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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W363742 |
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管理番号 | 1362527 |
審判番号 | 不服2019-14376 |
総通号数 | 246 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2020-06-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-10-29 |
確定日 | 2020-05-26 |
事件の表示 | 商願2018- 63050拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,「木・鋼ハイブリッド構造」の文字を標準文字で表してなり,第6類,第19類,第36類,第37類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成30年5月16日に登録出願され,指定商品及び指定役務については,当審における令和元年10月29日受付の手続補正書により,別掲のとおりの役務に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は,「本願商標は,『木・鋼ハイブリッド構造』の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中,『木』及び『鋼』の文字は,建築材料の材質であり,『ハイブリッド構造』の文字は,『異種の構造材料の組合せ,構造部材に対する異種の剛性の付加,あるいは異なった耐荷方式の混合によって,それまでの基本的構造とは違った構造特性を持った混合構造。』の意味を有する語であるから,本願商標全体からは,『木と鋼の混合構造。』ほどの意味合いを想起させるものである。また,新聞記事及びインターネット記事情報によれば,本願指定商品に係る建材や,本願指定役務に係る建築を取り扱う業界において,『木材や鋼,又は,木材や鉄などの異種の構造材料を組合せた建材や構造』のことを『ハイブリッド○○(○○には,構造や工法,商品などの言葉が入る。)』と称している実情が多数確認できる。そうすると,本願商標を上記意味合いに相応する指定商品・役務に使用しても,これに接する取引者,需要者は,『木と鋼の混合構造による建築物のための商品』や『木と鋼の混合構造による建築物に関する役務』であると認識し,理解するにとどまるものであり,本願商標は,単に,商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨を認定,判断し,本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は,「木・鋼ハイブリッド構造」の文字からなるところ,その構成中,「木」の文字は,「用材。材木」の意味を,「鋼」の文字は,「きたえた鉄。はがね。」の意味を(いずれも「広辞苑 第7版」株式会社岩波書店発行),そして「ハイブリッド構造」の文字は,「異種の構造材料の組み合わせ,構造部材に対する異種の剛性の付加,あるいは異なった耐荷方式の混合によって,それまでの基本的構造とは違った構造特性を持った混合構造」(「建築大辞典 第2版」株式会社彰国社発行)の意味を,それぞれ有する語であって,「木」と「鋼」の間に「・」を介したうえで,各語を一連に表した「木・鋼ハイブリッド構造」の文字は,全体として原審説示の意味合いを暗示させる場合があるとしても,当該文字から直ちに特定の意味合いを認識し,役務の質を具体的かつ直接的に表したものと理解,認識させるとはいい難いものである。 また,当審において職権をもって調査するも,本願の指定役務を取り扱う業界において,「木・鋼ハイブリッド構造」の文字が,役務の具体的な質を表示するものとして,取引上普通に使用されている事実は発見できず,さらに,本願商標に接する取引者,需要者が,当該文字を役務の質を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。 そうすると,本願商標は,その構成全体をもって特定の語義を有することのない一種の造語として認識されるとみるのが自然である。 してみれば,本願商標は,役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず,自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。 したがって,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願の指定役務 第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」 第37類「建設工事,建築工事に関する助言,建築工事に関する施工の監理,建築設備の運転・点検・整備」 第42類「建築物の設計,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案(広告に関するものを除く。),建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究」 |
審決日 | 2020-05-11 |
出願番号 | 商願2018-63050(T2018-63050) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
WY
(W363742)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 中山 寛太、馬場 秀敏、加藤 桜子、池田 光治 |
特許庁審判長 |
佐藤 松江 |
特許庁審判官 |
須田 亮一 平澤 芳行 |
商標の称呼 | モッコーハイブリッドコーゾー、モクコーハイブリッドコーゾー、キハガネハイブリッドコーゾー、モッコーハイブリッド、モクコーハイブリッド、キハガネハイブリッド、ハイブリッドコーゾー、ハイブリッド |
代理人 | 水野 勝文 |
代理人 | 保崎 明弘 |
代理人 | 和田 光子 |