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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W20
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W20
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W20
管理番号 1360694 
異議申立番号 異議2019-900045 
総通号数 244 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-04-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-02-04 
確定日 2020-02-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第6095954号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6095954号商標の商標登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件登録第6095954号商標(以下「本件商標」という。)は、「総桐箪笥和光TOTEM」の文字を標準文字で表してなり、平成29年12月12日に登録出願、第20類「桐製のたんす類」を指定商品として、同30年10月11日に登録査定、同年11月9日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由において、引用する登録商標は、次の1ないし8のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
そして、これらの引用商標をまとめていうときは、単に「引用商標」という。1 登録第5585159号商標
商標の構成 和光(標準文字)
指定商品 第6類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 平成24年11月22日
設定登録日 平成25年5月24日
2 登録第5585161号商標
商標の構成 和光(標準文字)
指定商品 第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 平成24年11月22日
設定登録日 平成25年5月24日
3 登録第5586805号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成 和光(標準文字)
指定商品 「家具」を含む第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 平成24年11月22日
設定登録日 平成25年5月31日
4 登録第5586813号商標
商標の構成 和光(標準文字)
指定商品 第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 平成24年11月22日
設定登録日 平成25年5月31日
5 登録第5585184号商標
商標の構成 WAKO(標準文字)
指定商品 第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 平成24年11月22日
設定登録日 平成25年5月24日
6 登録第5585191号商標
商標の構成 WAKO(標準文字)
指定商品 第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 平成24年11月22日
設定登録日 平成25年5月24日
7 登録第5586821号商標
商標の構成 WAKO(標準文字)
指定商品 第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 平成24年11月22日
設定登録日 平成25年5月31日
8 登録第5586827号商標
商標の構成 WAKO(標準文字)
指定商品 第6類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 平成24年11月22日
設定登録日 平成25年5月31日

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第8号、同項第11号及び同項第19号に該当するものであり、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第44号証(枝番号を含む。)を提出した。
以下、証拠の表記に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する。
1 本件商標は、「総桐箪笥和光TOTEM」の文字より構成されるところ、その構成中の「総桐箪笥」の語が、指定商品「桐製のたんす類」との関係から、識別性を有さない語であり、また、「和光」の語が漢字、「TOTEM」の語が欧文字より構成され、常に一体に把握すべき熟語的意味合いが生じるとはみることができない。
そうすると、本件商標は、取引実情、さらに、引用商標「和光」の著名性を考慮するに、「和光」の略称が生じ得るといえる。
そのため、本件商標と引用商標は、「ワコー」の称呼を共通にする類似の商標であり、また、指定商品も互いに類似するものであることから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 本件商標は、その構成中に「和光」の文字を含んでなるが、該「和光」の文字は、申立人「株式会社和光」の略称として長きにわたり使用された結果、取引者及び需要者において申立人の略称として周知又は著名となっている。
そして、商標権者は、申立人の承諾を受けているものではないことから、本件商標は商標法第4条第1項第8号に該当する。
3 引用商標「和光」及び「WAKO」は、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されている。
そして、商標権者は、申立人の高い信用にあやかることを意図しているなど、不正の目的をもって使用していること明らかであるから、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。
4 上述のような不正目的による出願は、その出願の経緯が社会的妥当性を欠くものといえるから、本件商標は商標法第4条第1項第7号にも該当する。

第4 当審における取消理由
当審において、商標権者に対して、「本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は、同項の規定に違反してされたものである。」旨の取消理由を令和元年10月17日付けで通知した。

第5 商標権者の意見
前記第4の取消理由の通知に対し、商標権者は、何ら意見を述べていない。

第6 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標3との類否
ア 本件商標は、前記第1のとおり「総桐箪笥和光TOTEM」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして、本件商標の構成文字「総桐箪笥和光TOTEM」は、文字の種類が異なることから漢字の「総桐箪笥和光」と欧文字の「TOTEM」とからなるものと容易に理解、認識させるものであり、構成上分離して観察されるものである。また、漢字の「総桐箪笥和光」と欧文字の「TOTEM」とは、観念上のつながりもなく、他に両者を常に不可分一体のものとして把握しなければならない特段の事情も見いだせない。
そうすると、本件商標は、「総桐箪笥和光」の漢字部分と「TOTEM」の欧文字部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められない。
また、本件商標の構成中「総桐箪笥和光」の漢字部分については、「総桐箪笥」の文字が本件商標の指定商品「桐製のたんす類」の品質を表示するものといえるため(甲44)、当該部分から出所識別標識としての称呼、観念は生じないものと認められる。
さらに、申立人の提出に係る証拠によれば、「和光」の文字からなる表示は、申立人の営業に係る店舗の名称であり(甲3及び甲6)、当該店舗は、経済産業省から「近代化産業遺産群」に、日本建築士連合会から「東京都ランドマーク」にそれぞれ認定・選定され(甲4及び甲5)、また、多数のテレビ番組において当該店舗又はそこで取り扱う商品が「和光」の表示とともに紹介されていること(甲10、甲12、甲13及び甲15ないし甲26)などが認められることからすると、「和光」の文字からなる表示は、申立人の営業に係る店舗の名称として需要者の間に一定程度認識されているといえる。
そして、本件商標の構成中「総桐箪笥和光」の漢字部分については、前述のとおり、「総桐箪笥」の文字部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないことも踏まえると、申立人の営業に係る店舗の名称として需要者の間に一定程度認識されている表示と共通の文字からなる「和光」の文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。
そうすると、本件商標は、その構成中「和光」の文字部分を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
イ 引用商標3は、前記第2の3のとおり「和光」の漢字を標準文字で表してなるものである。
ウ そこで、本件商標の構成中「和光」の文字部分と引用商標3とを比較すると、両者は、全ての構成文字「和光」を共通にし、いずれも標準文字で表してなるものであるから、同一の構成態様からなるものといえる。
そうすると、本件商標と引用商標3とは、類似する商標というべきである。
(2)本件商標の指定商品と引用商標3の指定商品との類否
本件商標の指定商品は、前記第1のとおり「桐製のたんす類」であり、引用商標3の指定商品は、前記第2の3のとおり「家具」を含むものである。
そして、本件商標の指定商品「桐製のたんす類」は、引用商標3の指定商品に含まれる「家具」の範ちゅうに属する商品である。
そうすると、本件商標の指定商品と引用商標3の指定商品とは、同一又は類似する商品といわなければならない。
(3)小括
以上のとおり、本件商標は、引用商標3と類似する商標であって、引用商標3の指定商品と同一又は類似する商品について使用をするものである。
また、本件商標と引用商標3とが出所の混同を生じないというべき取引の実情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第8号について
前記1(1)アのとおり、「和光」の文字からなる表示が申立人の営業に係る店舗の名称として需要者の間に一定程度認識されているとしても、申立人の提出に係る証拠によっては、「和光」の文字からなる表示が申立人の名称の略称として著名なものとなっているとは認められない。
したがって、たとえ、本件商標の構成中に「和光」の文字が含まれているとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第19号について
前記1(1)アのとおり、「和光」の文字からなる表示が申立人の営業に係る店舗の名称として需要者の間に一定程度認識されているとしても、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標が申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されているとは認められない。また、申立人が提出した証拠からは、本件商標権者が、本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用をするものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第7号について
申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標の出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあるとの事情は認められない。
他に、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものというべき事情も認められない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
5 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第8号及び同項第19号に該当しないとしても、同項第11号に該当するものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項の規定に違反してされたものであり、同法第43条の2第1号に該当するものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲

異議決定日 2019-12-26 
出願番号 商願2017-169425(T2017-169425) 
審決分類 T 1 651・ 262- Z (W20)
T 1 651・ 263- Z (W20)
T 1 651・ 261- Z (W20)
最終処分 取消  
前審関与審査官 田崎 麻理恵 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 木村 一弘
山田 啓之
登録日 2018-11-09 
登録番号 商標登録第6095954号(T6095954) 
権利者 株式会社総桐箪笥和光
商標の称呼 ソーキリタンスワコートテム、ソーキリタンスワコートーテム、ソーキリタンスワコー、ソーキリタンス、ワコー、トテム、トーテム 
代理人 篠田 貴子 
代理人 小野寺 隆 
代理人 林 栄二 

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