• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y29
管理番号 1365034 
審判番号 取消2019-300304 
総通号数 249 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-09-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2019-04-15 
確定日 2020-07-13 
事件の表示 上記当事者間の登録第4625257号商標の登録取消審判事件について, 次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は, 成り立たない。 審判費用は, 請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4625257号商標(以下「本件商標」という。)は,「つばき野」の文字を標準文字で表してなり,平成14年3月22日に登録出願,第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,冷凍野菜,冷凍果実,加工野菜及び加工果実,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として,同年11月29日に設定登録され,その商標権は現に有効に存続しているものである。
また,本件審判の請求の登録は,令和元年5月8日にされたものである。
なお,本件審判において,商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは,平成28年(2016年)5月8日ないし令和元年(2019年)5月7日である(以下「要証期間」という場合がある。)。

第2 請求人の主張
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は,被請求人の答弁に対し,何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 商標権者は,本件商標を10年以上前から現在に至るまで,商品「豆腐」等に使用している。
(1)インターネットによる使用
ア 商標権者のホームページ内の「トップページ」の新着一覧には,「2018.3.3」が最終記事となっていて,平成30年3月3日以降,現在までの掲載であることがわかる。ファイルの更新日付の記録によれば,最終更新日である平成31年3月4日現在の状況である。当該ホームページ上での使用は,要証期間内である。「商品紹介」ページには「黒枝豆とうふ」が掲載され,商品の包装の表面左側に,やや崩した「つばき野」の文字を縦書きした商標(以下「使用商標」という。)を付している。
使用商標は,本件商標と態様が相違するが,生じる称呼及び観念が変わることなく同一であり,標準文字である本件商標と社会通念上同一と認められる商標である(乙1)。
イ インターネット販売サイト「べじべじ倶楽部」には,「椿き家の黒枝豆とうふ」の商品写真が掲載され,商品の包装の左側に使用商標を付している。商品写真に「賞味期限18.09.16」との記載があり,平成30年9月16日には,使用商標を付した当該商品が流通していたことが示されている。
使用商標は,本件商標と態様が相違するが,生じる称呼及び観念が変わることなく同一であり,標準文字である本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用しており,商品の包装に商標を付している(乙2)。
ウ インターネット販売サイト「アレルギー対応食品/自然食品らびっと」には,「椿き家の黒枝豆とうふ」の商品写真が掲載され,商品の包装の左側に使用商標を付している。「店主のコーナー」には「2019.2.8現在」の記載があり,平成31年2月8日には,インターネット上で商品「豆腐」に使用商標が使用されていた。
使用商標は,本件商標と態様が相違するが,生じる称呼及び観念が変わることなく同一であり,標準文字である本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用しており,商品の包装に商標を付している(乙3)。
エ インターネット販売サイト「頒布会 おとうふ屋さんの腕自慢」の「椿き家」の項には,「黒枝豆入り豆腐」の商品写真が掲載され,商品の包装の左側に使用商標を付している。「お届けスケジュール」の項には,「*2019年1月14日掲載」の記載があり,平成31年1月14日には,インターネット上で商品「豆腐」に使用商標が使用されていた。
使用商標は,本件商標と態様が相違するが,生じる称呼及び観念が変わることなく同一であり,標準文字である本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用しており,商品の包装に商標を付している(乙4)。
(2)商品写真による使用
商標権者は,自身の製造販売に係る商品に使用商標を使用している。新商品の発売前や商品の包装フィルムの切り替えに際し,客先等への提出書類の作成利用のために商品写真の記録として写真データを残している。
例えば,商品「北海道産 黒枝豆々譜つばき野」の写真データは,JPGファイル「180925黒枝豆とうふ(おもて)」であり,撮影日時が「2018/09/25 14:22」である。「賞味期限」の年月日記載により要証明期間に,使用商標を付した商品「豆腐」及び「おから」が流通していた。
使用商標は,本件商標と態様が相違するが,生じる称呼及び観念が変わることなく同一であり,標準文字である本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用しており,商品の包装に商標を付している(乙5)。
2 まとめ
本件商標は,日本国内において継続して3年以内に商標権者が商品「豆腐」及び「おから」に使用しており,商標法第50条第1項の規定に該当しない。

第4 当審の判断
1 証拠及び被請求人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(1)本件商標権者は,豆腐製造販売を行っている(乙1)。
本件商標権者のホームページの「商品紹介」には,「黒枝豆とうふ130g」の商品写真が掲載され,当該商品の包装の表面左側にやや崩した「つばき野」の文字(使用商標),「北海道産/黒枝豆々譜」の文字が表示されるとともに,当該商品の説明として,「国産丸大豆,北海道産黒枝豆科,にがりだけで仕上げた。美味しい黒枝豆とうふが出来上がりました。賞味期間15日間(冷蔵),※秋冬限定商品(9月?3月)」の記載がある(乙1)。
(2)インターネット販売サイト「べじべじ倶楽部」の「商品紹介」には,「椿き家の黒枝豆とうふ〈冬〉。」の商品写真が掲載され,当該商品の包装の表面左側にやや崩した「つばき野」の文字(使用商標),「北海道産/黒枝豆々譜」の文字とその左上に「賞味期限18.09.16」が表示されるとともに,当該商品の説明として,「メーカー・生産者 椿き家,賞味期限15日」の記載がある(乙2)。
(3)上記(1)及び(2)の認定事実によれば,本件商標権者のホームページに掲載された商品とインターネット販売サイト「べじべじ倶楽部」に掲載された商品とは,商品名が「黒枝豆とうふ」で一致すること,商品の包装のデザイン,包装に表示されたやや崩した「つばき野」の文字,「北海道産/黒枝豆々譜」の文字が一致すること,「べじべじ倶楽部」が取り扱う商品のメーカーが本件商標権者であることから,両商品は同一のものと推認できる。
2 上記1の認定事実によれば,以下のとおり判断できる。
(1)本件商標と使用商標の同一性について
本件商標は,「つばき野」の文字を標準文字で表してなるところ,使用商標は,上記1(1)及び(2)のとおり,「黒枝豆とうふ」の包装の表面左側にやや崩した「つばき野」の文字を縦書きしたものであり,当該文字は本件商標とはつづりが同一であるから,本件商標と使用商標とは社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用商品について
使用商品は,上記1(1)及び(2)のとおり,「黒枝豆とうふ」であって,本件審判の請求に係る指定商品中の第29類「豆腐」に含まれるものと認められる。
(3)使用時期及び使用者について
上記1(2)によれば,「べじべじ倶楽部」に掲載された「黒枝豆とうふ」の賞味期限は平成30年9月16日であり,賞味期限が15日であるから,同月1日には,使用商標を包装に付した商品が本件商標権者により製造されていたことが容易に推認することができる。
そうすると,使用商標は,平成30年9月1日に商品「黒枝豆とうふ」の包装に付されていたとみることができる。そして,本件商標権者が商品の包装に使用商標を付した平成30年9月1日は要証期間内といえる。
(4)小括
以上によれば,本件商標権者は,要証期間内に,本件審判の請求に係る指定商品中の第29類「豆腐」に含まれる使用商品(黒枝豆とうふ)について,その包装に本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付したものと認めることができる。
そして,この行為は,商標法第2条第3項第1号にいう「商品又は商品の包装に標章を付する行為」に該当する。
3 まとめ
以上のとおり,被請求人は,要証期間内に日本国内において,本件商標権者が,本件審判の請求に係る指定商品中の第29類「豆腐」に含まれる使用商品(黒枝豆とうふ)について,本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていたことを証明したというべきである。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。

審理終結日 2020-05-11 
結審通知日 2020-05-14 
審決日 2020-06-02 
出願番号 商願2002-22699(T2002-22699) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Y29)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 佐藤 松江
平澤 芳行
登録日 2002-11-29 
登録番号 商標登録第4625257号(T4625257) 
商標の称呼 ツバキノ 
代理人 城村 邦彦 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ