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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z32
管理番号 1368201 
審判番号 取消2018-300922 
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-12-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2018-12-11 
確定日 2020-10-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第4409421号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第4409421号商標の指定商品中,第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール」についての商標登録を取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4409421号商標(以下「本件商標」という。)は,「レメディ」の文字を標準文字で表してなり,平成11年9月27日に登録出願,第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として,同12年8月18日に設定登録がされたものである。
そして,本件審判の請求の登録は,平成30年12月25日にされている。
以下,本件審判の請求の登録前3年以内の期間(平成27年12月25日ないし同30年12月24日)を「要証期間」という場合がある。

2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は,その指定商品である第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール」について,継続して3年以上日本国内において使用した事実が存在しないから,商標法第50条第1項の規定によって取り消されるべきものである。
(2)弁駁の理由
ア 被請求人が,本件商標の指定商品についての使用の事実を立証していないこと
(ア)乙第2号証及び乙第3号証について
乙第2号証には「2011.11.12修正」とあるのみで,答弁書によれば,当該ラベルが平成25年(2013年)4月以降は乙第3号証のラベルの記載に修正されたとのことであるから,当該ラベルは要証期間内には使用されていないこととなる。
そして,乙第3号証はラベルの原稿とみられ,また「2014.02.18更新」とあるのみで,要証期間内に当該ラベルが使用された事実を示すものではない。
(イ)乙第5号証について
乙第5号証は,作成年月日が不明であり,要証期間内に当該リーフレットが作成され頒布等されたことを示すものではない。
(ウ)乙第6号証について
乙第6号証は,社内資料であるところ,商標法第50条第2項の「使用」とは広く一般需要者が入手できる可能性のある流通性を備えた態様での商標の使用を指す。したがって,乙第6号証において「レメディー」の表示がされているとしても,乙第6号証は社内資料として流通性を持たないものであるから,本件商標の使用には当たらない。
(エ)乙第7号証及び乙第8号証
乙第7号証及び乙第8号証は,「ほめ補酵素」等の商品が販売されたことを示すのみで,他の乙号証と併せても,要証期間内に本件商標が使用された事実を示すものではない。
(オ)以上のとおり,各乙号証は要証期間内に本件商標が使用されたことを示すものではないが,さらに,乙第1号証ないし乙第3号証,乙第5号証及び乙第6号証中には「レメディー」の表示があるものの,これらの表示は,指定商品との関係を考慮すると,本件商標の使用には該当しない。
商品のラベル等に商標が表示されていても,それが商品の品質表示や商品の原材料表示等として認識されるような場合には,当該登録商標を使用しているということはできない。
乙第2号証,乙第3号証,乙第5号証及び乙第6号証においては,「レメディー」の語は「ほめ補酵素」に入れられている原材料を示すものとして用いられている。すなわち,「ほめ補酵素」自体は清涼飲料,果実飲料又は飲料用野菜ジュースに含まれると考えられ,形式的には商品ラベルに本件商標と社会的に同一の商標である「レメディー」との表記があるとしても,当該表記は商品の原材料等を記述的に表示したものと認識されるにすぎない。
イ 結語
よって,各乙号証は,要証期間内に本件商標が使用された事実を示すものではない。さらに,乙第1号証ないし乙第3号証,乙第5号証及び乙第6号証における「レメディー」の表示は,本件商標の指定商品の商品名等を示すものとは認識されず,当該表示は指定商品との具体的関係において,被請求人の商品の出所を示す態様での商標の使用には当たらないため,本件商標の指定商品について使用されているとはいえない。
以上より,被請求人は,被請求人が本件審判請求に係る指定商品について,本件商標を使用した事実を立証していない。

3 被請求人の主張
被請求人は,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。
(1)被請求人の販売商品「ほめ補酵素」は,2011年から販売している。ホメオパシージャパンホームページ上で公開し(乙1),「ほめ補酵素」(紙箱)ケース(2011.11.12修正)には,「ほめ補酵素は,・・・レメディーが入った健康清涼飲料です。」のラベルを貼っている(乙2)。現在,「ほめ補酵素」(紙箱)ケース(2013.04.10改定)には,「ほめ補酵素は・・・とミネラルレメディーを加えた健康維持に毎日飲める補酵素ドリンクです」のラベルを貼っている(乙3)。
このような被請求人の販売商品の表記では,登録商標を使用した事実が存在しないかのような誤解を持たれる可能性があった。しかし,これには以下の背景がある。
ア レメディー(粒状砂糖食品)とは,ホメオパシーで使う薬(砂糖玉)である。ホメオパシー(同種療法)とは,『その病気や症状を引き起こすものが,その病気や症状を取り去るものになる。同種の法則』と訳されている。レメディー(Remedy)を使って,その病気や症状を治すことができるという原理である。インドでは伝統医学であり,他国でも医療として利用されている。
イ 被請求人が登録商標「レメディー」を商品に表記することで,レメディー(Remedy)が機能しているかのような誤解を招くことがないように表記する義務があると思っていた。そのため,主に以下の理由でレメディーを商標登録した。
(ア)登録商標の権利範囲内の使用で訴えられることを防止できること
商標を特許庁へ申請手続した人が権利者の地位を得る制度がほとんどの国で採択されているため,被請求人はレメディーを商標登録した。被請求人商品にレメディー(Remedy)表示ができなくなるリスクを避けるためである。日本国内でレメディー表示は他団体もされている。被請求人は他団体の使用や表示を制限する考えはない。
(イ)レメディーは希釈されているため,成分の表示には記載できない。したがって,丁寧に商品を説明する理由があったので,商品ラベルに次のように記載した。2011年に日本国内でもホメオパシーバッシングが激しくなり,被請求人は経営危機に直面するようなことを経験したからである。
(2)ほめ補酵素は,被請求人グループ日本豊受自然農株式会社に,製造販売を譲渡している。主に豊受オーガニクスショッピングモールのホームページで販売されている。また,ほめ補酵素はOEM商品である。直近3年間の仕入,販売,明細を抜粋した。
日本国内の背景にある事情の上で,登録商標「レメディー」を取扱う商標権者の使用事実経緯が存在している。

4 当審の判断
(1)被請求人提出の乙各号証によれば,以下のとおりである。
ア 本件商標権者のウェブサイト(2019年2月8日付,乙1)には,「日本の伝統技法を活かした ほめ補酵素」の見出しの下,「Nature KISS@でも人気の『ほめ補酵素』は,乳酸菌生成物を生かした飲料で,一般に『酵素ジュース』といわれる飲み物です。この乳酸菌発酵技術というのは日本が誇る技術で,さらに『ほめ補酵素』は世界中から選りすぐった優秀な乳酸菌を使い,3年間の長期熟成をしています。補酵素ジュースでとてもよい発酵状態となる3年間という長期熟成をしており,また,『ほめ補酵素』の原料にも穀類,野菜,山野草,果実,海藻,きのこ類など自然にこだわったものが使われています。70種類以上もの原材料からつくられる酵素ジュースは珍しいものです。」と記載されている。
イ 商品ラベル・ケースラベル(2011.11.12改定(修正),乙2)には,正面に「日本謹製 ほめ補酵素 ホメオパシージャパン 720ml」,右側面に「ほめ補酵素は,日本の有機農法で育てた植物を中心に,丁寧に黒砂糖で抽出したエキスをゆっくり時間をかけて発酵させ,自然農園で生まれたマザーチンクチャー洞爺Jとレメディーが入った健康清涼飲料です。」,左側面に「販売者:ホメオパシージャパン株式会社」が記載されている。
ウ 商品ケースラベル(2013.04.10改定,乙3)には,正面に「三年熟成酵素 ほめ補酵素 日本豊受自然農 720ml」,右側面に「ほめ補酵素は野菜や果物など70種類以上の原料を黒砂糖で抽出,三年の月日をかけ,じっくり発酵・熟成を繰り返してできた原液に豊受自然農園洞爺産韃靼そば(ファゴファイラム),ヘンルータ(ルータ),トウキンセンカ(カレンデュラ)のハーブエキスとミネラルレメディーを加えた健康維持に毎日飲める補酵素ドリンクです。」,左側面に「販売者:農業生産法人 日本豊受自然農株式会社HE」が記載されている。
エ 「豊受オーガニクスショップ」のウェブサイト(2019年2月8日付,乙4)には,「ほめ補酵素」の商品説明として,「ほめ補酵素は,農薬,化学肥料を使わない自然農法で育てた野菜や果物などを中心に75種類の原料を黒砂糖で抽出,豊受自然農園洞爺産ファゴファイラム(韃靼そば),ルータ,カレンデュラ(トウキンセイカ)のハーブエキスを加え,三年の時をかけて発酵・熟成を繰り返してできた,毎日飲める補酵素ドリンクです。」と記載されている。
オ 「豊受リーフレット」(乙5)には,「ほめ補酵素」の商品説明として「お腹から健康美人/プチ・ファスティングにも最適!」の見出しの下,「野菜や果物など70種類以上の原料を黒砂糖で抽出,三年の月日をかけ,じっくり発酵・熟成を繰り返してできた原液に豊受自然農園洞爺産 韃靼そば(ファゴファイラム),ヘンルータ(ルータ),トウキンセンカ(カレンデュラ)のハーブエキスとミネラルレメディーを加えた健康維持に毎日飲める補酵素ドリンクです。」と記載されている。
カ 本件商標権者の社内資料(乙6)には,「ほめ補酵素」の商品写真と商品説明として「野菜や果物など70種類以上の原料を黒砂糖で抽出。三年の月日をかけ,じっくり発酵・熟成を繰り返してできた原液にダッタンソバ(ファゴファイラム),ヘンルータ(ルータ),トウキンセンカ(カレンデュラ)のハーブエキスとミネラルレメディーを加えました。健康維持を目的とした,毎日お飲みいただける補酵素ドリンクです。」と記載されている。
キ 請求明細書(乙7)は,平成28年9月30日,同29年7月31日,同30年9月30日締切分として,日本豊受自然農株式会社が,「ほめ補酵素」の代金を請求されたものである。
当該請求明細書は,請求人,数量,個数,金額等が消されていることから,誰からの請求明細書であるのか不明である。また,仕分伝票,納品書(乙8)も販売者が日本豊受自然農株式会社であり,「ほめ補酵素」が販売されていることはうかがえるが,注文者は消されていることから,販売先等の詳細な内容は不明である。
(2)上記(1)によれば,以下の事実が認められる。
被請求人は,「ほめ補酵素」の製造,販売を行う会社であり,「ほめ補酵素」は,被請求人が取り扱う酵素ジュース(以下「使用商品」という。)であって,日本豊受自然農株式会社を通じて販売しているものと推認することができる。
しかしながら,商品ラベル・ケースラベル(乙2)には,「健康清涼飲料」と記載され,商品ケースラベル(乙3),「豊受オーガニクスショップ」のウェブサイト(乙4),「豊受リーフレット」(乙5)及び本件商標権者の社内資料(乙6)には,「補酵素ドリンク」と記載されているため,上記「酵素ジュース」はどのような商品であるのかが明らかにされていないことから,本件審判の取消請求に係る指定商品中のいずれに使用しているものか,具体的な使用商品は不明である。
そして,乙第2号証ないし乙第5号証からは,使用商品の販売時期は不明であるし,乙第4号証は,どのような広告宣伝を行ったものか,その頒布時期,頒布枚数,頒布場所等実際に使用商品が流通したものか明らかでない。
さらに,請求明細書(乙7)及び仕分伝票,納品書(乙8)からは,日本豊受自然農株式会社が「ほめ補酵素」を販売していることはうかがえるとしても,誰からの譲渡か,誰に販売したものかは明らかではない。
(3)判断
ア 使用標章について
商品ラベル・ケースラベル(乙2,乙3),豊受リーフレット(乙5)及び本件商標権者の社内資料(乙6)に記載された「レメディ」(以下「使用標章」という場合がある。)の表示は,使用商品を製造する際に「レメディ」あるいは「ミネラルレメディ」を使用しているということを示したものであり,使用商品についての商標というより,「レメディ」あるいは「ミネラルレメディ」なるものを原材料に使用した商品を意味するものと理解され,使用商品について自他商品の識別標識としての機能を発揮する態様で使用されるということはできない。
イ 本件商標と使用標章の社会通念上の同一性について
本件商標は「レメディ」の文字を標準文字で表してなるものであるところ,使用商品に使用されている「レメディ」の文字は,使用商品の原材料を指称するものと理解されるから,使用標章は本件商標と社会通念上同一の商標とは認められない。
ウ 使用商品について
被請求人は,使用商品を「酵素ジュース」,「健康清涼飲料」及び「補酵素ドリンク」と説明しているのみであり,本件審判の取消請求に係る商品「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール」の範ちゅうに含まれる商品であるのかを明らかにしていない。
したがって,使用商品が請求に係る指定商品として取引された事実は証明されていない。
エ 使用時期について
商品ラベル・ケースラベル(乙2,乙3)の日付は要証期間外であり,豊受リーフレット(乙5)及び本件商標権者の社内資料(乙6)は作成日が不明であるから,要証期間内に本件商標を使用した事実を証明する証拠とは認められない。
オ 使用者について
日本豊受自然農株式会社が「ほめ補酵素」を販売していることはうかがえるとしても,乙第7号証及び乙第8号証に記載された「ほめ補酵素」が被請求人から譲渡されたものであるか明らかでないから,当該社を本件商標の通常使用権者と認めることはできない。
したがって,本件商標の商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが使用した事実は証明されていない。
カ 小活
以上によれば,本件商標権者が要証期間内に日本国内において,本件商標と社会通念上同一の商標を使用したものとは認められず,かつ,使用商品は,その請求に係る指定商品のいずれかに該当するものということはできない。
その他,本件商標が要証期間内に請求に係る指定商品について使用されていることを認めるに足りる証拠はない。
(4)まとめ
以上のとおり,被請求人は,要証期間内に日本国内において,商標権者,専用使用権者及び通常使用権者のいずれかが,その請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標を使用していた事実を証明したものとは認められない。
また,被請求人は,本件商標を請求に係る指定商品に使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2020-08-13 
結審通知日 2020-08-18 
審決日 2020-09-01 
出願番号 商願平11-87005 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Z32)
最終処分 成立  
特許庁審判長 佐藤 松江
特許庁審判官 半田 正人
平澤 芳行
登録日 2000-08-18 
登録番号 商標登録第4409421号(T4409421) 
商標の称呼 レメディ 
代理人 窪田 英一郎 
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