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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W01030516 審判 一部申立て 登録を維持 W01030516 審判 一部申立て 登録を維持 W01030516 審判 一部申立て 登録を維持 W01030516 審判 一部申立て 登録を維持 W01030516 審判 一部申立て 登録を維持 W01030516 |
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管理番号 | 1365198 |
異議申立番号 | 異議2018-685005 |
総通号数 | 249 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2020-09-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-06-12 |
確定日 | 2019-06-26 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 国際登録第1336804号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 国際登録第1336804号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件国際登録第1336804号商標(以下「本件商標」という。)は「EARTH FRIENDLY PRODUCTS」の欧文字を横書きしてなり、2016年2月24日にUnited States of Americaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年8月24日に国際商標登録出願、第1類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品、「Laundry detergent;laundry detergent with fabric softener;dishwashing detergent;all-purpose cleaner;all surface cleaner;hard surface cleaner;fruit and vegetable wash;rinse aid for dishwashers;combination liquid hand dishwashing detergent and automatic dishwashing detergent;hand dish soap;disposable wipes impregnated with a detergent for household use;scented fabric refresher spray;window cleaning preparations;body lotion;skin cleansers;liquid hand soap;non-disinfectant toilet bowl cleanser and hard surface cleaning preparations;cleaning and janitorial maintenance products,namely all-purpose cleaners and drain openers,bacterial and enzymatic cleaners for septic tanks,toilet holding tanks,drain lines and grease traps;drain openers;toilet bowl cleaners;non-disinfectant multi-purpose bathroom cleaners;hard surface cleaners;stainless steel cleaners;tile cleaners;glass cleaners;chrome cleaners and septic and toilet holding tank cleaners;carpet shampoo;air freshener,namely,air fragrancing preparations;upholstery cleaner;spray cleaner for use on whiteboards;pet shampoo and conditioner;pet stain removers;non-medicated grooming preparations for pets,namely,shampoo and dander remover;disposable cleansing wipes impregnated with a cleanser for household pets;body deodorizer;non-disinfectant cage cleaner for pets;laundry detergent for pets;dry shampoo for pets;cleaner for litter boxes.」を含む第3類、第5類「Environmentally conscious products,namely,air freshener,namely,air deodorizers;all-purpose disinfectants;antiseptic soaps for use on surfaces;antiseptic lotions for personal use and odor-counteractants for janitorial,industrial and residential use;deodorizing and bacteriocidal composition for use on fabrics,hard surfaces,and clothing;herbicides for domestic use;disinfectant deodorant for tank or tankless type water closets,toilet bowls,urinals,bidets,and sanitary facilities sold in the form of a disposable dispenser;disinfectants and deodorants contained in dispensers for urinals;disinfectant toilet bowl cleanser;disinfectant multi-purpose bathroom cleaners;liquid odor removers for household,commercial or industrial use;pet odor removers for household,commercial or industrial use.」及び第16類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成30年4月6日に設定登録されたものである。 なお、上記第3類及び第5類に記載した商品を、以下「登録異議の申立てに係る商品」という。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録商標は以下のとおり、「アース」、「EARTH」、「Earth」の文字のみからなる商標又はそれらの文字を構成中に含んでなる商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである。 登録第248908号商標、登録第258476号商標、登録第369818号商標、登録第1674260号商標、登録第1674262号商標、登録第1886826号商標、登録第1886827号商標、登録第1878463号商標、登録第1878465号商標、登録第2235736号商標、登録第2353757号商標、登録第2353758号商標、登録第2488180号商標、登録第2691798号商標、登録第3234062号商標、登録第4556142号商標、登録第4685834号商標、登録第4689725号商標、登録第5498279号商標及び登録第5548584号商標は、いずれも願書に記載のとおりの構成からなり、それぞれの登録出願日、指定商品及び設定登録日は、商標登録原簿に記載のとおりである(以下、これらの登録商標をまとめて「引用商標」という。)。 なお、申立人が引用する登録商標のうち、登録第243638号商標は、当審において職権をもって調査したところ、平成25年5月24日に存続期間が満了し、その商標権の登録の抹消の登録が同26年2月19日にされている。 3 登録異議の申立ての理由(要旨) 申立人は、登録異議の申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第104号証を提出した。 (1)申立人の会社沿革 申立人は、明治25年に創業し、昭和4年に除虫菊を主成分とした家庭用殺虫剤「アース」の製造を始め、昭和15年に殺虫剤「アース」の姉妹品として蚊取線香「アース渦巻」の製造を開始し、昭和28年に自噴式殺虫剤「アースエアゾール」の製造を開始した。 そして、申立人は、昭和39年に自己の商号を商標と同じ「アース製薬株式会社」に変更をし、昭和40年に電気蚊取器「電子アース」及び電気蚊取マット「アースマット」の製造を開始した。 その後、申立人は、昭和45年に大塚グループに編入して、各種医薬品及びゴキブリ捕獲器「ごきぶりホイホイ」、加熱蒸散型殺虫剤「アースレッド」、液体電子蚊取器「アースノーマット」、ジェット噴射式殺虫剤「アースジェット」、さらには、入浴剤「バスロマン」、芳香洗浄剤「セボン」、口中清涼剤「モンダミン」と次々にユニークなヒット商品を生み出し、その商品の優秀性とあいまって、「アース」は、我が国において周知著名な商標となっている(甲2?甲7)。 (2)申立人の商標使用の状況 申立人は、上記(1)のように相当に古くしてかつ広範囲にわたり実績を有し、創業当初より「アース」を多くの製品に使用し、新聞、雑誌等で宣伝し現在に至っている(甲8?甲44)。また、2003年より「アースガーデン/Earth Garden」をブランド名として園芸用部品の販売も開始している(甲45?甲50)。 「アース」、「Earth」といえば少なくとも本件商標の基礎出願日たる2016年2月24日以前において申立人の製造販売する商品であることが全国で広く知られて周知著名な商標となっている。 (3)本件商標と引用商標との比較 本件商標は、「EARTH FRIENDLY PRODUCTS」の欧文字を横書きしてなるところ、引用商標とは明らかに類似であることを免れない。 本件商標は、その構成中に空間を有していることから各単語は分断され、前部の「EARTH」が申立人の著名な商号であるから、全体として「アースの親しみやすい製品」の意味合いが生じ、「EARTH」がメインとなることは明白である。 したがって、一般需要者は、本件商標の前部の「EARTH」を見たり聞いたりして、申立人と何らかの関連性があるかのように認識する。 (4)申立人に係る過去の異議事件 申立人は、過去において、「アース」の文字又は「EARTH」の文字との結合商標について、登録異議の申立てをしたところ、その申立てに係る決定においては、申立人の著名商標「アース」及び「EARTH」との関係で、申立人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがある旨認定されている(甲74?甲100)。 (5)本件商標の識別性 本件商標を仮に一連一体の商標として「EARTH」と非類似にするならば、その意味は「地球にやさしい製品」であり(甲101)、識別性を有しない。「地球にやさしい」が識別性を有しないことは過去の審査例からも明らかである(甲102?甲104) (6)まとめ 以上のとおりであるから、本件商標は、その指定商品中、登録異議の申立てに係る商品について、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当し、商標登録を受けることができないものである。 4 当審の判断 (1)「アース」の文字及び「EARTH」の文字の周知性について 申立人は、創業当初から現在に至るまでの間、「アース」及び「EARTH」を多くの商品に使用し、新聞や雑誌等で宣伝していることから、「アース」及び「EARTH」は、少なくとも本件商標の国際商標登録出願日以前において、申立人の製造、販売に係る商品であることを表示するものとして、全国で広く知られた著名商標となっている旨主張し、証拠として、甲第2号証ないし甲第50号証を提出している。 そこで、甲第2号証ないし甲第50号証をみると、これらは、発行年が確認できるもので昭和34年1月から平成27年4月までの間に発行された新聞、書籍や雑誌であって、そこに掲載されているのは、申立人の商標の紹介にとどまるもののほかに、申立人の業務に係る商品の広告であるところ、当該広告に係る商品の多くは、「家庭用殺虫剤」であり、また、当該広告において、商品の出所を表すものとして用いられているのは、「アース」の文字からなる商標である。 一方、「EARTH」の文字は、「Earth Garden」のように使用されているものは散見されるものの、当該文字が単独で使用された事実は確認できないから、申立人の取扱いに係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標と認めることはできない。 その他、申立人の提出に係る甲各号証を総合してみても、本件商標の国際商標登録出願時(2016年8月24日)及び登録査定時(平成30年2月1日)において、「EARTH」の文字が、申立人の業務に係る商品であることを表示するものとして、需要者の間に広く認識されるに至っていると認めるに足る事実は見いだせない。 そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標の国際商標登録出願時及び登録査定時において、「アース」の文字からなる商標は、申立人の業務に係る商品「家庭用殺虫剤」を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標と認められるものの、「EARTH」の文字からなる商標については、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標とは認められない。 (2)本件商標について 本件商標は、「EARTH FRIENDLY PRODUCTS」の欧文字を横書きしてなるところ、「EARTH」、「FRIENDLY」及び「PRODUCTS」の各文字の間に半角程度の空白があるものの、同じ書体及び大きさによって外観上まとまりよく表されており、その構成全体から生じる「アースフレンドリープロダクツ」の称呼はやや冗長ではあるものの、よどみなく一連に称呼できるものである。 そして、その構成中の「EARTH」が「地球」の意味を、「FRIENDLY」の文字が「親しみやすい」の意味を、「PRODUCTS」の文字が「製品」の意味をそれぞれ有し、また、「EARTH-FRIENDLY」の文字が、申立人主張のように「地球にやさしい」の意味で用いられることがあることから、本件商標全体で、「地球にやさしい製品」といった意味合いを理解させる。 上記のとおり、本件商標の構成、本件商標から生じる称呼及び意味合いからすれば、本件商標は、その構成全体を一体のものとして看取、把握されるとみるのが自然であって、殊更、その構成中の「EARTH」の文字部分が、商品の出所識別標識として需要者に強く支配的な印象を与えるとか、「EARTH」以外の文字部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないなどといった事情は見当たらないことから、本件商標から「EARTH」の文字部分のみが分離して把握されることはないとみるべきである。 したがって、本件商標は、その構成全体から「アースフレンドリープロダクツ」の称呼のみを生じ、「地球にやさしい製品」の観念を生じる。 (3)商標法第3条第1項第3号該当性について 本件商標は、上記(2)のとおりの構成からなるところ、本件商標に係る指定商品を取り扱う業界において、「EARTH FRIENDLY PRODUCTS」の文字が、商品の具体的な品質等を表示するものとして、一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本件商標に接する取引者・需要者が、当該文字を商品の品質等を表示するものとして認識するというべき事情も発見できない。 そうすると、本件商標は、その指定商品との関係において、商品の品質等を表示するものということはできず、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものと判断するのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。 なお、申立人は、過去の審査例(商標「地球にやさしい」)を挙げて、本件商標は識別力を有さない旨主張するが、商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かは、当該商標の構成態様及び指定商品との関係に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであって、また、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるべきものであるところ、本件商標と上記審査例は構成態様及び判断時期等が異なることから、請求人が挙げた商標登録例の存在によって、その認定は左右されないというべきである。 (4)商標法第4条第1項第10号該当性について ア 上記(1)のとおり、申立人の業務に係る商品(家庭用殺虫剤)を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標は「アース」の文字からなる商標であって、「EARTH」の文字からなる商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているとは認められない。 そうすると、本件商標の商標法第4条第1項第10号該当性を判断するに当たり、本件商標と比較の対象となるのは、「アース」の文字からなる商標であるところ、これからは、「アース」の称呼を生じ、「(家庭用殺虫剤のブランドとしての)アース」といった観念を生じるものである。 イ 本件商標は、上記(2)のとおりの構成からなり、これより「アースフレンドリープロダクツ」の称呼のみを生じ、「地球にやさしい製品」の観念を生じる。 ウ そこで、上記ア及びイを踏まえ、本件商標と「アース」の文字からなる商標とを比較すると、外観については、欧文字と片仮名の差異から明確に区別できるものであり、また、称呼については、本件商標から生じる「アースフレンドリープロダクツ」と、「アース」の文字からなる商標から生じる「アース」とでは、構成音数の差異により明らかに異なり、さらに、観念については、「アース」の文字からなる商標から生じる「(家庭用殺虫剤のブランドとしての)アース」に対して本件商標は「地球にやさしい製品」の観念を生じるものであるから、観念において容易に区別できる。 そうすると、本件商標と「アース」の文字からなる商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異のものと判断するのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 (5)商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標は、上記(2)のとおりの構成からなり、「アースフレンドリープロダクツ」の称呼のみを生じ、「地球にやさしい製品」の観念を生じるものである。 他方、引用商標は、上記2のとおり「アース」、「EARTH」、「Earth」の文字のみからなる商標又はそれらの文字を構成中に含んでなる商標であるが、それぞれの外観、称呼及び観念を総合勘案してみても本件商標との比較において、相紛れるおそれがあると認めるに足るものは見いだせない。 そうすると、本件商標と引用商標とは、非類似の商標と判断するのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (6)商標法第4条第1項第15号該当性について 申立人は、「アース」の文字からなる商標及び「EARTH」の文字からなる商標が、少なくとも本件商標の登録出願日以前において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、周知著名な商標となっていることを前提として、本件商標に接する一般の需要者は、本件商標の構成中の「EARTH」の文字部分を見聞きして、申立人と何らかの関連性があるかのように認識するとして、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する旨主張する。 しかしながら、申立人による上記主張に関し、本件商標の国際商標登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品(家庭用殺虫剤)を表示するものとして、需要者の間に広く認識されるに至っていたと認められる商標は、上記(1)のとおり、「アース」の文字からなる商標であるし、当該商標と本件商標とを比較しても、相紛れるおそれのない非類似の商標であって別異のものであることは、上記(4)のとおりであるから、その類似性の程度は低いものである。 そうすると、本件商標は、これを登録異議の申立てに係る商品について使用しても、需要者をして、申立人の業務に係る商標(「アース」又は「EARTH」の文字からなる商標)を連想、想起させることはなく、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (7)むすび 以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、登録異議の申立てに係る商品について、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2019-06-20 |
審決分類 |
T
1
652・
262-
Y
(W01030516)
T 1 652・ 263- Y (W01030516) T 1 652・ 25- Y (W01030516) T 1 652・ 13- Y (W01030516) T 1 652・ 261- Y (W01030516) T 1 652・ 271- Y (W01030516) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 竹之内 正隆、黒磯 裕子 |
特許庁審判長 |
金子 尚人 |
特許庁審判官 |
中束 としえ 岩崎 安子 |
登録日 | 2016-08-24 |
権利者 | Venus Laboratories, Inc. |
商標の称呼 | アースフレンドリープロダクツ、アースフレンドリー、プロダクツ |
代理人 | アクシス国際特許業務法人 |