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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W0935
審判 査定不服 観念類似 登録しない W0935
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない W0935
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W0935
管理番号 1365021 
審判番号 不服2020-1981 
総通号数 249 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-02-13 
確定日 2020-07-16 
事件の表示 商願2018-101989拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「MKS47」の文字を標準文字で表してなり,第9類「電子応用機械器具及びその部品・付属品,アプリケーションソフトウェア,電子計算機用プログラム,映像・音響及びビデオの編集用のコンピュータプログラム,映像処理用のコンピュータプログラムを記憶させた電子カード,音楽及び音響の制作及び編集用のコンピュータソフトウェア,制御器,制御用の機械器具,電気通信機械器具,アニメーションを内容とする記録済み媒体及び動画ファイル,音楽・音声を録音した記録媒体,レコード,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,電子出版物,ぱちんこ機及びスロットマシンに対する攻略方法に関する映像を収録した録画済みビデオディスク及びビデオテープ」及び第35類「他人の事業のためのパチンコホール業界の営業動向に関する情報のオンラインシステムによる提供,他人の事業のためのパチンコ業界の動向に関する情報の提供,パチンコ機の販売に関する情報の提供,パチンコホール経営の診断又は経営に関する助言,商品の販売に関する情報の提供,市場調査及びその評価・分析又はこれらに関する情報の提供,パチンコホールの顧客情報の収集・管理・分析及びこれらに関する情報の提供,パチンコホールの営業データに関する文書又は磁気テープなどのファイリング及び電子計算機によるファイル管理の代行,ファンクラブの企画・運営又は管理並びにそれらに関する情報の提供,通信ネットワークによる商品の販売に関する情報の提供,通信ネットワークによる市場調査及びその評価・分析又はこれらに関する情報の提供,通信ネットワークによるパチンコホールの顧客情報の収集・管理・分析及びこれらに関する情報の提供,通信ネットワークを利用したパチンコホールの営業データに関するファイル管理の代行,広告(雑誌・新聞・インターネットによる広告の代理を含む),ポイントカードの発行・精算及び管理又はこれらに関する情報の提供,インターネットによる広告の代理,商品の販売促進・役務の提供促進のためのポイントの通信ネットワークを利用した蓄積・集計・管理・清算又はこれらに関する情報の提供,電子商取引の利用促進のためのポイントの通信ネットワークを利用した蓄積・集計・管理・清算,職業の斡旋,通信ネットワークを利用した電子メール宛名リスト作成の代行,コンピュータデータベースへの情報編集」を指定商品及び指定役務として,平成30年8月9日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下の3件の登録商標であり,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第397280号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,昭和24年7月23日に登録出願,第69類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同26年3月13日に設定登録され,その後,平成14年11月13日に指定商品を第7類「電気溶接機,グラインダー(電気式のものに限る。),電気ドリル,電気ハンマー,クレーン(電力起重機に限る。),鑽孔機(電動のものに限る。),金属加工用可搬式電動穿孔機,電動布裁断機,電動空気ポンプ,起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,電動ミシン,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電動空気圧縮機」,第9類「アーク溶接機,電気磁気測定器,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電線及びケーブル,電気炉電極,電気通信機械器具(コンパクトディスクプレーヤー・ビデオディスクプレーヤーを除く。),電気式鉄道用信号機,電子応用機械器具(電子応用扉自動開閉装置・電子式卓上計算機・ワードプロセッサを除く。),電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極,周波数変換機,インダクションコイル」及び第12類「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」並びに第8類,第10類,第11類及び第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がされたものである。
(2)登録第1221991号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,昭和48年5月29日に登録出願,第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同51年9月27日に設定登録され,その後,平成18年12月13日に指定商品を第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー」,第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー」及び第12類「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」並びに第8類,第10類,第11類及び第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がされたものである。
(3)登録第5244765号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲3のとおりの構成よりなり,平成20年8月25日に登録出願,第9類「録画済みビデオディスク及びビデオテープ,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル」,第35類「フランチャイズシステムに基づく加盟店の経営の診断・指導・助言,フランチャイズ事業の運営及び管理,フランチャイズ事業に関する情報の提供,企業情報の提供,経済に関する情報の提供,企業の人事管理・労務管理に関する情報の提供,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,賃金の統計に関する情報の提供,労働災害事故の統計に関する情報の提供,従業員の採用・給与・賞与・社会保険・福利厚生の管理に関する事務処理の代行,文書又は磁気テープのファイリング,事業の管理・運営に関する一般事務の代理又は代行,コンピューターデーターベースの情報構築及び情報編集」及び第42類「アプリケーションサービスプロバイダーによる電子計算機用プログラムの提供,その他の電子計算機用プログラムの提供,電子計算機の貸与,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」並びに第36類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として同21年7月3日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
ア 本願商標は,「MKS47」の文字を標準文字で表してなるところ,これは「MKS」の欧文字と「47」の数字とを組み合わせたものと容易に看取,把握されるものである。
イ 本願商標の構成中,前半の「MKS」の欧文字部分は,辞書類に載録された既成語とは認められないものであり,また,本願の指定商品との関係では,その商品の普通名称や品質等を表示するものであるなど,商品の出所識別標識としての機能を果たし得ないと見るべき事情も見当たらないものであるから,一種の造語として理解されるものである。
ウ 本願商標の構成中,後半の「47」の数字2字は極めて簡単な構成であり,かつ,商品の品番,型番等を表示するための記号,符号の一類型として取引上普通に採択,使用されているありふれたものであることからすると,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないか,識別標識としての機能が弱い部分であるというのが相当である。
エ してみれば,本願商標は,その構成中,前半の「MKS」の文字部分が強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であるから,当該文字部分を要部として抽出し,この部分のみを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるということができる。
オ したがって,本願商標は,その要部である「MKS」の文字に相応して「エムケイエス」の称呼を生じるものであって,特定の観念は生じない。
(2)引用商標1について
ア 引用商標1は,別掲1のとおり,「M」,「K」及び「S」の各欧文字の後に「.」(ピリオド)を付して,「M.K.S.」と表してなるところ,その構成文字に相応して,「エムケイエス」の称呼が生じる。
イ そして,当該文字は,辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから,特定の意味合いを想起させるものではなく,一種の造語として理解されるものであって,特定の観念は生じない。
ウ そうすると,引用商標1は,「M.K.S.」の文字部分に相応して,「エムケイエス」の称呼を生じるものであって,特定の観念は生じない。
(3)引用商標2について
ア 引用商標2は,別掲2のとおり,「M.K.S」の欧文字を下段に横書きし(以下「下段部分」という。),その中央の「K」の欧文字の上部に丸囲いの「M」の欧文字を配してなる(以下「上段部分」という。)ものである。
イ 引用商標2の構成中,上段部分と下段部分とは,視覚的に分離して観察されることに加え,観念的な関連性も見いだすことはできないから,これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く,上段部分と下段部分がそれぞれ要部として自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
ウ 引用商標2の要部の一である「M.K.S」の文字部分は,辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから,特定の意味合いを想起させるものではなく,一種の造語として理解されるものであって,特定の観念は生じない。
エ そうすると,引用商標2は,構成中の要部の一である「M.K.S」の文字部分に相応して,「エムケイエス」の称呼を生じるものであって,特定の観念は生じない。
(4)本願商標と引用商標1との類否
ア 本願商標の要部である「MKS」の文字部分と引用商標1との類否について検討すると,これらは,外観においては,「.」(ピリオド)の有無に差異を有するものの,構成する各欧文字のつづりを同一にするから,両者は外観上近似した印象を与えるものといえる。
イ 称呼においては,本願商標の構成中の「MKS」と引用商標1からは,ともに「エムケイエス」の称呼を生じるものであって,その称呼を共通にするものである。
ウ 観念においては,両者は,いずれも特定の観念を生じないから,比較することができないものである。
エ 以上によれば,本願商標構成中の「MKS」と引用商標1とは,観念において比較できないとしても,外観において近似した印象を与え,称呼を共通にするものであるから,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して,全体的に考察すれば,商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(5)本願商標と引用商標2との類否
ア 本願商標の要部である「MKS」の文字部分と引用商標2の要部の一である「M.K.S」の文字部分との類否について検討すると,これらは,外観においては,各文字に付随した「.」(ピリオド)の有無に差異を有するものの,構成する各欧文字のつづりを同一にするから,両者は外観上近似した印象を与えるものといえる。
イ 称呼においては,本願商標の構成中の「MKS」と引用商標2の構成中の「M.K.S」からは,ともに「エムケイエス」の称呼を生じるものであって,その称呼を共通にするものである。
ウ 観念においては,両商標は,いずれも特定の観念を生じないから,比較することができないものである。
エ 以上によれば,本願商標の構成中の「MKS」と引用商標2の構成中の「M.K.S」とは,観念において比較できないとしても,外観において近似した印象を与え,称呼を共通にするものであるから,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して,全体的に考察すれば,商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(6)本願の指定商品と引用商標1及び引用商標2の指定商品の類否
本願の指定商品中の第9類「電子応用機械器具及びその部品・付属品,アプリケーションソフトウェア,電子計算機用プログラム,映像・音響及びビデオの編集用のコンピュータプログラム,映像処理用のコンピュータプログラムを記憶させた電子カード,音楽及び音響の制作及び編集用のコンピュータソフトウェア,制御器,制御用の機械器具,電気通信機械器具」は,引用商標1の指定商品中の第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機」,第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気通信機械器具(コンパクトディスクプレーヤー・ビデオディスクプレーヤーを除く。),電子応用機械器具(電子応用扉自動開閉装置・電子式卓上計算機・ワードプロセッサを除く。)」及び第12類「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」及び引用商標2の指定商品中の第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機」,第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機」及び第12類「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」とは,それぞれ同一又は類似の商品である。
(7)請求人の主張
ア 請求人は,本願商標の構成中,「MKS」の文字は特定の観念を生じさせず,需要者の記憶や印象に残りづらいものであり,また,数字の「47」は,日本の需要者にとっては,「47都道府県」の「47」として,観念を持ちやすいといえるから,その部分を省略して取引にあたることは考えにくいこと,そして,近年,日本においては,「AKB48」,「SKE48」,「乃木坂46」といった数字2字を含む5字構成のネーミングが浸透しており,係る構成のネーミングはそれ全体を一体的に把握することを容易にしていること等を指摘し,本願商標は,一連一体的に把握し得るものであり,殊更に,「MKS」と「47」とに分断し,「MKS」部分のみを要部として抽出するとは考えられない旨を主張する。
しかしながら,上記(1)で述べたように,数字2字は極めて簡単な構成であり,かつ,商品の品番,型番等を表示するための記号,符号の一類型として取引上普通に採択,使用されているありふれたものであることから,本願商標をその指定商品に使用するときは,本願商標に接する取引者,需要者が,「47」の数字部分から,「47都道府県」の「47」としての意味合いを想起するというよりも,商品の品番・型番等を表したものと看取するとみるのが自然であり,本願商標が一体不可分として把握されるものと認めることはできない。
イ 請求人は,「MKS47」は,請求人が,47都道府県でのパチンコホール向けの商圏分析サービスを行う名称として,現在のトレンド(AKB48,乃木坂46)を参考に独自に考案したネーミングであり,請求人の商品や技術を指し示す名称として,本願指定商品や指定役務に係る業界で広く知られており,取引の実情においても,「MKS47」に係る商品・役務と引用商標1及び引用商標2に係る商品・役務とはしっかり棲み分けされ,出所の混同は生じていない旨を主張する。
しかしながら,商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは,その指定商品・指定役務全般についての一般的,恒常的なそれを指すものであって,単にその商標が現在使用されている商品・役務についてのみの特殊的,限定的なそれを指すものではないと解するのが相当である。
そして,上記(4)及び(5)で述べたように,本願商標の要部と,引用商標1及び引用商標2の要部とは,商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
ウ したがって,請求人の主張はいずれも採用することができない。
(8)まとめ
以上のとおり,本願商標は,引用商標1及び引用商標2と類似する商標であり,また,本願の指定商品と引用商標1及び引用商標2の指定商品が同一又は類似の商品であるといえるから,その他の商標との類否について言及するまでもなく,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲
別掲1 引用商標1


別掲2 引用商標2


別掲3 引用商標3(色彩については,原本を参照。)



審理終結日 2020-05-08 
結審通知日 2020-05-12 
審決日 2020-05-27 
出願番号 商願2018-101989(T2018-101989) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W0935)
T 1 8・ 263- Z (W0935)
T 1 8・ 264- Z (W0935)
T 1 8・ 261- Z (W0935)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 内藤 順子 
特許庁審判長 薩摩 純一
特許庁審判官 小松 里美
山根 まり子
商標の称呼 エムケイエスヨンジューシチ、エムケイエスヨンジューナナ、エムケイエスヨンシチ、エムケイエスヨンナナ、エムケイエス 
代理人 特許業務法人 サトー国際特許事務所 

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