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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を取消(申立全部取消) W35 審判 一部申立て 登録を取消(申立全部取消) W35 審判 一部申立て 登録を取消(申立全部取消) W35 |
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管理番号 | 1366318 |
異議申立番号 | 異議2019-900220 |
総通号数 | 250 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2020-10-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2019-08-09 |
確定日 | 2020-08-13 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6144867号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6144867号商標の指定商品及び指定役務中、第35類「電子応用機械器具(コンピュータープログラムを含む)を含む電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての商標登録を取り消す。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第6144867号商標(以下「本件商標」という。)は、「Candee」の文字を標準文字で表してなり、平成29年7月12日に登録出願、第35類「電子応用機械器具(コンピュータープログラムを含む)を含む電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類並びに第9類、第38類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同31年4月22日に登録査定、令和元年5月17日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第1210277号商標(以下「引用商標」という。)は、「CANDy」の欧文字を横書きしてなり、2014年1月27日に国際商標登録出願、第7類「Vacuum cleaners; dishwashers; parquet wax-polishers, electric; kitchen machines, electric; machines and apparatus for wax-polishing, electric; machines and apparatus for carpet and rug cleaning, electric; washing machines (laundry); wringing machines for laundry; vacuum cleaner bags; vacuum cleaner hoses.」、第11類「Microwave ovens (cooking apparatus); loading apparatus for furnaces; refrigerating appliances and installations; water softening apparatus and installations; cooking apparatus and installations;heating apparatus, electric; ice machines and apparatus; water purifying apparatus and machines; beverage cooling apparatus; refrigerating cabinets; barbecues; extractor hoods for kitchens; ventilation hoods; freezers; kitchen ranges (ovens); laundry dryers, electric; hearths; cooking rings; deep fryers, electric; ice boxes; roasting jacks; grills (cooking appliances); hot plates; heat pumps; refrigerators; cooking utensils, electric.」及び第37類「Electric appliance installation and repair; washing; washing of linen; burner maintenance and repair; window cleaning; installation, maintenance and repair of apparatus for refrigerating, drying, air conditioning and cooking.」を指定商品及び指定役務として、平成27年10月16日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中の第35類「電子応用機械器具(コンピュータープログラムを含む)を含む電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「本件申立役務」という。)について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。 (1)本件商標について 本件商標は、「Candee」と書してなるところ、全体として「キャンディ」の称呼が生じる。また、「Candee」は「CANDY」の語源となるものであり、本件商標の権利者の使用も社名「Candee」と並べて包装紙に包まれたキャンディ菓子を思わせる図形が使用されている(甲4)。 よって、本件商標は、「キャンディ菓子」の観念を生じ、「キャンディ」と称呼される。 (2)引用商標について 引用商標は、「CANDy」の文字からなるところ、その構成より容易に「Candy」と認識することができるから、その文字部分に相応した「キャンディ」の称呼が生じ、「キャンディ菓子」の観念が生じる。 (3)本件商標と引用商標の類否について 本件商標と引用商標とは、共に「キャンディ」の称呼と「キャンディ菓子」の観念を共通とする類似の商標である。 (4)本件申立役務と引用商標の指定商品の類否について 本件申立役務に係る取扱商品である「電気機械器具類」に、引用商標の第7類及び第11類の指定商品は含まれており、本件申立役務に係る商品と引用商標の指定商品とは同一又は類似するから、本件申立役務と引用商標の指定商品は互いに類似する。 (5)結語 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 当審における取消理由の要旨 当審において、商標権者に対して、「本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨の取消理由を令和2年3月24日付けで通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。 5 商標権者の意見 上記4の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べていない。 6 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標について 本件商標は、上記1のとおり、「Candee」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、辞書等に掲載されている既成の語でなく、特定の意味合いを表す語として知られているものともいえないことから、一種の造語として認識されるというのが相当である。 そして、造語からなる欧文字については、我が国において親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って称呼されるとみるのが自然であるところ、本件商標の構成中の「Can」の文字部分は、例えば、「・・・できる」の意味を有する「can」の英語が「キャン」と発音され、また、その構成中の「dee」の文字部分は、例えば、「深い」の意味を有する「deep」の英語が「ディープ」と発音されること(いずれも「ベーシックジーニアス英和辞典」大修館書店発行)からすると、本件商標からは、「キャンディー」の称呼を生じるとみるのが相当である。 してみれば、本件商標は、「キャンディー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標について 引用商標は、上記2のとおり、「CANDy」の欧文字をややデザイン化してなるところ、外観上さほど特徴のある書体とはいい難く、そのつづりは、「キャンディー」を意味する英語として一般に親しまれた「CANDY」(同ベーシックジーニアス英和辞典)と同一であるから、その構成文字に相応して、「キャンディー」の称呼を生じるものである。 してみれば、引用商標は、「キャンディー」の称呼を生じ、「キャンディー」の観念を生じるものである。 ウ 本件商標と引用商標との類否について 本件商標と引用商標は、上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、両商標は、本件商標の構成中の「Cand」の欧文字部分と引用商標の構成中の「CAND」の欧文字部分において、同一のつづりからなるものであり、語尾において「ee」と「y」の欧文字の差異があるとしても、外観上、近似した印象を与えるものである。 また、本件商標と引用商標は、共に「キャンディー」の称呼を生じるから、称呼において同一である。 さらに、観念においては、本件商標は、特定の観念を生じないものであり、引用商標は、「キャンディー」の観念を生じるものであるから、両商標は、観念上相紛れるおそれはない。 そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において紛れるおそれはないとしても、外観において近似し、称呼を同一にするものであるから、その外観、称呼及び観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、商品及び役務の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。 エ 本件申立役務と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について 本件申立役務と、引用商標の指定商品及び指定役務中、第7類及び第11類の指定商品とは、「小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の役務とその取扱い商品の関係にあり、両者は類似するものである。 オ 小括 上記アないしエよりすれば、本件商標と引用商標は類似する商標であり、本件申立役務と引用商標の指定商品とは、類似するものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)むすび 以上のとおり、本件商標は、本件申立役務について、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、結論掲記の指定役務について、その登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
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異議決定日 | 2020-07-01 |
出願番号 | 商願2017-93558(T2017-93558) |
審決分類 |
T
1
652・
262-
Z
(W35)
T 1 652・ 261- Z (W35) T 1 652・ 263- Z (W35) |
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 旦 克昌、大島 勉 |
特許庁審判長 |
冨澤 美加 |
特許庁審判官 |
小田 昌子 山田 正樹 |
登録日 | 2019-05-17 |
登録番号 | 商標登録第6144867号(T6144867) |
権利者 | 株式会社Candee |
商標の称呼 | キャンディー、カンディー |
代理人 | 山尾 憲人 |
代理人 | 木本 大介 |
代理人 | 森脇 靖子 |
代理人 | 成川 弘樹 |
代理人 | 川本 真由美 |