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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W16 審判 全部申立て 登録を維持 W16 審判 全部申立て 登録を維持 W16 |
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管理番号 | 1360715 |
異議申立番号 | 異議2019-900190 |
総通号数 | 244 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2020-04-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2019-07-10 |
確定日 | 2020-03-05 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6141408号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6141408号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6141408号商標(以下「本件商標」という。)は、「SILKY」の文字を標準文字で表してなり、平成29年12月26日に登録出願、第16類「衛生手ふき,紙製タオル,紙製おしぼり,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ」を指定商品として、同31年3月29日に登録査定、同年4月26日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号、又は同法第4条第1項第10号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。 1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性 広辞苑第七版には、「シルキー」は「絹のような手触りや光沢があるさま。」と記載されている(甲1)。 そして、「SILKY」又は「シルキー」は、紙製品(紙袋、メモ帳、コート紙)に対して、絹のような質感を有するといった品質そのものを表す語として、一般的に使用されるものである(甲2?4)。 また、「SILKY」又は「シルキー」は、本件商標の指定商品との関係において、紙製おしぼりや紙製テーブルナプキンについて、絹のような質感を有する品質を表す語として、一般的に使用されている(甲5?10)。 「紙製おしぼり」は、「紙製手ふき」に含まれる商品と考えられ、衛生手ふきや紙製タオル、紙製ハンカチとしての側面も有するから、それら各商品について「シルキー(Silky)」の語が使用されているといえる。 したがって、本件商標を、表面が絹のような質感をもつ各指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質を表示した語と認識するにとどまるから、該文字は自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、かつ、上記以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当する。 2 商標法第4条第1項第10号該当性 「シルキー(Silky)」(甲5)や「シルキータッチ」(甲7)が、仮に商標として使用されているとすると、本件商標とは、称呼が同一である(「シルキータッチ」は「シルキー」の部分に識別力があるため)から類似する。 上記の「シルキー(Silky)」や「シルキータッチ」が使用されている商品は、本件商標の出願前から現在に至るまで販売されていることから、本件商標の出願時及び査定時において相応の周知性を獲得していたものと考えられる。 したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標に類似する商標であって、その商品である「紙製おしぼり」及びこれに類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。 3 過去の拒絶事例について 申立人は、片仮名で表した「シルキー」を当時の第19類「紙製手ふき、衛生手ふき(薬品をしみこませたもの)」等につき出願したが(甲11)、商標法第3条第1項第3号に該当するとの理由(甲12)により拒絶査定を受けた。 本件商標は、「SILKY」の欧文字を表示してなるものであり、当該審査例に照らせば本件商標が商標法第3条第1項第3号に該当することは明らかである。 第3 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本件商標は、前記第1のとおり、「SILKY」の文字を横書きしてなるところ、該文字が「絹のような手触りや光沢があるさま。」の意味を有するとしても、申立人の提出に係る証拠をみるに、「SILKY」の文字又はこれに通ずる「Silky」若しくは「シルキー」の文字の使用が確認できるのは、本件商標の指定商品以外の商品に関するものを含めても、甲第2号証ないし甲第10号証のインターネットのウェブサイトの記事6件であるところ(なお、同一の商品について時期の異なる複数の証拠が提出されているもの(甲5及び6、7及び8、9及び10)については、1商品で1件とみた。)、そのうち、「シルキーバック」、「SILKY PAPER」、「シルキー(Silky)平型」又は「シルキータッチ 丸型 エンボスタイプ」という表題で商品が掲載されているもの(甲2、3、5?8)は、当該証拠から直ちにその使用が商品の品質を表示したものとは認められないものであり、また、掲載日が本件商標の登録査定時より前であったことを確認できないものもあり(甲2?4)、その他、本件商標の登録査定時より前の情報といい得る1件の証拠(甲9、10)によっては、本件商標がその登録査定時において商品の品質等を表示するためのものとして、一般に使用されているというには足りない。 以上からすると、申立人の提出に係る証拠によって、本件商標がその登録査定時において商品の品質等を表示するためのものとして一般に使用されているという事実を認めるには、不十分なものといわざるを得ない。 また、当審において職権をもって調査するも、本件商標の登録査定時にその指定商品を取り扱う業界において、「SILKY」の文字(語)が、商品の品質等を直接的に表示するものとして、取引上一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本件商標に接する取引者、需要者が該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。 そうすると、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえないものであり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれがないものというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。 なお、申立人は、過去の拒絶事例を挙げて本件商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨も主張するが、登録出願に係る具体的事案の判断においては、過去の審査例等に拘束されることなく、該出願についての判断時期(査定時又は審決時)において、その判断の対象となる商標が使用される商品に係る取引の実情等を考慮して、個別具体的に判断されるべきものであるから、過去の事例の存在によって、本件商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性の判断が左右されるものではない。 2 商標法第4条第1項第10号該当性について 申立人は、「シルキー(Silky)」等が仮に商標として使用されているとすると、当該商品の販売(甲5?8)によって相応の周知性を獲得していたものと考えられるなどと主張するが、それら商標の具体的な使用状況(例えば、商標の使用数量や広告宣伝の方法、期間など)について把握することができる証拠は何ら提出されておらず、その主張は推測の域を出ないものである。 そうすると、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、「シルキー(Silky)」等が、特定の者(他人)の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないから、商標及び商品の類否について言及するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 3 まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号並びに同法第4条第1項第10号及び同項第16号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
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異議決定日 | 2020-02-25 |
出願番号 | 商願2017-169209(T2017-169209) |
審決分類 |
T
1
651・
255-
Y
(W16)
T 1 651・ 272- Y (W16) T 1 651・ 13- Y (W16) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 豊田 純一、山川 達央、福田 洋子 |
特許庁審判長 |
木村 一弘 |
特許庁審判官 |
板谷 玲子 山田 啓之 |
登録日 | 2019-04-26 |
登録番号 | 商標登録第6141408号(T6141408) |
権利者 | FSX株式会社 |
商標の称呼 | シルキー |
代理人 | 藤本 芳洋 |
代理人 | 広川 浩司 |