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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X09
管理番号 1366148 
審判番号 取消2017-300794 
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-10-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2017-10-23 
確定日 2020-08-11 
事件の表示 上記当事者間の登録第2167512号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第2167512号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2167512号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,昭和60年6月7日に登録出願,第23類「眼鏡」を指定商品として,平成元年9月29日に設定登録され,その後,同21年12月16日に指定商品を第9類「眼鏡」とする指定商品の書換登録がされ,現に有効に存続しているものである。
そして,本件審判の請求の登録は,平成29年11月6日にされていることから,本件審判について,商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前三年以内」とは,同26年(2014年)11月6日から同29年(2018年)11月5日までの期間(以下「要証期間」という場合がある。)である。

第2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ,甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
被請求人の主張と証拠の関係については,疑義があるので,以下に順次矛盾点を指摘する。
(1)乙第2号証について
被請求人の主張では,使用時期が漠然としており特定されていない。
また,写真の撮影者及び撮影年月日が不明である。
乙第2号証の商品については販売の事実が立証されていないので,本件商標の使用は立証されていない。
(2)乙第3号証及び乙第4号証について
ア 乙第3号証の写真について,写真の撮影者及び撮影年月日が不明である。
イ 乙第3号証及び乙第4号証に示された眼鏡用レンズの「商品包装袋」には製造・販売元の住所が記載されているが,袋裏面の郵便番号の表示が数字3桁の「〒916」となっている。
被請求人の現在及び眼鏡用レンズの販売時(平成27年8月27日)の郵便番号は,「〒916-0019」である。例えば,乙第7号証の納品書の郵便番号は「〒916-0019」である。
そもそも,旧来,郵便番号は3桁又は5桁で運用されていたが,1998年(平成10年)2月に7桁に切り替えられている。
したがって,上記「商品包装袋」は,1998年(平成10年)2月より前に作成されたものであることがうかがえる。
乙第3号証の販売日が被請求人主張の平成27年8月27日であるとすると,この「商品包装袋」は,17年半以上前に印刷された商品包装袋であり,それがずっと使用され続けていたことになるが,消耗品である商品包装袋を旧郵便番号で使い続け,一方,乙第7号証の納品書では新郵便番号に改め,使用商標も本件商標ではなく新ロゴの登録商標(登録第2689354号)に変えて使用していることは極めて不自然であり,常識的にも理解することができない。
(3)乙第5号証について
乙第5号証のカタログには,本件商標はどこにも使用されておらず,被請求人が所有する登録商標第2689354号(平成6年7月29日登録)が使用されているにすぎない。
また,品番として「BRIGHT-[2]([2]はロ-マ数字で表されている。以下同じ。) UV NC」の記載があるが,上記乙第3号証のレンズの袋の記載は「COMBEX/BRIGHT・[2]/SUPER HARD MULTI COAT」であり「UV NC」の記載がない。
また,乙第5号証の「BRIGHT-[2] UV NC」のページには「ハ-ドマルチ」コ-トの記載があるが,乙第3号証の「SUPER HARD MULTI COAT」の記載はない。
(4)乙第6号証について
乙第6号証の医療機器製造販売届は平成22年3月10日届出,平成22年3月23日受付されたもので,1ページ目に「【再提出情報】【再提出状況を示す記号】:1(新規提出)」の記載があり,乙第6号証の申請日である平成22年(2010年)3月10日の時点で「BRIGHT-[2] UV NC」が新製品であることを示しているが,平成27年8月27日に販売したと主張する乙第3号証の「レンズの包装袋」には上記商品名は使用されておらず,商品名でも矛盾している。
そして,乙第3号証のレンズの袋(乙第4号証も同じ)には「許可番号 井第50号」の記載がある。
これが「医療機器製造販売業の許可番号」だとすれば,乙第6号証の販売届第1ページの「製造販売業の許可番号及び年月日」における「【許可番号】18BX00041」,又は同2ページの「製造販売する品目の製造所」の「許可番号又は認定番号」だとすれば,「18BZ00050」とならなければいけない。「許可番号 井第50号」の表記は何の許可番号を示すのか,特定していただきたい。
(5)乙第7号証及び乙第8号証について
ア 乙第7号証の納品書には本件商標が使用されていない。また,納品先が「上様」としか記載されておらず,納品先を特定することができない。
また,商品名は「ブライト[2]ハ-ドマルチ」であり,乙第3号証の「BRIGHT-[2]/SUPER HARD MULTI COAT」とも異なっており,またS欄において乙第3号証では「-2.00」であるのに対して乙第7号証では「-2.05」となっており,乙第3号証の商品の納品書を示すものでもない。
イ 乙第8号証の領収書についても本件商標は使用されていないばかりか,領収書の発行者の住所,名称が不明である。
また,上記乙第7号証の「上様」が乙第8号証の「堀忠雄」氏なのか,その関連性について立証がない。
すなわち,乙第7号証と乙第8号証との関連を示すものは合計金額のみであり,同一商品についての納品書とそれに対する受領証であるとするのは被請求人の主張だけであって,何ら証拠によって証明されていない。
ウ さらに,乙第8号証の領収証は「コクヨ ウケ-390N」の型番が記載されており,コクヨ株式会社が発行する領収書用紙であるが,同社に問い合わせた結果,領収書品番「ウケ-390N」はカタログベースで1990?2009年に販売されており,それ以前とそれ以後は同一品が「ウケ-390」の品番で販売されているとのことであった。
乙第8号証の日付は2015年8月17日であるので,領収証用紙の販売が終了してから6年も経過した後に使用したことになり,極めて不自然である。
エ さらに,この領収証用紙は2枚が1セットになっており,最初のページが領収書の控となり,次のページが領収書の正本となる(甲3)。
乙第8号証が,領収証の正本であれば,発行人の住所,名称が記載されていなければ領収証にならないが,発行人が白地の領収書は適正,適法な領収証とはいえない。
したがって,乙第7号証と乙第8号証とは,関連性がなく,適正,適法な取引書類ともいえず,乙第3号証の商品が取引された事実は何ら立証されない。
(6)換言すると,被請求人の提出した証拠を見ると,本件商標の使用と思われるものは乙第3号証及び乙第4号証のみであり,その他の証拠には本件商標はどこにも使用されていない。
そして,乙第3号証及び乙第4号証の商品が,本件審判請求の要証期間に使用された事実については,乙第7号証及び乙第8号証では立証されていない。
したがって,被請求人の主張には理由がなく,本件商標の登録は取り消されて然るべきものと確信するものである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。
1 本件商標の商標権者は,要証期間に我が国においてその請求に係る指定商品中「眼鏡用レンズ」について,本件商標を使用している。
2 本件商標の使用について
乙第2号証は,商標権者が,要証期間以前に我が国において販売していた旧モデルの「眼鏡用レンズ」とその「商品包装袋」の写真である。
この写真には,本件商標が記載された「商品包装袋」(乙2左)と,請求に係る商品「眼鏡用レンズ」(乙2右下)と,「レンズ保護シ-ト」(乙2右上)を表示している。
乙第3号証は,乙第2号証の新型モデル(商品名:ブライト[2]ハ-ドマルチ)として現在使用中であって,商標権者が平成27年8月27日(乙7,乙8)に販売した請求に係る商品「眼鏡用レンズ」(乙3右下)と,正面に本件商標が記載され,背面のフラップに被請求人の名称と住所が記載された「商品包装袋」(乙3左)と,「レンズ保護シ-ト」(乙3右上)の写真である。
乙第4号証は,「商品包装袋」(乙3左)の実物であり,乙第3号証及び乙第4号証における「商品包装袋」に表示された本件商標は,新型モデルとしてグレ-ドアップしたことを需要者等に示すため,図形の配色が変更されると共に,「COmBEX」に極細線で縁取りを施し,「BRIGHT」の末尾に商品の種別や形式を表示する記号としてありふれて使用される「・[2]」を付加し,「HARD MULTI COAT」の冒頭に商品の誇称表示として普通に使用される「SUPER」を付加し,その下段にレンズの誇称表示としてありふれて使用される「HIGH INDEX」を付加しているだけで,社会通念上同一のものと認められるものであるから,乙第3号証及び乙第4号証で表された標章の使用は,本件商標の使用であるということができる。
乙第5号証は,商標権者が平成26(2014)年12月に作成し,平成29(2017)年5月に印刷した「度付きレンズカタログ(クリアファイルに収容して配布する。)」であり,各ページには,商標権者の名称及び住所が記載され,第1ページ,第2ページ,第4ページには,請求に係る商品「眼鏡用レンズ」(乙3)の販売名「BRIGHT-[2] UV NC」及びその仕様,特長等が記載されている。
乙第6号証は,商標権者が平成22年3月10日に独立行政法人医薬品医療機器総合機構に申請し,同独立行政法人が平成22年3月23日に受け付けた「医療機器製造販売届書」の写しであり,乙第3号証に示す「眼鏡用レンズ」と同様な外観写真と,「眼鏡レンズ」として乙第5号証と同一の販売名「ブライト-[2]UV NC」に関する事項が記載されている。
乙第7号証は,商標権者が平成27(2015)年8月27日に販売した請求に係る商品「眼鏡用レンズ」の納品書の写しであり,商品名として「ブライト[2]ハ-ドマルチ」と記載されている。
乙第8号証は,乙第7号証で示す納品書に示された商品の購入者に対し平成27年8月27日に商標権者が発行した領収書の写しである。
以上のことから,商標権者は,要証期間の平成27年8月27日に,本件商標と社会通念上同一の商標を商品包装袋に付した商品(販売)名がブライト[2]ハ-ドマルチ(ブライト(BRIGHT)[2]-UV NC)の「眼鏡用レンズ」(乙3?乙8)を販売したものと認められる。
3 むすび
以上のとおり,本件商標は,本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者により指定商品中「眼鏡用レンズ」について使用していることが明らかである。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠及び同人の主張によれば,以下の事実が認められる
(1)乙第2号証について
乙第2号証に係る写真には,「眼鏡用レンズ」と「商品包装袋」と「レンズ保護シ-ト」とされる物品が表示されており,「商品包装袋」には,その正面において,上端部に左から「S -2.00」,「C」及び「アンバー 15全面」と記載された3つの欄が横一列に表示され,その下に,バーコードと「T4985047030516」の文字が2段に併記されており,その下には,青色の横長矩形状の四角形を右上がりの細いオレンジ色で表された対角線で上下に区切り,上側の部分は直角三角形が表示され,下側の部分は当該対角線に平行で下に行くほど徐々に太くなるオレンジ色で表された5本の斜線で各斜線間の間隔が下方ほど狭小となる縞模様を表した構成よりなる図形が表示され,当該図形において,対角線の上側の直角三角形内には対角線に沿うように右上がりに極細線で縁取りを施した「COmBEX」の文字をデザイン化した態様でオレンジ色で表示し,その下に「BRIGHT」の文字を白色で表示し,また,下側の縞模様の部分には,最初の縞模様内に対角線に沿うように右上がりの細く小さい白文字で「SUPER HARD MULTI COAT」と表示された標章が記載されている。
なお,当該写真の撮影日,撮影者等は不明である。
(2)乙第3号証について
乙第3号証に係る写真には,「眼鏡用レンズ」と「商品包装袋」と「レンズ保護シ-ト」とされる物品が表示されており,「商品包装袋」には,その正面において,上端部に左から「S -3.00」,「C」の欄及び何も記載されていない欄の3つの欄が横一列に表示され,その下に,バーコードと「T4985047050514」の文字が2段に併記されており,その下には,紫色の横長矩形状の四角形を右上がりの細いオレンジ色で表された対角線で上下に区切り,上側の部分は直角三角形が表示され,下側の部分は当該対角線に平行で下に行くほど徐々に太くなるオレンジ色で表された5本の斜線で各斜線間の間隔が下方ほど狭小となる縞模様を表した構成よりなる図形が表示され,当該図形において,対角線の上側の直角三角形内には対角線に沿うように右上がりに極細線で縁取りを施した「COmBEX」の文字をデザイン化した態様でオレンジ色で表示し,その下に「BRIGHT・[2]」の文字を白色で表示し,また,下側の縞模様の部分には,最初の縞模様内に対角線に沿うように右上がりの細く小さい白文字で「SUPER HARD MULTI COAT」と表示され,次の縞模様内に右上がりに太く表された白文字で「HIGT INDEX」と表示された標章(以下,横長短形状の四角形並びにその内部に表された斜線及び文字を「使用標章」という。)が記載されている。
また,「商品包装袋」のフラップの部分には,「製造・発売元 株式会社コンベックス」,「COMBEX LTD.」,「福井県鯖江市丸山町3-4-23 〒916」及び「許可番号 井用第50号」の文字が記載されている。
なお,当該写真の撮影日,撮影者等は不明である。
(3)乙第4号証について
乙第4号証は,乙第3号証に示されている「商品包装袋」の実物であり,その正面において,上端部の欄に左から「S」,「C」(各々の欄に表示されている数字は乙第3号証と異なる。)の欄及び何も記載されていない欄の3つの欄が横一列に表示され,その下には乙第3号証と同様のバーコード及び数字並びに使用標章が表されており,また,フラップの部分には,乙第3号証と同様の文字が記載され,その上方に「*」の文字が表示されている。
(4)乙第5号証について
乙第5号証は,商品カタログであり,表紙(1ページ)には,右肩部分に「2014.12」の文字が記載されており,表題部分には「COMBEX」の文字をデザイン化して表したロゴマーク(以下「COMBEXロゴ」という。)」及び「Ophthalmic Lens Series」の文字が記載され,それに続いて,当該カタログに掲載されているレンズの種類及び商品名又は品番が記載されており,2番目に「??1.60球面タイプ単焦点レンズ/BRIGHT-[2] UV NC」の文字が記載されている。そして,ページ下部には「株式会社コンベックス」「福井県鯖江市丸山町3丁目4-23 〒916-0019」の文字が記載されている。
また,目次(2ページ)には,表題部分に「コンベックス」,「度付きレンズカタログ」の文字が表示され,それに続いて掲載項目の表示されているページが示されており,2番目に「BRIGHT-[2] UV NC 1.60-NC ・・・ 4」の文字が記載されている。
そして,4ページには,項目名として「BRIGHT-[2] UV NC(高屈折1.60)」,「COMBEX」及び「NCハードマルチ(超撥水ハードマルチ)」の文字の記載があり,そして,ページ下部に「COMBEXロゴ」,「株式会社コンベックス」,「〒916-0019 福井県鯖江市丸山町3丁目4-23」の記載がある。
さらに,裏表紙(16ページ)には,中央部分に「COMBEXロゴ」,「株式会社コンベックス」,「〒916-0019 福井県鯖江市丸山町3-4-23」の記載がある。
なお,当該カタログの各ページには,最下行右下に「Print 05/2017」の記載がある。
(5)乙第6号証について
乙第6号証は,「医療機器製造販売届書」であり,一般的名称として「眼鏡レンズ」及び販売名として「ブライト[2]-UV NC」と表示され,「提出者」として「福井県鯖江市丸山町3-4-23」及び「株式会社 コンベックス」の文字が記載(表紙,1ページ)されている。
そして,表紙下部には横長楕円内に「独立行政法人医薬品医療機器総合機構/審査業務部/22.3.23/受付/第 号」の表示がされた受付印が押印されている。
(6)乙第7号証について
乙第7号証は,「納品書」であり,「納品日/15/8/27」,発行者として「COMBEXロゴ」,「株式会社コンベックス」及び「福井県鯖江市丸山町3-4-23〒916-0019」の記載があり,納品に係る品物として「商品名/ブライト[2]ハードマルチ」,「S/-2.50 TC/0.00」,「数量/2枚」,「単価/2,500.00」及び「金額/5,000」の記載があり,左下欄には「堀忠夫様」の記載があり,右下欄には「合計/7,020」の記載がある。
(7)乙第8号証について
乙第8号証は,「領収証」であり,発行先として「堀忠夫 様」の記載があり,「金額¥7,020」「但 2015年8月27日 上記正に領収いたしました」の記載がある。
2 判断
上記1において認定した事実によれば,以下のとおり判断できる。
(1)商品の包装における使用について
被請求人は,商標権者が,要証期間において,本件商標を商品の包装(商品包装袋)に付して使用している旨主張しているので,これについて検討する。
ア 乙第2号証に係る商品について
乙第2号証の商品写真は,その撮影日が不明であり,乙第2号証にある商品包装袋を商標権者が要証期間に使用したことを証する証拠の提出もなされていない。
したがって,乙第2号証に表示されている商品の包装に係る商標は,要証期間の使用が確認できない。
イ 乙第3号証及び乙第4号証に係る商品について
(ア)乙第3号証の商品写真は撮影日等が不明であり,また,乙第4号証は乙第3号証に示されている商品包装袋の実物であるところ,当該商品包装袋上部の折り返し部分に記載されている郵便番号の表示は平成10年(1998年)以前の古い表示である3桁の郵便番号であり,当該商品包装袋が作成された時期は平成10年以前であると推認され,他の乙号証(乙5?乙7)においては現行の7桁の郵便番号が表示されていることからすると,示されている商品包装袋が要証期間に当該郵便番号の修正もなしに使用されていることは不自然であるといわざるをえない。
(イ)乙第7号証の納品書には「商品」として「ブライト[2]ハードマルチ」の記載があるものの,当該商品の包装が乙第3号証及び乙第4号証に表されている商品包装袋であることを示す証拠は提出されていない。
(ウ)乙第8号証の領収証には発行者の記載がなく,これが商標権者の取扱いに係るものであるか不明である。
(エ)以上のことからすれば,要証期間に,商標権者が,乙第3号証に表示されている商品の包装に本件商標を付した(商標法第2条第3項第1号)又は,譲渡(商標法第2条第3項第2号)をしたことを認めるに足る事実を見いだせない。
ウ 小括
以上より,商品の包装からは,要証期間における本件商標の使用が認められない。
(2)カタログについて
被請求人は眼鏡レンズのカタログを提出しているところ,当該カタログに表示されている「BRIGHT-[2] UV NC」の文字は,文字のみであり,図形部分と文字部分とが一体となって表されている本件商標とは,社会通念上同一の商標とは認められない。
(3)その他,被請求人の提出する証拠によっては本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)の要証期間における我が国での使用は確認できない。
してみれば,被請求人は,本件商標について,要証期間に,本件審判の請求に係る指定商品について,本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を使用していた事実を証明していないものといわざるを得ない。
3 むすび
以上のとおりであるから,被請求人は,要証期間に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。
また,被請求人は,本件審判の請求に係る指定商品について,本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
別掲(本件商標)


審理終結日 2020-06-10 
結審通知日 2020-06-15 
審決日 2020-06-30 
出願番号 商願昭60-58243 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (X09)
最終処分 成立  
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 薩摩 純一
大森 友子
登録日 1989-09-29 
登録番号 商標登録第2167512号(T2167512) 
商標の称呼 コンベックス、ブライトハードマルチコート、ブライト 
代理人 西山 聞一 

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