧文字を横書きしてなり,平成11年3月19日登録出願,第30類「茶」を含む商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同12年4月21日に設定登録されたものである。
(2)登録第5194400号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲3のとおり,「SKK」の欧文字を横書きしてなり,平成20年6月19日登録出願,第30類「茶」を含む商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同21年1月9日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり,「skk」の文字をややデザイン化した書体で表した(「s」の文字は「kk」の文字の高さの3分の1ほど下方に配置)文字部分と,「s」の文字の背後から「kk」の文字の下方にかけて帯状の図形部分とを組み合わせた結合商標である。
そして,文字部分は,本願商標の構成中において,非常に大きく目立つように表されていることから,視覚上看者に強い印象を与えるということができ,請求人も認めているように,「skk」の文字により構成されているものであるから,構成文字に相応して,「エスケイケイ」の称呼を生じる。また,当該文字部分は,一般的な辞書に掲載がないうえに,直ちに特定の意味合いを有する語として知られているものでもないから,特定の意味合いを理解させない一種の造語と認識されるものというのが相当であって,特定の観念を生ずるものではない。
一方,図形部分は,帯状ではあるものの,写実的に表した図形であるなどといった特段の事情は認められないことから,これより直ちに何らかの形状,模様を表したものと認識されるものではなく,また,特定の意味合いを表すものとして認識されているというべき事情は見いだせないものであるから,これよりは,特定の称呼及び観念を生じないものとみるのが相当である。
そうすると,文字部分と図形部分は特定の観念が生じないものであるから,両部分に観念上の繋がりはなく,また,他に,両部分を常に一体不可分のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情は見いだせない。
してみれば,本願商標は,その構成中の文字部分と図形部分とを分離して観察することが,取引上,不自然と思われるほど不可分的に結合しているものとはいえず,さらに,その構成中の「skk」の文字部分は,顕著に大きく表示されて看者の注意を引きやすいうえに,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないとみるべき事情はないことからすれば,当該文字部分が取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができ,当該文字部分を要部の一として抽出し,引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって,本願商標は,その文字部分である「skk」の文字から,「エスケイケイ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は,いずれも「SKK」の欧文字を横書きした構成からなるところ,その構成文字に相応し「エスケイケイ」の称呼を生じる。また,上記(1)と同様に,特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否について検討すると,いずれも「エスケイケイ」の称呼を生じるものであるから,称呼において共通し,さらに,両商標は,特定の観念を生じることのないものであるから,観念において比較することはできない。
また,外観においては,その全体の構成において異なるものの,本願商標の要部である「skk」の欧文字部分と引用商標の「SKK」の欧文字部分とは,そのつづりを共通にすることから,両商標は互いに似通った印象を与えるものである。
してみれば,本願商標と引用商標とは,観念において比較することができないとしても,称呼において共通するものであり,かつ,外観においても似通った印象を与えるものであるから,これらを総合勘案すれば,互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品中の「茶」と同一又は類似の商品である。
(5)小括
よって,本願商標は引用商標と類似する商標であり,かつ,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当すると判断するのが相当である。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は,文字部分が極めて特徴的なデザインの文字で構成されていること,及び,文字間の段差を埋めるように波状模様が描かれていることから,本願商標は,引用商標とは大きく異なる印象を受けるものである旨主張している。
しかしながら,上記(3)のとおり,本願商標と引用商標とは,称呼において共通し,観念において比較することはできず,外観において,本願商標の要部と引用商標とは,文字のつづりを共通にするものであるから,互いに似通った印象を与えるものであり,そして,商標の類否においては,外観,称呼及び観念等を総合的に勘案して決すべきとされている(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決)ところ,本願商標と引用商標とは,それらを総合勘案すると互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。そうすると,本願商標の構成中の文字部分のデザイン化や図形の有無が,両者の類否において大きく異なる印象を与えるとはいえず,これらの点が,上記判断に影響を及ぼすことはないといわなければならない。
したがって,請求人の主張は認められない。
イ 請求人は,本願商標の構成中に「波状模様」が配されていることから,本願商標からは「波」という観念が生ずる旨主張している。
しかしながら,当該図形部分は,上記(1)のとおり,これより直ちに何らかの形状,模様を表したものと認識されるものではなく,特定の観念を生じない図形とみるのが相当である。なお,仮に,当該図形部分から「波」の観念が生じたとしても,上記(1)のとおり,図形部分と文字部分とを常に一体不可分のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情は見いだせず,本願商標の文字部分を要部の一として抽出し,これと,引用商標を比較して商標の類否を判断することも許されるというべきであるから本願商標と引用商標とが類似することに何らかわりはなく,これによって上記の判断が左右されることはないといわなければならない。
したがって,請求人の主張は認められない。
ウ 請求人は,過去の登録例を挙げて,本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張している。
しかしながら,挙げられた登録例は,本願商標とは,その構成及び態様等が異なり,事案を異にするものであり,かつ,具体的事案の判断においては,過去の審決例や登録例に拘束されることなく判断されるべきであるから,これらの事例の存在が上記の判断を左右するものではない。
したがって,請求人の主張は認められない。
(7)まとめ
以上のとおり,本願商標は引用商標と類似する商標であり,かつ,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当するため,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲
(別掲)
1(本願商標)


2 (引用商標1)


3 (引用商標2)




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審理終結日 2020-08-12 
結審通知日 2020-08-14 
審決日 2020-08-25 
出願番号 商願2019-103720(T2019-103720) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (W30)
T 1 8・ 261- Z (W30)
T 1 8・ 262- Z (W30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松浦 裕紀子 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 藤村 浩二
大森 友子
商標の称呼 エスケイケイ 
代理人 藤井 重男 

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