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審決分類 審判 査定不服 商6条一商標一出願 登録しない W1328
審判 査定不服 商品(役務)の類否 登録しない W1328
審判 査定不服 外観類似 登録しない W1328
審判 査定不服 観念類似 登録しない W1328
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W1328
管理番号 1364162 
審判番号 不服2019-25 
総通号数 248 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-01-04 
確定日 2020-06-30 
事件の表示 商願2017-64004拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「SPRINGFIELD」の文字を標準文字で表してなり,第13類及び第28類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として,平成29年5月10日に登録出願されたものであり,その後,指定商品については,当審における同31年2月20日付けの手続補正書により,最終的に,第13類「弾倉・グリップ・火器用照準器(望遠照準器を除く。)・ホルスター・その他のレプリカの銃火器の付属品,銃砲,銃砲弾,火薬,爆薬,火工品及びその補助器具」及び第28類「おもちゃの拳銃,ビデオゲーム操作用の銃形手持ち式ユニット,エアガン(おもちゃ),おもちゃの拳銃用の銃砲弾,その他のおもちゃ,標的ゲーム用具,スポーツ用のレプリカの銃火器,サバイバルゲーム用の銃,スポーツ用のエアガン,スポーツ用の圧縮空気銃,ペレット弾を使うスポーツ用の空気銃,スポーツ用のレプリカの銃砲弾,その他の運動用具」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は,要旨以下のとおり認定,判断し,本願を拒絶したものである。
(1)本願商標の指定商品中の「その他の銃砲,その他の銃砲弾」は,その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。したがって,本願は,商標法第6条第1項の要件を具備しない。
(2)本願商標の指定商品には,政令で定める商品及び役務の区分第13類に属さない商品「レクリエーションのためのレプリカの銃火器,サバイバルゲーム用の銃,レクリエーションのためのエアガン,レクリエーションのための圧縮空気銃,ペレット弾を使うレクリエーションのための空気銃,弾倉・グリップ・火器用照準器(望遠照準器を除く。)・ホルスター・その他のレプリカの銃火器の付属品,レクリエーションのためのレプリカの銃砲弾」を含んでいる。したがって,本願は,商標法第6条第2項の要件を具備しない。
(3)本願商標は,登録第5018717号商標,国際登録第842865号商標及び登録第4021236号商標と同一又は類似であって,その商標登録に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した商標は,以下のとおりである。
(1)登録第5018717号商標(以下「引用商標1」という。)は,「SPRINGFIELD」と「スプリングフィールド」の各文字を上下二段に書してなり,平成18年2月20日に登録出願,第28類「スキーワックス,遊園地用機械器具(業務用テレビゲーム機を除く。),愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,釣り具,昆虫採集用具」を指定商品として同19年1月19日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
(2)国際登録第842865号商標(以下「引用商標2」という。)は,「SPRINGFIELD」の文字を横書きしてなり,2004年(平成16年)4月5日にSpainにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,同年8月13日に国際登録出願,第25類「Men's, women's and children's ready-to-wear clothing, footwear (not orthopaedic), headwear.」を指定商品として,平成18年1月13日に設定登録されたものであり,現に有効に存続しているものである。
(3)登録第4021236号商標(以下「引用商標3」という。)は,「スプリングフィールド」と「SPRINGFIELD」の各文字を上下二段に書してなり,平成7年11月2日に登録出願,第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同9年7月4日に設定登録されたものであるが,当該商標権については,商標法第20条第2項及び第3項の規定による更新登録の申請がされなかったため,同30年3月20日に商標権の登録の抹消の登録がされたものである。
以下,引用商標1及び引用商標2をあわせて,「引用商標」という場合がある。

4 当審の判断
(1)商標法第6条第1項及び第2項について
本願は,その指定商品について,上記1のとおり補正された結果,指定商品の内容及び範囲が明確なものとなり,かつ,政令で定める商品及び役務の区分に従ったものとなったと認められる。
その結果,本願は,商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備するものとなった。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本願商標と引用商標3について
引用商標3は,その商標登録原簿の記載によれば,上記3(3)のとおり,商標権の存続期間の満了により,その抹消の登録が平成30年3月20日にされているものである。
したがって,本願商標が引用商標3との関係において,商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由は,解消した。
イ 本願商標と引用商標について
(ア)本願商標について
本願商標は,「SPRINGFIELD」の文字を標準文字で表してなるものであるところ,当該文字が「イリノイ州の州都」「オハイオ州の工業都市」「オレゴン州西部」「ケンタッキー州中部」「バージニア州北東部」「ペンシルベニア州南東部」「マサチューセッツ州南部」「ミズーリ州南西部」「バーモンド州南東部」等の米国の都市名(外国地名レファレンス辞典 2006年 日外アソシエーツ株式会社)として,地名の辞典に載録が認められるとしても,当該文字は,我が国において,特定の地名を表示するものとして広く親しまれているものとは認められないことから,特定の意味合いを有しない一種の造語として理解されるものである。
そうすると,本願商標は,その構成文字に相応して,「スプリングフィールド」の称呼を生じ,特定の観念を生じないというのが相当である。
(イ)引用商標1について
引用商標1は,「SPRINGFIELD」及び「スプリングフィールド」の各文字を上下二段に横書きしてなり,下段の片仮名は,上段の欧文字の読みを表したものと無理なく把握させるものであるところ,上記(ア)と同様に,特定の意味合いを有しない一種の造語として理解されるものである。
そうすると,引用商標1は,その構成文字に相応して,「スプリングフィールド」の称呼を生じ,特定の観念を生じないというのが相当である。
(ウ)引用商標2について
引用商標2は,「SPRINGFIELD」の文字を横書きしてなるところ,上記(ア)と同様に,特定の意味合いを有しない一種の造語として理解されるものである。
そうすると,引用商標2は,その構成文字に相応して,「スプリングフィールド」の称呼を生じ,特定の観念を生じないというのが相当である。
(エ)本願商標と引用商標1の類否
本願商標と引用商標1の類否について検討すると,外観においては,本願商標と引用商標1の上段の「SPRINGFIELD」の文字部分とは,同じ文字種であり,両者はつづりを同一にするものであって,下段の片仮名は上段の読みを表したにすぎないものであるから,本願商標と引用商標1とは,外観上類似するものといえる。
次に,称呼においては,両商標は,「スプリングフィールド」の称呼を同一にするものである。
さらに,観念においては,両商標は,いずれも特定の観念を生じないから,観念上比較することができない。
以上によれば,両商標は,観念において比較できないとしても,外観において類似し「スプリングフィールド」の称呼を同一にするものであるから,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して,全体的に考察すれば,両商標は,商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(オ)本願商標と引用商標2の類否
本願商標と引用商標2の類否について検討するに,両商標の外観は,同じ文字種であり,両者はつづりを同一にするものであるから,互いに極めて近似した印象を与えるものといえる。
次に,称呼においては,両商標は,「スプリングフィールド」の称呼を同一にするものである。
さらに,観念においては,両商標は,いずれも特定の観念を生じないから,比較することができない。
以上によれば,両商標は,観念において比較できないとしても,外観が極めて近似し,称呼を同一にするものであるから,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して,全体的に考察すれば,両商標は,商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(カ)本願商標の指定商品と引用商標1及び引用商標2の指定商品の類否について
a 本願商標の指定商品中「おもちゃの拳銃,ビデオゲーム操作用の銃形手持ち式ユニット,エアガン(おもちゃ),おもちゃの拳銃用の銃砲弾,その他のおもちゃ,標的ゲーム用具,サバイバルゲーム用の銃」は,引用商標1の指定商品中「遊園地用機械器具(業務用テレビゲーム機を除く。),おもちゃ,人形,遊戯用器具,ビリヤード用具」と同一又は類似する商品である。
b 本願商標の指定商品中「スポーツ用のレプリカの銃火器,スポーツ用のエアガン,スポーツ用の圧縮空気銃,ペレット弾を使うスポーツ用の空気銃,スポーツ用のレプリカの銃砲弾,その他の運動用具」は,引用商標2の指定商品中「履物及び運動用特殊靴(整形外科用履物を除く。)」と類似する商品である。
(キ)小括
以上によれば,本願商標と引用商標1及び引用商標2とは,互いに類似する商標であり,かつ,本願商標は,引用商標1及び引用商標2の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するから,登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。


別掲

審理終結日 2020-01-28 
結審通知日 2020-02-03 
審決日 2020-02-14 
出願番号 商願2017-64004(T2017-64004) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W1328)
T 1 8・ 91- Z (W1328)
T 1 8・ 264- Z (W1328)
T 1 8・ 262- Z (W1328)
T 1 8・ 263- Z (W1328)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 赤星 直昭森山 啓 
特許庁審判長 半田 正人
特許庁審判官 大森 友子
山根 まり子
商標の称呼 スプリングフィールド、スプリング、フィールド 
代理人 中田 和博 
代理人 青木 博通 

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