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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W42
審判 一部申立て  登録を維持 W42
審判 一部申立て  登録を維持 W42
審判 一部申立て  登録を維持 W42
管理番号 1367165 
異議申立番号 異議2020-900073 
総通号数 251 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-11-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-03-09 
確定日 2020-09-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第6204670号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6204670号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6204670号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成30年11月26日に登録出願,別掲2のとおりの第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として,令和元年10月30日に登録査定,同年12月6日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとして引用する登録第5636494号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲3のとおりの構成よりなり,平成25年5月10日に登録出願,第9類「電子応用機械器具及びその部品」を含む第9類に属する商標登録原簿に記載の商品並びに第42類「建築家・インテリアデザイナー・土木技師・建設管理者・CADデザイナー・マルチメディアマニピュレーター・試作品製作者・グラフィックス専門家が使用するクラウドコンピューティングの形態によって行われるコンピュータソフトウェアの提供,CAD用のコンピュータソフトウェアの提供,プロジェクト管理に用いるコンピュータソフトウェアの提供,登録されたユーザーが自分のコンテンツや画像をオンラインで公開・共有するためのオンラインコミュニティの構築に用いるコンピュータソフトウェアの提供,デジタルコンテンツ・モデル・デザインからユーザーが独自のものを創作・公開・変更・共有・製作することのできる技術を特徴とする安全な電子オンラインシステム用のコンピュータソフトウェアの提供,ウェブサイトにおけるユーザーが自分の家のレイアウト・三次元物体・建設プロジェクトを設計することができる技術を特徴とするコンピュータソフトウェアの提供,ウェブサイトにおける画像編集・シミュレーション・視覚化・レンダリング・データ管理・建設プロジェクト・家の設計・物体の設計・コンピュータグラフィックス用のツールのためのダウンロードできないコンピュータソフトウェアの一時的利用の提供,コンピュータ支援設計用のコンピュータソフトウェアの提供に関する情報の提供,インターネットにおけるサーバーの記憶領域の貸与,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,ウェブサイトの作成又は保守,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,デザインの考案,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,製図用具の貸与」及び第41類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定商品及び指定役務として,同25年12月13日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,その指定役務中,第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計及びこれに関する指導・助言・情報の提供,デザインの考案(広告に関するものを除く。)及びこれに関する指導・助言・情報の提供,コンピュータプログラムの設計・開発・作成又は保守及びこれに関する指導・助言・情報の提供,委託によるコンピュータプログラムの設計・開発・作成又は保守及びこれに関する指導・助言・情報の提供,コンピュータプログラムの設計・開発・作成又は保守の媒介又は取次ぎ及びこれに関する指導・助言・情報の提供,ウェブサイトの設計・作成又は保守及びこれに関する指導・助言・情報の提供,委託によるウェブサイトの設計・作成又は保守及びこれに関する指導・助言・情報の提供,ウェブサイトの設計・作成又は保守の媒介又は取次ぎ及びこれに関する指導・助言・情報の提供,コンピューターデーターベース・コンピュータープログラムへのアクセスタイムの賃貸及びこれに関する指導・助言・情報の提供,インターネットへのアクセスタイムの賃貸及びこれに関する指導・助言・情報の提供,インターネットにおける電子掲示板へのアクセスタイムの賃貸及びこれに関する指導・助言・情報の提供,インターネットにおけるチャットルームへのアクセスタイムの賃貸及びこれに関する指導・助言・情報の提供,サーバの記憶領域の貸与及びこれに関する指導・助言・情報の提供,電子データの保存用記憶領域の貸与(オンラインを用いた電子データの保存用記憶領域の貸与を含む。)及びこれに関する指導・助言・情報の提供,コンピュータシステムの貸与及びこれに関する指導・助言・情報の提供,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与及びこれに関する指導・助言・情報の提供,コンピュータプログラムの貸与及びこれに関する指導・助言・情報の提供,インターネットにおける検索エンジンの提供及びこれに関する指導・助言・情報の提供,通信を用いて行う携帯電話機用のコンピュータプログラムの提供及びこれに関する指導・助言・情報の提供,コンピュータプログラムの提供及びこれに関する指導・助言・情報の提供,製図用具の貸与及びこれに関する指導・助言・情報の提供」(以下「11号申立役務」という。)について,商標法第4条第1項第11号に該当し,11号申立役務及び「建築又は都市計画に関する研究及びこれに関する指導・助言・情報の提供,建築物の設計及びこれに関する指導・助言・情報の提供」(以下「15号申立役務」という。)について同項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は,図形(以下「図形部分」という。)と「CM STUDIO」の文字(以下「文字部分」という。)を,横一連に配した構成よりなるところ,図形部分と文字部分との間には,半角程度の余白が設けられており,視覚上,分離して認識されるものである。
図形部分は,帯状の3つの辺から構成されており,この図形は,向かって左側の辺に三角形状の余白(切り欠き)が設けられ,各辺の色彩や濃淡と相まって,あたかも1本の帯を折り曲げて三角形が形成されているかのような外観を有する。
また,向かって左上の角から下側と右側に延びる2辺は緑色系,残りの1辺は青色系の色彩で着色されている。
一方,文字部分は,ゴシック調の「CM STUDIO」であるところ,この文字構成からは具体的な意味合いが直ちに生じず,少なくとも図形部分との観念上の関連性は見いだせない。また,これらの文字からは「シーエムスタジオ」の自然な称呼が生じるが,かかる称呼においても,図形部分との関連性は存しない。
そうすると,図形部分と文字部分は,両者が一体として融合した構成態様からなるものではなく,視覚上分離して認識されるものであり,また,これらが一体となって特定の観念や称呼を生じるものでもなく,さらに,本件商標において図形部分と文字部分を常に一体不可分のものとしてのみ把握しなければならない特段の事由も存しないから,本件商標は,図形部分と文字部分とが,それぞれ独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすものである。
イ 引用商標
引用商標は,帯状の3つの辺から構成された図形であり,底辺に三角形状の余白(切り欠き)が設けられ,各辺の色彩や濃淡と相まって,あたかも1本の帯を折り曲げて三角形が形成されているかのような外観を有する。また,底辺及び向かって左側の辺は緑色系,右側の辺は青色系の色彩で着色されている。
引用商標からは,特定の観念や称呼は直ちには生じない。
ウ 本件商標の図形部分と引用商標との対比
本件商標の図形部分と引用商標は,いずれも,全体が,1本の帯を折り曲げて三角形が形成されているかのような図形で,かつ,2辺が緑色系,1辺が青色系の色彩を有するとの構成上の特徴を有する。
両図形は,詳細に観察すれば異なる点があるものの,全体としては,これらの特徴が看者に強く印象づけられるものであり,図形の角度を違えた点以外は,構成上の特徴を共通にし,これらの特徴はそれぞれの図形における構成上の支配的な特徴であるから,両図形は,構成の軌を一にする。
したがって,本件商標の図形部分と引用商標は全体として似通った印象を看者に強く与えるものであり,外観上,相紛らわしいものである。また,本件商標の図形部分と引用商標は,ともに特定の観念及び称呼を生じるものではないから,観念及び称呼は,比較することができない。
以上から,本件商標と引用商標は,需要者に与える印象,記憶,連想等が,全体が1本の帯を折り曲げて三角形が形成されているかのような図形で,かつ,2辺が緑色系,1辺が青色系の色彩を有するという点において外観を共通にするものであるから,本件商標と引用商標を同一又は類似の商品に使用した場合は,需要者がその出所について混同を生ずるおそれがある。この点は,時と場所を異にする離隔的観察によるときは,より一層顕著かつ明らかである。
よって,本件商標は,過去の事例(甲3?甲5)を参考にしても,引用商標に類似する商標である。
エ 本件商標の指定役務と引用商標の指定商品又は指定役務
本件商標の指定役務中の11号申立役務は,引用商標の第42類の指定役務と類似し,また,11号申立役務のうち「通信を用いて行う携帯電話機用のコンピュータプログラムの提供及びこれに関する指導・助言・情報の提供,コンピュータプログラムの提供及びこれに関する指導・助言・情報の提供」は,引用商標の指定商品「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「電子計算機用プログラム」と類似する。
オ 小括
以上から明らかなとおり,本件商標の図形部分と引用商標は,構成上の支配的な特徴を共通にするものであって構成の軌を一にし,両商標を時と処を異にして離隔的に観察したときは需要者がその出所について混同を生ずるおそれがあることは明らかであり,また,両商標は,指定役務(指定商品)も互いに類似する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 上記(1)のとおり,本件商標は,引用商標と類似する。
イ 申立人は,1982年(昭和57年)に米国で設立され,2020年(令和2年)現在,社員数が約10300名,2020年(令和2年)1月期の売上高が32億743万ドル(USD1=¥106の場合,3399億8758万円)である(甲6)。
引用商標は,申立人のハウスマークであり,申立人は,世界各国でその保護を図っており,日本国内においても,引用商標のみならず商標登録第5698122号(甲7),国際登録第1427627号(甲8)を保有しつつ当該ハウスマークの保護を図っている。引用商標は申立人の事業のあらゆる場面で使用されるものであり(甲9),2020年(令和2年)1月期の上記売上高も当該ハウスマークの使用が強く反映されている。
申立人は日本法人(オートデスク株式会社)も有し,日本国内においては同法人をも通じて引用商標を広く使用しており(甲6),引用商標は外国のみならず日本国内において上記2の商品及び役務の分野において知られているものである。
また,引用商標は,上記(1)イのとおり,構成上顕著な特徴を有する商標であり,ありふれていたり,容易に選択されたりするものでもない。
ウ 本件商標と引用商標が使用される商品又は役務は上記1及び2のとおりであるから,その事業は共通する。
エ 本件商標の指定役務のうち,「建築又は都市計画に関する研究及びこれに関する指導・助言・情報の提供,建築物の設計及びこれに関する指導・助言・情報の提供」については,引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似ではない。
しかし,周知のとおり「建築又は都市計画に関する研究」や「建築物の設計」を行う建築士,シティープランナー(都市設計家),エンジニア等は,建築,土木インフラなどの研究や設計において,そのアイディアをコンピュータでデザイン・設計,可視化,シミュレーションすることが不可欠である。これらの役務の提供においてはコンピュータプログラム・ソフトウェア,特に3D技術を用いたものが使用されており,本件商標の指定役務「建築又は都市計画に関する研究及びこれに関する指導・助言・情報の提供,建築物の設計及びこれに関する指導・助言・情報の提供」は,引用商標の「建築家・インテリアデザイナー・土木技師・建設管理者・CADデザイナー・マルチメディアマニピュレーター・試作品製作者・グラフィックス専門家が使用するクラウドコンピューティングの形態によって行われるコンピュータソフトウェアの提供」その他の役務と類似しないとしても,関連性が認められる。
申立人の提供する商品又は役務においても,世界的に有名なCADソフトウェアとなった1982年(昭和57年)発売の「AutoCAD」以来,3DCGソフトウェアを始めとして,プロジェクト管理ソフトウェア,合成編集フィニッシングソフトウェア等は,建築,土木インフラなどの分野で広く活用されている(甲10)。
オ 本件商標と引用商標の指定役務は,上記1及び2のとおりであるから,その需要者は共通する。
カ 以上を総合勘案すれば,本件商標を15号申立役務に使用するときは,これに接する需要者は,申立人の業務に係る役務であると認識するか,あるいは,たとえそのように認識しなくても申立人の関連組織の業務に係る役務であると誤認する。
よって,本件商標は,引用商標との関係で役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものである。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は,別掲1のとおり,構成の左側に,色彩の異なるグラデーションが施された右向き三角図形(三角図形を構成する左側の一辺に切り欠きがある。以下同じ。)とその図形の右に「CM STUDIO」の欧文字を横一列に配した構成からなるところ,本件商標の図形部分(以下「本件図形部分」という。)は文字部分との間に空白を有しており,また,本件図形部分は色彩が施されているのに対し,文字部分は黒色で書されていること等から,本件商標は,本件図形部分と文字部分とに視覚上分離して看取されるものである。
また,本件図形部分及び「CM STUDIO」の文字部分は,これらが一連一体のものとして,何らかの特定の意味合いを看取させるものではない。
さらに,これらが,本件商標の指定役務との関係において,役務の質等を表記したものと判断しなければならない特別の事情はないことから,本件図形部分と文字部分は,それぞれが独立して自他役務識別標識としての機能を果たすものといえる。
そして,本件図形部分は,需要者の間に広く知られている等の理由により,特定の称呼及び観念が生ずると判断するべき特別な事情を有さないことから,本件図形部分からは,特定の称呼及び観念が生じないものである。
そうすると,本件商標は,その構成文字に相応した「シーエムスタジオ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は,別掲3のとおりの構成よりなる図形であり,当該図形は,表は青色,裏は緑色を基調とした帯を頂点に丸みを帯びるように三角形状に折り返し欧文字「A」を造形するようにデザインされており,当該図形の底辺部分は,右斜め上にはねるように形成され,かつ,底辺部分には,切り欠きを有するものである。
そして,引用商標は,上記のような特徴を有するものであるところ,引用商標の指定商品又は指定役務との関係において,商品の品質や役務の質等を表記したものと判断しなければならない特別の事情はなく,また,当該図形が,需要者の間に広く知られている等の理由により,特定の称呼及び観念が生じると判断するべき特別な事情を有さないものである。
したがって,引用商標は,特定の称呼及び観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標との類否を検討すると,両商標は,その構成全体において,文字部分の有無や構成態様において明確な差異を有するものであるから,外観上,相紛れるおそれのないものである。
それに加えて,本件図形部分と引用商標とを比較しても,両者は,共に,三角形状の図形であり,いずれも,グラデーションが施されている点において共通しているとしても,(ア)本件図形部分の三角形状の角はいずれも角張っていて平面的な視覚的印象を与えるものであるのに対し,引用商標の折り返された頂点と左下の角は丸みを帯びていて,かつ,色彩のグラデーションにより折り返された部分に影が生じているように見えるため,1枚の帯から構成されているような立体的な視覚的印象を与えること,(イ)本件図形部分の切り欠きは,左側の辺にあるのに対し,引用商標の切り欠きは,底辺にあり,切り欠きの場所が異なること,(ウ)上記グラデーションのほか,本件図形部分には,黄色系のグラデーションが施されているのに対し,引用商標は,青緑色系のグラデーションが施されていること,(エ)両者の向きが異なること,などの構成上,明らかな差異を有するものである。
そうすると,これらの差異が両者の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きく,両者を離隔的に観察しても,これらは,類似しないものである。
そして,称呼及び観念については,本件図形部分と引用商標は,特定の称呼及び観念は生じないことから,比較することができない。
そうすると,本件図形部分と引用商標は,称呼及び観念においては比較することができず,外観において明確に区別できるから,これらを総合的に考察すると,両者は相紛れるおそれのないものである。
以上のとおり,本件商標と引用商標とは,構成全体において明確な差異を有するものであって,本件図形部分と引用商標との比較においても,非類似の商標であるから,本件商標の指定役務と引用商標の指定商品又は指定役務とが,同一又は類似であるとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知性について
申立人は,1982年(昭和57年)に米国で設立された企業であり,同年に「AutoCAD」を発売して以来,3DCGソフトウェアを始めとして,プロジェクト管理ソフトウェア,合成編集フィニッシングソフトウェア等が,建築,土木インフラなどの分野で広く活用されている,さらに,引用商標は申立人のハウスマークであり,我が国においては,日本法人(オートデスク株式会社)をも通じて引用商標を広く使用しており,引用商標は外国のみならず我が国においても上記2の商品及び役務の分野において広く知られている旨主張し,証拠(甲6?甲10)を提出している。
しかしながら,申立人提出の証拠によっては,申立人がさまざまな3Dソフトウェアを世界に提供していること,引用商標を「AUTODESK」の文字や「オートデスク株式会社」の文字とともに使用している事実は認められるとしても,我が国において引用商標が需要者の間に広く認識されていることを客観的に判断するための証拠,すなわち,商標の使用期間及び使用地域,販売数量,市場シェア,広告宣伝の方法,広告地域及び広告宣伝費等を具体的に示す証拠の提出はないから,引用商標の使用状況を把握することができず,引用商標の周知性の程度を推し量ることができない。
そうすると,引用商標が,我が国において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の取引者,需要者の間に広く認識され,本件商標の登録出願時及び登録査定時に周知性を獲得していたとは認められないものである。
イ 出所の混同のおそれについて
引用商標は,上記アのとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり,また,本件商標は,上記(1)のとおり,引用商標と非類似の商標であって別異の商標というべきものであり,両商標の類似性の程度は低いものである。
そうすると,本件商標は,商標権者がこれを登録異議の申立てに係る指定役務について使用しても,これに接する取引者,需要者が引用商標を連想又は想起するようなことはなく,その役務が他人(申立人)若しくは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他,本件商標が出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
ウ 以上よりすると,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲
別掲1 本件商標(色彩は原本参照。)


別掲2 本件商標の指定役務
第35類「インターネット上における会社及び商品・役務の紹介並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,インターネット上における会社及び商品・役務の紹介の媒介又は取次ぎ並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,商品の販売促進又は役務の提供促進のための企画及びその運営若しくはその実行の代理並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,マーケティング及びこれに関する指導・助言・情報の提供,販売を目的とした、各種通信媒体による商品の紹介及びこれに関する指導・助言・情報の提供,販売を目的とした、各種通信媒体による商品の紹介の媒介又は取次ぎ及びこれに関する指導・助言・情報の提供,公衆への販売を目的とした商品の紹介及びこれに関する指導・助言・情報の提供,公衆への販売を目的とした商品の紹介の媒介又は取次ぎ及びこれに関する指導・助言・情報の提供,インターネット又は携帯電話を利用した広告スペース及びその他の広告スペースの提供並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,インターネット又は携帯電話を利用した広告スペース及びその他の広告スペースの提供の媒介又は取次ぎ並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,インターネット又は携帯電話を利用した広告及びその他の広告並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,インターネット又は携帯電話を利用した広告及びその他の広告の企画・立案並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,インターネット又は携帯電話を利用した広告及びその他の広告の制作(広告文の作成又は広告に関するデザインの考案を含む。)並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,インターネット又は携帯電話を利用した広告及びその他の広告の管理並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,インターネット又は携帯電話を利用した広告及びその他の広告に関する調査並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,インターネット又は携帯電話を利用した広告及びその他の広告の代理・媒介又は取次ぎ並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,広告タイムの貸与及びこれに関する指導・助言・情報の提供,広告タイムの貸与の媒介又は取次ぎ及びこれに関する指導・助言・情報の提供,広告業及びこれに関する指導・助言・情報の提供,商品の販売促進・役務の提供促進のための展示会・見本市・展覧会の企画・運営又は開催及びこれに関する指導・助言・情報の提供,広告用具の貸与及びこれに関する指導・助言・情報の提供,商品の販売促進又は役務の提供促進のためのクーポン若しくはポイントの発行・管理・清算及びこれに関する指導・助言・情報の提供,トレーディングスタンプの発行及びこれに関する指導・助言・情報の提供,経営の診断又は経営に関する指導・助言・情報の提供,事業の評価及びこれに関する指導・助言・情報の提供,広告に対する反応の分析及びこれに関する指導・助言・情報の提供,広告効果の調査及び分析並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,市場分析及び市場調査並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,商品の販売に関する指導・助言・情報の提供,商品の販売の取次ぎ又は仲介及びこれに関する指導・助言・情報の提供,インターネットにおけるショッピングモールを介した商品の売買契約の代理・媒介・仲介・取次ぎ及び代行並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,商品の売買契約の代理・媒介・仲介・取次ぎ及び代行並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,インターネットにおけるショッピングモール事業の運営及び管理並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,電子商取引に係る事業の運営・管理並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,事業の運営及び管理並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,求人情報及び求職情報の提供,求人情報及び求職情報の提供の媒介又は取次ぎ,職業の紹介又はあっせん及びこれに関する指導・助言・情報の提供,職業のあっせんの代行・媒介又は取次ぎ及びこれに関する指導・助言・情報の提供,インターネットにおけるウェブサイト上の広告スペース及びその他の広告スペースに関する競売の運営並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,競売の運営(インターネットオークションの運営を含む。)及びこれに関する指導・助言・情報の提供,コンピュータデータベースへの情報編集又は情報構築及びこれに関する指導・助言・情報の提供,データ入力・データ作成に関する事務処理の代行及びこれに関する指導・助言・情報の提供,データ処理に関する事務処理の代行及びこれに関する指導・助言・情報の提供,広告宣伝販売促進事務の代行及びこれに関する指導・助言・情報の提供,商品及び役務の受注・発注業務の代行・媒介又は取次ぎ及びこれに関する指導・助言・情報の提供,商品の販売又は役務の提供に関する事務の代理又は代行及びこれに関する指導・助言・情報の提供,コンピュータによるデジタルデータファイルの管理及びこれに関する指導・助言・情報の提供,文書又は磁気テープのファイリング及びこれに関する指導・助言・情報の提供,事務処理の代行及びこれに関する指導・助言・情報の提供,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供の媒介又は取次ぎ,求人情報の提供及びこれに関する指導・助言・情報の提供,求人情報の提供の代行・媒介又は取次ぎ及びこれに関する指導・助言・情報の提供,新聞記事情報の提供及びこれに関する指導・助言・情報の提供,雑誌又は書籍の記事情報の提供及びこれに関する指導・助言・情報の提供,研究論文に関する記事情報の提供及びこれに関する指導・助言・情報の提供,ニュースクリッピングサービス及びこれに関する指導・助言・情報の提供,輸出入に関する事務の代理又は代行及びこれに関する指導・助言・情報の提供,新聞の予約購読の取次ぎ及びこれに関する指導・助言・情報の提供,速記及びこれに関する指導・助言・情報の提供,筆耕及びこれに関する指導・助言・情報の提供,書類の複製及びこれに関する指導・助言・情報の提供,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作及びこれに関する指導・助言・情報の提供,建築物における来訪者の受付及び案内及びこれに関する指導・助言・情報の提供,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与及びこれに関する指導・助言・情報の提供,自動販売機の貸与及びこれに関する指導・助言・情報の提供」
第42類「気象情報の提供,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計及びこれに関する指導・助言・情報の提供,デザインの考案(広告に関するものを除く。)及びこれに関する指導・助言・情報の提供,コンピュータプログラムの設計・開発・作成又は保守及びこれに関する指導・助言・情報の提供,委託によるコンピュータプログラムの設計・開発・作成又は保守及びこれに関する指導・助言・情報の提供,コンピュータプログラムの設計・開発・作成又は保守の媒介又は取次ぎ及びこれに関する指導・助言・情報の提供,ウェブサイトの設計・作成又は保守及びこれに関する指導・助言・情報の提供,委託によるウェブサイトの設計・作成又は保守及びこれに関する指導・助言・情報の提供,ウェブサイトの設計・作成又は保守の媒介又は取次ぎ及びこれに関する指導・助言・情報の提供,コンピューターデーターベース・コンピュータープログラムへのアクセスタイムの賃貸及びこれに関する指導・助言・情報の提供,インターネットへのアクセスタイムの賃貸及びこれに関する指導・助言・情報の提供,インターネットにおける電子掲示板へのアクセスタイムの賃貸及びこれに関する指導・助言・情報の提供,インターネットにおけるチャットルームへのアクセスタイムの賃貸及びこれに関する指導・助言・情報の提供,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明並びにこれらに関する指導・助言・情報の提供,建築又は都市計画に関する研究及びこれに関する指導・助言・情報の提供,公害の防止に関する試験又は研究及びこれに関する指導・助言・情報の提供,電気に関する試験又は研究及びこれに関する指導・助言・情報の提供,土木に関する試験又は研究及びこれに関する指導・助言・情報の提供,サーバの記憶領域の貸与及びこれに関する指導・助言・情報の提供,電子データの保存用記憶領域の貸与(オンラインを用いた電子データの保存用記憶領域の貸与を含む。)及びこれに関する指導・助言・情報の提供,コンピュータシステムの貸与及びこれに関する指導・助言・情報の提供,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与及びこれに関する指導・助言・情報の提供,コンピュータプログラムの貸与及びこれに関する指導・助言・情報の提供,インターネットにおける検索エンジンの提供及びこれに関する指導・助言・情報の提供,通信を用いて行う携帯電話機用のコンピュータプログラムの提供及びこれに関する指導・助言・情報の提供,コンピュータプログラムの提供及びこれに関する指導・助言・情報の提供,建築物の設計及びこれに関する指導・助言・情報の提供,測量及びこれに関する指導・助言・情報の提供,地質の調査及びこれに関する指導・助言・情報の提供,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究及びこれに関する指導・助言・情報の提供,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究及びこれに関する指導・助言・情報の提供,機械器具に関する試験又は研究及びこれに関する指導・助言・情報の提供,計測器の貸与及びこれに関する指導・助言・情報の提供,理化学機械器具の貸与及びこれに関する指導・助言・情報の提供,製図用具の貸与及びこれに関する指導・助言・情報の提供」

別掲3 引用商標(色彩は原本参照。)

異議決定日 2020-09-18 
出願番号 商願2018-145621(T2018-145621) 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W42)
T 1 652・ 271- Y (W42)
T 1 652・ 263- Y (W42)
T 1 652・ 262- Y (W42)
最終処分 維持  
前審関与審査官 堀内 真一 
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 浜岸 愛
豊田 純一
登録日 2019-12-06 
登録番号 商標登録第6204670号(T6204670) 
権利者 株式会社スプラシア
商標の称呼 シイエムスタジオ、スタジオ 
代理人 飯田 伸行 
代理人 田川 幸一 
代理人 飯田 和彦 

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