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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z26 |
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管理番号 | 1366264 |
審判番号 | 取消2019-300618 |
総通号数 | 250 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2020-10-30 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2019-08-08 |
確定日 | 2020-09-07 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4363788号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4363788号商標の指定商品中、第26類「テープ,房類,リボン」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4363788号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成9年4月25日に登録出願、「テープ,房類,リボン」を含む第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年3月3日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和元年8月21日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成28年8月21日から令和元年8月20日までの期間(以下「要証期間」という。)である。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。 本件商標は、商標権者により、少なくとも過去3年以内に日本国内において、その指定商品中「テープ,房類,リボン」には使用されていないから、商標法第50条第1項の規定により、「テープ,房類,リボン」についての登録は取り消されるべきである。 なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。 以下、証拠の表記に当たっては、「乙第○号証」を「乙○」のように省略して記載する。 1 被請求人の業務及び商品の流通経路について (1)被請求人の業務 被請求人は、1988年に設立された頭飾品等製造会社であり、設立以来、ヘアピン、ヘアバンド、リボン等の多種類の頭飾品等を製造している。 (2)商品の流通経路について 被請求人が製造した頭飾品等は、1又は複数の中間取次業者(問屋)を介して小売店に卸され、全国の店舗で販売されている。 2 本件商標が付された商品及びカタログについて (1)本件商標は、「リボン」について使用されている(乙1)。 (2)被請求人は、カタログ及びカタログに掲載された「リボン」を、定期的に全国の問屋に送付し、注文を受けた商品について、上記問屋に納品する。 3 被請求人が、本件商標を請求に係る指定商品「リボン」に使用していることについて (1)本件商標は、「リボン」に付属する止め具の表面に表示することにより、「リボン」に付されて使用されている(乙1及び乙2)。 (2)本件商標は、種々の形態の「リボン」の写真を掲載したカタログに登録番号とともに表示することにより使用されている(乙1及び乙2)。 (3)上述のように、本件商標は、指定商品「リボン」に直接付されて使用されているとともに、商品の取引書類に付されて使用されている。 (4)上記カタログ及び商品見本は、乙3に係る証明書に記載されているように、少なくとも1年に1回程度、全国の問屋に提供されている(乙3)。 4 使用に係る商品「リボン」の汎用性について (1)各乙号証に示した「リボン」は、ゴム輪が付属しているため、全体としては「頭飾品」である。 (2)しかしながら、乙号証に表されている「リボン」は、典型的な蝶型をしており、「頭飾品」に限られず種々の装飾品や包装に用いられる形態を有している。すなわち、ブローチの装飾品、携帯電話や鞄のストラップ等に用いられるばかりでなく、プレゼント用の容器に掛け回される掛けリボンのアクセサリ等にも用いられる汎用の形態を有している。 本件商標は、汎用形態の蝶型リボンに輪ゴムを付属させて「頭飾品」としたものであり、リボン自体は種々の用途に用いられるものである。また、乙号証に示したものは、「頭飾品」として使用されるのみならず、現実に携帯電話や鞄等の装飾用ストラップとしても利用されている。 (3)J-PlatPatにおいて、「蝶型リボン」は、「16A02」の類似群に含まれている。 したがって、「16A02」に含まれる「リボン」には、「長尺状のリボン」のみならず、典型的な「蝶型のリボン」が含まれる。 (4)したがって、証拠で提出した写真には、ゴムを付属させた頭飾としての使用形態が示されているが、「リボン」自体は汎用品であり、種々の用途に使用される。 (5)本件商標は、汎用品としての「蝶型リボン」についての使用であり、「頭飾品」に限定されるものではない。 第4 当審の判断 1 被請求人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。 (1)有限会社コーンは、令和元年10月11日から過去3年以内において、少なくとも年1回程度、「ラブリースマイル PONY-TAIL」と題する商品カタログ(以下「本件カタログ」という。)を本件商標の商標権者(以下、単に「商標権者」という。)から受領している(乙3)。 (2)本件カタログには、中央に丸い留め具が付いた蝶型のリボンを1又は2個輪になったゴムひもに付けた形態からなる商品(以下「使用商品」という。)の写真が掲載されている(乙1及び乙2)。 (3)使用商品は、留め具及びゴムひも部分に様々なカラフルな色彩が施され、蝶型のリボン部分に様々なカラフルな色彩及び模様が施されており、また、その留め具の表面には本件商標が表示されている(乙1及び乙2)。 2 本件商標は第26類「リボン」に使用をされたかについて (1)第26類「リボン」について 商標法施行規則の別表における第26類には、「頭飾品」の包括表示の下に「髪留め」、「ヘアバンド」及び「結びリボン」などが例示されており、また、「頭飾品」とは別に「リボン」が掲載されている。 社団法人発明協会発行「商品及び役務区分解説」(改訂第3版)において、「第26類」における「2 組みひも テープ 房類 リボン」の見出しの下、「『テープ』『リボン』:用途が限定されないものとして取引されるものに限る。したがって、例えば、頭髪用の「ヘアバンド」「結びリボン」等はここには含まれず、本類8頭飾品に属する。」との記載があり、また、同「8 頭飾品」の見出しの下、「この概念には、主として頭に飾ることによって、直接的にその人の美しさを増すものが含まれる。」との記載がある。 そうすると、第26類における「リボン」とは、特定の用途に限定されない商品として取引されるものに限られるのであって、頭を飾り、人の美しさを増すための「頭飾品」として取引されるものは含まれないと解するのが相当である。 (2)判断 前記1(2)のとおり、本件カタログには、使用商品の写真が掲載されているから、本件カタログは、使用商品に関する広告であるといえる。 また、前記1(3)のとおり、使用商品には、本件商標が表示されているから、使用商品の写真が掲載されている本件カタログには、本件商標が付されているといえる。 さらに、前記1(1)のとおり、有限会社コーンは、令和元年10月11日から過去3年以内において、少なくとも年1回程度、本件カタログを商標権者から受領しているのだから、商標権者は、要証期間内に本件カタログを有限会社コーンへ頒布したことがうかがわれる。 そうすると、商標権者は、要証期間内に使用商品に関する広告に本件商標を付して頒布したことがうかがわれる。 しかしながら、使用商品は、前記1(2)及び(3)のとおり、中央に丸い留め具が付いた蝶型のリボンを1又は2個輪になったゴムひもに付けた形態からなるものであり、その留め具及びゴムひもには様々なカラフルな色彩が施され、その蝶型のリボンには様々なカラフルな色彩及び模様が施されているものである。 また、前記1(1)のとおり、使用商品の写真が掲載されている本件カタログの表題には、「髪を後頭部に高く束ね、ポニーの尻尾のように垂らす髪型」を意味する「ポニーテール」(広辞苑第7版)に通じる「PONY-TAIL」の文字が記載されている。 そうすると、使用商品は、その形態及び本件カタログにおける「PONY-TAIL」の文字の記載からして、用途が限定されないものとして取引されるものというよりも、むしろ、頭を飾り、人の美しさを増すための「頭飾品」の一種である「ヘアゴム」として取引されているものとみるのが相当である。 してみると、使用商品は、請求に係る指定商品中「リボン」には該当しないといわなければならない。 したがって、本件商標は、請求に係る商品である第26類「テープ,房類,リボン」に使用をされていると認めることはできない。 3 被請求人の主張について (1)被請求人は、使用商品は、典型的な蝶型をしており、「頭飾品」に限られず種々の装飾品や包装に用いられる形態を有している旨、また、使用商品は、現実に携帯電話や鞄等の装飾用ストラップとしても利用されている旨主張している。 しかしながら、使用商品は、前記2(2)のとおり、その形態及び本件カタログにおける「PONY-TAIL」の文字の記載からして、頭を飾り、人の美しさを増すための「頭飾品」の一種である「ヘアゴム」として取引されているものとみるのが相当であるから、仮に、使用商品が携帯電話や鞄等の装飾用ストラップとして利用される場合があるとしても、上述の判断が左右されるものではない。 (2)被請求人は、使用商品は、汎用形態の蝶型リボンに輪ゴムを付属させて「頭飾品」としたものであり、リボン自体は汎用品であり、種々の用途に用いられるものである旨主張している。 しかしながら、使用商品は、前記1(2)及び(3)のとおり、中央に丸い留め具が付いた蝶型のリボンを1又は2個輪になったゴムひもに付けた形態からなるものであって、リボンのみで取引されるものではないから、被請求人の主張は採用できない。 4 まとめ 以上のとおり、被請求人の提出に係る証拠によっては、被請求人が、要証期間内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る商品についての本件商標の使用をしていることを証明したとはいえず、また、当該使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしたともいえない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中、第26類「テープ,房類,リボン」についての登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本件商標 |
審理終結日 | 2020-07-07 |
結審通知日 | 2020-07-16 |
審決日 | 2020-07-29 |
出願番号 | 商願平9-111226 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(Z26)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 鈴木 斎 |
特許庁審判長 |
中束 としえ |
特許庁審判官 |
山田 啓之 木村 一弘 |
登録日 | 2000-03-03 |
登録番号 | 商標登録第4363788号(T4363788) |
代理人 | 盛田 昌宏 |