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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W18
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W18
審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない W18
審判 査定不服 観念類似 登録しない W18
管理番号 1363219 
審判番号 不服2018-5222 
総通号数 247 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-04-16 
確定日 2020-05-19 
事件の表示 商願2016-3277拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「U.S. POLO ASSN.」の文字を標準文字で表してなり、第18類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成28年1月13日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同年10月24日受付けの手続補正書により、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,旅行かばん,ブリーフケース(革製品),キーケース(革製品),革製の財布,革製の旅行用スーツケース,革製ポーチ,革製ハンドバッグ,バックパック,トートバッグ,ハンドバッグ,肩掛けかばん,メッセンジャーバッグ,ダッフルバッグ,運動用バッグ,ブリーフケース,財布,カード入れ,キーケース,小銭入れ,がま口,手提げかばん,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,日傘,ビーチパラソル,傘,つえ,つえ金具,つえの柄,革ひも,その他の皮革」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は、登録第4040052号商標(以下「引用商標1」という。)、登録第4931614号商標(以下「引用商標2」という。)及び登録第4931615号商標(以下「引用商標3」という。)と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。
ア 引用商標1
商標の構成 「POLO」
指定商品 第3類「つけづめ,つけまつ毛」、第8類「ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,まつ毛カール器,マニキュアセット」、第10類「耳かき」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」、第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」並びに「つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」を含む第26類、第14類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
なお、指定商品は、平成20年2月13日に指定商品の書換登録がされた結果、上記のとおりとなった。
登録出願日 平成3年10月4日
設定登録日 平成9年8月8日
イ 引用商標2
商標の構成 「POLO」(標準文字)
指定商品 「貴金属製のがま口及び財布,貴金属製コンパクト」を含む第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 平成17年8月18日
設定登録日 平成18年2月24日
ウ 引用商標3
商標の構成 「ポロ」(標準文字)
指定商品 「貴金属製のがま口及び財布,貴金属製コンパクト」を含む第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 平成17年8月18日
設定登録日 平成18年2月24日
(2)商標法第4条第1項第15号について
本願商標は、その構成中に、アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンが設立した「ザ ポロ ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ」(同社及びその前身の会社を、以下「ラルフ社」という。)が、本願商標出願前から服飾品やインテリア雑貨に使用して著名となっている「POLO」(以下「引用標章」という。)の文字を含んでなるから、これを出願人がその指定商品に使用すると、あたかも同人又は同社と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審における証拠調べ
本願商標が商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、意見を申し立てる機会を与えるべく、相当の期間を指定して、令和元年6月21日付けで証拠調べの結果を通知したところ、請求人は、同年9月30日に意見書を提出した。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点
証拠調べ通知書による指摘は、単にラルフ社の商品が「Polo」ないし「ポロ」として認識されている事実を指摘しているにすぎない。引用標章が周知著名性を獲得していることは、審判請求人も認めるところであり、本願商標にラルフ社が服飾品やインテリア雑貨について使用して著名となっている標章「POLO」の語を一部に含んでいるとしても、本願商標は全体で、複数の構成文字からなる商標であり「POLO」の語の存在をもって、ラルフ社の業務に係る商品と誤解することは無い。「POLO」の語はスポーツのポロ競技を表す一般的な用語であるため、全米ポロ協会を表示する不可分一体の団体名の一部に「POLO」が含まれていても、需要者等が本願商標に接した場合に「POLO」の語のみを抽出して取引に資するとは全く考えられないものである。
よって、上記証拠をもってしては、本願商標が商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとはいえない。

5 当審の判断
(1)引用標章の周知著名性について
ア 令和元年6月21日付け証拠調べ通知によれば、以下の事実が認められる。
(ア)「ポロ・ラルフ・ローレン(Polo Ralph Lauren)」とは、ニューヨーク出身のファッションデザイナー「ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)」氏が、1968年に設立した米衣料大手であり、スポーツ「ポロ」の名前をブランドに取り込んだもので、1970年代に米国で爆発的な人気を呼び、世界的なブランドとなったものである。
(イ)「ポロ(Polo)」の語は、「POLO BY RALPH LAUREN」及び「Polo Ralph Lauren」の略称と認識されているものであり、当該語は単独でも「米国のデザイナー、ラルフローレンがデザインした紳士服や婦人服の商標。」や、「米国デザイナーRalph Laurenがデザインした革製品(バッグなど)」の意味を有するものとして辞書に掲載されているものである。
(ウ)ラルフ社は、特に高級スーツやポロシャツなどのメンズウェアでその名を知られ、アメリカン・トラディショナル(アメトラ)の代表的存在とされ、「ラルフ」、「ポロ」と通称されている。さらに、2006年3月30日、東京・表参道にアジアのフラッグシップストアをオープンさせている。
(エ)我が国において、ラルフ社は、自身の取り扱う衣料品、バッグ等の商品について、「POLO RALPH LAUREN」及び「ポロ ラルフ ローレン」の文字、並びに、「POLO」と「RALPH LAUREN」の文字を上下二段に併記してなる標章を使用しており(以下、これらをまとめて「使用商標」ということがある。)、使用商標が使用された商品を自身の店舗及びウェブサイトのみならず、通信販売のウェブサイトである「ZOZOTOWN」、「三井ショッピングパーク」、「高島屋FASHION SQUARE」、「西武、SOGO」、「ISETAN ONLINE」等でも販売している。
(オ)使用商標は、書籍、新聞、ファッション誌やインターネット等の様々な媒体において、ラルフ社の取扱いに係る衣料品、バッグ等の主要ブランドとして紹介されており、様々な媒体において、「POLO」、「Polo」又は「ポロ」と略して表記されている(以下、「Polo」又は「ポロ」も含めてまとめて「引用標章」という。)。
(カ)2010年1月5日から16日に首都圏と近畿圏在住の20?69歳の男女900人を対象に実施された「ファッションブランド意識調査」によれば、「衣料品の人気度ランキング」において、「ラルフ ローレン」のブランドは、バーバリー、ユニクロに次ぐ3位であった。
(キ)ラルフ社の業績は、2008年度で売上高は約4,880百万ドル、2013年度で売上高7,450百万ドルに上る。
イ 前記アにおいて認定した事実によれば、引用標章は、ラルフ社の主要ブランドとして周知著名である使用商標の略称及び通称として、我が国の衣料品、バッグ等を取り扱う業界の取引者、需要者の間において、本願商標の登録出願日(平成28年1月13日)には、相当程度広く認識され、その周知性は、本願商標の審決日においても継続しているものということができる。
(2)商標法第4条第1項第11号の該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、前記1のとおり、「U.S. POLO ASSN.」の欧文字を標準文字で表してなり、「U.S.」、「POLO」及び「ASSN.」の各文字を一文字分のスペースを介して組み合わせた結合商標である。
そして、本願商標の構成中の「U.S.」の文字は、「アメリカ合衆国」の意味を、「POLO」の文字は、「ペルシア起源の騎乗球技。現今のものは、4人ずつ二組に分かれ、1個の木のボールを馬上から長柄の槌(マレット)で相手側のゴールへ打ち込み合って勝負を争う。」(以下、「スポーツとしての『ポロ競技』」という。)の意味をそれぞれ有するものであり(いずれも「広辞苑第六版」参照)、また、「ASSN.」の文字は、「associationの略語」を表す英語(「ジーニアス英和辞典 第五版 大修館書店」参照)ではあるものの、我が国において一般に馴染みのある語と認め難いことから、この文字に接する取引者、需要者が直ちに「協会」という意味合いを理解するとはいい難いものである。そうすると、本願商標は、その構成全体として特定の意味合いを認識させるものということはできない。
また、本願商標は、その構成文字数が多く、その全体から生じる称呼「ユウエスポロエイエスエスエヌ」も冗長となるものである。
そして、本願商標の構成中「POLO」の文字は、スポーツとしての「ポロ競技」の意味を有するものの、前記(1)のとおりラルフ社の主要ブランドとして周知著名な標章である「POLO」と、その構成を同じくするものである。
そうすると、本願商標を構成する「POLO」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるから、本願商標は、当該「POLO」の文字部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるものである。
以上のことからすると、本願商標は、要部である「POLO」の文字部分から「ポロ」の称呼及び「ラルフ社の主要ブランド」の観念を生じるものである。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1
引用商標1は、前記2(1)アのとおり、「POLO」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「ポロ」の称呼を生じるものである。また、「POLO」の文字は、前記アのとおり、スポーツとしての「ポロ競技」が理解されるとともに、周知著名な標章である「POLO」とその構成を同じくするものであるから、「ラルフ社の主要ブランド」との観念も生じる。
(イ)引用商標2
引用商標2は、前記2(1)イのとおり、「POLO」の欧文字を標準文字で表してなるから、前記(ア)と同様に、「ポロ」の称呼、「ポロ競技」及び「ラルフ社の主要ブランド」の観念を生じる。
(ウ)引用商標3
引用商標3は、前記2(1)ウのとおり、「ポロ」の片仮名を標準文字で表してなるから、これより「ポロ」の称呼を生じること明らかである。また、「ポロ」の文字は、前記アからすれば「POLO」の表音として、スポーツとしての「ポロ競技」が理解されるとともに、周知著名な標章である「ポロ」とその構成を同じくするものであるから、「ラルフ社の主要ブランド」との観念も生じる。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標の要部と引用商標1及び2とを比較すると、いずれも「POLO」の欧文字からなるものであるから、外観を共通にするものである。
次に、本願商標の要部と引用商標3とを比較すると、外観において、欧文字と片仮名という文字種を異にするところがあるものの、両者は共に態様上の特徴が認められない標準文字で表していることに加え、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われている取引の実情があること、「ポロ」の文字も、前記(1)のとおり周知著名な商標であることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、取引者、需要者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
そして、称呼及び観念においては、本願商標の要部と引用商標は、「ポロ」の称呼及び「ラルフ社の主要ブランド」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標の要部と引用商標は、称呼及び観念を同一にするものであって、外観も共通するか、異なるとしても、その差異が特段印象付けられるものではないから、これらを総合的に勘案すると、両商標は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
エ 指定商品の類否について
本願商標に係る指定商品は、前記1のとおりであるところ、その指定商品中「旅行かばん,ブリーフケース(革製品),キーケース(革製品),革製の財布,革製の旅行用スーツケース,革製ポーチ,革製ハンドバッグ,バックパック,トートバッグ,ハンドバッグ,肩掛けかばん,メッセンジャーバッグ,ダッフルバッグ,運動用バッグ,ブリーフケース,財布,カード入れ,キーケース,小銭入れ,がま口,手提げかばん,かばん類,袋物」は、引用商標1に係る指定商品中の第18類「かばん類,袋物」並びに引用商標2及び引用商標3に係る指定商品中の第14類「貴金属製のがま口及び財布」と、また、本願商標に係る指定商品中「携帯用化粧道具入れ」は、引用商標1に係る指定商品中の第3類「つけづめ,つけまつ毛」、第8類「ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,まつ毛カール器,マニキュアセット」、第10類「耳かき」、第18類「携帯用化粧道具入れ」、第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」及び第26類「つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」並びに引用商標2及び引用商標3に係る指定商品中の第14類「貴金属製コンパクト」と、同一又は類似の商品である。
オ 小括
以上より、本願商標は引用商標と類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号の該当性について
ア 引用標章の周知著名性の程度について
前記(1)のとおり、引用標章は、ラルフ社の主要ブランドとして周知著名である使用商標の略称及び通称として、我が国の衣料品、バッグ等を取り扱う業界の取引者、需要者の間において、本願商標の登録出願日(平成28年1月13日)には、相当程度広く認識され、その周知性の程度はかなり高いものといえ、また、その周知性は本願商標の審決日においても継続しているものである。
イ 本願商標と引用標章の類似性の程度
引用標章は、前記(1)ア(オ)のとおり、「POLO」(引用標章をいうときは、小文字表記を含む。以下同じ。)又は「ポロ」の文字からなるものである。
他方、本願商標は、前記1のとおり、「U.S. POLO ASSN.」の欧文字を標準文字で表してなり、「U.S.」、「POLO」及び「ASSN.」の各文字を一文字分のスペースを介して組み合わせた結合商標である。
そして、本願商標の構成中「POLO」の文字は、前記(1)のとおり周知著名な標章である「POLO」と、そのつづりを同じくするものであるから、当該構成部分は、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える。
そうすると、本願商標と引用標章は、全体としては差異を有するとしても、本願商標の要部たる「POLO」と引用標章とは、「POLO」のつづりを共通にするか、文字が異なるとしても該文字の片仮名表記という共通性を有するものであり、また、「ポロ」の称呼及び「ラルフ社の主要ブランド」としての観念も共通するものであるから、本願商標と引用標章とは、類似性の程度が極めて高いというべきである。
ウ 商品の関連性及び取引者、需要者の共通性について
本願商標の指定商品には、商標法第4条第1項第11号に該当すると判断される指定商品のほかに、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,日傘,ビーチパラソル,傘,つえ,つえ金具,つえの柄,革ひも,その他の皮革」があるところ、当該指定商品はデザイン性が求められ、ファッションアイテムの1つとしてコーディネートに用いられるなど、ファッション関連の商品といえるものである。
他方、使用商標に係る商品は、衣料品、バッグ等であるから、ファッション関連の商品といえる。
そうすると、両者は、いずれもファッション関連の商品であるから、商品としての関連性を有し、その取引者、需要者も共通する。
エ 出所の混同のおそれについて
本願商標の指定商品の需要者は、一般消費者であって、ブランドについての専門的な知識を持たない者も多数含まれており、これを購入するに際して払われる注意力は必ずしも高いとはいえない。そして、その取引者、需要者において普通に払われる注意力を基準として、以上のアないしウを総合的に判断するならば、本願商標を請求人がその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者が、周知性を有する引用標章を想起、連想し、その商品が、あたかもラルフ社又はラルフ社と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
なお、「POLO」の文字は、スポーツとしての「ポロ競技」を理解させる語であるから、引用標章の独創性は必ずしも高くないが、前記(1)のとおり、引用標章は使用商標の略称、通称としてかなり高い周知性を有するといえるものであり、本願商標の指定商品と使用商標に係る商品が極めて関連性の高いものであって、両者の取引者、需要者も共通する。そうすると、本願商標の商標法第4条第1項第15号の該当性を判断をする上で、引用標章の独創性の程度が低いことを重視するのは相当でないというべきである。
さらに、なお念のため商標法第4条第1項第11号に該当すると判断される商品についても言及するに、当該指定商品と使用商標に係る商品とは、その商品の関連性及び取引者、需要者の共通性が、前記ウで判断した商品に比して、より高いものであるから、なおさら、出所の混同のおそれのある同項第15号に該当するものといえる。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)請求人の主張について
ア 請求人は、(ア)拒絶査定で「ASSN.」が協会を意味することが認められた、(イ)「U.S. POLO ASSN.」の文字列からは「全米ポロ協会」の観念だけが自然に生じ、外観上も極めてまとまりよく構成されているから、その一部のみを抽出して取引に資することはない旨を主張している。
しかしながら、前記(2)アのとおり、「ASSN.」の文字から「協会」の意を必ずしも理解するとはいえず、本願商標全体として請求人が主張する「全米ポロ協会」の観念が生じるとは認められないものであり、また、本願商標構成中の「POLO」の文字部分は周知著名な引用標章「POLO」と同じつづりであって、「ラルフ社の主要ブランド」を認識させるものであるから、本願商標は、「POLO」の文字部分が要部として抽出されるというべきであり、請求人の上記主張は採用することができない。
イ 請求人は、現実の市場を丹念に調査すると、取引者においては最早、本物の「POLO」商品とポロ関連商標との間では出所の混同は一切生じてないと判断せざるを得ない。賢い消費者においては、本物の「POLO」商標とPOLOの文字に何らか文字が付加されているいわゆるポロ関連商標とは峻別しているのが普通で、不注意にも混同を起こしている例は、全くと言ってよいほどに存在しない旨を主張している。
しかしながら、そもそも商標法第4条第1項第11号及び同項第15号の適用に際しては、現実に出所の混同が惹起された場合に限られることなく、出所の混同のおそれがあることをもって足りると解すべきである。そして、前者については、前記(2)のとおり、本願商標と引用商標とは、「ポロ」の称呼及び「ラルフ社の主要ブランド」の観念を共通にする類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むから、本願商標をその指定商品に使用するときは、引用商標と出所混同のおそれがあるものである。また、後者については、前記(3)のとおり、本願商標と引用標章との類似性の程度、引用標章の著名性等を考慮すれば、本願商標に接した取引者、需要者は、「POLO」の文字部分から、「ラルフ社の主要ブランド」を容易に想起し、ラルフ社又はラルフ社と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品と混同するおそれがあるというべきである。
ウ 請求人は、(ア)登録第6056369号商標「HV POLO」(標準文字)が、出所混同の蓋然性が否定されて、「POLO」商標と登録併存している、(イ)登録第2570515号商標「US POLO ASSOCIATION」が、第14類(身飾品等)、第18類(かばん、袋物、携帯用化粧道具入れ)及び第25類(ベルト等)を指定商品として登録されている旨を主張している。
しかしながら、上記商標と本願商標とは、その構成又は指定商品を異にするものであり、もとより、登録出願に係る具体的事案の判断においては、過去の登録例、審決例等に拘束されることなく、該出願についての査定時又は審決時において、その判断の対象となる商標が使用される商品に係る取引の実情等をも併せ考慮して、個別に判断されるべきものであるから、他の登録例の存在によって、本願商標の商標法第4条第1項第11号及び同項第15号の該当性の判断が左右されるものではない。
(5)まとめ
以上からすれば、本願商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(令和元年6月21日付けの証拠調べ通知で示した事実)
1 辞書における記載
(1)コンサイスカタカナ語辞典第4版(「株式会社三省堂」発行)において、「ポロ〔Polo〕」の項に、「米国のデザイナー、ラルフ-ローレンがデザインした紳士服や婦人服の商標。」の記載がある。
(2)小学館ランダムハウス英和大辞典(「株式会社小学館」発行)において、「Polo」の項に「ポロ:米国のRalph Laurenデザインによるバックなどの革製品」「ポロ.→POLO BY RALPH LAUREN」の記載がある。
(3)英和ブランド名辞典(「株式会社研究社」発行)において、「Polo」の項に「米国のデザイナーRalph Laurenがデザインした革製品(バッグなど)。New York市のPolo Ralph Lauren Corp.が製造。」及び「Polo→Polo Ralph Lauren」の記載がある。

2 新聞記事、雑誌における記載
(1)「神戸新聞」(2018年10月5日)朝刊において、「<青空主義>兵庫おでかけ情報 アート 神戸で『タータン展』伝統とモダンをまとう ずらり布地100点 歴史と魅力に迫る」の見出しの下、「米国のラルフ・ローレンのブランド『POLO(ポロ)』がネクタイ、カバンなどで採用し流行させた。」の記載がある。
(2)「FujiSankei Business i」(2006年3月14日)において、「POLOと提携 グッズ商戦展開 英ウインブルドン、ぐーんとオシャレに」の見出しの下、「【用語解説】ポロ・ラルフ・ローレン:ニューヨーク出身のファッションデザイナー、ラルフ・ローレン氏が、1968年に設立した米衣料大手。・・・優雅さと伝統を併せ持つスポーツ、ポロの名前をブランドに取り込んだ。70年代に米国で爆発的な人気を呼び、世界的なブランドとなった。」の記載がある。
(3)「朝日新聞」(1994年5月12日)朝刊において、「偽ブランドのポロシャツを売った疑い、業者を逮捕 横浜 /神奈川」の見出しの下、「『Polo』(ポロ)の商標で知られる『ザ・ポロ・ローレン・カンパニー』社の偽商標をつけたポロシャツを販売していたとして・・・」の記載がある。
(4)「大阪読売新聞」(1993年10月15日)朝刊において、「偽『ポロ』眼鏡枠販売事件 さらに2人逮捕/福井県警」の見出しの下、「米国のファッションブランド『Polo(ポロ)』の製品をまねた偽造眼鏡枠販売事件で・・・」の記載がある。
(5)「日経MJ」(2009年3月4日)において、「『ポロ』国内3子会社統合、ライセンス管理や卸一貫。」の見出しの下、「米ポロ社の2008年3月期の売上高は約48億8千万ドル(約4,782億円)。このうち日本での売上高は2億7,200万ドル(約267億円)で、全体の6%弱を占めた。」との記載がある。
(6)「ファッション企業・ブランドガイド(2015/16年版)」(2015年1月30日「繊研新聞社」発行)において、ラルフローレンの2013年度の売上高が74億5000万ドルとの記載がある。
(7)「ファッションブランド人気度ランキング」(2010年6月25日「日本経済新聞社 産業地域研究所」発行)において、2010年1月5日から16日に首都圏と近畿圏在住の20?69歳の男女900人を対象に実施された「ファッションブランド意識調査」によれば、「衣料品の人気度ランキング」において、「ラルフ ローレン」のブランドは、バーバリー、ユニクロに次ぐ3位であった。

3 インターネット記事における記載
(1)ウィキペディアの「ラルフ・ローレン」のページにおいて、「企業としてのラルフ・ローレンは、特に高級スーツやポロシャツなどのメンズウェアでその名を知られ、ブルックス・ブラザーズと並ぶアメリカン・トラディショナル(アメトラ)の代表的存在とされている。通称:『ラルフ』、『ポロ』」「2006年3月30日、東京・表参道にアジアのフラッグシップストアとなる『ラルフ ローレン表参道(RALPH LAUREN Omotesando)』をオープン。」との記載がある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3
(2)「RALPH LAUREN」のウェブサイトにおいて、「POLO」と「RALPH LAUREN」の文字を上下二段に併記してなる商標が付された商品を、RALPH LAURENの店舗及びウェブサイト並びに通信販売のウェブサイトである「ZOZOTOWN」、「三井ショッピングパーク」、「高島屋FASHION SQUARE」、「西武、SOGO」、「ISETAN ONLINE」等でも販売している。
https://www.ralphlauren.co.jp/ja
(3)「三井アウトレットパーク多摩南大沢」のウェブサイトにおいて、「ショップを探す」のページ中「POLO RALPH LAUREN FACTORYSTORE MENS」の店舗のページに,「取扱いブランド POLO」との記載がある。
https://mitsui-shopping-park.com/mop/tama/shop/802090.html
(4)「Reshal」のウェブサイトおいて、「ポロラルフローレン(Po lo Ralph Lauren)(通称:ポロ)」、「ポロラルフローレン(Polo Ralph Lauren)の【ポロ】は、気品を意識しポロ競技から命名され、ブランドのロゴマークとして使われていることは有名です。」との記載がある。
https://www.reshal.jp/style-kai/polo-ralph-lauren.html
(5)「丸井今井札幌本店」のウェブサイトにおいて、「<ポロラルフローレン >が大通館5階にオープン!」との見出しの下に、「<Polo>のクラシックなスタイル・・・」との記載がある。
https://i.isetan.co.jp/maruiimai/sapporo/2016/06/5-3.html



審理終結日 2019-11-28 
結審通知日 2019-12-06 
審決日 2019-12-19 
出願番号 商願2016-3277(T2016-3277) 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (W18)
T 1 8・ 261- Z (W18)
T 1 8・ 262- Z (W18)
T 1 8・ 263- Z (W18)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 大塚 順子 
特許庁審判長 木村 一弘
特許庁審判官 黒磯 裕子
板谷 玲子
商標の称呼 ユウエスポロアソシエーション、ユウエスポロエイエスエスエヌ、ユウエスポロ、ポロ 
代理人 広瀬 文彦 
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