ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z09 |
---|---|
管理番号 | 1365093 |
審判番号 | 取消2018-300790 |
総通号数 | 249 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2020-09-25 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2018-10-18 |
確定日 | 2020-07-20 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4448666号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4448666号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4448666号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成12年2月1日に登録出願,第9類「レコード,録音済みのコンパクトディスク,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,スライドフィルム,家庭用テレビゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させたコンパクトディスク,その他の家庭用テレビゲームおもちゃ,遊園地用機械器具,業務用テレビゲーム機のプログラムを記憶させたコンパクトディスク,パーソナルコンピューター用のプログラムを記憶させたコンパクトディスク,その他の電子応用機械器具,有線通信機械器具,音声周波機械器具,電気通信機械器具の部品及び付属品,模型及び標本,天文用測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,ケーブル,写真機械器具,映画機械器具,眼鏡,レンズ用ガラス,救命用具,オゾン発生器,ロケット,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,盗難警報器,事故防護用手袋,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,電極,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,写真複写機,電気計算機,ウェットスーツ,レギュレーター,潜水用機械器具,電気式自動扉開閉装置」を指定商品として,同年12月18日に登録査定,同13年1月26日に設定登録されたものである。 そして,本件審判の請求の登録は,平成30年10月31日になされた(以下,当該登録3年以内を「要証期間」という)。 第2 請求人の主張 請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 請求の理由 本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないことから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)本件商標の使用について 被請求人は,本件商標と同一又は社会通念上同一と認められる商標を,その指定商品中少なくとも,第9類「録音済みコンパクトディスク」について,要証期間内に日本国内において使用している旨主張し,その根拠とし乙第1号証ないし乙第3号証を提出している。 しかしながら,以下に述べるとおり,被請求人の提出した証拠は信用性に欠けるものであり,被請求人主張の本件商標の使用の事実は認められない。 (2)商品写真(乙1の1,乙1の2)について 被請求人は,上記使用の事実を立証する証拠として,「『録音済みコンパクトディスク』に本件商標を付している状態を示す写真」(乙1の1,乙1の2)を提出している。 しかしながら,乙第1号証の1及び2には以下のとおり極めて不自然な点があり,当該証拠は信用性を欠くものといわざるを得ない。 すなわち,請求人が,乙第1号証の1及び2の写真に写っている商品(商品名「リラクシング・ギター?プレミアム・ソングス/千代正行」商品コードDLDH-1896。以下「本件音楽CD」という。)と同一の商品を計2部購入して確認したところ,いずれにも,乙第1号証の1及び2の写真内の「録音済みコンパクトディスク」に付されていた,被請求人が本件商標と同一又は社会通念上同一と主張する文字と図形からなる標章(以下「本件使用標章」という。)は付されていなかった(甲2の1,甲3の1)。 なお,購入した2部のうち1部は,「タワーレコード」のオンラインショップ(乙2の納品書及び乙3の受領書はいずれも「タワーレコード」梅田大阪マルビル店に係るものである。)及び別の1部は,他のオンラインショップ(amazon.co.jp)において購入したものである(甲2の2,甲3の2)。 また,請求人がインターネット上において,本件音楽CDを含む,被請求人の販売する音楽CDの画像を検索したところ,被請求人の販売する音楽CDで本件使用標章が付された商品は1件も発見されなかった(甲4)。 本件音楽CDの発売日は2018年(平成30年)4月27日である(甲5)ところ,発売からわずか9か月余りの間に,CD上の印刷表示が変更されることは通常はないと思われる。 また,同一の音楽CDで本件使用標章の有無において異なる2つのバージョンが販売されることも通常はないと思われる。 このことから,乙第1号証の1及び2の写真に写っている本件音楽CDのみに本件使用標章が付されているのは極めて不自然といわざるを得ない。 (3)納品書及び受領書(乙2,乙3)について 納品書(乙2)及び受領書(乙3)に記載された商品コード及び商品名は,請求人が購入した本件使用標章が付されていない本件音楽CDの商品コード・商品名と同一である。 被請求人において,商品コードや商品名をどのように取り扱っているかは明らかでないが,乙第2号証及び乙第3号証に記載された商品コード及び商品名が,請求人が購入した本件使用標章が付されていない本件音楽CDのものと同一である以上,乙第2号証及び乙第3号証のみによって,乙第1号証の1及び2の写真に写っている本件使用標章が付された本件音楽CDの取引がなされたと立証され得ないことは明らかである。 (4)音楽CDの取引実情について 上記のとおり,被請求人の提出した証拠によって,乙第1号証の1及び2の写真に写っている本件使用標章が付された本件音楽CDの取引がなされたと立証され得ないことは明らかであるが,そもそも,乙第1号証の1及び2の写真に写っている本件音楽CD上にのみ付された本件使用標章は,商品の識別表示として機能するものとはいえず,そもそも当該本件音楽CDの販売は,商標法第50条における本件商標の使用には該当し得ないことを念のため主張する。 商標法第50条における本件商標の使用は,本件商標に係る指定商品又は指定役務について,自他商品識別標識として使用される必要がある。 音楽CDやDVDといった商品は,通常,プラスティックのケースに入れられ,しかも,当該ケースがビニールで包装されていて,中身を見ることができない。 そのため,需要者がこれら商品を店舗等で購入する際,需要者はケース内の音楽CDやDVDそのものは目にせず,商品の外装のみを見ることになる。 よって,かかる商品に関しては,外装に記載された表示をもって自他商品の識別が行われ,ケース内の音楽CDやDVD本体のみに付された表示は,商品を選択する目印としてなり得ない。 したがって,乙第1号証の1及び2の写真に写された本件音楽CDの販売は,そもそも商標法第50条における本件商標の使用には該当し得ないものである。 (5)結論 以上のとおり,被請求人が提出したいずれの証拠によっても,被請求人による要証期間内の日本国内における本件商標と同一又は社会通念上同一の商標の指定商品についての使用は立証できておらず,本件商標は,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 第3 被請求人の答弁 被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 本件商標の使用について 商標権者は,本件商標と同一,若しくは,社会通念上同一と認められる商標を,当該指定商品中少なくとも,第9類「録音済みコンパクトディスク」について,要証期間内に日本国内において使用している。 2 商品写真(乙1の1,乙1の2)について 乙第1号証の音楽CDは,確かに,被請求人が2018年(平成30年)5月8日にタワーレコード大阪梅田店に販売し納品したものであり,このことは,乙第1号証ないし乙第3号証からも明らかである。 被請求人は,乙第1号証の音楽CDと同様のデザインのものを「DLDH-1896」の品番にて2018年(平成30年)4月から6月にかけて3100枚生産している。 その後,同年7月以降に「DLDH-1896」の品番にてデザインを変更した音楽CDを1100枚生産した。 音楽CD製造・販売業者にあっては,1回に何万枚と製造販売する事業者も存在し,そのような業者は,請求人が主張するよう9か月余りの間に音楽CDの変更を行わないかもしれないが,被請求人のように1回の生産数が少ない事業者は,デザイン変更を年に数回行うことは,特別なことでもなく,珍しいことでもない。 また,当該音楽CDに関し,録音されている曲が同じものであり実質的な商品コンセプト自体に変更がない場合,同じ品番が付されていることは,被請求人においては通常のこととの認識である。上記主張の補助的証拠として,被請求人の陳述書(乙5)を提出する。 3 納品書及び受領書(乙2,乙3)について 上記(2)のとおり,乙第1号証の音楽CDは,確かに,2018年(平成30年)5月8日にタワーレコード大阪梅田店に販売し納品したものである。上記主張の補助的証拠として,被請求人の陳述書(乙5)を提出する。 4 CD販売サイトについて 被請求人は,2017年(平成29年)7月から現在に至るまで,本件商標を自己のCD販売サイトに表示している。当該使用は,商標法第2条第3項第8号の使用に該当する。 なお,当該Webサイトは,自社の従業者が作成したものである。 また,当該Webサイトは,楽天市場内での出店サイトであり,本件商標を表示している部分は,楽天市場よりレンタルされたWebスペースである。 このような楽天市場よりレンタルされたWebスペースの表示内容について,楽天市場の担当者は,これらの把握及びログ管理をしていないのが実情である。 したがって,当該使用を証する書面として,当該Webサイトを制作・管理している当社従業者による陳述書を提出する(乙4)。 5 音楽CDの取引実情について 音楽CDの販売店において,店内に音楽CD試聴コーナーが設けられ,音楽CD自体が消費者の目に触れるように,プレーヤーにセットされているという販売形態は普通一般に行われているものである。 また,音楽CDを展示する際に,一部の音楽CDについて,ケースを開き,CDが見える状態で展示されることも,普通一般に行われている。 さらに,音楽CDを購入した消費者は,自宅などでこれを聴く際に,音楽CD自体に表示された本件商標を目にするわけである。 これにより,当該消費者にあっては,その音楽CDの優秀性ないし特異性と本件商標とが結びつき,本件商標が付されているものには,常に同一の品質が保たれていることを期待するという,品質保証機能が発揮されるのである。 そして,前記消費者が購入した音楽CDは,一緒に暮らしている者や,友人の目にも触れる場合がある。 そのような場合は,この音楽CDを見た者は,当該音楽CDに付された商標の記憶を頼りにして商品を購入する場合もあり得る。 その結果,上述した音楽CDの販売店の音楽CDの展示等により,出所表示機能及び宣伝広告機能が発揮される。 したがって,乙第1号証で示す本件商標の使用は,商標の機能を十分に発揮していることはもちろんのこと,商標法第2条第3項第1号に規定する使用,および,登録商標の使用に該当する。 6 結論 被請求人が提出した乙各号証に基づいて考察すると,少なくとも,第9類「録音済みコンパクトディスク」について,継続して3年以上日本国内において,本件商標,および,本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることは明らかである。 第4 当審の判断 1 証拠及び当事者の主張によれば,以下のとおりである。 (1)本件音楽CDについて ア 録音済みコンパクトディスクに本件商標を付している状態を写したとする商品写真(乙1の1・2)には,「リラクシング・ギター?プレミアム・ソングス/千代正行」「DLDH-1896」の音楽CDの帯と,コンパクトディスクが写されており,CD盤面には「Relaxing/Guitar」「Premium Songs」「Masayuki Chiyo」と右側下部に犬と思しき直立した動物と「DELLY」の文字が表示され,音楽CDのケースの下部には「Della Inc.」の文字が表示されている。 しかしながら,当該写真の撮影日,撮影場所及び撮影者は不明である。 イ 本件商標権者がタワーレコード梅田大阪マルビル店に宛てた2018年(平成30年)5月8日付け納品書(乙2)には,商品コード・商品名「DLDH-1896/リラクシング・ギター?プレミアム・ソングス」,数量「1」,定価「1,800円」の記載がある。 ウ 本件商標権者がタワーレコード梅田大阪マルビル店に宛てた2018年(平成30年)5月8日付け受領書(乙3)には,商品コード・商品名「DLDH-1896/リラクシング・ギター?プレミアム・ソングス」,数量「1」の記載がある。 エ 上記納品書(乙2)及び受領書(乙3)に対応するタワーレコード梅田大阪マルビル店の発注書又は受領書等の提出はない。 オ 本件商標権者の代表者による陳述書(乙5)には,要旨,(ア)本件商標権者は,本件商標と同一の商標をCD自体に表示した音楽CDを2018年4月(平成30年)から6月にかけて3100枚生産したこと,(イ)本件商標と同一の商標が表示されていない音楽CDを2018年(平成30年)7月以降に1100枚生産したこと,(ウ)音楽CDのデザインの変更について,企画全体の変動に合わせてデザインを変更し,1年間に1ないし4回程度,同一内容の音楽CDのCD自体のデザイン又はパッケージ等のデザイン変更を行っていること,の各記載がある。 カ 本件音楽CDを作成する際に,本件商標権者と作成業者との間におけるデザインの仕様書,発注書,請求書,納品書及び受領書等の取引書類の提出はない。 (2)請求人購入音楽CDについて ア 請求人購入音楽CD(甲2の1)は,請求人が2019年(平成31年)1月29日に「タワーレコード」のオンラインショップで購入した商品(甲2の2)であって,「リラクシング・ギター?プレミアム・ソングス/千代正行」「DLDH-1896」の音楽CDの帯と,コンパクトディスクが写されており,CD盤面には「Relaxing/Guitar」「Premium Songs」「Masayuki Chiyo」の文字が表示され,音楽CDのケースの下部には「Della Inc.」の文字が表示されているが,犬と思しき直立した動物と「DELLY」の文字の表示はない。 イ 請求人購入音楽CD(甲3の1)は,請求人が2019年(平成31年)1月28日にamazonで購入した商品(甲3の2)であって,「リラクシング・ギター?プレミアム・ソングス/千代正行」「DLDH-1896」の音楽CDの帯と,コンパクトディスクが写されており,CD盤面には「Relaxing/Guitar」「Premium Songs」「Masayuki Chiyo」の文字が表示され,音楽CDのケースの下部には「Della Inc.」の文字が表示されているが,犬と思しき直立した動物と「DELLY」の文字の表示はない。 (3)本件CDの販売サイトについて ア 本件商標権者の従業者による陳述書(乙4)には,要旨,(ア)「本件商標権者のCDの販売サイトは,2017年(平成29年)7月に同社の前任の従業者が制作したこと,(イ)2017年(平成29年)7月より,現在に至るまで当該WEBページをCDの販売サイトとして公開していること」の各記載がある。 イ 陳述書(乙4)の添付書類であるCDの販売サイトを印刷したものの右側に,「全国一律送料無料」「DElla/公式/SHOP」の文字と,犬と思しき直立した動物,「DELLY」の欧文字が帯状に繰り返し表示されている。 ウ 本件CDの販売サイトのURLは1葉目にはあるが2葉目にはなく,作成日及び掲載日は不明である。 2 判断 (1)本件音楽CDについて 商品写真(乙1の1・2)について,被請求人は,要証期間内に撮影されたとする客観的な証拠を提出しておらず,本件音楽CDを作成する際に作成業者との間におけるデザインの仕様書,発注書,請求書,納品書及び受領書等の取引書類の提出もない。 上記1(1)及び(2)のとおり,本件音楽CDと請求人購入音楽CDとは,音楽CDの帯で「リラクシング・ギター?プレミアム・ソングス/千代正行」「DLDH-1896」が一致すること,CD盤面で「Relaxing/Guitar」「Premium Songs」「Masayuki Chiyo」が一致する(なお,犬と思しき直立した動物と「DELLY」の文字は付されていない。)ことからすると,両者は同一の内容の商品と推認できる。 そして,上記1(2)のとおり,請求人購入音楽CDは,請求人が実際に「タワーレコード」のオンラインショップ及びAmazonより購入したものであるから,当該請求人購入音楽CDは,販売店等により消費者へ引き渡し又は譲渡されているものといえるところ,本件音楽CDにおいては,販売店等から消費者への譲渡の事実は確認できない。 また,納品書(乙2)及び受領書は(乙3)は,本件商標権者作成に係るものであり,当該納品書及び受領書に係る取引を裏付ける納品先であるタワーレコード梅田大阪マルビル店の発注書又は受領書等は提出されていない。 以上のことから,「リラクシング・ギター?プレミアム・ソングス/千代正行」のタイトルの音楽CDに本件商標が付されていた,又は当該商品に本件商標が付されていたものを引渡し又は譲渡したということはできない。 (2)本件CDの販売サイトについて 陳述書(乙4)の添付書類であるCDの販売サイトを印刷したものの右側に,犬と思しき直立した動物及び「DELLY」の欧文字が縦に帯状に繰り返し表示されているが,当該帯状の画像は他の画像よりやや荒いものとなっており,その上,販売サイトのURLは1葉目にはあって2葉目にはない点は不自然であり,印刷日の記載もない。 そして,当該販売サイトが,要証期間内に掲載されていた旨の証拠は,本件商標権者の従業者の陳述書のみであり,客観的な証拠は提出されておらず,また,当該販売サイトの制作時の仕様書等の取引書類の提出もないから,当該販売サイトが要証期間内に掲載されていたのかが不明である。 そうすると,商品に関する広告を内容とする情報に本件商標を付して電磁的方法により提供したということはできない。 (3)小括 以上(1)及び(2)のとおり,被請求人が提出した証拠によっては,要証期間内に,本件商標権者が,本件審判の請求に係る指定商品について本件商標の使用したことを認めるに足る事実を見いだせない。 3 被請求人の主張に対して (1)被請求人は,音楽CDのデザインの変更については,1年間に1ないし4回程度変更を行っており,2018年(平成30年)4月から6月にかけて本件商標と同一の商標をCD自体に表示した音楽CDを3100枚生産し,同年7月以降に本件商標と同一の商標が表示されていない音楽CDを1100枚生産した旨主張する。 しかしながら,上記2(1)のとおり,商品写真(乙1の1・2)は,要証期間内に撮影されたとする客観的な証拠はなく,本件音楽CDを作成する際に作成業者との間におけるデザインの仕様書,発注書,請求書,納品書及び受領書等の取引書類の提出はないから,要証期間内に本件音楽CDに本件商標が付されていたと認めることはできない。 したがって,被請求人の主張は採用することができない。 (2)被請求人は,CDの販売サイト(乙4)は,2017年(平成29年)7月に同社の従業者が制作し,現在に至るまで当該WEBページを公開している旨主張する。 しかしながら,上記2(2)のとおり,当該販売サイトの制作時の仕様書等の提出はなく,当該販売サイトの掲載日も確認することができないから,本件商標が使用されていたということはできない。 4 まとめ 以上のとおりであるから,被請求人は,要証期間内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。 また,被請求人は,本件審判の請求に係る指定商品について,本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
本件商標 |
審理終結日 | 2020-05-13 |
結審通知日 | 2020-05-21 |
審決日 | 2020-06-08 |
出願番号 | 商願2000-6734(T2000-6734) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Z
(Z09)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 伊藤 三男 |
特許庁審判長 |
榎本 政実 |
特許庁審判官 |
平澤 芳行 大森 友子 |
登録日 | 2001-01-26 |
登録番号 | 商標登録第4448666号(T4448666) |
商標の称呼 | デリー |
代理人 | 船橋 理恵 |
代理人 | 皆川 由佳 |
代理人 | 三浦 光康 |
代理人 | 岩瀬 ひとみ |