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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W03
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W03
管理番号 1366304 
異議申立番号 異議2019-900116 
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-10-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-04-15 
確定日 2020-08-03 
異議申立件数
事件の表示 登録第6116738号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6116738号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第6116738号商標(以下「本件商標」という。)は,「フルイドクリーム」の文字を標準文字で表してなり,平成29年7月18日に登録出願,第3類「皮膚の手入れ用・美容用の化粧品,ヘアーケア用化粧品,その他の化粧品,せっけん類」を指定商品として,同30年12月26日に登録査定,同31年1月25日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。
(1)商標法第3条第1項第3号について
本件商標は,「流動性の」の意味を有する英語「fluid」を片仮名で表した「フルイド」の語と,「クリーム」の意味を有する英語「cream」の語を片仮名で表した「クリーム」の語を結合して「フルイドクリーム」と横書きしてなるものであることから,本件商標は「流動性のクリーム」の意味を直感させるものである(甲1)。
しかるに,本件商標の指定商品である化粧品にはクリーム,乳液,化粧水等様々な商品があるが,当該商品は,ビールのように酒税法においてその定義が規定されている商品とは異なり,明確な定義が存在しないものである。したがって,流動性がある乳液状の商品に「クリーム」と付すことが可能であるとともに,流動性があることについて需要者の理解をより得やすくするために,こうした商品に「流動性のクリーム」を表す「フルイドクリーム」の語が使用されている(甲2?甲12)。
すなわち,本件商標は,これをその指定商品に使用するときは,「流動性のクリーム」であることを直感させ,単に商品の品質を表す標章にすぎないものであることから,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第16号について
本件商標を,「流動性のクリーム」以外の本件商標の指定商品に使用するときは,あたかもその商品が「流動性のクリーム」であるかのごとく直感させ,その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから,本件商標は,商標法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審おける取消理由の要旨
当審において,本件商標権者に対し,「本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨の取消理由を令和元年10月18日付けで通知し,相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。

4 本件商標権者の意見
商標権者は,上記3の取消理由の通知に対して,指定した期間内に何ら意見を述べていない。

5 当審の判断
(1)本件商標を構成する語の意味合いについて
本件商標は「フルイドクリーム」の文字を片仮名で書してなるところ,これを構成する「フルイド」及び「クリーム」の文字は,申立人の提出に係る証拠及び職権による調査によれば,以下のとおりの意味を有するものである。
ア 「新英和中辞典(株式会社研究社 1994年(平成6年)第6版発行)」によれば「fluid」の項に「流動性の」の記載がある(甲1)。
イ 「日本語になった外国語辞典(株式会社集英社 1990年(平成2年)8月15日第2版第5刷発行)」によれば「フルーイッド[fluid]」の項に「液体.流動性のもの.」の記載がある。
ウ 「廣川香粧品事典(株式会社廣川書店 平成4年10月1日発行)」によれば「フルイドファンデーション」の項に「ファンデーションのタイプとして・・・フルイドファンデーションは乳化型タイプに属し,特に乳液状のタイプのものをいう.」の記載がある。
エ 「新英和中辞典(株式会社研究社 1994年(平成6年)第6版発行)」によれば「cream」の項に「化粧用クリーム」の記載がある(甲1)。
オ 「広辞苑第六版(株式会社岩波書店 2008年(平成20年)1月11日第6版発行)」によれば「クリーム」の項に「白粉下あるいは肌や髪の手入れに用いる乳状の化粧料。」の記載がある。
カ 「日本語になった外国語辞典(株式会社集英社 1990年(平成2年)8月15日第2版第5刷発行)」によれば「クリーム[cream]」の項に「化粧品の1つ.脂肪油・油ろうなどに純水を混ぜて乳化したもの.」の記載がある。
(2)本件商標の構成中の「フルイド」の文字に関する取引の実情等について
職権による調査によれば,「フルイド」の文字は,本件商標の指定商品を取り扱う業界において「液状」又は「乳液」を表示する語として使用されている実情がある。
ア 2016年(平成28年)4月5日付け「化学工業日報」において「エキップ,スキンケア化粧品拡充,クレンジングなど」の見出しの下「スックのスキンケアシリーズである『ライトソリューション』の新製品は美容液『エッセンス』(50ミリリットル,同1万2000円)化粧水『ローション』(200ミリリットル,同8000円)乳液『フルイド』(125ミリリットル,同1万5000円)。」の記載がある。
イ 2015年(平成27年)9月4日付け「化学工業日報」において「ACRO,オーガニック化粧品,タイで相次ぎ出店」の見出しの下「また,高温多湿な気候に合うパウダーファンデーションが主流のタイでも,液体状ファンデーションは崩れにくく,美しいメイクの仕上がりが保てると高い評価を得ており,クレンジングオイル,洗顔料,フルイドファンデーション,ルースパウダーで売り上げ全体の4割を占める。」の記載がある。
ウ 2011年(平成23年)8月17日付け「化学工業日報」において「資生堂・カネボウ,グローバルブランドから化粧品新製品投入」の見出しの下「カネボウ化粧品は『SENSAI』にリキッドファンデーション『フルイドフィニッシュラスティングベルベット』(4000円前後)を8月1日に新たに追加。」の記載がある。
エ 2007年(平成19年)12月13日付け「化学工業日報」において「韓アモーレパシフィック,美白化粧品で日本市場参入」見出しの下「アモーレパシフィックが発売するのは,ホワイトニングライン『ライブホワイト メラトリートメント』シリーズ。乳液(フルイド)のオイリー用とドライ用,美容液,化粧水,クリームの5品目からなり・・・」の記載がある。
オ 2003年(平成15年)7月8日付け「日経MJ(流通新聞)」において「日本ロレアル,肌呼吸助ける,化粧品を発売。」の見出しの下「ジェル状乳液の『イドラ・デトックスO2 フルイド』と,『同 クリーム』の二種類(各六千五百円)。」の記載がある。
カ 1996年(平成8年)10月1日付け「化学工業日報」において「シュウウエムラ,新発想ファンデーション発売(いんふぉめーしょん)」の見出しの下「『シュウ ウエムラ ファンデーション フルイドN』はプロのメークアップアーティストが,ベースづくりの基本アイテムとしているフルイド(液状)タイプ。」の記載がある。
(3)本件商標を構成する「フルイドクリーム」等の文字に関する取引の実情等について
ア 職権による調査によれば,本件商標を取り扱う業界において,「フルイドクリーム」又は「クリームフルイド」の文字が「液状クリーム」又は「乳液状クリーム」の意味合いで普通に使用されている実情がある。
(ア)「Qoo10ネット通販(イーベイジャパン合同会社)」のウェブサイトにおいて,「ヘリオケア360フルイドクリームSPF50+50ml 2本セット 日焼け止めクリームheliocare」の見出しの下「ヘリオケア360°は,・・・強力なSPF50+でお肌に優しい液状クリームで,ゴルフなどのアウトドアスポーツや避暑地などで人気です。」の記載がある。
(https://www.qoo10.jp/item/%E3%83%98%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%82%B1%E3%82%A2-%E3%83%98%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%82%B1%E3%82%A2-360-%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%83%89-%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0-SPF50-50ML-2%E6%9C%AC%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88-%E6%97%A5%E7%84%BC%E3%81%91%E6%AD%A2%E3%82%81-%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0-HELIOCARE/532401785)
(イ)「株式会社ピエールファーブルジャポン」のウェブサイトにおいて,「トリクセラNTフルイドクリーム」の見出しの下「Point4 乳液状なめらかクリーム」の記載がある。
(https://www.avene.co.jp/products/bpc/09/)
(ウ)「アイビューティストアー(株式会社オズ・インターナショナル)」のウェブサイトにおいて「デクレオールDECLEORハーモニーデリケートミルキークリームフルイド50ml」の見出しの下「商品説明」の項に「絹のように付け心地の軽い液状デイクリームです。」の記載がある。また,「口コミ」の項に「2013/07/07」の記載がある。
(https://www.ibeautystore.com/products/1003500)
イ 申立人の提出に係る証拠及び職権による調査によれば,本件商標の指定商品において「フルイドクリーム」の文字が,商品の説明として使用されている実情がある。
(ア)2001年(平成13年)8月23日付け「産経新聞 東京夕刊」において「化粧品 スキンケアで肌うるおい 紫外線カット/ビタミン補給も」の見出しの下「『ヘレナ ルビンスタイン』のメークアップベース『アーバンアクティブ プロテクション シールド』は,都会で生活する女性の肌をがっちりガードしてくれる。・・・軽いテクスチャーのフルイドクリームで,毛穴に詰まりにくいタイプのため,ファンデーションの下地にぴったりだ。」の記載がある。
(イ)「@cosme(株式会社アイスタイル)」のウェブページにおいて「ヘレナルビンスタイン アーバンアクティブプロテクションシールド」の見出しの下「発売日2001/5/1」及び「商品説明」として「非常に軽いテクスチャーのフルイドクリーム・・・」の記載がある(甲4)。
(ウ)「amazon.co.jp」のウェブサイトにおいて,「ケイリン BB フルイドタッチコンパクト - #07 クリームキャラメル 15g/0.53oz」の見出しの下「商品の説明」の項に「ゴージャスで隙のないお肌をつくるオールインワンフルイドクリーム。・・・ご使用法:コンパクトを開けてボタンを押すとフルイドクリームが出てきます。」及び「登録情報」の項に「Amazon.co.jp での取り扱い開始日:2015/11/19」の記載がある。
(https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B1%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%83%B3-BB-%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%83%89%E3%82%BF%E3%83%83%E3%83%81%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E3%83%88-%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%A9%E3%83%A1%E3%83%AB-0-53oz/dp/B00XNTKIOI)
(4)「液体クリーム」及び「液状クリーム」の取引の実情について
職権による調査によれば,本件商標の指定商品を取り扱う業界において「液体クリーム」及び「液状クリーム」旨の商品が取り扱われている。
ア 「株式会社ボーテ福原」のウェブサイトにおいて「液体ナノクリーム<液状クリーム>(45ml)」の見出しの下,商品の写真が掲載されている。
(http://shop.beaute-fukuhara.co.jp/?pid=39656170)
イ 「ゲオール化学株式会社」のウェブサイトにおいて「ローズハート ナノクリーム 〈液体クリーム〉」の見出しの下「世界初!サラサラの液体クリームで肌にしみわたるような潤いを実感」の記載及び商品の写真が掲載されている。
(https://rh6280.com/item/0010-2/)
ウ 「株式会社クレシェコスメティックス」のウェブサイトにおいて「保つEMULSION【乳液】」の見出しの下「『うるおいのバランス保つ』保湿乳液 さらっとしたつけ心地で,全ての肌タイプにご使用いただける液状クリームです。」の記載及び商品の写真が掲載されている。
(https://www.crechez.com/skincare/cre-chez-sois/s_em_1/)
(5)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
ア 本件商標は「フルイドクリーム」の片仮名からなるところ,構成中の「クリーム」の文字は,本件商標の指定商品との関係では上記(1)エないしカのとおり「乳状の化粧料」あるいは「化粧用クリーム」を指称する普通名称として使用されていることから,本件商標をその指定商品に使用したときは「フルイド」と「クリーム」の文字を組み合わせてなるものと容易に認識し,把握されるとみるのが相当である。
イ 構成中の「フルイド」の文字は,上記(1)ア及びイのとおり「流動性」の意味を有する「fluid」の文字を片仮名で表したものと認められるところ,本件商標の指定商品を取り扱う業界においては上記(1)ウ及び(2)のとおり「液状」及び「乳液」の意味合いで,本件商標の登録査定前より,普通に使用されている実情がある。
ウ 「フルイドクリーム」の文字も,上記(3)ア及びイのとおり,「液状又は乳液状のクリーム」の意味合いで,商品の内容を表す文字として本件商標の登録査定前より,普通に使用されている実情がある。
エ 上記(4)のとおり「フルイドクリーム」から想起される「液状又は液体の化粧用クリーム」ほどの商品が販売されている実情も認められる。
オ 以上よりすると,本件商標は,これをその指定商品中「化粧用クリーム」に使用するときは,これに接する取引者,需要者をして,当該商品が「液状の化粧用クリーム」であることを認識させるにすぎないものであるから,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
カ したがって,本件商標は,その指定商品中「化粧用クリーム」について使用するときは,単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるものというのが相当であるから,商標法第3条第1項第3号に該当し,また,本件商標の指定商品中「化粧用クリーム」以外の商品について使用するときは,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。
(6)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条1項16号に該当し,その登録は,同法第3条及び同法第4条第1項の規定に違反してされたものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。

別掲

異議決定日 2020-03-25 
出願番号 商願2017-95717(T2017-95717) 
審決分類 T 1 651・ 13- Z (W03)
T 1 651・ 272- Z (W03)
最終処分 取消  
前審関与審査官 内藤 順子小田 昌子 
特許庁審判長 薩摩 純一
特許庁審判官 大森 友子
榎本 政実
登録日 2019-01-25 
登録番号 商標登録第6116738号(T6116738) 
権利者 ピエール ファーブル デルモ-コスメティック
商標の称呼 フルイドクリーム、フルイド 
代理人 太田 恵一 
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