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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W35 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W35 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W35 |
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管理番号 | 1364199 |
審判番号 | 不服2019-14684 |
総通号数 | 248 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2020-08-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-11-04 |
確定日 | 2020-07-28 |
事件の表示 | 商願2018- 28936拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「那須果実の森」の文字を標準文字で表してなり、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成30年3月11日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由(要旨) 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、現に有効に存続しているものである。 (1)登録第4506606号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:「果実の森」(標準文字) 登録出願日:平成12年10月13日 設定登録日:平成13年9月14日 更新登録日:平成23年3月29日 指定商品:第33類「焼ちゅう,合成清酒,薬味酒」 (2)登録第5444610号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:「果実の森ミックス」(標準文字) 登録出願日:平成23年2月18日 設定登録日:平成23年10月14日 指定商品:第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆」 (3)登録第5871191号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:別掲のとおり 登録出願日:平成28年1月13日 設定登録日:平成28年8月5日 指定役務:第35類「野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第41類「観光農園の提供,体験農園の提供」 以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は、「那須果実の森」の文字からなるところ、当該文字は、同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく一体的に表されており、その構成文字全体より生ずる「ナスカジツノモリ」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、本願商標は、「栃木県北東、那珂川上流域一帯の地域名。」の意味を有する「那須」の文字、「くだもの。」の意味を有する「果実」の文字、格助詞「の」の文字(いずれも「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)及び「物の多いさま。」の意味を有する「森」の文字(「新釈漢和[新訂版]」株式会社明治書院)を組み合わせてなるものであるから、構成全体としては「那須地域の果実が多いさま。」程の意味合いを認識させるものである。 また、本願商標は、その構成中、「那須」の文字部分が栃木県北東の地域名を意味する語であるとしても、かかる構成において、これに接する取引者、需要者が、殊更「那須」の文字部分を捨象し、「果実の森」の文字部分のみをもって取引に資するものとはいい難く、当該文字部分のみが独立して自他役務の識別標識として機能を果たすというよりは、むしろ構成全体をもって一体不可分のものと認識し、把握されるとみるのが相当である。 そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して「ナスカジツノモリ」の称呼を生じ、「那須地域の果実が多いさま。」の観念を生じるものである。 (2)引用商標について ア 引用商標1について 引用商標1は、「果実の森」の文字からなるところ、当該文字は、「果実が多いさま。」程の意味合いを想起させるものである。 そうすると、引用商標1は、その構成文字に相応して「カジツノモリ」の称呼を生じ、「果実が多いさま。」の観念を生じるものである。 イ 引用商標2について 引用商標2は、「果実の森ミックス」の文字からなるところ、当該文字は、同書、等間隔で外観上一体的に表されており、その構成文字全体より生ずる「カジツノモリミックス」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、引用商標2は、構成文字全体として一般の辞書等には掲載されていないものであるから、一種の造語として理解されるとみるのが相当である。 そうすると、引用商標2は、その構成文字に相応して「カジツノモリミックス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 ウ 引用商標3について 引用商標3は、別掲のとおり、左側に、擬人化した横顔とおぼしき図形(口の中に、円弧状の「みかく・ゆーわく」の文字及び、ハート型の図形を有してなる。)を配し、右側に、茶色で「果実の森」の文字(「森」の右上に小さく緑色のハート型の図形を付してなる。)を横書きにしてなるものである。 そうすると、引用商標3は、構成中の文字部分に相応して「ミカクユーワク」及び「カジツノモリ」の称呼を生じ、また、「果実の森」は「果実が多いさま。」の意味合いを想起させるものであるから、「果実が多いさま。」観念を生じるものである。 (3)本願商標と引用商標の類否について 本願商標と引用商標の類否を検討するに、外観においては、それぞれ前記(1)及び(2)のとおりであり、その構成文字等が明らかに異なるものであるから、両商標は、外観上、判然と区別できるものである。 次に、称呼においては、本願商標から生ずる「ナスカジツノモリ」の称呼と、引用商標1から生ずる「カジツノモリ」、引用商標2から生ずる「カジツノモリミックス」、引用商標3から生ずる「ミカクユーワク」及び「カジツノモリ」の称呼とは、それぞれの音構成及び構成音数が相違し、称呼上、明瞭に聴別できるものである。 そして、本願商標から生ずる「那須地域の果実が多いさま。」の観念と引用商標1及び引用商標3から生ずる「果実が多いさま。」の観念は相違するものであり、引用商標2からは特定の観念が生じないものであるから、本願商標と引用商標とは、観念において、紛れるおそれはないものである。 そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において紛れるおそれはなく、外観及び称呼において明確に区別できるものであるから、これらを総合して考察すれば、互いに非類似の商標というのが相当である。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、役務の類否について判断するまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 引用商標3(色彩については、原本参照。) |
審決日 | 2020-07-01 |
出願番号 | 商願2018-28936(T2018-28936) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(W35)
T 1 8・ 261- WY (W35) T 1 8・ 263- WY (W35) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 内藤 順子、大島 康浩 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
木住野 勝也 青野 紀子 |
商標の称呼 | ナスカジツノモリ、カジツノモリ、モリ |
代理人 | 押久保 政彦 |